シクラメンの名と花言葉
シクラメンの花の名の由来
ソロモン王が花冠に使う花を選ぶ時、上向きだったシクラメンの花びらが、下向きで恥ずかしそうに「私を使ってください」答えた様子が今の姿になりました。そんな奥ゆかしい下向きの姿が由来の、シクラメンの花言葉は「内気・はにかみ・遠慮・気おくれ」になります。
球根が丸いことから円「CIRCLE」が名前の由来になったシクラメンは、下向きの内気そうな姿と花言葉から、秘めた想いを相手に伝える花として、プレゼントに使われるようにもなっているようです。
シクラメンの別名
シクラメンは英名が「CIRCLE」を由来とした「CYCLAMEN」になります。分類はサクラソウ科で、日本では花の姿から別名「かがり火草」または「かがり火花」、球根が豚の餌だったことから「豚の饅頭」というそうです。
球根が由来の別名「豚の饅頭」は少しコミカルな感じですが、「かがり火草」「かがり火花」は赤いシクラメンの花にピッタリです。しかし、かがり火草やかがり火花は、ほかの花の別名にもなっています。
「かがり火草・かがり火花」の由来
シクラメンの別名「かがり火草・かがり火花」は、日本にシクラメンが入ってきたとき、花をみた女性が「かがり火」みたいだ、と言ったことが由来になります。花びらが反り返る様子が、炎のように見えたようです。
日本には「かがり火草」を別名にする花が他にもあり、クチナシやクチナシグサの別名も「かがり火草」になります。シクラメンの別名には「かがり火花」もありますが、かがり火花は「クロッサンドラ」という花の別名にもなります。
球根が由来の別名「豚の饅頭」
シクラメンの別名には球根が由来の「豚の饅頭」というコミカルなものもあります。シクラメンの球根は16世紀ごろ地中海沿岸からアジアにかけて、豚の餌として使われていました。
シクラメンの球根が豚の餌、ということからこの地域では「豚のパン」と呼ばれ、それが日本語に翻訳されるときに別名「豚の饅頭」になったようです。植物では「豚の饅頭」といっても「豚まん」のことではありません。
シクラメンの花言葉
シクラメンは色で花言葉が違う
シクラメンは10月頃から開花がはじまり、冬の間美しい花が咲きます。クリスマスプレゼント、正月の帰省土産、お歳暮にも人気の鉢植えですが、贈る色によって花言葉に違う意味が生まれるので注意しましょう。
シクラメンの花は、下向きな姿から内向きではにかみやというイメージがあります。共通の花言葉もそれにちなんだものです。色による花言葉の違いは、赤は「嫉妬」ピンクは「憧れ」紫は「絆」白は「清純」となります。
シクラメンの花言葉に秘めた想い
シクラメンの花言葉の由来は、下向きの花びらからくる「内気」な性格を表したものです。内気で自分の心をはっきりといえない姿が、内に秘めた「嫉妬」という花言葉になったのではないでしょうか。
人は愛情があるから嫉妬します。本当に愛する人、好きな人だから誰にも触れてほしくない、でもそれを上手に言葉にできない、ということはありませんか。「嫉妬」という怖い花言葉の裏には、愛情ゆえの本気の心という意味が含まれているのかもしれません。
1.赤いシクラメンの花言葉
赤い花びらのシクラメンは凛としてとても美しいです。花言葉は「嫉妬」になります。嫉妬というと、贈られた相手はとてもびっくりするかもしれません。しかし赤は恋人に贈るシクラメンとしてはピッタリです。
嫉妬という少し怖い花言葉が有名ですが、赤いシクラメンの花言葉には、ほかにも「愛情・絆・はにかみ」という花言葉もあります。恋人への愛情と絆を感じるからこそ、嫉妬する気持ちもある、と花言葉に乗せて伝えたいときにおすすめです。
2.ピンク色のシクラメンの花言葉
一番人気のあるピンク色のシクラメンには「はにかみ・内気・憧れ」という花言葉があります。内気な自分を知って欲しいという気持ちと一緒に、好きな人に憧れの気持ちを伝えましょう。
「憧れ」という気持ちを伝えたい、大好きな異性や同性の先輩へのプレゼントにも最適です。シクラメンで最も種類が多いのがピンク色のシクラメンになります。言葉で伝えられないことも、シクラメンの花言葉で添えて憧れの気持ちを贈ってください。
3.青・紫色のシクラメンの花言葉
青や紫のシクラメンの花言葉は「憧れ・絆・遠慮・想いが響き合う・恥ずかしがり屋」といったものです。憧れていた相手、遠慮して想いを口にすることができない相手に贈る花になります。
いつもお世話になっている先輩、大好きだけど上手く言葉に出せない恋人や伴侶など、いつも遠慮して上手くいえない人にプレゼントしてはいかがでしょう。別れ意味する花言葉もあるので、卒業や退職する先輩や同僚に贈る花としてもおすすめです。
4.白いシクラメンの花言葉
白いシクラメンは「清純」を意味します。これはシクラメンだけでなく、いろいろな花の場合も白になると清純で穢れのない言葉を意味することが多いようです。
シクラメンの花は「清純」だけでなく「思いやり・誠実・緻密な判断」という言葉もあります。しかし一方で、「遠慮がち」や「疑いを持つ」という花言葉も、清純だからこそ相手に対して警戒心を持つことを意味する花言葉なのかもしれません。
5.黄色のシクラメンの花言葉
シクラメンの中でも希少な新種、黄色のシクラメンには独自の花言葉がありません。黄色のシクラメンは、シクラメンの花言葉「はにかみ・内気」を表すようです。
黄色のシクラメンは、黄色といってもクリーム色に近く清純なおとなしい色合いになります。そんな花びらの下向きの姿は、シクラメンの花言葉にピッタリです。珍しい色と内気な姿を、プレゼントされたら、ほかの色以上に心に残るかもしれません。
花言葉とは異なるイメージ
寒い季節に人気のシクラメンの花言葉は、由来や下向きな姿などから「内気・はにかみや・清純」といった控えめなイメージです。しかし花の名や鉢植えという、花言葉とは別の意味で、贈る相手を選ぶ花になります。
シクラメンに限らず鉢植えは、根があることから「根付く」が「寝付く」となり病人の見舞いとしては不適格です。さらにシクラメンは花の名前に「シ・ク」が入り「死と苦」を意味するため、贈る相手によっては気をつけてください。
開花までの道のり
シクラメンの開花の季節は10月から4月までになります。真冬の季節に開花する花は数が少なく、シクラメンはクリスマスの時期が最も美しいと、クリスマスプレゼントに利用されることも多い花です。
10月後半になると、多くの生花店でシクラメンの花の鉢植えが並び始めます。シクラメンを育てる農家では、暑い季節はシクラメンの葉を育てるようです。10月を過ぎるとシクラメンの鉢植えを温室に並べ始め、真冬になると店先に鮮やかなシクラメンの花が並びます。
長くシクラメンの花を楽しむ
10月になると次々とシクラメンの蕾を付けた茎が伸びてきます。蕾が多くしっかりしたシクラメンは、次々と新しい花が咲き、初冬から春先まで半年近く開花を楽しむことができる花です。
長く楽しむためには、カーテン越しの日差しが注ぐ暖かい部屋に置き、古く枯れてきた葉や花は根元から摘み取っておきます。すると新しい花芽が出てくるのです。10月から4月まで開花し、花が枯れても、翌年の冬も開花を楽しむことができます。
夏は球根を休ませる
10月の開花まで、シクラメンを長持ちさせる方法には二つあります。一つは葉を茂らせたまま、日当たりや水やりを注意して育てる方法です。しかし、この方法は初心者には難しいため、球根だけにし休眠させる方法をおすすめします。
湿気に弱い球根は、6月以降葉を全てとり日陰に置き、水や肥料をあげずに休ませましょう。8月から9月になったら、球根を新しい土に植え替え、植木鉢の淵から水と肥料を与えて、10月の開花を待ちます。
シクラメンの開花は10月から
シクラメンの生育で重要な時期が、暑い夏の季節と開花が始まる10月です。10月になると朝晩と日中の寒暖差が出て開花が始まります。10月は真冬ほどの寒さはなく、戸外で育てることができる季節です。
10月に入ると夏を越したシクラメンの株から、葉と蕾をつけた茎が伸び開花します。球根の植え替えは9月までに終え、水やりに注意してください。10月になったら半日影におき、霜が降りる前に室内にいれて、冬の間は花を楽うことができます。
シクラメン人気の品種5選
シクラメンには形と色を合わせると、世界中で90種以上あるといいます。分け方もいろいろあり、花の形や色合いで分けるもの、品種で分けるものとさまざまです。品種の分け方は「ピアス」「ヴィクトリア」「パピヨン」「フェアリーバンビ」「メティス」になります。
花の形や色合い、咲き方では「複輪系・覆輪咲」「シャワー系」「ウエーブ系(フリンジ咲・ロココ咲)」「変わり咲(八重咲・パピリオ咲・パーシカム咲・ラッフルド咲)」といった分け方もあるようです。園芸店ではどんどん新しい品種も生まれています。
1.ピアス種のシクラメン
ピアス種のシクラメン「ピアスピンク」は、咲き始めが白い色の花です。しかし徐々に花びらの先がピンク色に染まり、美しい絣のようなグラデーションの色に変化していきます。
花は全て下向きですが、花びらの先がストレートのものと、ひだのようなフリンジ咲、ロココ咲のウエーブ系も増え愛らしい姿が人気の品種です。中には「ストレートピアスオレンジ」といった白とピンク、オレンジが混じり合った品種もあります。
2.ヴィクトリア種のシクラメン
シクラメンの品種の中でも高い人気を誇るのがヴィクトリアです。ヴィクトリアの中にも新しい品種があり、目の部分が赤で花びらが白と赤の覆輪系の「ヴェスタ」は、ボリューム感のある華やかなシクラメンになります。
ビクトリア種にはヴェスタの他に「ビクトリアマーズ」「ビクトリアクラウン」という花もあり、いずれもフリンジ咲が美しい人気の品種です。
3.ウエーブ系のシクラメン
人気のビクトリアもウエーブ系のシクラメンになります。ウエーブ系は花びらにギザギザが入るフリルのようなシクラメンで、フリンジ咲、ロココ咲もウエーブ系になります。
「ウエーブホワイト」や「ウエーブピンク」という単色から、「月のうさぎ」「ピクシードレス」といった複数色のものまで、種類も豊富です。中でも下向きながら、大きな花びらが華やかな「シャイニーピンクウエーブ」や「冬桜カラクレナイ」は人気の品種になります。
4.シャワー系のシクラメン
シャワーと呼ばれるシクラメンには、シャワーシューベルト、シャワーワイン、シャワーレッド、パープルシャワーといった種類があります。シャワー系は絣模様のようなグラデーションが、上に伸びるように見える花です。
中でも花びらの外側に行くほど白くなり、蝶を舞うように見える「パピヨン」は、花びらが下向きに見えず、清純な愛らしさを感じることができます。人気のパピヨンは、プレゼントにも最適な品種です。
5.八重咲のシクラメン
通常はシクラメンの花びらは5枚ですが、その花びらが2倍の10枚になったのが八重咲シリーズになります。八重咲シリーズには突然変異もあり、中には数十枚という花びらを持ったものもあるようです。
花びらの数が多いため、下むきな花びらが上にも向いて、華やかな雰囲気があります。中でも人気の「フラワーバンビ」は花びらが飛び跳ねているように見え、白の清純さの中にも、無邪気さも感じるシクラメンです。
贈り物におすすめのシクラメン3種
シクラメンプレゼントは、花言葉によって相手への気持ちを考え贈ることが大切です。紫のシクラメンの花言葉「絆」は、卒業や退職する先輩へのプレゼントにぴったり、ピンクにも「憧れ」という花言葉があり、大好きな先輩への贈り物におすすめします。
赤いシクラメンは「嫉妬」という花言葉があるため、贈るときは要注意です。赤いシクラメンには「愛情」という意味もあるので、ちゃんと花言葉を添えて恋人へのプレゼントにすると喜ばれるかもしれません。複色系なら、花言葉が気にせずに贈ることもできます。
1.冬の贈り物に「赤と白」の単色系
クリスマスやお正月など冬の季節に人気が高いのが「バラード」「シュトラウス」と白「ホワイト」をアレンジしたギフトです。単色系のシンプルな赤いシクラメンは、クリスマスカラーという意味でも人気が高い品種になります。
中でも「紅白」のシクラメンをアレンジしたギフトは、おめでたいとお正月やお歳暮に喜ばれます。相手が嫉妬や控えめといった恋愛とは無関係なら、花言葉を気にせずプレゼントに利用しましょう。
2.卒業・退職の季節に「セレナーディア」
薄い青紫のセレナーディアには、花びらがストレートの品種と八重の品種があります。どちらもおちついた薄紫の美しいシクラメンです。青や紫の花言葉は「憧れ」そして「絆」になります。
卒業する先輩や退職する上司や仲間、先輩に贈る花としてピッタリ、飛び立つ人へのプレゼントにおすすめです。まっすぐと伸びた花の茎は、下向きな姿の中にも意志の強さを感じることでしょう。
3.初恋の気持ちを込めて「カムリ」
好きな人に花を贈りたい、と思っても寒い季節は生花の数も少なく枯れてしまう心配もあります。そこでピンクのシクラメンはいかがでしょう。憧れやはにかむ気持ちを花言葉に込めて、清純な恋心を伝えてください。
「カムリピンク」はフリンジ咲のシクラメンですが、花びらが5枚の品種のほかに、10枚以上の八重咲の品種もあります。蕾は下向きですが、花びらが開くにつれて徐々に上に向いていく、明るく可愛らしい品種です。
怖くないシクラメンの花言葉
寒い季節に清純な花言葉を添えて
冬を代表するシクラメンは、鉢植えで花が長持ちすることでも人気の植物になります。寒い季節に咲く花の中でも、色鮮やかで品種も豊富、暗い部屋が明るくなります。けして怖い花言葉の意味だけではありません。
豊かな色の中に下向きの清純な姿と花言葉は、奥ゆかしさを「良し」とする日本人好みだったのでしょう。すぐ枯れてしまうのではなく、寒さを一緒に乗り超えるシクラメンは冬の季節にピッタリ、優しい花言葉を添えて贈り物にしてください。
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