はじめに
シクラメンは、冬から早春にお花屋さんに出回る、昔からこの時期に人気のお花です。 冬のお花といえば、鉢花では赤い葉のポインセチアやキャベツのようなかたちの葉ボタン、カラフルな小花のプリムラなどがあります。 その中でも、この季節のメインとなり出回っているのが“シクラメン”です。 今回の【植物図鑑】では、このシクラメンの魅力について詳しくお勉強していきましょう。
シクラメンとは
シクラメンとは、ハート形の葉とフリルレースのような形をしたお花のついた鉢花です。 一重咲きと八重咲きで種類も豊富です。 大きな鉢のものからテーブルサイズのミニ系のものまでサイズは様々あります。 球根植物の多年草です。
シクラメンの科名
科名は、“サクラソウ”科です。 サクラソウは桜によく似た小さな花をつける植物です。
シクラメンの学名
学名は、“Cyclamen persicum”というそうです。
英語では“cyclamen”と表記します。
シクラメンの花名由来
花名は、ギリシャ語の「回転」が語源とされています。 花が咲いたあと、花茎がらせん状に丸まることに由来するそうです。 また、別名“カガリビバナ”とも呼びますが、それは燃えさかる炎のように見えることから日本の植物学者の方が命名したそうです。 ※漢字では“篝火花”と表記します。
シクラメンの花言葉・開花時期
シクラメンの花言葉と開花時期をご紹介します。 花言葉は色によっても異なります。
シクラメンの花言葉
シクラメンの花言葉 【赤花・白花】・・・嫉妬・はにかみ 【ピンク花】・・・恥ずかしがりや
シクラメンの花言葉由来
花弁が反りかえった姿で花を下向きに次々と咲かせることから、下を向いてうつむき、頬を染めて恥ずかしがっているような様子をイメージさせたのかもしれません。
シクラメンの開花時期
シクラメンの開花時期は、１１月～４月といわれています。 原種シクラメンと呼ばれるものは秋、冬、春咲きの種類があり、開花は９月～１０月と２月～４月だそうです。
シクラメンの育て方・栽培方法
シクラメンの育て方と栽培方法を調べていきましょう。
シクラメンの育て方：難易度
難易度は、“初級～中級”です。 球根の植物なので、根腐れしないように水やりの仕方に注意が必要です。 コツをつかめば、毎年花を咲かせられます。 初心者の方も手軽に小さなサイズから育て始めてみてはいかがでしょうか？
シクラメンの育て方：植え付け
半耐寒性の秋植え球根です。 植え付けは９月中～１１月が適しているようです。 ただし、寒さに強いとはいえ関東以北での庭植え（地植え）は難しいとされています。
シクラメンの育て方：種まき
花が咲いたあと、茎元を摘み取らずにそのままにしておくと、“種子”がとれて、それを蒔けば株をふやすことができるそうです。 ただし、種子を作ると株に負担がかかるので次の花が咲きにくくなります。 まずは基本的なお手入れとして花がしぼんだら、すぐに根元から抜くようにしましょう。
シクラメンの育て方：水やり
シクラメンの鉢のほとんどが“底面給水”といって鉢底に水が貯められるようになっています。 球根を水やりで濡らして傷つけてしまわないように、鉢底から水を吸収させます。 水の量は毎日チェックし、減っていればたっぷり補充しましょう。 鉢の中の土の状態によっては吸い上げが弱いこともあるので、１週間に１回ほどは土の上からも水を上げましょう。 水が少ないと、葉がどんどんしおれてきてしまいます。 また、通常の鉢の場合も受け皿に水を多めに張って代用することができますが、土の上からもこまめに水やりが必要です。 球根は湿気にかなり弱いので、土の上からお水をあげる時は、鉢のふちに沿って静かにかけていきましょう。
シクラメンの育て方：肥料
お花の肥料は一般的に液体のものと粒状のものがあります。 シクラメンには粒状の“置き肥”がおすすめです。 土の上に１～２粒置いておくだけで効果があります。 水やりのたびに少しずつ土の中に溶けだすので、濃度の調整をしなくても大丈夫です。
シクラメンの育て方：剪定
花がしおれたり、花びらが落ちたら葉っぱの中から花の茎元を確認します。 その根元を指でひねって引き抜きます。 ハサミを使わずに手で手入れしましょう。 ハサミで切ると切り残しが腐って病気の原因になります。 黒ずんできたり、しおれたり、黄色くなってしまった葉も花と同じように根元から指でひねって引き抜きます。 こまめに花がらを摘み取ることで、もともと元気な部分に負担がかからずに済み、花が咲きやすくなります。
シクラメンの育て方：夏越し
シクラメンを翌年にも咲かせるためには夏越えさせることが必要です。 ●球根のみを休眠させる方法 夏は休眠します。球根が生育しないため、乾燥した状態で風通しの良いところに保管します。 水やりは一切必要ありません。 夏の間の管理場所が繊細なため、夏越しの成功確率は５０％といわれています。 ※葉を残して休眠させない方法もあるようです。 その場合は、半日陰に置いて、水やりをしながら夏越しさせます。
シクラメンの育て方：場所
シクラメンの置き場所は、室内の良く日の当たる窓辺がおすすめです。 ストーブの温風が直接当たる場所や冷たい風が直接当たるような場所は避けましょう。
シクラメンの育て方：寄せ植え
室内で冬のガーデニングを楽しみましょう。 大きめの鉢に寄せ植える際は２～３種類で高さのバランスをみながらの寄せ植えがおすすめです。 アイビーとポインセチアとセットにしたり、ゴールドクレストや葉ボタンとセットにすると季節感がアップします。 また、植え替えなどで根に負担をかけたり、傷つけたりしないように鉢ポットのまま大きめのかごやプランターケースに入れて飾ることもできます。
シクラメンの育て方：植え替え
植え替えは８月末～９月中が良いとされています。
シクラメンの育て方：病気や害虫
気温が低くて湿度が高い時に灰色カビ病が発生することがあります。 また高温で乾燥した時にはシクラメンホコリダ二が発生することがあるようです。 風通しを良くして予防しましょう。 それでも防げない場合は、スプレータイプのお花用の害虫駆除剤を使いましょう。（ホームセンターなどで購入できます。）
シクラメンの特徴
シクラメンの花色はピンクや赤、白をはじめ、紅紫や絞り模様、縁取りのあるものまで豊富です。 花の大きさも大輪種から小輪種までさまざまあります。 年末から年始にかけて、華やかに咲く性質から贈答用にも用いられます。
シクラメンの品種・原種
【シクラメンの品種】 ・鉢花用のもの ・ガーデンシクラメン（比較的寒さに強く、戸外でも栽培できる） ・シクラメン原種のミニ系 品種の名前は“かがりび”、“ゴールデンガール”、“プロローグ”など豊富にあるようです。
シクラメンの原産地
シクラメンの原産地は“地中海沿岸”とされています。
シクラメンの分布域
日本では関東以西の比較的温暖な地域で作られていることが多いようです。
シクラメンのその他おすすめ情報
シクラメンの値段
●シクラメンの値段 ミニ系のものであれば２００～３００円台から販売しています。 花丈が２０センチほどのものであれば５００～６００円台から、それ以上のものは品種によっても異なります。 ２０００～８０００円台まで幅広く販売されているようです。
シクラメンの水耕栽培
水や液体肥料などの液体のみで栽培することもできるようです。 球根を傷つけない水耕栽培用のポットやガラスの容器を用いてみましょう。
シクラメンの香り
日本では「シクラメンのかほり」という歌が流行したこともありますが、 実際には一般的な品種に花の香りはありません。 近年では品種改良で香り付きのシクラメンも研究されて栽培されているそうです。
まとめ
シクラメンの【植物図鑑】はいかがでしたか？ 色とりどりの華やかな鉢花を飾って、冬の室内を見た目から温めてみませんか？ 花姿の美しいシクラメンを気軽に楽しんでみましょう。