はじめに:日本人が好きな朝顔の花言葉の意味
江戸時代に品種改良ブームとなった朝顔
朝顔の歴史は奈良時代といわれています。遣唐使が持ち帰ったものの中に朝顔がありそれが薬草とされたのが最初です。その以前に万葉集にもあさがおという単語は出てくるのですが、これは桔梗の花を指していたというのが現在の定説となっています。
観賞用として朝顔の花が大ブームとなったのが江戸時代のこと。このときに原種朝顔を中心として数多くの美しい朝顔の品種が生まれました。
朝顔のいろいろな花言葉をご紹介
奈良時代に伝わり江戸時代に品種改良され、文字通り花開いた歴史の長い朝顔という植物。多くの日本人の心を動かすこの花には、代表的なポジティブな花言葉だけでなくツル植物特有である少し怖いイメージを連想させる意味も含まれます。
今回は数多い朝顔の花言葉の中から代表・色別・ポジティブ・怖い意味と分けてそれぞれ解説していきます。
花言葉の前に知りたい朝顔の基本情報
朝顔の基本情報
科・属 | ヒルガオ科サツマイモ属 |
原産地 | ネパールから中国にかけてまたは熱帯アジアまたは熱帯アメリカ大陸 |
英語名/学名 | morning-glory/Ipomoea nil(L.) Roth |
栽培難易度 | 簡単 |
朝顔の原産地ははっきりしていない
朝顔は原産地がはっきりとしていない植物です。候補が3つあって中国からネパール地域と熱帯アジア。それに近年熱帯アメリカ大陸ではないかという説があり、どこが原産地と決められずにいます。
朝顔は中国(唐)から伝わった花
中国では朝顔は下剤として使われていて、日本へも中国(当時は唐という国名)から伝わっており、その後もしばらくの間は観賞用の植物ではなく薬用として栽培されていたという歴史があります。現在のじゃがいもは食用ですが昔は観賞用だったという話を思い出させる、面白い植物の経歴ですね。
中国での名前は「牽牛」
中国語で朝顔を書く場合牽牛または牽牛子(けにごし・けんごし)となります。牽牛とはご存知の方も多いかもしれませんが、七夕の伝説に登場する彦星も指す名前です。
もともと牽牛とは牛引き人の意味があり、朝顔にこの名前が付けられたのは朝顔の種は非常に高価だったため、手に入れるには牛を引いていって交換されていたという逸話が名前の由来となっています。
朝顔の見た目の特徴や性質
朝顔はラッパのような形をした花とツルが特徴的な植物です。しかしそれだけでなく朝顔は品種改良の材料としても昔から多く利用されてきました。それが顕著だったのが江戸時代の変化朝顔。
花もラッパの形ではなく花火が開いたようないくつにも別れた花びらで、葉の形も切れ込みが深く入ったものなどさまざまな品種改良がされました。これには朝顔は形が容易に変わりやすいという性質を持っているのが大きく影響しています。
朝顔はさつまいもの花と似ている
朝顔の花の特徴としてさつまいもと似ているというところもあります。観賞用の花といえば、どちらかというと朝顔の花の方が有名でさつまいもが朝顔に似ているといった方が伝わりやすいですが、朝顔はヒルガオ科サツマイモ属。植物分類上ではさつまいもの方が上の分類となっているのが事実です。
朝顔の見ごろの季節・旬の時期
朝顔の開花時期は種まき時期により変わりますが、7-11月頃になるのが一般的で、日本では朝顔は夏をイメージさせる代表的な花です。小学生の頃には朝顔の種まきをして観察日記を書いたという方も多いのではないでしょうか。
夏の暑い日差しの中でセミの声とともにイメージされる花として、文学や音楽の世界でも朝顔はよく登場する、日本人には馴染みの深い花となっています。
朝顔全体の花言葉と色別の花言葉
花言葉にはその花の仲間全体を代表とするものと、色別や本数など特殊な条件下で使える花言葉に分かれているものもあります。朝顔のようなポピュラーで人気が高い花になると、色別の花言葉の意味も贈る場合に使われることも多々ありますが、まずは全体の花言葉の意味から見ていきましょう。
結束という朝顔の花言葉の意味
朝顔の花を贈る場合よく使われる全体の花言葉は結束です。結束の意味はばらばらのものをひとつに取りまとめること。またはまとまりのよい様子を指して結束力があるなどとも使われますね。
クラスやサークルなど人がたくさん集まってひとつの目標に向かって行動する場で、同士となる人に贈る・またはリーダーとなってくれた人に向けてお礼の気持ちを込めて贈るという場合にぴったりな花言葉でしょう。
結束の花言葉の由来は
朝顔の代表的な結束という花言葉の由来は、ツルを這わせて伸びる様子に由来します。朝顔そのものだけでなく、支柱をもその周りに巻き付いて飾り付けていくような咲き方から、この花言葉が付けられたといわれています。
赤い朝顔の花言葉
次に色別の花言葉もご紹介しましょう。まずは赤い朝顔の花言葉から。はかない情熱的な愛という花言葉が付けられているのですが、これは赤という色がイメージする情熱的な愛と朝顔そのものの朝咲いて昼過ぎには閉じてしまうという刹那的な印象が合わさり名付けられた花言葉となっています。
青い朝顔の花言葉
青い朝顔にはふたつの花言葉があって、はかない恋と短い愛です。これは赤と似ていますが意味や由来は同じで朝顔の開花時間の短さからはかないや短いとなり、それに花が愛する人へ贈るものという昔ながらの使われ方から恋や愛に通じる、こちらも複合的な花言葉の付け方となっています。
白い朝顔の花言葉
白い朝顔になると恋愛からは少し離れて、溢れる喜びや固い絆という花言葉に変わります。これは英語の朝顔の名前でもあるmorning gloryという単語の意味に由来していると考えられるでしょう。
より関連が強いのはgloryという単語の方で、これには栄光という意味もありますが(神を)称賛する・(宗教的な)喜びと使われるためです。固い絆は結束とほぼ同じ意味と捉えてよいでしょう。
ピンクの朝顔の花言葉
ピンク色の朝顔に付けられた花言葉は、安らぎに満ち足りた気分というものです。これはピンクという色のイメージから直感的に感じるものをそのまま花言葉にしたもので、優しさやふんわりとした満足感を表しています。
そのほかの朝顔の花言葉【ポジティブ編】
朝顔にはこのほかにもいろいろな花言葉があります。ここでは上ではご紹介していないものの中から、ポジティブなよい意味のある花言葉をピックアップして解説していきましょう。
朝顔の花を贈るときにはポジティブな意味の花言葉は使いやすいですね。ぜひ朝顔の花をプレゼントするときに使ってみてください。
朝顔のポジティブな花言葉1.愛情の絆
朝顔全体に使える花言葉には結束のほかに愛情の絆というものも存在します。愛情の絆は単純に恋愛だけでなく親子や親しい方、異性にこだわらず同性にも使える便利な意味の広い花言葉として汎用性が高いものです。
愛情の絆の花言葉の意味と由来
絆に関しては結束と同じような意味ですが、より精神的に強い繋がりを感じる言葉となっています。贈る人によって結束と愛情の絆を使い分けることができるのも朝顔の花言葉のよいところです。
結束がチームやクラスなどの関係であれば、愛情の絆はより強く切れにくい間柄である親・兄弟・パートナー関係にある人に、贈る場合の朝顔に添える花言葉として利用してみてはいかがでしょうか。
朝顔のポジティブな花言葉2.明日もさわやかに
愛情の絆と打って変わって、ライト感覚で使える花言葉が明日もさわやかにというものです。これは相手を指定せずに誰にでも使えて、相手の方にもあまり深い意味を考えさせずに気楽に受け取ってもらえそうなイメージの言葉となっているのが特徴でしょう。
明日もさわやかにの花言葉の意味と由来
明日もさわやかにというのは、やはり朝顔が朝咲いてあっさりと昼過ぎにはしぼんでしまう気軽さから重々しい雰囲気を感じられないというところから来ています。
例えばちょっとした別れの挨拶としてさようならではなくて、それじゃまたねなどというのと同じです。軽いお礼や挨拶のような意味で朝顔の花を贈る時に添える花言葉として適しているでしょう。
朝顔のポジティブな花言葉3.愛情
花言葉はシンプルなほどいろいろなケースで使いやすいですね。朝顔を贈る際に添えたい花言葉の意味や由来がご自分の気持ちとフィットしない場合は、この愛情という花言葉がよいでしょう。恋愛に対してももっと広い人類・生き物同士などにも便利に活用できる言葉となっています。
愛情の花言葉の意味と由来
朝顔の花に愛情という花言葉が付けられている意味や由来は伝わっていません。これは元々英語のaffectionという花言葉の日本語訳されたものだからです。
あまり深く考えずに、この花は海外でも愛情を伝えるのに贈る花なのだという気持ちで使ってしまってよいでしょう。
そのほかの朝顔の花言葉【怖い花言葉編】
花言葉の意味と由来、最後は贈り物には使いにくい少し怖い言葉をご紹介しましょう。朝顔はツル植物ですがツルのある花や野菜にはこのように少し怖い意味のある花言葉が付いているものが多いです。
あなたに絡みつくという朝顔の花言葉
朝顔のツルが巻き付いて花を咲かせる様子は、結束や絆などというポジティブな単語でも言い換えられていますが、あなたに絡みつくという少しぞっとするような花言葉で表現されることもあります。
あなたを支柱という言葉に置き変えれば、つるが巻き付く様子をあなたに絡みつくとするのは全く間違えではなく、見たそのままを表現した花言葉ともいえるでしょう。
少し怖い朝顔の花言葉の意味と由来
あなたに絡みつくの意味は実は怖い表現ではなく支柱がなくても朝顔の茎やツル同士が絡みついて、太陽のより当たるところへ進んでいくというポジティブな意味合いであるとする説もあるのです。
ぱっと見、とても依存性が高い言葉のようにも受け取れますが、これから高め合っていきましょうという情熱的な言葉と感がれば、そんなに怖いイメージではなくなるでしょう。
花言葉とともに贈りたい朝顔の誕生花
最後になりますが花言葉と一緒に使うと効果がアップすることも多い、朝顔に付けられた誕生花にも触れていきましょう。誕生花も花言葉同様ひとつではなく複数付けられている植物も多いです。
そのほとんどが開花時期に近い日付ですので、花が咲いている時期=プレゼントとして贈る時期とマッチしてメッセージを伝えやすくしてくれています。
朝顔の誕生花は8月1日
朝顔の誕生花としてポピュラーなものは8月1日です。8月1日が誕生日の人に朝顔を贈るとラッキーなことが起こるという意味があります。ちなみに8月1日は花火の日とされていることはご存知でしたか?
変化朝顔には花火のような形で咲くものも珍しくありません。もしそのような朝顔が手に入ったらまさにぴったりな贈り物といえるでしょう。
7月6日と8月6日も誕生花となる
朝顔の誕生花はこのほかには7月6日と8月6日ともされています。この2つの誕生日の方に贈るのにも朝顔はおすすめの花といえるでしょう。日本には朝顔市というものが、いくつかの地域で行われて人気があります。7月6日には入谷の朝顔市がおこなわれる年も少なくありません。
朝顔の誕生花に合わせたイベントで思い出づくり
ちなみに2021年も入谷朝顔市は7月6、7、8日の3日間予定されていましたが、残念ながら2021年は中止になっています。7月6日に開催されている朝顔市があれば、一緒に出かけてそこで気に入った花をプレゼントするというのも、楽しい思い出づくりの一興ですね。
まとめ:朝顔は歴史も花言葉も豊富な植物
たくさんある朝顔の花言葉を使おう
朝顔には少し怖いイメージのある花言葉の意味もありましたが、ほとんどはポジティブで使いやすいものが多いものでした。朝顔という花も市が立つほど人気が高くカラーも咲き方もいろいろあり、仕立て方で雰囲気も変わる植物です。
育てるのも簡単ですので自分で育てておしゃれにラッピングして贈るのもよいでしょう。朝顔の花をプレゼントするときには、あなたの気持ちにあった花言葉とともに贈ることをおすすめします。
花言葉が気になる方はこちらもチェック
今回は朝顔という植物に付けられたさまざまな花言葉を詳しくご紹介してきましたが、暮らしーののガーデニングカテゴリにはこのほかに意味をしぼっていろいろな花を紹介しているものもあります。こちらも使いやすい花言葉記事となっていますので是非ご利用くださいね。
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