栗の食べ方を知りたい!
秋が深まると共にお店に登場することが多くなる栗ですが、皮付きのままだと「どういった食べ方をすればよいのだろう」と迷ってしまうことがあるのではないでしょうか。基本的な食べ方を知らないと、せっかくの栗が無駄になってしまう可能性があります。
ほくほくな栗の食べ方をチェックしよう
本記事では、栗を美味しくいただきたい時におすすめの食べ方をご紹介します。プロが実践する茹で方や蒸し方の他に、渋皮煮にする食べ方など、バリエーション豊かな食べ方を集めました。
いろいろな食べ方をチェックしておけば、栗の美味しさを余すことなくいただけます。また、初心者でも基本を押さえておけば、短時間で調理できるのも嬉しいポイント。簡単な方法で栗を調理して、秋の味覚を堪能していきましょう。
美味しい栗の食べ方:茹で方&蒸し方編
皮付きの栗を手に入れた際にまずチェックしておきたいのが、基本の茹で方と蒸し方です。皮を剥がす作業はとても時間がかかるので、皮のまま茹でたり、蒸したりする食べ方がおすすめ。そのまま栗の中身を取り出す食べ方なら、初心者でも簡単に調理できるので挑戦してみましょう。
栗の茹で方
まずは、基本的な茹で方からご紹介します。茹でるための特別なテクニックは必要ではないので、料理初心者でも気軽にチャレンジできるのが嬉しいポイント。茹でる時間は少しかかりますが、その分だけ美味しい食べ方ができるので、ぜひやってみましょう。
鍋に栗・水・塩を入れて加熱
まずは、全ての栗が入る大きさの鍋を準備します。栗を入れた後に、全体がかぶるくらいの水を注ぎましょう。注ぐ時に、大体どのくらいの分量の水が入ったのか確認します。水の分量によって入れる塩の分量が変わるので、忘れないようにするのがポイント。
水の分量が2Lだった場合は、塩は大さじ2入れるのが基本です。水の分量に合わせて、塩を入れたら、全体をしっかりと混ぜ合わせます。塩が水に馴染むように混ぜ合わせたら、加熱スタートしてください。
中火で時間をかけて加熱する
加熱をする時に意識しておきたいのが、中火を使い、時間をかけて沸騰させるということです。じっくりと時間をかけることによって、栗に含まれるデンプンの甘みが増して、ほくほくとした食感に仕上がります。
短時間で一気に沸騰させようとすると、デンプンの甘みが十分に引き出せなくなるので、注意が必要です。少し時間はかかりますが、その分だけ美味しい食べ方ができると考えて、強火ではなく中火で加熱するように意識してみてください。
30分ほど茹でる
沸騰してきたら、火加減を調整して弱火にします。全体がフツフツと静かに湧き立つような状態を保ちながら、30分ほど加熱しましょう。もし、大きなサイズの栗を加熱するのであれば、45分ほど加熱する食べ方がおすすめです。
加熱時間が短いと内部までしっかりと火が通らず、甘みも減ってしまうので気を付けてください。基本の時間を守りつつ、内部まで火が通るように加熱するのが美味しく食べるための調理のポイントです。
お湯の中でしばらく置いておく
十分な時間が経過したら、火を止めます。ここで注意しておきたいのが、すぐにお湯を捨てない、ということです。すぐにお湯を捨てると水分が蒸発して、パサパサとした食感になる可能性があります。
ほくほく&しっとりとした食感に仕上げるためには、お湯の中に入れたまま置いておきましょう。また、お湯の中には塩も入っているので、放置している間に塩味も入り込んでいきます。適度な塩味と甘みが相まって、ワンランク上の味わいを楽しめるのがポイントです。
熱が冷めたら完成
お湯の中に手を入れた時に熱さを感じないくらいの温度まで下がったら、栗をザルにあげます。軽く水気を拭き取ったら、完成。そのまま食べる場合は包丁で半分にカットして、スプーンですくいとる食べ方がおすすめです。
調理に使うなら包丁で皮を剥く
調理用に丸のままの栗を使いたい時は、包丁を使って皮を剥く方法があります。包丁でお尻の部分に切れ込みを入れましょう。尖った先端部分に向けて包丁を動かし、上の皮を剥がします。続いて、澁皮に包丁をひっかけて剥がしたら完了です。
皮を剥いた後は、煮物や炒め物、スイーツ作りなど、いろいろな食べ方ができます。好みの食べ方で、栗を楽しんでください。
栗の蒸し方
茹でる食べ方以外におすすめしたいのが、蒸す方法です。お湯を使わずに時間をかけて蒸すことで、さらに甘みを引き出せると言われています。茹でるよりも加熱時間はかかりますが、その分だけ美味しい食べ方ができるのが嬉しいポイントです。基本の方法を学んで、調理してみましょう。
栗を蒸し器に入れる
軽く水洗いをしたら、蒸し器の中に栗をセットします。蒸し器の種類は、どのようなものでも構いません。準備が終わったら、加熱をスタートさせます。茹でる時と同じように、時間をかけてお湯を沸騰させるようにしましょう。
蒸し器がない時はフライパンで代用
もし蒸し器がない場合は、フライパンに水を注ぎ、耐熱容器を乗せます。耐熱容器の上に栗を並べて蓋をすれば、簡易的な蒸し器の完成。わざわざ蒸し器を購入するのが面倒、という方は取り入れてみてください。
ここで注意しておきたいのが、必ず耐熱容器を使用する、ということです。耐熱性ではない容器を使用すると、加熱中に割れてしまう可能性があります。安全に加熱をするためにも、容器の素材を確認しておきましょう。
50分ほど加熱する
沸騰が始まったら火を弱めて、50分ほど加熱します。大きな栗の場合は、1時間ほど加熱しましょう。長時間加熱するので、途中でお湯がなくなっていないか確認することが大切です。
お湯がなくなっているのに気づかず加熱し続けると、空焚きの状態になります。火事の原因になることもあるので、お湯が少なくなってきた段階で必ず足すようにしてください。あらかじめ沸かしておいたお湯を使えば、蒸し器内の温度が下がる心配をせずに済みます。
冷めるまで待って完成
加熱が終わったら火を止めて、蒸し器に入れたまま冷めるまで待ちます。手で触れるくらいまで冷めたら、完成です。茹でた時と同じような食べ方で、いただきましょう。
半分に割ってスプーンですくってもよいですし、皮を剥いて調理に活用するのもおすすめです。好みの食べ方で、いただいてみてください。
美味しい栗の食べ方:渋皮煮編
茹でたり、蒸したりするのに慣れてきたら、渋皮煮にする食べ方にもチャレンジしてみませんか?加熱する前に皮を剥く手間がありますが、手間をかけた分だけ、美味しい味わいに仕上げられます。基本の方法を学んで、チャレンジしていきましょう。
栗を半日水につける
そのまま栗の皮を剥くのは難しいので、まずは水につけてふやかしておきます。全体がかぶるくらいの水の中に入れて、半日ほど待ちましょう。半日待てない、という場合はお湯の中に入れる方法もあります。お湯を使えば、3時間ほどで皮がふやけるので、好みの方法を取り入れてください。
皮を剥く
十分に皮が柔らかくなったら、剥いていきます。栗のお尻の方に包丁を入れ、そっと皮を剥がしていきましょう。力を入れすぎると渋皮まで剥がれてしまうので注意が必要です。
皮を剥く作業は慣れていないと時間がかかることがありますが、この一手間によって美味しい食べ方ができるので、頑張ってみてください。全て剥けたら、加熱の準備に入ります。
重曹入りのお湯で茹でる
1kgの栗に対して小さじ2の重曹を準備します。栗を鍋に入れたら、全体がかぶるくらいまで水を入れて、重曹を溶かし入れましょう。加熱をして沸騰したら弱火にし、10〜15分ほど茹でます。お湯が黒くなったら捨てて、再び栗を鍋に戻してください。
水と重曹を鍋に加え、同じように加熱します。10〜15分ほど加熱してお湯を捨てたら、今度は重曹を入れずに茹でるのがポイントです。10〜15分ほど加熱してお湯を捨てる、という作業を5回ほど繰り返します。
砂糖入りのお湯で加熱
お湯が黒く濁らなくなったら、次の工程に入ります。大きな筋が残っている場合は、この段階で取り除いておきましょう。包丁を使えば、簡単に取り除けます。栗を鍋に入れたら全体がかぶるくらいの水を入れ、1kgに対して250gの砂糖を加えてください。加熱をスタートし、沸騰したら弱火に落とします。
しっかり煮詰めて完成
水分が2/3くらいになった後に、250gの砂糖を追加。さらに煮詰め、水分が1/5になったら火を止め、冷ましたら完成です。そのまま食べたり、スイーツに入れたり、いろいろな食べ方を楽しんでみてください。
食べ方いろいろ!栗レシピ3選:食事編
続いては、いろいろな食べ方ができるおすすめレシピをご紹介します。煮物や炒め物など、バリエーション豊かな食べ方でいただいてみませんか?身近な材料で作れる簡単レシピを紹介するので、お好みの食べ方を楽しんでいきましょう。
レシピ①:栗と鶏肉の煮物
鶏肉と合わせて煮物にすると、こっくりとした深みのある味わいに。ほくほくとした食感はそのままに、鶏の旨味が栗の中に染み込みます。ご飯と相性バッチリなおかずを作りたい時におすすめの食べ方なので、ぜひ作ってみましょう。
栗400〜500g
胡麻油大さじ1
生姜(細かく切る)1片
鶏肉200g
水200cc
醤油大さじ2〜3
酒大さじ2
砂糖大さじ1
オイスターソース小さじ1〜2
おすすめの食べ方
鶏肉は、食べやすい大きさにカットしておきます。フライパンにごま油をしいたら、生姜と鶏肉を入れて炒めてください。鶏肉の色が変わってきた頃に、栗を追加します。全体に味が馴染むように炒め合わせ、水・醤油・酒・砂糖・オイスターソースを加えましょう。
煮汁が沸騰したら蓋をして、15分ほど加熱します。蓋を外して強火にし、水気を飛ばしながら煮詰めたら完成。焦げ付かないように、フライパンを回しながら煮詰めるのがポイントです。
レシピ②:豚肉と栗のマスタード炒め
ボリューム感のあるおかずを作りたい時におすすめの食べ方です。栗は豚肉との相性もバッチリ。粒マスタードを使うことによって、こってり感がありながらもさっぱりとした味わいに仕上げられます。
冷めても美味しいレシピなので、お弁当のおかずに使用するのにもおすすめです。常備菜としてストックしておけば、一品足りない時にすぐに使えます。
豚肉160g
しめじ1パック
栗200gくらい(正味130g)
油小さじ2
おろしにんにく小さじ1
塩こしょう適宜
料理酒大さじ1
しょうゆ大さじ1
はちみつ小さじ2
粒マスタード小さじ2
おすすめの食べ方
豚肉は食べやすい大きさにカットし、しめじは石突きを取ってほぐしておきます。フライパンに油をしいたら、ニンニクと豚肉を入れて加熱しましょう。豚肉の色が変わったらフライパンの端に寄せて、しめじを加えます。
しめじがクッタリとした後に、料理酒・醤油・はちみつ・粒マスタードを入れ、栗も追加してください。全体に調味料が馴染むように炒め合わせたら完成です。
レシピ③:栗と三つ葉のかき揚げ
生のままの栗を活用するなら、揚げ物にする食べ方がおすすめです。生のまま揚げることで、ほくほく感と甘みを楽しめます。エビや三つ葉といった身近な材料を使って、本格的なかき揚げ作りにチャレンジしてみましょう。
生むき栗(冷凍は自然解凍)15個位
レモン果汁(栗アク止め用)1/4個
むき海老20尾
三つ葉1束
塩、こしょう少々
薄力粉小さじ2
米粉大さじ1
卵M1個
揚げ油フライパンに3cmの深さ
おすすめの食べ方
栗は皮を剥いて食べやすい大きさにカットし、レモン果汁を振りかけておきます。エビは片栗粉をまぶしてから水洗いし、三つ葉はざく切りにしておきましょう。ボウルに栗・海老・三つ葉を入れて、塩胡椒を振りかけます。
薄力粉と米粉を加えて軽く混ぜ合わせたら、溶き卵を加えてください。全体が馴染んだら、具材をお玉の上に乗せて、揚げ油の中に入れます。全体がカリッとするまで揚げて、完成です。
食べ方いろいろ!栗レシピ3選:スイーツ編
渋皮煮にした場合は、スイーツに活用する食べ方がおすすめです。渋皮煮さえあれば簡単にできるスイーツのレシピを集めたので、ぜひチャレンジしてみましょう。自分用はもちろんのこと、ちょっとしたプレゼントとしても喜んでもらえるのではないでしょうか。
レシピ①:栗のパウンドケーキ
渋皮煮の甘味を活かした食べ方ができるレシピです。甘味づけには渋皮煮を作った時のシロップを使うので、栗の風味をたっぷり感じられるのが魅力。しっとりとした生地と栗のほくほく感が絶妙にマッチします。ホイップクリームを添えるなど、お好みの食べ方で楽しんでみてください。
A薄力粉100g
A塩少々
Aベーキングパウダー3g
(A砂糖 お好みで30g)
B卵2個
B栗の渋皮煮シロップ100g
Bオリーブオイル100g
刻んだナッツお好みで
刻んだ栗の渋皮煮5個
おすすめの食べ方
卵と栗の渋皮煮のシロップ、オリーブオイルをボウルの中に入れて混ぜ合わせます。薄力粉・塩・ベーキングパウダーをふるいにかけながら、ボウルに入れましょう。ヘラを使ってさっくりと混ぜ合わせたら生地の完成です。
オイルを塗った型に生地の半量を流し入れたら、刻んでおいた渋皮煮を乗せます。残りの生地を流し入れ、刻んだナッツをトッピングしてください。180度のオーブンで25分ほど焼いたら完成です。
レシピ②:栗のチーズケーキ
クリームチーズの滑らかさと、栗のほくほく感の両方を堪能できる食べ方です。三温糖を使うことで、優しい甘みに仕上げるのがポイント。チーズケーキ好きならぜひ試しておきたい食べ方なので、チャレンジしてみましょう。
卵L2個
雪印クリームチーズ300g
三温糖70g
小麦粉大さじ1
雪印純生クリーム200
栗の渋皮煮13個
飾り用栗の渋皮煮6個
栗の渋皮煮の煮汁適量
おすすめの食べ方
常温に戻したクリームチーズと三温糖を練り混ぜます。三温糖がクリームチーズになじんだ段階で、少しずつ溶き卵を加えてください。一気に溶き卵を入れると分離するので、3回に分けて入れるのがポイントです。
小麦粉を入れてしっかり混ぜた後、生クリームを加えます。クッキングペーパーを敷いた型の中に、渋皮煮を並べましょう。生地を流し入れ、230度のオーブンで20分焼きます。200度に落とし、10分ほど焼いたら完成です。
レシピ③:マロンパイ
簡単ながらも本格的な味わいを楽しめることで人気を集めている食べ方です。揃える材料も少なくて済むので、気軽にスイーツ作りを楽しみたい時にいかがでしょうか。熱々をいただく食べ方だけでなく、冷めた後でも十分に美味しく食べられるのが魅力です。
パイシート(10cm×18cm)3枚
栗の渋皮煮6個
餡120g
卵1個
水大さじ1/2
おすすめの食べ方
パイシートを伸ばし、6等分にします。マフィン型にパイシートを敷いたら、餡を入れてください。餡の上から渋皮煮を乗せ、パイシートで包みます。ハケを使い、溶き卵をパイシートの上に塗りましょう。200度に余熱したオーブンで25〜30分ほど焼いたら完成です。
食べ方にこだわって栗をいただこう!
基本の調理方法を覚えておけば、栗はいろいろな食べ方ができます。シンプルに茹でただけの食べ方でもよいですし、渋皮煮にしてスイーツに活用する食べ方もおすすめ。バリエーション豊かな食べ方で、栗の美味しさを堪能できます。
調理の際には、基本の方法を覚えておくことが大切なポイントです。基本を押さえておけば初心者でも簡単に調理できるので、ぜひチャレンジしてみましょう。今回ご紹介した食べ方で、ぜひ栗を味わってみてください。
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