はじめに：砂壁を壁紙リフォームする方法は
砂壁の壁紙リフォームは状態によって変える
和室の壁に使われる砂壁。雰囲気があり和室に使うのにはマッチしておりよいのですが、和室を洋室としてリフォームしたい時にはこの砂壁をどうするか悩む方も多い場所です。
砂壁の壁紙クロス貼りリフォームは通り一遍の方法ではなく、砂壁の現状に合わせてやり方を変える必要が出てきます。
砂壁への簡単な壁紙クロスの貼り方を2種類解説！
下地さえ出来てしまえば壁紙貼りのコツは、砂壁でも板でもクロスの上への張り替えでも一緒となります。ただし砂壁への壁紙クロス貼り前の下地づくり作業は業者さんや劣化具合によってさまざまです。
今回はその中でも比較的状態のよい場合と、壁を壊すほどではないが壁のはがれが気になる状態の家庭でDIYでできる2通りの方法についての、壁下地の作り方の簡単な方法をレクチャーいたします。
壁紙を貼る前に砂壁の基礎知識を知る
砂壁とはどんな壁のことか
日本間によくある砂壁は、土壁や漆喰の壁と同様に素材を塗って作る壁の作り方です。漆喰は石灰岩を粉にしたものと水(と接着剤)と素材そのものが違いますが、土壁との違いは基本的な壁の作り方が違うだけで原料そのものはあまり変わりがありません。
砂壁を作る材料と作業工程
材料は似ているが基本的な作り方が違う土壁と砂壁
まずはわかりやすくするために、土壁と砂壁の違いをご説明しましょう。土壁は柱の間に竹や木材などで網状に基礎を作りベースから土を塗り固めて作る壁のことで、砂壁は基礎には板が貼られた壁でそこに表面に飾りと快適さを求める目的で砂を混ぜた壁材を塗って作る壁のことです。
砂壁は細かい粒子ときれいな色で高級感がある壁として人気だった
砂壁は土と比べると色も豊富で細かい粒子が詰まって固まるため、見栄えもよい装飾としての役割りが高い塗り壁という位置づけでした。日本家屋において、茶室や来客用の普段はあまり使わない家の中でもちょっとよい部屋に好んで使われるのが砂壁です。
砂壁のメリットとデメリット
古い日本家屋や和室に使われる砂壁ですが、メリットは見た目が綺麗ということ。それだけでなく砂をはじめとする塗り壁は湿気の多い日本の気候にマッチする呼吸する素材としても好まれ使われてきた素材です。
一方塗り壁全体のデメリットとして乾燥するまでに非常に時間がかかり、経年劣化によりひびわれや剥がれ・砂や土などが畳の上にこぼれて掃除が大変というものが一般的にあげられます。
砂壁の壁紙リフォームは意外と簡単
新しいうちは見た目がきれいで和の雰囲気が素敵な砂壁ですが、古くなってくると掃除面などが大変になりリフォームしたいという方もいらっしゃいます。塗り壁は表面がザラザラとしていたり剥がれ落ちる心配もあるので、壁紙を直接貼るのは難しいと思われがちです。
しかし、いざやってみると塗り壁の剥がれ落ち防止シーラーなどの薬剤が市販品で出回っているためDIYでも意外と簡単に壁紙を貼ることができます。
DIYで状態のよい砂壁を壁紙に変える方法
砂壁を壁紙にするリフォーム方法は下地の作り方でいくつか方法があります。ここでは比較的簡単でDIYでも作業しやすい方法として、直接壁紙を貼る方法と新たに壁を作ってその上に壁紙を貼る方法の二通りを解説していきましょう。まずは程度のよい砂壁向きな直接壁紙を貼るやり方から御覧ください。
程度のよい砂壁への壁紙貼りの方法1.
まずは柱やたたみを養生するところからはじめる
壁紙を砂壁にそのまま貼る場合は柱や床を養生するところから始めましょう。砂壁の表面を定着させる薬剤を塗ったり場合によっては隙間をパテ埋め作業するからです。
柱や木枠の養生にはマスキングテープを畳の汚れ防止にはシートを敷いて固定するようにします。はじめからマスキングテープにシートが付いているものがありますので、これらを利用すると簡単に養生できておすすめです。
程度のよい砂壁への壁紙貼りの方法2.
直接貼るにはシーラーで砂壁を固めつつ汚れ浮きを抑える
砂壁にそのまま直接壁紙を貼ると表面の砂が落ちるのと同時に壁紙も剥がれてきてしまいます。まずはシーラーという薬剤で砂壁を固めそれと同時に表面に砂壁の中の汚れや木材に含まれるヤニ成分が表面に浮いてこないようにするのが大切です。
シーラー選びは液体やスプレーを広さによって選択する
シーラーにも複数種類があって、液体状のものを刷毛やローラーで塗布するタイプとスプレーで吹き付けるタイプが一般的です。選び方は砂壁の面積で決めるとよいでしょう。
砂壁が1面だけなど少ない場合は手間がかからず少しの量に対応しやすいスプレー式を。部屋が広く壁紙を貼る砂壁部分が多い場合は、スプレーではコスパの悪さが目立ってしまうため液体のシーラーをローラーを使って塗るとよいです。
程度のよい砂壁への壁紙貼りの方法2.
砂壁の下地調整のやり方はシールパテを使う方法で
砂壁は乾燥すると柱との間に隙間ができる場合もあります。また傷ついて穴やひび割れが目立つ箇所の下地調整方法としてシールパテを使って平らにしてから壁紙を貼るようにしてください。
これは必ずシーラーがしっかりと乾燥してからするのが大切なポイントです。またパテを塗ったあとはサンドペーパーなどで凹凸を削り取る作業も重要になってきます。
程度のよい砂壁への壁紙貼りの方法3.
下地ができたら壁紙クロスを貼る
砂壁も状態がよくシーラーでしっかりと固めれば直接壁紙を貼ることが可能です。パテ埋めまで済ませて乾燥させればいよいよ壁紙貼り作業をはじめられます。
壁紙はシールタイプ・のりを使う・水を吹きかけて貼れるものなどお好みで。どの場合でも貼る面積よりも大きめにカットしてのりも全面に塗布するのがきれいに仕上げるポイントです！
壁紙は中央から外側に向けて空気を抜きカッターで仕上げる
砂壁にきちんと下地を作っておけば、壁紙を貼る作業は砂壁でもクロスの張り替えでも同じです。砂壁に限定することではありませんが、少しだけ壁紙貼りのコツ・ポイントを解説しましょう。
先程ののりを全面に塗布するのもコツですが、中央から外側に向けてへらやスポンジなどで空気を抜いていくと、ぴんと張ったきれいな壁紙貼りができます。最後に金属のものさしなどを当ててまっすぐに枠に合わせてカッターで切って仕上げてください。
DIYで劣化した砂壁を壁紙に変える方法
砂壁でも劣化がひどくて壁全体が浮いてきてしまっていたり、パテで補修するにも範囲が広い場合は以下のような方法が有効です。板で砂壁を覆ってしまう砂壁の壁紙貼り下地の作り方を解説します。
劣化した砂壁への壁紙貼りの方法1.
板を貼るにもシーラーは塗っておいた方がいい
板を打ち付け新たに壁を作って壁紙を貼る方法でも、可能な限りシーラーを塗って砂壁のはがれを予防した方があとあと作業がしやすくなります。板を貼るのだからと砂壁をそのままでDIY作業をはじめられる方を見かけますが、下地の下地・基礎となる部分をしっかりと作ってから作業をはじめるのがおすすめです。
シーラーはしっかり均一にでも厚塗りにならないようにするのがコツ
シーラーの塗り方は直接貼るときと同じで、スプレーか液体を刷毛やローラーで薬剤を全面に塗布します。
このときしっかり乾燥させる必要があるため、あまり厚塗りにしないでしかし全体に均一に薬剤が染み込むようにする必要があるでしょう。前日に塗って一晩たった頃に乾いている程度の厚みで塗るのが理想的です。
劣化した砂壁への壁紙貼りの方法2.
砂壁の上にベニヤ板を貼って壁紙の下地にする
シーラーが乾いたらベニヤ板などの合板を貼っていきます。このやり方も柱から柱の間の砂壁の部分に貼る方法と、柱よりも奥まっている砂壁の部分にベニヤを打ち付ける用の板を取り付け柱部分も含め全体を板で多い壁にするやり方が一般的です。
難易度的には新たな板壁を作るよりも砂壁部分だけを板で覆う方が作業行程も少なく簡単となります。
ベニヤ板の貼り方ときれいな下地づくり
砂壁のはがれ防止のシーラーを塗って乾かしたあとにベニヤ板を貼ります。砂壁にビスを打つと壁ごと穴が空いて滑落してしまうことがあるので、柱や上下の木枠部分に細い釘などで打ち付けるのがおすすめです！柱や木枠部分との隙間が気になる場合はこちらにもパテを使うとよいでしょう。
劣化した砂壁への壁紙貼りの方法3.
下地ができたら壁紙を貼って仕上げる
ベニヤや石膏ボードなどを砂壁部分に貼って隙間などをシールパテ埋めしたら下地づくりは完成です。ここから壁紙貼り作業は砂壁の上から貼る方法と同様に壁紙をきれいに貼るDIY方法に準拠します。
やり方のコツは直接貼る章でご紹介しましたので、こちらではそのほかの気をつけるポイントを解説しましょう。まずはよく切れるカッターを使うこと・柄がある場合は通常よりも大きめに余裕を持って壁紙を準備・柄を合わせてカットすることが必要です。
砂壁の壁紙リフォームに必要なおすすめ材料
最後に、比較的よい状態の砂壁でも劣化してベニヤを貼らなくてはいけないような場合でも、どちらでもあるとよい準備しておきたいおすすめ材料をご紹介します。
壁紙を貼る前の下地づくりは砂壁DIYの場合とても重要です。しっかりと砂壁を固めやにや汚れの浮きを押さえ穴を塞いで、フラットな状態にしてから壁紙貼りDIY作業にかかるのが理想です。
砂壁の壁紙リフォーム材料1.
砂壁の劣化の種類に関係なく壁紙貼りに下地シーラーは必要
壁紙下地シーラー：アサヒペン
出典:Amazon砂壁は色のついた砂を粘り気のある素材と混ぜて壁材としたものです。元が砂なので強くこすったりするとぼろぼろと落ちてきてしまいます。
それを防止する役割りと、経年劣化によって染み込んだ汚れや下地木材のやにが壁紙表面に浮いてこないようカバーするのがシーラーという薬品です。どのような場合でも砂壁に壁紙を貼るDIYには必至となる下地処理剤として用意しておきます。
砂壁の壁紙リフォーム材料2.
直接貼る場合もパテ埋めはしておいて安心！きれいに仕上がる
ヤヨイ化学 シールパテ
出典:Amazon劣化により落ちている部分が目立つ砂壁だけでなく、比較的新し目な砂壁でもへこみや傷・穴などがある場合や外枠部分に亀裂などがある時はその部分をパテで埋めてたいらにしないと壁紙はきれいに貼れません。
とくに塗り壁においては乾燥して枠近くに隙間ができることも少なくありませんので、必要になる下地・補修材となっています。
砂壁の壁紙リフォーム材料3.
養生はどのようなDIYでも必要不可欠！
布コロナマスカーテープ 1100mm×25m
出典:楽天砂壁に壁紙を貼る作業をしているときに、床やたたみ・柱が汚れてしまうのを防ぐためにはしっかりと養生することが必須となります。柱の場合は幅広のマスキングテープでもよいですが、床や畳はマスキングテープにビニールシートが付いていて広い範囲を簡単に養生できる、こちらの商品が人気も高くおすすめです！
まとめ：DIYで砂壁を壁紙に変えよう
砂壁の悩みを壁紙で解消！
砂壁は日本間によくあう壁材として昔から愛用されてきた壁のひとつです。呼吸する素材であることからメリットもたくさんあるのですが、古くなると砂が落ちて掃除が大変・生活スタイルに合わせて和室から洋室にリフォームしたい場合には砂壁をクロスに張り替える必要も出てきます。
壁の状態を見て適切な作業を
まだ新しめの砂壁の場合はシーラーで直接壁紙を貼ることが可能ですので、可能な場合はこちらが簡単でおすすめ！古くて壁自体がボロボロならば一度シーラーで固めたあとに新しい壁を作りその上から壁紙を貼るとよいでしょう。
DIYしたい壁の状態や分譲か賃貸かなどの違いによって、壁紙下地の作り方を選択し作業を進めるのがポイントです！
砂壁が気になる方はこちらもチェック
暮らしーのではこのほかにも和室の砂壁リフォーム方法についての解説記事をご用意しています。おすすめ壁紙クロスや壁紙を貼る以外の漆喰を塗る・塗装で仕上げるといった方法も気になる方はこちらもぜひ見てくださいね！
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出典：https://photo-ac.com/