乾燥きくらげ
きくらげ栽培
きくらげには女性にうれしい栄養素がいっぱい!
きくらげは、キクラゲ科のきのこ類です。三大栄養素の中では炭水化物に分類される食物繊維が非常に多く、ビタミンやミネラル類などの栄養素も多く含まれ、カロリーも低く、女性にうれしい効能が期待できます。このため、きくらげは非常に人気が高い食材です。今回はそんな人気のきくらげの栄養についてご紹介します。上手に摂り入れるための方法などもぜひ参考にしてみてください。
乾燥きくらげとゆできくらげのちがいで栄養価が異なる
乾燥きくらげ
本稿で取り扱うきくらげの栄養素は、文部科学省が公表している日本食品氷人成分表における数値を参考にしています。この成分表では、きくらげはきのこ類に分類され、きくらげは乾燥きくらげとゆできくらげの2項目を見つけることが可能です。
両者はともにきくらげではあるものの、栄養価が異なり、当然、乾燥きくらげの方が栄養価が高く表示されています。このため、本稿できくらげの具体的な栄養価を示す際は、乾燥きくらげかゆできくらげかを明示しますので確認してください。
きくらげのカロリーはどれぐらい?
日本食品標準成分表のきくらげ類の項目には、あらげきくらげ、きくらげ、しろきくらげと、3種類のきくらげの成分が掲載されています。あらげきくらげのカロリーは、乾燥きくらげで171kcal、ゆでたきくらげが35kcal、油でいためたきくらげが107kcalとなっています。
きくらげは乾燥きくらげで167kcal、ゆでたきくらげで13kcal、しろきくらげは乾燥きくらげで162kcal、ゆでた状態で14kcalです。
栄養豊富なきくらげとは?
きくらげは木に生えるクラゲ
きくらげは、キクラゲ科のきのこの仲間です。きくらげの名は、木に生えるクラゲのような食感が楽しめる食材という意味ですが、きくらげの属名はユダヤ人の耳を意味し、日本語でもきくらげを漢字で書くと木耳となります。
なお、きくらげのことを沖縄本島ではみみぐいと呼ぶなど、「耳」と関連づけられた名称が存在します。不規則な形で、耳のような姿とも見える食材です。
きくらげは家庭で栽培することも可能
きくらげ栽培
きくらげは家庭で栽培することも可能です。きくらげを栽培するには、日光が当たらない湿度の高い場所が必要で、通常の植物の栽培よりもむずかしく、手がかかります。しかし、きくらげを栽培していただくというのも実に楽しいものです。うまくいけば、夏の間、ずっと手をかけて育てたきくらげをいただくことができます。
また、子どもがいらっしゃる家庭では、夏の自由研究のテーマにもなるため、一石二鳥です。興味のある方はぜひ挑戦してみましょう。
きくらげの旬は夏で国内でも生産されている
きくらげがスーパーに出回るのは春から秋にかけてです。旬の時期はいつかというと6月から9月の夏で、雨が降ると生えてきます。
また、生産地について、日本では中国産のきくらげが圧倒的に多く輸入されています。しかし、国内でも生産されていて、2020年に生産量が多かったのは、宮城県、岐阜県、鳥取県、茨城県です。産地が気になる方は製品を購入する前に確認しましょう。
乾燥きくらげは水で戻した方がいい
きくらげの栄養価は、ゆできくらげよりも乾燥きくらげのほうが桁が異なるほど高いです。したがって、きくらげを料理で使う際、乾燥きくらげを購入し、栄養や風味を逃がさないように、冷水で6時間ほどつけておくのがよいとされています。湯で戻すと、栄養が逃げやすく、弾力感がなくなってしまうこともあるようです。
きくらげを料理に使う日の前日の夜、水に入れたきくらげを冷蔵庫に入れておけば、気軽に利用することが可能ですので、上手に摂取していきましょう。
きくらげに含まれる7つの代表的な栄養素
成分表に分類されているきくらげいは、あらげきくらげ、きくらげ、しろきくらげです。ただし、あらげきくらげときくらげは、厳密に区別されていないことも多く、一般的に流通されているのはあらげきくらげであるということから、本稿ではきくらげの項目で最初に書かれているあらげきくらげを参考にします。
①食物繊維【腸内環境を整える効果・効能】
きくらげが含んでいる三大栄養素では、炭水化物の中でも食物繊維が圧倒的です。乾燥きくらげでは、100gのきくらげに73.1gもの不溶性食物繊維が含まれていて、きのこ類では群を抜いています。
不溶性食物繊維とは、体内で水分を吸収しながら膨らみ、腸の蠕動運動を促して便秘などの症状を改善する働きがあります。便秘に悩んでいらっしゃる方、腸内環境をよくしたい方は、積極的にきくらげを摂取することで効果が期待できます。
②カリウム【高血圧などの予防の効果・効能】
きくらげに多く含まれる栄養素の中で、比較的多いのがミネラル類のカリウムです。カリウムとは塩分であるナトリウムと拮抗する栄養素で、体内で細胞の浸透圧を維持し、血圧を調整することで、体内の状態を一定にするのに働きます。このため、高血圧といった生活習慣病の方は、積極的に摂取したい栄養成分です。
なお、カリウムは熱や水に弱い成分ですので、ゆで汁も料理に利用する摂取方法がおすすめです。ラーメンの具やスープなどにきくらげを利用しましょう。
③カルシウム【骨や歯を強くする効果・効能】
きくらげに含まれるカルシウムは、特筆するべき栄養素のひとつです。カルシウムは、骨や歯の素になる栄養素で、健康的な体を作るために必要な成分となっています。現代の食生活では不足しがちな栄養素としても数えられるため、積極的に摂りたい栄養素です。
なお、きくらげに含まれるカルシウム量は、乾燥あらげきくらげ82mg、乾燥きくらげに310mg、乾燥しろきくらげに240mgと、きのこ類のなかでダントツです。きくらげはさまざまな料理に摂り入れたい食材といえます。
④マグネシウム【血液と骨に働く補酵素としての効果・効能】
きくらげに含まれるマグネシウムも、非常に多く特筆するべき栄養素です。マグネシウムは、カルシウムと関わって、骨や歯の形成を助ける働きがあるほか、体内で多くの酵素の働きを助け、正常にエネルギーが生産され、血液循環を保つ働きを助けます。
きくらげに含まれるマグネシウムは、乾燥あらげきくらげで110mg、乾燥きくらげで210gです。ほかのきのこ類にはこれほど多く含まれてはいません。マグネシウムもきくらげを特徴づける栄養分です。
⑤鉄【赤血球を構成し血液の健康に働く効果・効能】
鉄分はおもに赤血球をつくるのに必要とされる栄養素で、きくらげにはほかのきのこ類と比較すると、格段に多く含まれています。乾燥きくらげでは35mgですが、乾燥しいたけでは1.7mgしか含まれていません。
鉄分は、月経などによって女性には不足しがちな栄養素です。女性で貧血気味の方は、鉄分の栄養が少ないのが原因かもしれません。なお、貧血は子宮筋腫などの女性特有の病気が引き起こすいち症状でもありますので、心配な方は念のため検査することをおすすめします。
⑥ビタミンD【カルシウムの吸収を助け骨や筋肉を強化する効果・効能】
きくらげを代表する栄養素のひとつがビタミンDです。ビタミンDは、カルシウムの吸収を促し、骨を強くするほか、筋肉を強化する効果が期待できる成分となっています。ビタミンDを多く含んでいるのは魚類で、サケやイワシ、サンマなどが代表的ですが、きのこ類では乾燥きくらげが群を抜いてトップです。
なお、ビタミンDは日光に当たることで皮膚でも作られる栄養素ですが、冬など日照時間が短いと不足してしまいます。
⑦ビオチン【補酵素として働き皮膚や粘膜に働く効果・効能】
ビオチンとはビタミンB群の一種で、三大栄養素の代謝の際、酵素の働きを助ける補酵素としての働きがあるほか、皮膚や粘膜などの健康に働く栄養素です。この微量ビタミンが多く含まれているのは乾燥しろきくらげで、乾燥まいたけに次ぐ含有量があります。
ビオチンが不足すると、皮膚などにトラブルが生じるほか、疲れや吐き気、筋肉痛やけいれんなどの症状が現れることもあります。
きくらげの栄養素から期待できる4つの効能とは?
①腸内環境をよくして便秘を解消
きくらげに含まれる豊富な食物繊維は、腸を刺激して蠕動運動を促す不溶性の食物繊維です。また、この食物繊維にはβグルカンが豊富に含まれていて、βグルカンも腸内の遺物などを排除して腸内の環境を整える働きがあります。このため、便秘を改善し、また、便秘を予防する効果や効能が期待できるのです。
②血流がよくなってイキイキとする
きくらげに含まれている栄養成分には、赤血球を構成する非常に豊富な鉄分や、血液の循環を正常に保つマグネシウムがあります。血液に働く栄養成分によって、きくらげは、貧血や高血圧といった症状を予防することが可能です。血液の流れがよくなると、健康的でイキイキとしてきます。
③骨粗しょう症を予防して健康をめざす
きくらげには、骨に働く栄養成分が豊富に含まれています。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける栄養素で、骨粗しょう症などの予防にも働く成分です。また、きくらげには、骨や歯の素になるカルシウムも多く含まれています。成長期の子どもにとっても重要な栄養が豊富です。
④皮膚の健康を導いて美容に貢献
きくらげには、腸内環境を整え、血流を改善する働きがあります。こうした作用に加え、きくらげには、三大栄養素の代謝にかかわり、皮膚や粘膜の健康を導くビオチンも含まれており、美容やアンチエイジングの強い味方だということも可能です。
とくに、ビオチンが多く含まれているのはしろきくらげで、中医学では古くから美容効果が期待できる食品として扱われています。
きくらげの栄養素を発揮させる5つの摂取方法
①ビタミンDはカルシウムといっしょに摂取する
キクラゲに含まれる特筆するべき栄養成分のひとつであるビタミンDは、カルシウムの吸収を促す働きがあるビタミンです。このため、カルシウムといっしょに摂取することで、その働きが相乗効果を生み出します。
カルシウムが豊富に含まれている食品は、牛乳やチーズといった乳製品、魚類、豆腐などの大豆製品、モロヘイヤや小松菜などの野菜類、わかめや昆布といった海藻類などです。
②油で炒めるとビタミンDの吸収率がアップする
きくらげに多く含まれるビタミンDは脂溶性のビタミンです。このため、きくらげは油を使って炒めることで、その栄養価が吸収されやすくなります。
きくらげを野菜やたまごなどと炒めるほか、天ぷらにするなどの調理方法もおいしくいただけます。ラーメンなどに添える際も、軽く油で炒めるようにしたいです。
③鉄分はビタミンCと摂取すると吸収率が上がる
きくらげに豊富に含まれる鉄分は、ビタミンCといっしょに摂取することで、吸収率を高めることが可能です。ビタミンCが多い食品といえば、果物類や野菜類が挙げられます。
果物類は、白キクラゲといっしょに使えばスイーツメニューが作れます。また、ピーマン、ブロッコリー、キャベツなどのビタミンCが豊富な野菜類は、いっしょに炒め物にするなど、さまざまなメニューを作ることが可能です。
④ビオチンはビタミンBといっしょに摂取した方がいい
きくらげに含まれる水溶性ビタミンのビオチンは、ビタミンB群の仲間です。このため、ビオチンを効率的に摂取するには、ビタミンB1、ビタミンB2など、ほかのビタミンB群を一緒に摂るとよいといわれています。
ビタミンB群といえば肉類などが挙げられます。ビオチンは水溶性ですが、肉の炒め物に添えるほか、肉を使ったスープとして利用する方法もおすすめです。
⑤食べ過ぎないようにすることも大切
きくらげには、非常に多くの食物繊維が含まれています。食物繊維は腸内環境を整え、便秘などの症状を改善する働きのある栄養素です。このため、きくらげを食べすぎると、腸が活発になりすぎて、下痢などの症状を引き起こすこともあります。きくらげは食べ過ぎないようにすることも大切です。
きくらげの栄養でイキイキと健康に!
きくらげは、栄養豊富な人気の食材です。整腸作用で便秘などの症状が解消され、骨や血液に働き、健康的な生理機能を期待することができます。また、さまざまな料理に添えて利用することができるため、調理のアクセントに使いやすい食品です。積極的に使って健康的になりましょう。
きのこのレシピが気になる方はこちらもチェック!
今回は、きくらげの栄養成分についてご紹介しましたが、きくらげ以外のきのこ類を使ったレシピなどについて知りたいという方は、こちらの記事も参考になるはずです。ぜひチェックしてみてください。

きのこの常備菜おすすめレシピ7選!簡単で作り置きにも人気な作り方をご紹介!
今回は価格が安定していていつでも使いやすいきのこを使った簡単常備菜のレシピを紹介していきます。干しきのこなどは少々高価ですが、生きのこはとて...

きのこを使った人気レシピ10選!作り置きの常備菜にも最適な料理もご紹介!
えのき、しいたけ、舞茸…きのこは種類も豊富で安い!通年スーパーで買うことができる便利さも人気の食材です。カロリーも低くてダイエットが気になる...