はじめに:チューリップのプランター栽培
プランターでチューリップ畑を作ろう
チューリップを手軽にプランターで栽培しましょう。チューリップだけでもほかの同じくらいの開花時期の花々と寄せ植えにしても、かわいらしく形が整うため初心者の方にもおすすめの春の花です。
豊富な花色の中からお好きな色を選んでプランターに植え付けるだけ。あとは水切れに注意しながらお世話をしていければ、暖かくなるころにはカラフルな花を咲かせてくれます。
プランターで簡単!チューリップの球根栽培
今回は春の花として子供から大人まで知名度も高く、ブーケや鉢植えとして贈り物にも人気のチューリップのプランター栽培をわかりやすく解説していきます。
開花時期に合わせた植え付けタイミングと水やりに気をつければ初心者の方でもきれいにチューリップの花を咲かせることができるでしょう。
育て方の前に知りたいチューリップのこと
チューリップの花を育てる前に、その基本情報や性質・花の特長や開花時期・花言葉を知りましょう。栽培の参考になるだけでなく、プレゼントとして自分で育てたチューリップを贈りたいというときにも役立つヒントとなります。
チューリップの基本情報
科・属 | ユリ科チューリップ属 |
原産地 | トルコ |
英語名/学名 | Tulip/Tulipa gesneriana |
育て方難易度 | 簡単 |
チューリップの特長や性質
チューリップの見た目は1本の茎の先に一輪大きな花を咲かせます。球根は3cm程度と小さめで野菜のにんにくのような形をしている植物。
花色が豊富でお好みの色を選んでたくさん植え付けシックなプランターを楽しんだり、いろいろなカラーをランダムに植えてPOPでカラフルな鉢植えにすることも可能です。
手間がかからない球根植物
チューリップの性質は寒さにあたることで大きく生長します。あたたかい室内などではあっという間に花が散ってしまうので、開花後にもできるだけ涼しいところに置くことが花を長持ちさせるコツです。
チューリップの特長がよくわかる昔話
チューリップ栽培といえばオランダの広大な畑が有名ですね。オランダの国を支える産業のひとつとなっています。そんなチューリップと縁の深いオランダには次のような昔話が伝わっているのをご存知でしょうか。チューリップの特長をとてもよく表している昔話です。
かわいらしい少女が変身した花
むかしとてもかわいらしい少女がいました。あまりのかわいらしさに騎士たちは彼女に王冠・剣・金銀財宝を贈り毎日誰が彼女の気持ちをゲットできるか競っていました。
そんな騎士たちのアプローチに困ってしまった少女は花の女神に頼んで花に姿を変えました。少女は王冠のような花・剣のような葉・黄金の球根を持ったチューリップになったという昔話です。
チューリップの開花時期や花言葉
チューリップの開花時期は
チューリップは春先の球根植物。しかし4月上旬から5月下旬まで大きく3つに分かれて開花時期を迎えます。
球根を買う時にはこの開花時期(早生や晩生など球根に表記されている場合も)をチェックして、複数個植え付ける場合は花の時期を揃えたり逆に少しずつずらして長く愉しむなど、工夫すると素敵なプランターが作れるでしょう。
チューリップの花言葉は「思いやり」
思いやりという花言葉はチューリップの色に関係なくどのチューリップにも使われるものです。赤は愛の告白・ピンクは愛の芽生え・白は失われた愛と花色それぞれでも花言葉が付けられているところから、切り花として花束用に流通している植物の中ではポピュラーで、人気が高いものであるというのが伺えます。
チューリップのプランターに必要なもの
チューリップの基本情報や昔話・花言葉はいかがでしたでしょうか。よりチューリップという花を身近に感じることができたのではありませんか。ここでは栽培をはじめるために、まず用意するものをご紹介します。
チューリップの球根
チューリップの球根はバラと複数個セットになった状態で売られています。植え付け時期前の夏の終わりころから秋が市場に出回るころ。あまり小さな球根は十分に花が咲く栄養が溜まっていない可能性があるので、できればそれらは避けましょう。
大きく重さもある程度あり、触れてみるとみっちりと詰まっている感じの球根を選びます。バラ売りの球根には花色を表すテープが巻かれていますので、それを参考に色を選んでください。
プランター
プランターは四角いもの丸いものいろいろありますが、花の色やユリ型・八重咲きなど咲き方に合ったものを選ぶとより一層素敵な鉢植えができるでしょう。
一般的には球根2-3個ほどの株間を開けて植え付けるのがよいといわれていますので、プランターを先に選んでそのあとそこを埋める球根を選択すると無駄な個数を買ってしまったり、数が足りなくてプランターが寂しいということを避けられます。
土
球根自体に栄養が蓄えられていますが、土は養分が含まれているものがおすすめ。市販の培養土で元肥入りのものを選ぶとよいでょう。球根用の土というものを使えば、さらにチューリップのプランター栽培に適しているのでおすすめです。
鉢底石
水はけがよくないと球根が腐ってしまいます。プランターは深めのものを選んで必ず下に鉢底石を入れるようにしてください。
石は特に何を使ってもよいですが、プランターの場所を移動させるのには軽いものを選ぶのがコツ。プランターの半分くらいが埋まる量(5リットルプランターなら2-3リットル)を用意しましょう。
園芸用ツールなど
このほか使うのは土などをプランターに入れるためのスコップ・水やりのためのジョウロ類・肌の弱い方は土いじりを素手でやると肌荒れしますので園芸用グローブ・衣類を汚れからガードするエプロンなど気分を楽しくしてくれる園芸用ツールもあるとよいですね。
冬の水やりは?チューリップのプランター栽培
それでは早速チューリップのプランター栽培の方法を解説していきましょう。まずは一般的な植え付けのやり方です。草丈が高く伸び大きな花が咲きやすいのがこの植え方の特長となっています。球根とチューリップの持つポテンシャルを最大限に伸ばしたい方におすすめの栽培方法です。
チューリップのプランター栽培1.
チューリップが好む日あたり
チューリップは冬の寒さによって生長します。屋内の温かい場所ではなくしっかりと屋外で管理した方が春になってからすくすくと大きく育つところが見られて楽しいですよ。
それでも日あたりは大切。日かげではいくら涼しいところでも苗が大きく生長しません。明るくて冬の寒さをしっかり球根に体験させてあげられる場所を選んでプランターを置いてください。
チューリップのプランター栽培2.
プランターの植え付け準備
それではまずは用意したプランターに植え付ける準備をしていきましょう。鉢底の真ん中に大きく穴が空いているだけのタイプであれば、まずは鉢底網を設置してその上に鉢底石を敷いていきます。
鉢底石の量はプランターの1/4から1/3程度。これは水はけをよくしてくれるので、チューリップの球根を育てる場合にはプランターには必ず入れてください。
はじめに入れる土の量
鉢底石が敷けたらその上に先程用意した培養土を入れていきます。この時はじめに入れる土の量はプランターの高さの半分くらいを目安にしてください。
土を入れるときは袋から直にプランターに注いでもよいですが、その後移植ゴテなどで平らにならしておくことで、球根を平均的に植え付けることができ開花時期が揃うでしょう。
チューリップのプランター栽培3.
開花向きが整う!きれいな球根の並べ方
植え付けるときにチューリップの球根の向きを揃えることで、葉の向きも揃い葉と葉が重なることなくどの苗にも日が当たりやすくなるのでぜひやっておきましょう。
やり方は簡単で球根の平らな方を目安にしてその面を同じ向きに揃えるだけです。チューリップを整列させて花姿を整えたいという方は、とくにこの球根の向きに気をつけてください。
球根を並べる間隔は3個分
チューリップの生育に適した十分な間隔は球根の3個分の株間と言われています。苗同士の距離が近いと日あたりのむらが出来てしまって、花の大きさや草丈も変わってきます。
この植え方を逆手にとったコンパクトな植え方もありますので、この後そちらの植え付け方も簡単にご説明します。
チューリップのプランター栽培4.
球根を植え付ける深さ
球根を並べたら上に土をかぶせて埋めていきます。一般的には5cmほど球根の上に土を入れるといわれていますが、プランターの深さによってはこの深さにすると根を張る場所が少なくなってしまいます。
プランターで育てる場合は絶対に5cmにこだわらず、プランターの深さを見てやや浅植えにするか決めましょう。
チューリップのプランター栽培5.
チューリップの水やり
チューリップをプランターで育てる場合は水やりは大切です。地植えであれば雨が振れば水やりをする手間も不用になりますが、プランターの場合土が乾くのが早く雨を待っていられません。
土が乾燥したらたっぷりと水をあげてください。特に芽が出るまで水やりを忘れがちなので、水のやりすぎには注意し乾いたらあげるを守りましょう。
チューリップの球根は肥料が必要か?
培養土は元肥用であることが必須です。もし元肥を忘れた場合は緩効性肥料を株元に置いておきましょう。約1ヶ月ほどで肥料分が切れますので、その後は水溶性肥料を月に2-3回与えるか、同様に緩効性肥料を株元に月1回くらいの割合で交換するかのどちらかで与えてください。
花を詰むまで肥料は続ける
肥料は絶対に与えなくてはいけないわけではありません。球根の栄養だけで水栽培でも開花しますので、肥料をあげるかあげないかは選ぶことができるでしょう。
ただし肥料やりをしている人も時期は開花している間まで。花を摘んだあとは肥料は絶対にあげないでください。
チューリップのプランター栽培6.
翌年のために球根を育てる
先程も花を詰んだ後というご説明をしましたが、花が終わってきたら早めに花を摘んで球根を太らせます。花の見ごろの判断は花びらの張りがなくなりしわしわになる・花びらが落ちるなど見た目でわかります。
こうなったら花のみを手で手折り、茎と葉だけにします。茎も球根の生長に必要なのでできるだけ残しておくようにしてください。ハサミを使わなくても手で折ることができますが、心配なら清潔な剪定バサミを使って花のみを剪定しましょう。
コンパクトに育てるチューリップのプランター栽培
最後になりますが草丈も低くカラフルな鉢植えの作り方をご紹介しましょう。今までの育て方をやったことがある方なら、とても簡単に作ることができる小さめなカラフルチューリッププランターの方法です。
チューリップをコンパクトに育てるコツ
球根をやや密に植え付けることで草丈があまり高く育ちません。このことを利用して、小さなカラフルなチューリップをひとつの鉢で楽しめる、コンパクトな植え付け方を試してみましょう。
小さなチューリップの育て方1.
プランターの大きさと目安の個数
通常球根の3個分のすき間が必要な植え付け。この育て方ではだいたい球根1個分の間隔をもって植え付けしていきます。おおよその目安として8号の丸い鉢であれば10玉程度。65cmの長い四角いプランターであれば20玉は植え付けることができるでしょう。
小さなチューリップの育て方2.
咲き方がきれいな球根の並べ方のコツ
このとき同じカラーのものばかりを密で植え付けるのもよいですが、色を替えるなら隣り合った場所に同じ色が並ばないようにするのが見栄えをよくするコツです。
小さなチューリップの育て方3.
水やりなどは同じ育て方で
コンパクトな育て方は植え付け方法を変えるだけです。水やりや肥料は一般的な方法とまったく同じ。ただし狭いプランター内でたくさんの球根を育てるため、翌年以降花が咲きにくくなります。
続けたい場合はまた球根を購入して、新たなプランター植えのチューリップを栽培してください。
まとめ:チューリップをプランターで育てる
チューリップのプランター栽培のコツ
チューリップは草丈が揃いやすいため、プランターなどに並べて植え付けると簡単におしゃれなガーデニングが楽しめる植物です。プランターは四角いものだけでなく丸形や足が付いているおしゃれなものなどお好みで選べば、簡単に素敵なチューリップの寄せ植えを作ることができます。
通常の植え方だけでなくコンパクトにカラフルなチューリッププランターを作れる方法も、是非試してみてくださいね。
チューリップが気になる方はこちらもチェック
暮らしーのではプランター栽培以外でも、このほかにもたくさんのチューリップの育て方記事をご用意しています。チューリップのプランター以外での育て方でわからないことがあったら、こちらの記事も是非参考にしてみてくださいね。

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出典:https://photo-ac.com/