常備野菜の長ネギを栽培
秋冬が旬の野菜といえば白菜や大根、長ネギなどです。家庭菜園で簡単に野菜を作りたい人におすすめしたいものはたくさんありますが、中でも長ネギは鍋や麺類、味噌汁とたくさんの料理で使うことができます。
常備野菜としてほしい長ネギが、いつでも収穫できると便利です。庭やベランダのプランターに長ネギがあると、いろいろなレシピで役立てることができます。長ネギは冬は鍋に、夏は素麺の薬味にと一年中楽しめる野菜です。
常備野菜の長ネギをプランターで栽培
長ネギを家庭菜園で育てる時、レクリエーション農園などを借りて畑に植えて育てる育て方と、プランターで育てる育て方があります。畑に植える場合は種まきの2週間前から苦土石灰を施すなど、土づくりから始めましょう。
プランターで育てる場合は、ホームセンターなどで購入できる野菜用培養土を使って栽培します。常備野菜の長ネギをプランターを使うと、マンション暮らしでも簡単に育てることができますよ。
長ネギ栽培に用意するもの
長ネギを栽培するプランター
長ネギは成長に合わせて盛り土をします。しかしプランターいっぱいに土を入れてあるのに、盛り土をしたら大変です。プランターで長ネギを育てるときは、最初の土を少な目にするのがコツになります。
ネギは土で覆った部分が白くなるため、白い部分を長くするためには、成長に合わせて土を増やしていきます。月に1回、増し土をし土寄せをするため、30㎝以上の深さがあるプランターを用意しましょう。
長ネギ栽培におすすめのプランター
プランターはネギの白い部分が土に隠れる深さが必要です。土を増やしやすい48L以上の、丈夫で深いものを用意しましょう。プランターには家庭菜園用の野菜栽培用プランターがあります。
耐久性が高く深さがあるため、家庭菜園の長ネギ栽培にピッタリです。普通のプランターでも栽培できますが、長ネギ栽培初心者の人には増し土に対応しやすい、野菜栽培用プランターをおすすめします。
長ネギ栽培におすすめの培養土
長ネギは春に種をまき夏に苗を植えて、寒くなると成長し冬に収穫します。栽培用の土は一年を通してPh6.0~6.5の弱酸性にしましょう。一般的な野菜用培養土で大丈夫です。
途中で追肥と増し土もしますので、初めはプランターの底から3~5㎝くらいの深さまで土を入れます。芽が出て伸びてきたら、成長に合わせて増し土をしましょう。
長ネギ栽培の肥料
プランター栽培でも肥料を用意しましょう。種をまいて芽が出たら液体肥料を水で薄めて、週に1回くらいの割合で追肥します。じょうろの水に混ぜると簡単に追肥できます。
植え替えた後は、1か月前後の間隔でパラパラと追肥してあげてください。最初の収穫をしたあとにも追肥をします。肥料は植え替えや、プランターの増し土のタイミングで施すといいかもしれません。
ペットボトルでも栽培できる
マンションのベランダで栽培する時は、プランターを用意しなくても2Lのおおきなペットボトルで育てることができます。育て方はプランターとほぼ同じですが、水はけを考えて底に穴をあけるのがコツです。
初心者でも場所がない狭い空間でも栽培できるのが、ペットボトルの長ネギ栽培になります。太いネギは無理でも、小ネギなら簡単に栽培できるので楽しみです。
プランターを使った長ネギの育て方
プランターで長ネギを育てる時、種からまく育て方と、苗からの育て方があります。種からの育て方では、苗が育ったら植え替えをする方法です。ネギによっては、成長に従って、その後も植え替えが必要なものもあります。今回は、種から育てる栽培方法をご紹介しましょう。
長ネギの種まき
長ネギの種まきの時期は3~4月の春になります。長ネギの種を巻くときは、長さを確保するためにプランターに底石を使いません。直接プランターに野菜栽培用の土を入れましょう。
種まきのときは土の深さを3㎝くらいにし、深さ1㎝くらいの溝をつけます。種まきのコツは溝をつけたら1㎝くらいの間隔をあけて種を並べるように筋まきをすることです。最後に軽く土で覆い、たっぷりと水をあげましょう。
種の発芽まで覆う
プランターは日当たりがいいところに置きますが、日があたりすぎて土が乾くと発芽が悪くなるため新聞紙や不織布、藁で表面を覆うという育て方もあります。苗が育つに合わせて増し土をして土で覆っていきましょう。
頻繁に目をかけられるプランターの場合は、土の表面が乾かないように注意すれば必要ありません。土を乾燥させないコツは新聞紙でプランターを覆うだけと、難しいことではありません。
苗の間引き
芽が出てきたら1㎝間隔で出てきた芽を、3㎝間隔になるくらいに間引きをします。さらに、苗が5㎝くらいに育ったら、混雑した場所の間引きをしましょう。丈夫な苗を残すコツは、色が薄く軸が細いものを間引くことです。
2週間に1回の割合で追肥をして、増し土と土寄せをします。増し土の時パラパラと追肥をしましょう。丈が30㎝くらいになったら、他のプランターを用意し植え替えをしましょう。間引いた葉は食べることができます。
苗の植え付け
芽が出て丈が30㎝くらいになったら、プランターをもう一つ用意して苗を植え替えます。苗からの育て方を選ぶ人はここから参考にしてください。苗から植える人は6月から8月の間に植え付けをします。
苗をポットから出して1本ずつ分けておきます。プランターに高さ半分くらいの土を入れて溝を掘ります。5㎝くらいあけ苗を1本ずつ植え付けましょう。倒れないよう周囲に土を盛り、藁で表面を覆うのがコツです。
長ネギ栽培の水やり
長ネギは水はけのよい土壌を好みます。そこで土の表面が乾く寸前のタイミングで水やりをするのがコツです。水はじょうろで、たっぷりあげましょう。
気をつけるのは夏場の水やりになります。水蒸気で土の中の温度と湿気が上がると、根腐れを起こしてしまうことがあるようです。そこで、真夏は早朝の涼しい時間に水やりをするのが大切なコツになります。
長ネギ栽培の病気と害虫
長ネギは暑い夏の根腐れの他に、べと病、さび病という病気になることがあります。べと病は残暑のころに、さび病は初夏の5~6月と秋冬の10~12月に発生しやすいようです。
また、乾燥しているとアブラムシが発生することもありますので、適宜薬剤を散布してあげましょう。ネギの表面は薬剤がつきにくいので「展着剤」を使うのがコツです。
長ネギの収穫
根深ネギは白い部分が長くなったら、スコップを使って土を崩し、必要な分だけを収穫しましょう。葉ネギは葉の部分が50㎝くらいになったら収穫します。
葉ネギは根元を残して、園芸用ハサミなどで切り取るのがコツです。根を残しておくと新しい芽が出てきて、再度ネギを収穫することができます。
小ネギの育て方をご紹介
小ネギは万能ネギとも呼ばれ、地方によって仙台ネギや博多ネギなど7種類のネギがあります。細ネギ、万能ネギとも呼ばれる小ネギは青ネギが若いうちに収穫したもので、根元から緑色をしているのが特徴です。小ネギは葉ネギの小型なものといってもいいでしょう。
小ネギ栽培におすすめのプランター
小ネギは普通のプランターで育てることもできますし、ペットボトルでも簡単に育てることができます。2Lのペットボトルを利用する時は、水はけがいいように、底に穴をあけておくことがコツです。
小ネギは夏は蕎麦や素麺、かつおのたたきなどにも利用することができる常備野菜になります。初心者でも育て方が簡単なので、長ネギを育てる前にまず挑戦してほしい野菜です。
小ネギ栽培の土や肥料
小ネギの育て方は、ほぼ長ネギと同じです。水はけがよく日当たりのよいところで、ph6~6.5の土で育てましょう。プランターで育てる時の土は、市販の培養土を使いましょう。
土から作るときは、赤玉土と腐葉土、バーミキュライトを、およそ7対3対1くらいの割合で混ぜてください。そこに石灰と化学肥料をそれぞれ土に対して10%の割合で混ぜるのがコツです。土はプランターの10㎝くらいの深さまで入れましょう。
小ネギ・ワケギ・アサツキの育て方
小ネギの種まき
育て方はほぼ長ネギと同じで、日当たりがよく水はけのよい場所で育てます。小ネギの種まきは、春まきと夏まきがあり、真夏と秋冬の2回収穫することができます。
小ネギ栽培のときは、プランターに底石を敷きましょう。底石がある方が水はけがよくなります。土を入れたら、1㎝くらいの深さの溝を掘り筋まきをしましょう。水をたくさんあげて、発芽までは新聞紙などで遮光してください。
小ネギの水やり
小ネギは苗の植え替えをする必要がありません。芽が20㎝くらいまで伸びるまで、たくさん水やりをしてください。20㎝くらいになったら、土が乾燥するくらいまで水やりをしないのがコツです。
真夏は日中を避けて、早朝、または夕方に水やりをしましょう。冬は土の底5㎝くらいまでに水が残っていれば充分なので、ほとんど水やりをすることはありません。初心者でも枯らす心配が少ない野菜です。
小ネギの収穫
小ネギは植え替えや、苗の植え付けをする必要がありません。混雑してるくらいでも大丈夫です。50㎝くらいになったら、葉ネギと同じように根元を残して刈り取ってください。
初心者は園芸用ハサミで切り取っても大丈夫です。残った根からまた新し芽が出て、何度も食べて楽しむことができます。発芽すれば、それ以外では水はけと風通しだけ気をつければ簡単に育つ野菜です。
アサツキ・ワケギの育て方
小ネギと同じような用途で使われますが、ワケギやアサツキと小ネギは違う種類になります。アサツキはネギ科ですが、ラッキョウなどに似た品種になり、ワケギは玉ねぎと長ネギの雑種で種ではなく球根です。
種類は違いますが、育て方は小ネギとほぼ同じ。ワケギやアサツキも、初心者が簡単に栽培することができるネギです。
家庭菜園で栽培できるネギの種類
家庭菜園できる長ネギの種類
ネギには白い茎の部分を長く育てて食べる千住ネギや深谷ネギ、下仁田ネギという種類があります。ワケギやアサツキは、ネギでも細く緑色の茎を育てて使う種類です。また、茎が赤いものや、茎の曲がったネギもあります。
ネギは茎と葉の両方を煮物や鍋で味わったり薬味にしたりと、種類に合わせたレシピもたくさんあるようです。いろいろな料理に使えるネギでも、家庭菜園で上手に栽培できるネギの種類を紹介しましょう。
大きいプランターで育てる千住ネギ
一般的にお店で販売されている長ネギは千住ネギになります。白い茎の部分が長く煮物やなべ物の他、薬味などにも使われる長ネギの代表です。千住ネギを栽培をするときは、葉先の成長に合わせて盛り土をするため、栽培に手間がかかります。
しかし家庭菜園はいつでも成長を見ることができるので、盛り土や増し土のタイミングもばっちりです。千住ネギは少し大きいためプランターで育てる時は、72Lなどの大きめサイズを用意しましょう。
初心者におすすめのホワイトスター
48Lのプランターでも栽培しやすいのがホワイトスターです。湿気や病気に強く、太く長くなりやすいので、初心者でも失敗が少ない品種になります。
ほかにも松本一本ネギや、冬扇2号といった品種もあり、いずれも初心者に育てやすい品種です。近くのホームセンターで種が見つからない場合は、通販サイトで探してみましょう。
プランター栽培におすすめ下仁田ネギ
鍋に最適な下仁田ネギは、下仁田ネギ産直センターがプランターで成長実験をしているほど、プランターにおすすめの長ネギです。下仁田ネギ直売センターでは、種ではなく苗からの栽培を紹介しています。
苗を植えた後50日くらい経つと苗が混雑してきますので、成長に合わせて植え替えをしましょう。5月に植えた苗は、涼しくなると急に太くなり10月に入ると食べごろになるようです。鍋やうどんの具として利用してください。
赤ネギ
赤ネギは山形や茨城の伝統野菜で、茎の部分が赤くなる特徴的な長ネギです。赤ネギの種は九条ネギとそっくりで、混ぜてしまうと見わけがつきませんので気をつけましょう。
赤ネギの成長は、九条ネギと同じように、発芽までは遮光し発芽後は水はけと風通しに気をつけて育てます。根元が九条ネギよりも太いのが特徴です。根もとが赤いため、薬味にすると食材に彩を添えることができます。
九条ネギ
九条ネギは薬味に使われる万能ネギや小ネギの一種です。京都では葉ネギの王様とも呼ばれ、親しまれている野菜になります。夏は薬味に、冬は鍋にと使い方も豊富で、関西では家庭になくてはならない常備野菜でしょう。
九条ネギの栽培はとても簡単で育てやすいため、初心者におすすめです。発芽までは遮光し、水はけと風通しを気を付けて育てるだけ、病気や害虫にも強い野菜になります。
小ネギ・万能ネギ
小ネギまたは万能ネギは家庭菜園初心者向きの野菜です。プランターに種まきをした後は、植え替えや植え付けをする必要もなく、簡単に育てることができます。
台風にも強く猛暑にも耐え、いろいろな調理に役にたつ、その名の通り万能なネギです。どんな野菜を作ろうか迷っている初心者に、栽培してほしい野菜になります。
ワケギ
ワケギはラッキョウと同じ種類で、種をまくのではなく球根を植え付ける野菜になります。ワケギはどんどん株が増えるので、プランターに植えるときも球根は10~15㎝の間隔で植え付けるのがコツです。
育て方は長ネギとほぼ同じですが、途中で植え替える必要はありません。収穫後も株元を刈り取るようにすると、また新しい芽が出てきます。
アサツキ
アサツキも小ネギと同じように、家庭菜園初心者でも簡単に栽培できるネギの一つになります。アサツキはネギ科ですが、ワケギと同じように種ではなく球根になります。
球根を植え付けた後は、小ネギと同じような育て方をします。日当たりと風通しのよい場所にプランターを置き、50㎝くらいまで伸びたら収穫します。球根を保存する時は葉がすべて枯れたら掘り起こして、風通しのよい場所で植え付けの8月まで保存します。
長ネギをプランターで育てよう
長ネギはプランターを使った家庭菜園で簡単に作れる野菜になります。常備野菜としても欲しいものですので、ベランダにあるととても便利です。
何か家庭菜園をしてみたい、という方はミニトマトと一緒に長ネギ栽培をしてみてはいかがでしょう。買い物の回数が減るかもしれません。
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