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長ネギ(白ネギ)の特徴
ネギは中央アジア原産のユリ科の植物です。このうち長ネギ(白ネギ)は葉柄部分が長く伸びる性質があります。 この部分に土を寄せて陽をあてないように(軟白)して長くする育て方をよく行われます。長ネギ(白ネギ)は根深ネギとも呼ばれます。長ネギをよく使うのは東日本です。 一方、葉ネギはもっぱら緑の葉に陽をよくあてる育て方で作ります。その緑の葉を食べます。葉ネギは株がつぎつぎと分かれる分けつにより増えるのが特徴です。 葉ネギを密植する育て方では葉が小さく育ち、小ネギとして使うことができます。葉ネギをよく使うのは西日本です。葉ネギは育て方の違いで大小いずれにも作れます。
ネギの栽培品種
ネギの品種は大きく分けると加賀群、千住群、九条群の3つのグループに分けられます。 このうち市販されている長ネギ(白ネギ)は千住群、葉ネギは九条群に属しているネギです。それぞれの性質が出やすい品種を選んで栽培しましょう。
長ネギ(白ネギ)の栽培に適した気候
寒暑のいずれにも耐えることができる作物です。ただしよいものができる栽培に適した温度は15~25度です。長ネギに土をかけて軟白させるのに適した時期はどちらかというと寒い時期です。 その点から長ネギは春まきして苗をつくる育て方で、秋~冬に軟白させるとよいことになります。育て方は地域で若干異なるので、地域で最適の時期の育て方をたずねてみるとよいです。
栽培しやすい土壌
長ネギ(白ネギ)を作りやすい土地は水はけ、通気性ともによい土壌が好ましいです。そして有機質に富む肥えた土がのぞましいです。肥料が多くいる作物といえます。 とくに根の部分は酸素を必要とする性質があります。土壌のpHは苦土石灰で弱酸性に調節しておくことが無難です。
ユニークな長ネギ(白ネギ)
なかには興味深い形状の長ネギ(白ネギ)があります。群馬県の下仁田町で作られる下仁田ネギは、上の写真のようにずんぐりと太い形状です。加賀群に分けられるネギです。加熱調理した時の甘味が特徴です。ブランドとして知られています。 深谷ネギもよく知られた長ネギです。こちらは埼玉県深谷地域で品質の高い糖度の高いきめこまやかなネギが作られています。人気の長ネギです。形状はごく標準的な長ネギです。こちらは各地で「深谷ネギ」として売られています。
栽培される長ネギの好み
このように関東地方に長ネギ(白ネギ)の名産地があります。東日本での生産量が多いですが、西日本でもつくることができます。 最近は買い物しやすい、持ち運びやすい、家族が少人数ということでコンパクトな野菜が好まれる傾向があります。長ネギの品種改良もこうした需要に合わせてコンパクトなサイズのものが出てきています。
長ネギの利用
長ネギ(白ネギ)は煮物や炒め物につかうと柔らかく甘みを感じやすいです。また白ネギは焼くと独特の香りが出て食欲をそそります。焼き鳥などでその効果を発揮します。 それに関連して洋風のコンソメスープに焼いたネギは合います。 中華料理では千切りした白ネギがスープの浮き身に使われることがあります。色どりがよく食欲がわいてきます。
料理をひきたてるネギ
白ネギは緑の葉の部分は鶏がらスープをとる際に、肉のにおいをおさえる役割をもっています。またネギから出るだし、ならびに食物繊維によるとろみなどが加わりよいスープとなります。 和風料理ではぬたがあります。ネギの風味そのものをあじわえる一品です。すき焼きや鴨鍋などにもネギは欠かせません。
ネギの効果
ネギには体を温める効果が知られています。ネギに含まれている硫化アリルはネギのかおりの中心です。気分を落ち着ける効果が期待できます。気持ちを静めて疲労を回復させるのに役立ちます。 ネギは風邪によいことでも知られています。ネギを刻んでみそやしょうがを加え、湯を注いだものは体を温め風邪のひきはじめにはよいものです。 のどが痛いときや鼻づまりのときにもネギが役立つことがあります。ネギの香りを吸いつづけると鼻のとおりがよくなることがあります。またネギの作用でのどの痛みをおさえることができます。
ネギのアリシン
ネギにはアリシンという健康に有用な物質ができます。ネギに含まれるアリインからできる物質です。アリシンは熱するとこわれやすので、生のネギで食べることで効果を発揮します。 アリシンはネギをはじめとしてニンニク、タマネギなどいずれもユリ科のネギ属の野菜のなかで変化してできる物資です。いおうを含む物質で独特のにおいがします。
アリシンの効果
アリシンは抗菌性のある物質です。植物が自分の身を守るために傷ついたり食害にあった際にできる物質です。 この物質は人間が摂ると体内で変化して血液をサラサラにする効果が期待できます。家庭菜園で常備菜として作っておきたい野菜です。
長ネギ(白ネギ)の栽培法
家庭菜園でつくることのできる長ネギ(葉ネギ)の栽培方法を以下に示します。4月に種まきをする育て方が一般的です。土寄せのポイントを知ることができれば簡単に収穫できることがわかります。
長ネギ(白ネギ)の栽培法(1)苗床の準備
まず長ネギ(白ネギ)を植える苗床を準備します。そこは1,2週間前までに苦土石灰を1平方メートルあたりふたにぎり、堆肥バケツ1杯をまいて耕しておきます。 プランターや発泡スチロール容器などを苗床にしてもよいです。その場合には野菜用培養土か、赤玉土7、腐葉土もしくは完熟堆肥3、化成肥料ひとつまみを入れてよく混ぜた土を使います。 苗床にはじゅうぶんな堆肥を使います。ネギの苗は充実したものを作ることができればのちの生育が期待できます。そのためによい完熟した堆肥(もしくは腐熟の進んだ腐葉土)を多めに使います。 苗床に使う堆肥もしくは腐葉土はよく(完熟)腐熟したものを使います。未熟な堆肥は発芽に支障が出ることがあったり、虫がわいたりしますので用いないようにします。できれば肥料分はぼかし肥や液肥など小苗に影響のすくないものがよいでしょう。
長ネギ(白ネギ)の栽培法(2)苗床への種まき
種まきは桜が咲いたのちに行います。種まきはすじまきします。2センチ間隔に種を置いていき土をうすくかぶせます。 大量に種をまくときには黒い種を草木灰と混ぜて見やすくしながらばらまきすることもできます。あまりあつくまくとのちの間引きが大変です。軽く手で押さえたあと、不織布をかぶせてその上から水を十分やります。 その際に種子が流れないようにじょうろの水を細くていねいに水やりします。プランターなどにまく場合には明るい日かげにそのまま置きます。数回おきに薄めの液肥を水やりがわりにしてもよいです。
発芽後の作業
ほぼ1週間から10日ほどで発芽します。ねぎは変わった芽の出方ですのでぜひ観察してみてください。プランターなどの場合には芽が出そろったら日の当たる場所におきます。 本葉が2,3本出てきた段階で密なところは間引きます。そして1,2週間おきに液肥か化成肥料をやります。肥料分が切れないように注意します。苗は小さいので雑草がはえると負けてしまいます。雑草の草取りをまめに行いましょう。 ここでは写真でのみの紹介になりますが、できた小苗をべつの肥よくな場所に仮植えして定植までのあいだ育てることがあります。
長ネギ(白ネギ)の栽培法(3)定植
こうして苗床で育てたネギの苗をいよいよ植え付け(定植)します。長ネギを植え付ける方法は次に示すように独特です。
定植場所の準備
長ネギは定植して土寄せを行って葉鞘を軟白させる育て方が一般的です。その定植の方法を示します。 定植する場所はあらかじめ、雑草の草取りをした後に1平方メートルあたり苦土石灰を2にぎり、堆肥をバケツ1杯入れておきます。そして定植する時には耕さずにおきます。耕さないのは次の理由によります。
長ネギの定植場所の溝
長ネギの苗を植え付ける場所に鍬はばで溝をつくります。そのため耕さずにしておいた場所にくずれにくい溝をつくるわけです。 可能ならば東西方向に溝をつくるとどの苗にも均一に陽があたります。溝の深さは15㎝ほどです。 溝の底に元肥を入れます。溝には元肥として1平方メートルあたり堆肥バケツ1杯、有機質肥料ふたにぎり、発酵鶏糞ひとにぎりを混ぜたものを入れ、薄く土をかけ間土とします。
長ネギ(白ネギ)の栽培法(4)苗の定植
苗床の苗を大きさでそろえます。大きさをそろえて植えないと大きい苗に小さな苗は負けてしまい、うまく育ちません。植え付けの株間は7,8センチほどとします。 夏場に植え付けるときには溝の南側の壁に沿わせて立てるようにします。夏以外には溝の北側に苗を沿わせて植え付けします。北側に掘った土を少し開けて置いておくと、北風よけになります。 そして根に土を薄く土をかけ、さらに溝の深さの半分が埋まるほどわらや枯れた刈草、もしくは腐葉土や堆肥を厚めに敷きます。こうすることで根への空気の流通をよくします。
長ネギ(白ネギ)の栽培法(5)定植後の手入れ方法
苗を植え付けてからの1か月はそのまま放置しておきます。たまに苗が倒れてしまうことがあるので立てておきます。これから1か月おきに3回の追肥、土寄せを4回行います。雑草の草取りをしっかり行います。 植え付けてから1か月たつと最初の1回目の土寄せをします。その土にはあらかじめ追肥の有機質肥料を1平方メートルあたりひとにぎり混ぜておきます。溝の4分の1の深さを土寄せします。 堆肥はたっぷり土に混ぜておくほうがよいです。その理由は長ネギの根は空気の流通がよいほうがいいからです。そのために堆肥を多めに入れてください。堆肥は土寄せする10日ほど前に土に混ぜて溝の横に置いておきます。そうして土寄せに使います。
長ネギ(白ネギ)の栽培法(1)土寄せ
さらにその1か月後に2回目の追肥、土寄せをします。同じく溝の4分の1を埋めます。これでほぼ元の地面の高さまでになり、溝が埋まるぐらいになります。その頃になると葉身の分岐点のすぐ下あたりまで土を寄せます。 3回目、4回目の土寄せはそれぞれ1か月ごとに行ないます。4回目は追肥は行いません。葉の色がよくないときには多少追肥してかまいません。長ネギは野菜の中では肥料を必要とするほうです。 土寄せの際には葉身の分岐点の下あたりまで埋めるつもりで土をよせていくと、軟白の部分を効率よく長くできます。この時期も雑草の草取りをしっかり行ないます。
軟白部分をきれいに仕上げるコツ
ただし最後の4回目の土寄せはこの分岐点の上10センチぐらいまで土を寄せて、軟白部を陽にあてずにさらに長く白くなるように仕上げるとよいです。ちょうど収穫まで1か月から1か月半前の時期になります。これで軟白部分を30センチほど確保できます。 土寄せする土は前もって追肥する有機質肥料を入れてしばらく置いてから土寄せするとなおよいです。こうしておくとかたい土による傷などができにくく病気にもなりにくくなり、軟白した部分をきれいに仕上げることができます。 育て方に慣れてくると葉の色を見ながら、肥料の追肥量を加減できるようになってきます。
長ネギ(白ネギ)の栽培法(6)収穫の方法
4回目の土寄せから1か月から1か月半ほどするとじゅうぶんなサイズの長ネギとなります。収穫ははしのほうにある苗からおこないます。 収穫の際には遠めに鍬を入れながら土寄せした土を崩していき、根元に近い場所の土をていねいに取り除きます。 もとの土の表面ほどまで土を取り除けたら、あとは根元をもちまっすぐ上に引き抜いて収穫します。土がかたい場合にはもう少し掘ってから抜いたほうがよいでしょう。 こうして収穫した長ネギ(白ネギ)は畝のはしに植えた大きいほうから順次収穫していくと、長い期間にわたって収穫できます。最後は2月いっぱいまで収穫が楽しめることでしょう。
ネギ坊主ができたら
3月以降になるととう立ちしてきます。ネギ坊主ができます。この時期以降もそのまま育てたい場合にはネギ坊主を取り除きます。葉ごとにネギ坊主はできますから、つねに見回り取り除きます。 一方で次の時期にむけて種取りをすることができます。よくできた病気のないネギのネギ坊主をそのまま開花させて、種をつくらせるとよいです。その場合には草木灰を株にまきます。そのままネギ坊主にたねができたら次のようにします。
長ネギ(白ネギ)の栽培法(7)採種の方法
よくできた長ネギを春の時期まで残しておくことで花を咲かせます。するとまもなく種子ができてきます。このとき周囲にほかの種類のネギがないことをたしかめておきます。葉ネギなどの花が咲いていないことを確かめます。交配してしまうからです。 花の袋の部分が割れてきたら根元から鎌かはさみで刈り取り収穫します。それを風通しのよい日かげで干して乾燥させます。
乾燥した種子
種を回収する際には種が飛び散りやすいので種を受けられるようにしておくとよいです。乾燥をじゅうぶん行なわないととカビが生えてしまいます。 ねぎの種はかならず採種した春の時期に蒔いて使いきるようにします。ねぎの種は長くもたないほうです。
長ネギ(白ネギ)の栽培法(8)病害虫
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長ネギは収穫までのあいだ病害虫の心配があまりいりません。それでもいくつか対処すべき病虫害があります。 長ネギにはアブラムシやスリップス(アザミウマ)がつくことがあります。少しなら手でとります。大量に発生した時には薬剤で防除します。アブラムシはほかの病気を媒介することがありますので必ず取りのぞいてください。 また病害ではベト病が発生することがあります。こちらも発生した株を取り除くか病気に適用のある薬剤を使って防除します。薬剤を使い際には注意書きに目を通します。薬剤は適した濃度で病気を効果的に抑えます。
まとめ
長ネギ(白ネギ)はさまざまな料理で活躍する野菜です。自分で育て方を身につけることができたらふんだんに使えます。そしてとりたてのネギの甘さに舌づつみを打てるはずです。 長ネギの育て方のポイントは土寄せと追肥です。この時期に軟白部分を成長させて長くします。土をおとして水洗いしたときのネギの白さに思わず声がでるぐらいです。 春に種まきして植え付けにコツがいりますが、病気が少なく比較的長い時期にわたり収穫を楽しめます。肥料をやりすぎたという失敗は少ない作物です。病気を呼びやすいアブラムシをふせぐにはチッソを肥料にやりすぎないようにするとよいでしょう。