はじめに:ラッキョウ育て方・栽培方法を解説
球根を植え付けるラッキョウの育て方
ラッキョウは球根を植え付けて、追肥を与えることでそれが増えることを利用した育て方をする野菜です。土の中で増えるので外側からはその様子が見えない分、掘り起こすときのわくわく感や増えた楽しさはいも掘りのような面白さがあります。
また球根からの栽培方法の利点としてはじめのうちの栄養分を蓄えていて失敗することが少なく初心者にもおすすめの家庭菜園野菜です。
追肥がポイント!ラッキョウの育て方解説
球根の植え付けからはじめるため育て方も楽なラッキョウの育成方法。収穫まで時間がかかる植物なので追肥のあげ方がポイントとなってきます。はじめてラッキョウのような野菜を栽培するという方にもわかりやすいように、育て方の手順を追って収穫までレクチャーしましょう。
育て方の前に知りたいラッキョウのこと
ラッキョウの育て方の前にまずはこの植物の基本情報と特徴・収穫の時期や美味しい旬の時期から解説していきます。ラッキョウ育て方の役に立つことも多くありますので、頭の片隅に覚えておくとよいでしょう。
ラッキョウの基本情報
科・属 | ヒガンバナ科ネギ属 |
原産地 | 中国 |
英語名/学名 | Rakkyo/Allium chinense |
育て方難易度 | 簡単から普通 |
育て方に役立つラッキョウの特徴
ころんとした姿がかわいらしいラッキョウ。植え付けに使う球根はズバリその見慣れたラッキョウの可食部分です。地中の養分と伸ばした葉からの光合成で子株を増やして、1-2年ほど追肥や水やりに気をつけながらお世話をすれば、たくさんの球根を増やしてくれます。
加熱しても生でも美味しい野菜
生では少し辛味が尖った味に感じますが、加熱すると玉ねぎのように辛味がなくなって甘みも感じることができる野菜です。ラッキョウの仲間のなかには若い球根を食べる辛味のやわらかな品種もあります。
ラッキョウの栄養
ラッキョウはほかのネギ科の植物にも多く含まれる硫化アリルが含まれているのが特徴的ですが、このほかにもカリウム・パントテン酸・水溶性の植物繊維も豊富な野菜となっています。血行促進やむくみ対策、硫化アリルは疲労回復をしてくれるありがたい栄養素です。
ラッキョウの旬の時期と育て方
野菜はその種類によって収穫までかかる時間が変わってきます。中でもラッキョウのような球根を増やすタイプの野菜は、栽培期間がかかる植物。収穫時期は初夏から梅雨時期くらいで具体的には5-7月ころになります。
もちろんこの時期がラッキョウの美味しい旬の季節。約3ヶ月ほど旬の時期が続きますので、一度に収穫して漬け物にするのもよいですし時間差をつけて収穫すれば、長く楽しむこともできるでしょう。
ラッキョウの育て方で必要なもの
それでは次はラッキョウ栽培に用意したいものを見ていきましょう。ラッキョウの球根の選び方や市場に並ぶ時期・栽培に必要なプランターや土・肥料といった一般的な野菜栽培に必要なものばかりですが、後で足りないということがないようにまずはチェックしておきましょう。
ラッキョウの育て方に必要なもの1.
ラッキョウの球根
園芸店やホームセンター・農協や通販サイトなどで入手可能です。よほど近所で手に入らない場合を除き球根は自分で手で持って重さや硬さなどチェックしてから買いましょう。
カビや病気などが見られないもので重さがある方が球根の中に栄養を蓄えているので植え付け後の生育もよいといわれています。8月ころから店頭に並ぶようになるでしょう。
ラッキョウの育て方に必要なもの2.
ラッキョウの土
ラッキョウは痩せた土でも育つ野菜として昔から好んで栽培されてきた野菜ですので、あまり土は選びません。プランターで栽培する場合は野菜用の培養土が手軽でおすすめです。
畑や庭で地植えにする場合は苦土石灰で酸化した土を中和させてから植え付けることで、より大きく成長したくさんの玉を増やしてくれるでしょう。
ラッキョウの育て方に必要なもの3.
ラッキョウの肥料
ラッキョウを植え付けるときに元肥を入れない痩せた土の場合は追肥であとから栄養を調整する必要が出てきます。植え付ける土にはこだわりませんが、肥料は大切。
ラッキョウ用の肥料には窒素リン酸カリのバランスのよい化成肥料がおすすめ。8-8-8などと同じ数字が書かれたものがそうです。
ラッキョウの育て方に必要なもの4.
基本のガーデニングツール類
長い期間栽培することになるので、雑草を取り除いたり土の中に収穫物ができる野菜であるため土を寄せる作業も何度か必要になります。基本的なものでよいのでガーデニングツールがあると便利です。
ほかの植物用にも使えますので自分の園芸テンションがあがるようなデザインや使い心地のものを選ぶとよいでしょう。
初心者でも育て方簡単なラッキョウの栽培方法
ラッキョウの育て方1.日あたり
ラッキョウは日あたりのよい場所に植えてください。風通しも重要で風に当たることで植物の生育ホルモンが分泌されるだけでなく、病気や害虫被害に負けない健康的な強い株に成長するからです。
野菜のためには午前中の日光に当たることも大切です。午前か午後どちらかしか日が当たらないようなベランダで栽培する場合は、朝の日差しがあたるところにしてください。
ラッキョウの育て方2.植え付け
ラッキョウの植え付けは8月ころからおこなえます。お近くの店舗で球根が販売されるころがその地域のラッキョウの植え付け時。株と株の間隔は10cmほど。ひとつの穴に1個小さければ2個ずつ植えていきましょう。
植え付ける深さも10cmほど必要です。球根は植え付ける深さによっては発芽しないこともありますので深さには十分注意してください。
育て方ポイント:植え付け
ラッキョウの育て方には植え付ける深さは重要です。植え付ける深さが足りないとラッキョウが緑色になるだけでなく、玉が小さくその分数が増える傾向にあります。
またとがった方を上にして丁寧に植え付けないと発芽しない(発芽しても地表に芽が出ずに枯れてしまう)場合もあるので、この点にも注意してください。
ラッキョウの育て方3.日常管理
水やりのやり方
地植えにしている場合は日照りなどよほど雨が振らない限りは水やりは必要ありません。プランターで栽培している場合は土の乾燥に注意して、乾いてきたらたっぷりと水分を与えるようにしてください。
追肥の方法と時期
秋に球根の植え付けをしたら冬の間は肥料を与える必要はありません。追肥をあげるのであれば3月ころ。これから成長するのにあたり葉の勢いがないようでしたら株元に緩効性化成肥料をばらまき土寄せをしつつ追肥を土に混ぜていきます。
土に元肥を与えていない古い土の場合は、芽が出たタイミングで追肥として肥料を株元にあげてください。追肥は前述のとおり土寄せというお世話と同時におこなうので次の土寄せについても参考にしましょう。
育て方ポイント:日常管理
プランター栽培の場合は特に水切れしないように水やりを忘れないようにしてください。追肥は必ずあげなければいけないわけではなく、地表部分の状態で判断して与えるか与えないかを決めましょう。
元肥いりの培養土を使った育て方の場合は、1回めの追肥はあげなくてもよい場合が多いです。
ラッキョウの育て方4.土寄せ
ラッキョウの土寄せは秋と春の2回。1回めは植え付けたラッキョウから芽が出たときに。土寄せをおこたると球根の根が伸びるのに押させて株が表面に出てきて緑になってしまいます。そのために土寄せをおこなう必要がでてきます。
ラッキョウの育て方に必須な土寄せ
越冬して春になるとまた生育がよくなり球根が見えてきますので、そのときにまた2回めの土寄せをおこないます。このときは1回めに追肥をしていなかった場合も追肥をおこなったときどちらでも肥料をあげるようにしましょう。
育て方ポイント:土寄せ
地中に作物ができる野菜(特にネギ類)は土寄せが定期的に必要になります。芽が出てすぐはうっかり忘れてしまう場合も多いので、必ず忘れないよう土を寄せて成長させるようにしてください。
もしタイミングを逃してしまった場合でも、球根が地表に見えているようであればその時にすぐに土寄せしてあげるとよいでしょう。
ラッキョウの育て方5.収穫
植え付けから1年ほどして初夏になったら収穫時期が訪れます。1年で収穫せずにもう1年植えっぱなしにして2年育てて収穫するやり方もあります。
もちろん2年育てた方が玉の数も多く、大きなものが採れるでしょう。1年で収穫して食べるかもう1年育てるか、育て方はお好みでかまいません。
収穫時期と方法
ラッキョウの育て方のメインイベントともいえる収穫。そのタイミングの目安は葉が枯れたころとなります。2年育てる場合はそのまま掘り起こさず土が乾いたら水やりをする、秋と春の2回の土寄せと追肥をすると1年めと同様に育ててください。
このあと紹介する早取りのエシャロットという品種は緑の茎の部分も可食するため地上部が枯れてしまう前に収穫しましょう。
食べ方のバリエーションが広がるラッキョウ品種
ラッキョウといえば甘酢漬けでの食べ方が有名ですが、品種が変われば別の食べ方の幅も広がります。種類が変わっても育て方は基本のラッキョウの育て方とほぼ同じ、お気に入りのラッキョウの仲間の球根を選んで、家庭菜園を楽しみましょう。
1.育て方簡単な定番のラッキョウ
ラッキョウ球根
こちらは一般的なラッキョウの球根。育て方はここまでご紹介してきたもの通りで栽培します。初夏ころに収穫して甘酢漬けでの食べ方ができるでしょう。育て方期間が長い分1つの球根で10個前後の収穫量が見込めるため、自分で育てればコスパよくラッキョウ漬けが楽しめます。
ラッキョウの美味しい食べ方例
ラッキョウの食べ方は甘酢漬け・醤油漬け・塩漬けといった漬け物となっています。簡単に漬けるには市販のラッキョウの余ったつけ汁に、きれいに掃除したラッキョウをしっかり浸かるように入れて腐食防止に鷹の爪も入れて密封できるビンで漬け込むとよいでしょう。
2.育て方は同じ!沖縄産の島ラッキョウ
島ラッキョウ球根
島ラッキョウは通常の育て方とほぼ同じ育て方でOK。沖縄のラッキョウ品種として人気ですね。食べ方は生食や漬け物のほかに、沖縄では味噌汁や炒めものにも使われます。
生なら辛味が強いラッキョウの品種ですが加熱することでがらりと甘い野菜に早変わり。まとめて収穫して漬け物にしてもよし少しずつ収穫して長く楽しむのもおすすめです。
島らっきょうの美味しい食べ方例
島らっきょうは沖縄では塩漬けにしたものに食べる時に鰹節をかけていただきます。このほかにも島らっきょうは玉ねぎのように天ぷらの具材にしたり、卵とじにしてご飯のおかずとして調理して食卓にあがる場合もあります。
3.収穫までが早いエシャロット
エシャレット 種球
エシャロットまたはエシャレットは生食用のラッキョウの仲間の品種です。まだ若いうちに収穫するので育て方期間は短くて済みます。おしゃれなサラダなどに入っていることもあるエシャロット。
スーパーなどの小売店にはいつでもあるという野菜ではないけれど、家庭菜園で育てることでコスパよくたくさん食べることができるでしょう。
エシャロットの美味しい食べ方例
エシャロットの食べ方も基本的には島らっきょうのように生の玉ねぎと同様に考えるとバリエーションが増えます。生で味噌を付けて食べる・島らっきょうと同じくおかかと醤油をかけて食べるだけでなく、軽く焼くと辛味がなくなりほくほくとした食感で辛味が苦手な方でも食べやすくなるでしょう。
まとめ:ラッキョウは育て方が簡単な野菜
土寄せと追肥がポイント!ラッキョウの育て方
球根植物であるラッキョウは土も選ばず病気や害虫にも強いので植えっぱなしで水と肥料をあたえるだけと育て方も簡単です。ただし土寄せは忘れてしまうとせっかくのラッキョウが緑色になってしまうので、そこだけは育て方を気をつけて栽培しましょう。
野菜の育て方が気になる方はこちらもチェック
暮らしーのにはラッキョウのほかにも、家庭菜園初心者の方が難しいと感じる土・肥料の作り方やプランターでの育て方など、たくさんの野菜の育て方解説記事があります。野菜を育てて困ったことなどある方も野菜づくりについて興味が湧いてきた方も、こちらの記事を是非見てくださいね。
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