ヘルメットのシールドとは?はじめに
防風効果と疲労軽減におすすめ
ヘルメットのシールドとは、走行風や飛来物から目や顔を守るための防風アイテム。走行風が顔に直接あたると目を細めてしまい、視界を確保しにくくなります。進行方向から小石、虫、雨が飛んでくると、顔にあたって痛いですね。それを防いでくれるのがヘルメットのシールドです。
ここではバイク用ヘルメットのシールドについて解説します。なお、この記事は2021年9月28日現在の情報をもとに作成しますことをご了承ください。
ヘルメットのシールドの色は重要!
ヘルメットのシールドは目の疲労を軽減する役割も果たしますので、バイクに乗る時間帯に合わせて色を選ぶのをおすすめします。
たいていのシールドには紫外線をカットする素材が用いられていますが、着色されたシールド色は眩しい日差しを遮る効果が高いですね。
前半ではシールドの色について解説します。シールドの色は見た目重視で選ぶのもありですが、シールドが果たす役割は忘れないようにしましょう。
ヘルメットに適合するシールドを探す
シールドはヘルメットに適合するものを選ぶ必要があります。ヘルメットの形状に合っていないシールドは装着できません。
ヘルメットのシールドには専用シールドと汎用シールドがあります。専用シールドとは、そのヘルメット用に設計されたシールド。対して、汎用シールドとは、ヘルメットのメーカーやモデルを問わず装着できるシールドです。
ここでは、専用シールドと汎用シールドに分けて特徴を解説します。
ヘルメットのシールドの種類:色
色は透過率で選ぶ
ヘルメットのシールドにはクリア、スモーク、ミラーの3種類があり、それぞれで透過性が違います。ヘルメットのシールドの色は周囲の明るさを基準にした選び方をしましょう。
通勤や通学などでバイクに乗る場合は、その時間帯に特化した色のシールドがおすすめです。
長距離を走行するツーリングでは、幅広い時間帯に合わせられるシールドが重宝します。ツーリングの途中で違う色のシールドに交換するバイク乗りも多いですね。
クリアシールド
クリアシールドとは無色透明なシールド。クリアシールドが標準装着されているヘルメットは多いですね。
日差しが眩しい時間帯や季節には不向きですが、シールドを1つだけ選ぶとしたらクリアシールドをおすすめします。クリアシールドにサングラスを併用するバイク乗りも多いですね。
なお、クリアシールドであっても透過率は100%ではありません。ヘルメットのシールドには紫外線対策が施されているからです。
スモークシールド
スモークシールドとは、眩しい日差しを遮るために着色されたシールド。夜間やトンネル内では視界を確保しにくくなりますが、眩しい日差しで目が疲れるのを軽減してくれます。
スモークシールドは日の出3時間後から日の入り3時間前までの時間帯に装着するのがおすすめです。また、晴天では快適なものの、曇りや雨の日は見えにくくなります。
余談:ライトスモークやダークスモーク
ライトスモークやダークスモークといった種類のスモークシールドもありますが、時間帯や季節に合わせて使い分けるのがおすすめです。
もっとも選び方が難しいのはライトスモーク。クリアに近いものもあれば、スモークに近いものもあります。
ちなみに、ショウエイは着色されたシールドでのトンネル通過や夜間走行を推奨していません。一方、アライやOGKカブトにはライトスモークを標準装備しているヘルメットもあります。
【資料】ライトスモーク標準装備のヘルメット
ライトスモークを標準装備したヘルメット | |
メーカー | ヘルメット名 |
アライ | ラパイド・ネオ、VZ・ラム&ラムプラス、CT-Z、MZ‐F、SZ‐G、ツアークロス3 |
ショウエイ | なし |
OGKカブト | アヴァンド2 |
※2021年9月28日現在 |
ミラーシールド
ミラーシールドとは、表面にシルバーやゴールドなどの鏡面コーティングが施されたシールド。傷が目立ちやすい難点はあるものの、ヘルメットをかっこいい雰囲気に演出できます。イリジウムやレインボーなど、角度によって色が変わるものも人気です。
クリアミラーやスモークミラーがありますが、透過性は通常のクリアやスモークより低くなります。日差しが眩しい季節や時間に適しています。
余談:クリアとスモークの違い
スモークシールドやミラーシールドは目や顔を隠せるのもメリットだといわれています。その反面、マスツーリングの仲間、他の乗り物、歩行者とコミュニケーションを交わすのが難しいですね。
「ありがとう」や「お先にどうぞ」は積極的なボディランゲージで伝えましょう。歩行者はスモークシールドやミラーシールドに威圧感を感じます。場合によっては、シールドを上げてほほ笑むといった意思表示も必要です。
ヘルメットのシールドの種類:専用
気密性や遮音性なら専用シールド
専用シールドとは、ヘルメットの形状に合わせて設計されているシールド。防風効果が高く、気密性や遮音性に優れています。風切り音が少なく、雨水がシールドの内側に漏れてくることも少ないですね。
フルフェイスヘルメットやシールド付きのジェットヘルメットの多くは専用シールドしか適合しません。
ヘルメットのシールドは消耗品ですので、交換シールドが継続的に販売されているヘルメットを選びましょう。
専用シールドの選び方
専用シールドには純正シールドと社外品シールドがあります。
メーカー純正のシールドは安心感が高いですね。耐久性や強度に期待できます。開閉時の節度、気密性、遮音性に対する評価も高いですね。
一方、楽天やアマゾンで「適合」と明記されている社外品シールドは、ミラーシールドの色の豊富さに人気があります。純正と違う色で個性をアピールしたいバイク乗りにおすすめです。使い方は純正シールドと変わりません。
インナーバイザー付きならクリアがおすすめ
インナーバイザーがついたヘルメットにはクリアシールドがおすすめです。インナーバイザーとスモークシールドを併用すると十分な視界を確保できません。
インナーバイザーとは、ヘルメットのシェルとライナーの隙間に格納できるサングラス的なもの。「日差しが眩しい日中は下ろし、夜間やトンネル通過は上げる」といった使い方が可能です。アライにはなく、シールドの外側に取り付けるサンバイザーが用意されています。
ヘルメットのシールドの種類:汎用
バイクの用途に合わせてアレンジ可!
汎用シールドとは、帽体にホックが3つあるいは5つついたジェットヘルメットに適合するシールド。選択肢の豊富さに人気があります。用途やスタイルに合わせてシールドを交換したいバイク乗りにおすすめです。
汎用シールドはヘルメットを複数持っていても使いまわせ、ヘルメットを買い替えても流用できます。
ただし、専用シールドのような気密性はありません。風切り音が大きかったり、シールドの内側に雨水が漏れたりします。
汎用シールドの種類
汎用シールドにはフラットタイプのコンペシールド、立体タイプのコンペシールド、バブルシールド、パイロットシールド、この4種類があります。
いずれもシールドとしての役目を果たしてくれるものの、それぞれに特徴がありますので、用途に合わせた選び方をするのがおすすめです。
フラットタイプのコンペシールド
フラットタイプのコンペシールドとは、ヘルメットから外すと平らな板状になる汎用シールド。おすすめポイントは、A4対応のリュックに収納できる携行性です。色違いを携行し、朝夕はクリア、日中はスモークといった使い方ができます。
シールドの肉厚が薄いので静粛性に欠け、風切り音も大きめです。汎用シールドの開閉を可能にするフリップアップベースとの併用はできませんが、価格は比較的に安いですね。
立体タイプのコンペシールド
立体タイプのコンペシールドとは、曲面形成された汎用シールド。シールドの肉厚が厚いので静粛性が高く、風切り音も少ないのでツーリングにおすすめです。
フラットタイプのコンペシールドと違い、ヘルメットから外しても形状が変わりません。ツーリングで替えのシールドを携行するのは困難だといえます。
サイドのホックを外すのが面倒なものの、フリップアップベースを併用してでシールドを開閉することも可能です。
バブルシールド
バブルシールドとは、風船のように膨らんだ汎用シールド。額部の3つのホックだけで固定しますので、走行時の安定感はコンペシールドに敵いません。しかし、街乗りや一般道メインのツーリングでは快適です。イエローやピンク、グラデーションなど、かわいい色も見つかりますよ。
吐く息がシールド内部にこもりやすく、冬は曇りやすいものの、圧迫感や走行風の侵入は少ないですね。フリップアップベースとの相性にも優れています。
パイロットシールド
パイロットシールドとは、目だけを保護する簡易的なシールドです。シールドが小さいのでヘルメットの重量を抑えられます。色違いを携行する使い方も可能です。
保護できるのは目だけですので、顔はフェイスマスクやバンダナで保護しましょう。雨天時は顔が雨でびしょ濡れになりますが、サングラスやゴーグルより素早く着用できますので、普段使いの原付バイクにおすすめです。
シールドのメンテナンスとカスタム
定期的なお手入れがシールドを長持ちさせる
ヘルメットのシールドはあなたの目や顔を守るために汚れたり傷ついたりします。シールドが汚れたり傷ついたりすると視界が悪くなりますので、定期的にメンテナンスをしましょう。シールドは思いのほか高価ですので、なるべく長持ちさせたいですね。
また、傷が増えて視界が悪くなったら、躊躇せずに交換することをおすすめします。シールド代を節約するよりも、あなたの体を大切にするのが優先です。
シールドのクリーニング
ヘルメットのシールドの汚れは中性洗剤で落とせます。水に中性洗剤を溶かし、手で汚れを優しく落としましょう。水気を拭く場合は、柔らかくきれいな布を用います。
ツーリング先の宿では水洗いがおすすめ。弱酸性や弱アルカリ性の洗剤がシールドに及ぼす影響については未知数です。手洗い石鹸やシャンプーは弱アルカリ性だったり弱酸性だったりします。中性ではない台所用洗剤や家庭用洗剤も増えました。
シールドのコーティング
シールドを撥水コーティングするのもおすすめです。雨天時に雨水を拭く回数を減らせますので、シールドが傷つくのを防げます。
シールドのコーティングには注意が必要です。ミラーシールドにコーティング剤を塗布するとミラー加工が傷む可能性があります。
また、曇り止め加工されたシールドに曇り止めコーティングするのは無意味です。曇り止めにはコーティングよりもピンロックシートを追加するのが現在の主流です。
シールドの傷消し
傷がついたシールドを耐水ペーパーや研磨剤などで研磨し、目立たなくしているバイク乗りもいます。しかし、研磨しても元通りの視界を確保できないケースは多いですね。
専用シールドが手に入らない、古いヘルメットを延命したい、そんな場合にはチャレンジする価値があります。研磨する労力を考えると交換したほうがいいという意見もあります。
シールドを好みの色に染める
ヘルメットのシールドで全天候の色はイエロー。イエローは眩しい日差しを遮ってくれる割には透過性が高く、雨天時でも路面の凹凸を認識しやすいですね。しかし、イエローは汎用シールドやオフロードゴーグルの交換レンズにあるものの、専用シールドにはありません。
ヘルメットのシールドは曲面ですので、フィルムを貼るのは困難。樹脂用染料で染めるのがおすすめです。
ヘルメットのシールドとは?まとめ
シールドがついたヘルメットは快適で安心
先行者が跳ね上げる飛び石には自動車のフロントガラスを割ってしまうほどの威力があります。それを考えると、ヘルメットのシールドは必需品だといっても過言ではありません。
原付バイクで人気の半帽ヘルメットにはシールドを取り付けられないものもあります。シールドを取り付けられないヘルメットを着用する場合はゴーグルを併用しましょう。ホームセンターで購入できる保護メガネもおすすめです。
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出典:amazon.co.jp