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庭園に取り入れたい、松の種類を一覧で一挙紹介!品種別の特徴や見分け方も解説!

松の木は、日本の代表的な黒松や赤松などを始め世界に約200種類あるため、見分けるのが少し大変です。見分け方のポイントは「樹肌」「葉の長さや付き方」などで、コツをつかめば難しくありません。主な松の種類を一覧でご紹介しますので、ガーデニングに採り入れてみませんか。
2021年8月10日
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松の木は世界に約200種類もある!

出典:ライター撮影

松の木は、多くが北半球に自生するマツ科マツ属を始め、モミ属・トウヒ属・ツガ属・ヒマラヤスギ属・カラマツ属などの大本植物である樹木です。世界に約9属200種ありますが、南北に長い日本では固有種の分布に地域差もあります。

地域性によって特色のある松の木は、日本庭園だけではなく洋風ガーデニングにもおすすめです。黒松・赤松・五葉松は育て方のポイントもご紹介するので、各種類の特徴をチェックしてご参考にしてください。(この記事は2021年8月4日時点の情報です)

庭木におすすめの松の種類①:黒松


黒松の分布・生育環境

出典:ライター撮影

日本や韓国の海岸が自生地のマツ科マツ属の黒松(クロマツ)は、別名を雄松(オマツ)といいます。日本では、本州・四国・九州などで分布する種類となり、寒冷地の北海道では自生していません。

潮に強いため東海道などの海岸沿いに並木として植栽されていることが多く、白砂青松のように古来日本の代表的な景色とされています。自生地以外に海岸線での植樹が昔から行われてきたため、元々の自生種類かどうかは不明になっています。

黒松の最大の特徴と見分け方

出典:ライター撮影


黒松を見分けるための最大の特徴は、名前の由来にもなっている灰黒色の樹木の肌にあります。成長するとウロコのようにはがれる樹木の肌には、亀の甲羅のような深い溝ができるのも特徴です。

濃い緑色の葉は、長さ6~12センチで太くて硬くて痛くて、二本一束で生えます。松ぼっくりの長さが5~7センチあるのも特徴です。豪快で奔放な生え方をしていることからも、黒松が雄松とも呼ばれるのがわかるのではないでしょうか。

黒松の長さと成長のスピード

出典:ライター撮影

黒松の樹木の長さは、自然の状態では35メートルほどが平均となります。手入れをすると60メートルもの高さになるものもあり、有名な場所では島根県壱岐郡にある春日神社の松が66センチと最大です。

黒松の成長のスピードは樹齢や栽培環境によって異なりますが、30センチほどの苗木を150センチほどまで成長させるには2年半ほど掛かるといわれています。松の木の種類としては成長速度は早いわけではありません。

黒松の育て方のポイント


樹形の美しさを楽しむ黒松は剪定がポイントとなります。新芽が出る4月~6月にかけての「芽摘み」作業と、10月~1月頃の「葉透かし」と葉をむしり取る「もみあげ」が必要です。

特に「葉透かし」は風通しをよくして蒸れを防ぐため、病害虫対策にも有効といえます。コツは、松の葉が密集している部分や伸びた下枝を間引きするだけでよく、バランスのよい樹形となるのです。

ミニ盆栽もおすすめ

黒松は、盆栽も大人気の種類の植物となります。特に冬に映える盆栽のため、春から秋にかけて手を掛ける必要がありますが、冬には素晴らしい黒松の樹形を楽しめることでしょう。

黒松の盆栽づくりの大まかなポイントは、苗木と同様に、肥料やり、初夏の芽摘み、秋に落ちた古い葉を取り除く作業などです。

庭木におすすめの松の種類②:赤松

赤松の分布・生育環境

出典:ライター撮影

日本や朝鮮半島に自生するマツ科マツ属の赤松(アカマツ)は、男性的な黒松に対して雌松(メマツ)とも呼ばれている種類となります。日本では北海道以外の広い範囲で自生し、黒松よりも比較的に寒冷な地域でも栽培できる松の木の種類です。

明るい山地に生えることが多いとされていますが、不毛な土地でも他の樹木に先駆けて成長するパイオニア植物とされ重宝されてきました。赤松林はマツタケの生産林としても有名です。

赤松の最大の特徴と見分け方

出典:ライター撮影

赤松を見分ける最大の特徴は、樹木の肌が赤味を帯びた色となります。成長すると樹木の肌は黒松と同じくはがれる種類ですが、黒松とは異なり薄くはがれるのが特徴です。傷を付けると粘り気のある樹液が出、ヤニと呼ばれる淡黄色のかたまりができます。

長さ7~10センチの葉は二本一束となりますが、先端は柔らかく痛くありません。このような特徴から雌松と呼ばれているのです。松ぼっくり(球果)は4~5センチほどになります。

赤松の高さと成長のスピード

出典:ライター撮影

赤松の長さは、剪定をせずに自然のままにすると20~30メートルを超える高さになり、幹の太さは5~8メートルまで成長します。

種から育てる場合は初めの2~3年は成長が遅めですが、それ以降は急に伸びるため庭木にするときはこまめな剪定をしなければいけません。

赤松の育て方のポイント

赤松は日当たりと風通しがよくて潮風に当たらない場所であれば、日陰や半日陰でもよく育ってくれます。極端な寒冷地での栽培は難しい種類ですが、函館にも赤松街道という並木があるように北海道でも育てられる種類の植物です。

樹形を整えてあげれば美しく育つので、4月~5月の「芽摘み」、10月~1月頃の「葉透かし」「もみあげ」による剪定作業をしっかり行いましょう。

ミニ盆栽もおすすめ

赤松の盆栽は、黒松と同じくらいに人気がある種類の松の木です。勇壮な黒松に比べると樹勢が弱く感じますが、女性的なやわらかさの中にもしなやかに伸びる枝ぶりが美しく感じられることでしょう。

樹形がコントロールしやすいといわれており、好みの形に仕立てられるのも魅力です。

庭木におすすめの松の種類③:五葉松

五葉松の分布・生育環境

出典:ライター撮影

日本原産のマツ科マツ属の五葉松(ゴヨウマツ)の自生地は、標高500メートルから2500メートルほどの山地です。北海道では比較的温帯地域の南部地域やアポイ岳周辺に、変種の北五葉松(キタゴヨウマツまたはヒダカゴヨウ)が自生する種類となっています。

耐暑性に強くて比較的耐寒性にも強い点、樹齢も黒松や赤松に比べると長いため、庭木はもちろんマツ科マツ属の中で最も盆栽にするのに人気がある種類です。

五葉松の最大の特徴と見分け方

出典:ライター撮影

五葉松の最大の特徴は名前のとおり葉にあり、長さ3~8センチの松葉が五本で一束になっていることです。葉先を触っても黒松のようにチクチクしないという特徴もあります。樹肌はゴツゴツした感じで、うろこのようにむけるのも特徴です。

松ぼっくり(球果)は卵状楕円形で長さ5~10センチとなり、淡い紫紅色または緑色をしており、翌年の10月に成熟して淡い緑色から淡い褐色に変化します。

五葉松の高さと成長のスピード

出典:ライター撮影

五葉松の自生地で樹高は15~30メートルほどで、他の種類のマツ科マツ属と比較すると低めです。そのため別名をヒメコマツともいいます。

五葉松の成長のスピードはマツの種類の中では遅めです。庭で苗木から栽培すると1年で10センチほど成長し、20年でようやく2メートルの成木となります。

五葉松の育て方のポイント

高地で自生するため耐寒性も高い五葉松は初心者でも育てやすい種類の松といえます。基本的には黒松や赤松と同じように、風通しと日当たりのよい場所で管理してください。

美しい樹形にするために、4月~5月の「芽摘み」や10月~1月頃に「葉透かし」や「もみあげ」を行うことで、見事な五葉松の盆栽が仕立てられることでしょう。

ミニ盆栽もおすすめ

五葉松は盆栽初心者でも失敗が少ないことから、大人気の種類の松となっています。五葉松はしっかり根張りをすることで安定感が生まれ、美しい樹形を楽しめる種類です。

五葉松の葉は、他の種類の松に比べても葉の色と長さが絶妙のバランスを保っており、じっくり観察するとその美しさにほれぼれすることでしょう。

庭木におすすめの松の種類④:モンタナ松

モンタナ松の分布・生育環境

出典:ライター撮影

別名でスイス高山松とも呼ばれるマツ科マツ属の種類のモンタナマツは、ピレネー山脈やアルプス山脈などの標高1,000~2,200メートルのヨーロッパの山地が自生地です。

自生地の環境が示しているように、日本では緯度の高い北海道などの寒冷地に適した種類の植物となり、庭木や公園樹などに多く利用されているようです。最近はつぼみや若い松かさを使ってパインシロップにするなど食材としての利用が増えてきています。

モンタナ松の最大の特徴と見分け方

出典:ライター撮影

モンタナ松の樹皮は灰褐色をしており、特徴は長さが3~8センチある針状の葉が二本で一束となっている点です。葉先はやわらかくチクチクしない点も特徴です。

球果は長さ3~7センチの卵形をしており、緑褐色から黄褐色に変化します。鱗片は薄くて対称形をしており、ツヤがありません。

モンタナ松の高さと成長のスピード

出典:ライター撮影

植栽した場合のモンタナ松の高さは最大でも3メートルほどと低く、庭木や公園樹、街路の中央分離帯などに重宝します。しかし原産地では25メートルほどにまで大きくなる種類です。

ガーデニングで用いる場合は、モンタナ松の園芸種を利用することが多くあります。防犯目的としても役立ち、北アメリカでは壁や柵の代わりに利用される種類の植物です。

モンタナ松の育て方のポイント

モンタナ松は他の種類の松とは異なり、株元から分枝し半球形の樹形になる特徴があります。刈り込みも生育に影響を与えないため管理しやすい種類の松です。

黒松や赤松、五葉松などと同じように、日当たりと風通し、水はけのよい場所であれば育てやすい種類の松のといえます。

庭木のおすすめの松の種類⑤:その他

庭木におすすめの代表的な松の種類は黒松や赤松、五葉松、モンタナ松などですが、他にもいろいろな種類の松の木があります。いろいろチェックして、他の人とは違う種類の松の木に挑戦してみるのもよいかもしれません。いくつか挙げるのでガーデニングのご参考にしてください。

リュウキュウマツ

マツ科マツ属のリュウキュウマツは別名をリュウキュウアカマツともいう、南西諸島の海岸で自生する種類です。沖縄では島唄にも登場するなど代表的な種類の松として親しまれてきました。

台風に強いため小笠原諸島に移植されて外来植物になっています。縁起のよい植物として正月飾りにも利用される他、成長の速さから温暖地域では庭木としての利用価値が高い植物です。葉の長さが10~20センチと細長く、二本一束で付きます。

チョウセンゴヨウ

マツ科マツ属のチョウセンゴヨウ(朝鮮五葉)は、北東アジア地域が原産となる五葉松の種類に分類される植物です。野生での樹高は30メートル以上、幹は1.5メートルにもなり、名前のとおり針形の葉は五本で一束となります。

葉の色は濃い緑色をしていますが白い気孔が目立つため、遠くからは青緑色に見えるのも特徴的です。五葉松との見分け方は、葉の長さが6~10センチもあることと鋸歯があることとなります。

ハイ松

出典:ライター撮影

マツ科マツ属のハイマツは、中部以北の日本やシベリア、中国東北部などの高山の森林限界で自生する種類の植物です。寒冷地の北海道では標高の低い場所でも見られます。

漢字は"這い松"と当てられているように、地表を這うように生育する特徴があるのです。その特徴を生かしてまれにグラウンドカバー的に庭木として活用する人もいます。葉の長さは4~5センチほどです。

エゾ松

出典:ライター撮影

マツ科トウヒ属のエゾ松(蝦夷松)は名前のとおり、日本では北海道で自生する種類の植物です。大きなものでは樹高が40メートルほど、幹が1メートル以上にもなります。樹皮は黒褐色でウロコのように割れ目が入るのが特徴です。

葉は横断面が扁平で長さ1~2センチ幅1.5~2ミリとなり、先がとがっており、見た目どおり触ると痛いのも特徴といえます。洋風ガーデニングの庭木として植栽されることが多い種類です。

アカエゾ松

アカエゾ松はエゾ松と同じようにマツ科トウヒ属の種類に分類され、日本では北海道を中心に自生しています。さらに湿地や蛇紋岩地、土壌の薄い溶岩台地、火山灰地、海岸砂丘などの貧養分の厳しい条件で優先的に生育するため、純林を形成することもある種類です。

エゾ松との大きな見分け方は、葉の長さは0.5~1.2センチ、幅は1ミリとさらに小さく、横断面は菱形です。4面に気孔帯があるのもエゾ松との大きな違いです。

トド松

出典:ライター撮影

マツ科モミ属のトド松(椴松)は、エゾ松と同じように日本では北海道で自生する種類となります。樹高は最大で30メートルほどになり、樹形はエゾ松と似ているといえるでしょう。

エゾ松との最大の見分け方は、長さが1.5~2センチほどの葉は先端が二裂していることです。しかし触れても痛くなく球果がバラバラに分解するという特徴もあります。樹形の美しさからクリスマスツリーなどガーデニングで利用されることが多い種類です。

プンゲンストウヒ

Photo by_Alicja_

コロラドトウヒともいわれるマツ科トウヒ属のプンゲンストウヒは、アメリカのロッキー山脈が原産地です。青色を帯びた色合いや円錐形の樹形が美しくてクリスマスツリーにもなる、観賞価値の高い園芸品種の多い種類となります。

野生の樹高は20メートルを超えますが、庭木などの品種では5~15メートルほどで止まります。葉は長さ3センチ、枝から放射状に付いており、青い粉状のワックスが表面に付いているのも特徴的です。

ドイツトウヒ

出典:ライター撮影

マツ科トウヒ属のドイツトウヒ(またはヨーロッパトウヒ・オウシュウトウヒ)は、アルプス山岳地域などが原産の北方針葉樹の種類です。モミの木などと共にクリスマスツリーとしても人気があり、庭木や公園などで植栽されています。葉の長さは2センチ、断面は菱形です。

寒冷地でよく育つ種類のため、東北以北で鉄道林に植栽されることが多いようです。成長が早いため苗木を安価で入手できますが、こまめな剪定が必要となります。

ヒマラヤスギ

Photo bydjedj

マツ科ヒマラヤスギ属のヒマラヤスギの原産地は名前のとおり、ヒマラヤ山脈西部周辺の標高の高い地域です。ヒンドゥー教では聖なる樹木として崇拝されています。庭木や公園木として人気ですが、厳しい寒さとなる地域以外での栽培がおすすめです。

葉は2.5~5センチほどあり、なかには7センチほどの長さになるものもあります。断面は鈍三角形や円形です。明るい緑から青緑に変化し、美しい印象を与えてくれる種類の松の木です。

カラマツ

出典:ライター撮影

マツ科カラマツ属のカラマツは、中部以北の亜高山から高山体で自生する日本固有の植物です。針葉樹の種類の中では唯一落葉する種類となり、落葉キノコを生育する種類の樹木としても知られています。葉の長さは2~5センチで、秋には黄色に美しく色づくため景観樹林としても人気です。

野生では、樹高20~40メートル、幹の太さは1メートルほどになり、成長が早いため森林を作る種類の樹木として重宝されていました。

松を庭園に植えて素敵にアレンジしよう!

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

庭木向けの松の木で人気がある種類は日本古来親しまれてきた黒松や赤松、五葉松ですが、最大の見分け方は「樹肌の色」や「葉の長さ」「葉の付き方」にあります。ぱっと見るだけでは分かりにくいかもしれませんので、実際に樹肌や葉っぱに触ることで違いを確認して見分けてください。

マツ科にはマツ属・モミ属・トウヒ属などの種類が違うものもあるため、種類ごとの特徴をつかめるとさらに松の木が面白く感じられることでしょう。

松ぼっくりが気になる人はこちらをチェック!

松ぼっくりは、同じマツ科の植物でも、マツ属・モミ属・トウヒ属などで特徴が変わってきます。主な松の木ごとの松ぼっくりについて紹介してあるのでご参考にしてください。また、松ぼっくりを使った可愛いクラフトにも挑戦してみませんか。