はじめに:アジアのハーブ!紫蘇を自宅で育てる
簡単にできる紫蘇は初心者の家庭菜園向け
紫蘇は日本へは中国から伝わった歴史の古いハーブの仲間。縄文時代の土器に紫蘇の種が入っていたのが発見されるほど昔から日本では馴染みのあった植物となっています。
紫蘇の人気はその植物としての強さ・丈夫さで、ほぼ雑草扱いしてもよいくらい育て方は簡単。はじめて家庭菜園をするのに何にしようか迷っているという方は、梅干し漬けや紫蘇ジュース・天ぷらやそうめんの薬味といろいろと使える紫蘇栽培はおすすめです。
間引きの摘み方や肥料など紫蘇の育て方ポイント
広い畑や庭での広範囲の栽培を考えている方は別として、株の数を少なく収穫量を増やしたいという方は間引きや摘心をおこない1本あたりの葉の数を増やしていきましょう。
はじめての家庭菜園で小規模でたくさん収穫できる、間引きや摘心・肥料を与えつつおこなう紫蘇の育て方を解説していきます。
育て方の前に知りたい!紫蘇の基本情報
紫蘇の育て方の前にこの紫蘇の種類や分類・花の時期や花言葉などの基本的なことを知っておくのは、家庭菜園をするときに役に立つことも多いです。まずはそんな基本情報をお話しましょう。
紫蘇の基本情報
| 科・属 | シソ科シソ属 |
| 原産地 | 中国 |
| 英語名/学名 | PerillaまたはRed Shiso/Perilla frutescens |
| 育て方難易度 | 非常に簡単 |
紫蘇とは赤ジソが基本となる品種
紫蘇は紫色の赤紫蘇が基となる品種で、その品種改良で青紫蘇が生まれました。紫蘇というと青紫蘇を思い出す方も多いかも知れませんが、順番的には赤紫蘇の方が先にあったものなのです。
紫蘇の特長
紫蘇の種類と見た目の違い
先程も赤紫蘇と青紫蘇がでましたが、このふたつの違いは色だけでなく栄養素も変わってきます。赤紫蘇の色はぶどうなどベリー系のシアニジンといわれるアントシアニン系色成分。ポリフェノールが豊富で紫蘇ジュースなどにして飲む方法も流行しましたね。
一方青紫蘇はそのさわやかな香りが特長。赤青両方にチリメン〇〇と呼ばれる葉の切り込みが深く、葉の表裏ともにやや縮れたものも存在します。
エゴマも紫蘇の仲間
韓国のりまき(キンパ)などにもよく使われるエゴマの葉も紫蘇の仲間です。こちらは紫蘇特有のすっきりとした香りはごくごく少なく、代わりにごまのような香りがほのかにするものとして料理にアクセントを付けてくれる紫蘇として人気があります。
紫蘇の開花時期や花言葉
紫蘇の穂も食用になるが
夏が終わり涼しくなってくると紫蘇にも花がつきます。この花は茎に均等に並んで咲く穂の形となっていて、穂紫蘇ともよばれててんぷらの材料としても使われるほかにも塩漬けにして漬物としても好まれるもの。
しかし花が咲くととたんに花に栄養を回すようになってしまうため、葉が硬く食べにくく香りも弱くなってしまいます。少しでも紫蘇の葉を長く収穫したい場合は花穂は早めに摘み取ってしまいましょう。
紫蘇の花言葉は「力が蘇る」
紫蘇の花言葉では力が蘇るというものが有名です。もともと紫蘇は煎じてエキスの薬効成分を食中毒の回復薬として利用されるハーブでした。そのためこのような花言葉が付けられたといわれています。
紫蘇の名前について
紫蘇の漢字名には中国の伝説に由来する
紫蘇は紫に蘇ると書きます。これは中国では紫蘇を薬として用いていたことに由来する当て字です。カニを食べて食中毒を起こした人に紫蘇を薬草として飲ませたことで命を吹き返すように元気になったという伝説があります。
中国語としての紫蘇の名前の由来はこのようなもので、日本語名のシソという読みはこの中国名からきており、また紫という漢字が使われていたことから赤紫蘇が古くからあったこともわかるでしょう。
中国では紫蘇は薬草だった
このほかにも薬ではなく紫蘇の葉を食べて食中毒が治ったという子どもの話もおとぎ話として伝わっていることから、中国では紫蘇=薬というのが古くからの使い道としてポピュラーなものでした。
現代日本では紫蘇を薬草として食べるという習慣はポピュラーではありませんが、健康のためにも紫蘇はぜひ食べたい野菜ですね。
丈夫で簡単!さらに失敗しづらくなる紫蘇の育て方
紫蘇の基本状と特長、種類・花言葉まで見ていただいたところで早速育て方を解説を御覧ください。
紫蘇の育て方は簡単ですが1本の株でより多く収穫しようとするならば、簡単なお手入れを加えておこなう必要がでてきます。まずは紫蘇栽培に用意するものからチェックしていきましょう。
紫蘇栽培で用意するもの
種や苗
紫蘇は苗でも売られていますが種からも育てやすいのでどちらからはじめてもよいでしょう。種なら100均などでも2袋で100円程度で購入できるのでひと夏では食べきれないほど収穫できとてもコスパがよい家庭菜園ができます。
苗なら1本をじっくり育てたい人向けです。害虫などが付いておらず葉は青々としていて徒長・水切れなどが見られないものを選べば育て方もやりやすく簡単になります。
栽培する紫蘇の種類は絞り込むのがコツ
紫蘇の仲間を複数種類を近くで育てるのはおすすめできません。例えばエゴマと紫蘇です。紫蘇はとても簡単に混雑(別の種類を親としてそれを合わせた特長を持つ子ができること)してしまうため翌年も種や同じ株で家庭菜園しようと思った場合味や香りが違うものができてしまいます。
プランターや植木鉢
庭に地植えしてもよいですが、紫蘇は強く繁殖力が高い植物なのでほかの花のスペースを脅かすことも少なくありません。それを防ぐためにもプランターや鉢植えで栽培した方がよいでしょう。
水やりの手間を省きたいため地植えを考えている場合でも、株が広がらないように一旦鉢に植えた株を鉢のまま地面に埋める方法もおすすめです。
土や肥料・土壌改良材
鉢やプランターで栽培するなら野菜用の培養土が簡単ですぐに使えて便利です。そのほか液体肥料や庭植えする場合には酸性に傾いた土壌を中和するための苦土石灰といった土壌改良材もご用意ください。
紫蘇栽培1.日当たり
紫蘇は日なたが好きな植物
紫蘇は日当たりのよいところで栽培しましょう。日当たりが悪いと葉の色が薄くなりそのため風味も薄くなると感じてしまうことがあるためです。紫蘇の香りを特に好まれる方は、必ず日光がよくあたる場所に鉢やコンテナを置いて育てます。
夏の日差しから紫蘇を守る方法
日光が好きな植物ですが夏の暑い日ざしでは葉が焼けたりしおれたりという症状がおこります。夏場だけは寒冷紗で2-30%程度遮光してあげると紫蘇にとってちょうど日当たりとなるでしょう。
紫蘇栽培2.紫蘇の種まきと苗作り
紫蘇の種まき時期とやり方
紫蘇の種まき時期は4-6月。春暖かくなってから蒔きます。蒔き方はバラ蒔きでできるだけ重ならないようにするのがポイントです。後から間引きするのですが、はじめから重ならない方が手間がかかりません。
紫蘇の間引き時期と芽の摘み方
紫蘇は苗として植え付けできるまで2回程度を目安に間引きしていきます。最初はふたばが出揃ったら。株と株の間を3cmほどになるようにして大きめで虫食いがないきれいな葉を残していくのが摘み方です。
その次は本葉が出て全体の葉の枚数が3-4枚になったら二回目の間引き時期。このときは株間が5cmくらいになるように間を調整して摘んでいきましょう。
紫蘇栽培3.苗の植え付けと植え替え
紫蘇の苗を植え付ける時期と方法
苗の植え付け時期は5月。このときまでに成長した苗からより丈夫そうで大きなものを選んで、庭やプランターに20cm間隔で植え替えしていきます。この方法ですとそのあと間引きはしませんので株間は大切。必ず20cmは必要です。
植え替えをしない紫蘇の育て方
植え替えをしない場合は、2回めの間引き以降も均等に葉が触れ合わない程度に間引きを繰り返して最終的には20cmほどに間隔を整えてください。間引きした芽は間引き菜としてサラダに。若い葉であれば通常の紫蘇の葉と同様に使用できるので捨てずに活用しましょう。
紫蘇栽培4.水やりや肥料など日常管理
紫蘇の水やりポイント
紫蘇は水切れするとしおれてしまいそのまま枯れてしまうことも多いため、水やりタイミングや量は大切です。地植えの場合はよほど雨が降らない限りは水やりする必要はありません。鉢やプランター栽培の場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
苗を購入した場合は植え付け前の土にも苗にもたっぷりと水やりをしてから植え付けすることで、根が付くまでの水切れを防ぐことができるのでお試しください。
紫蘇の肥料!時期と種類ややり方
紫蘇の肥料は収穫がはじまった頃から定期的におこないます。具体的には植え付けてから2週間から1ヶ月後くらいからが目安です。このころには元肥の効果もなくなってしまっているので、葉の成長をさせるには養分が必要となります。
固形の緩効性肥料であれば月に1度程度。液肥であれば水やりのときに一緒に月に2-3回を目安おこないましょう。
紫蘇栽培5.収穫時期とその後の管理
紫蘇の収穫時期とやり方
収穫は1ヶ月もするとできるようになりますが、取りすぎてしまうと成長が遅れるため大きくなってこれ以上置いておくと葉が硬くなってしまいそうなものだけ切り取って1枚2枚食べるにとどめます。
これ以降も株が大きくなるまでは収穫量は取りすぎないように葉を残すのを心がけておこなってください。
頂点の葉を収穫して摘心をする
株丈が30cmを超えるくらいまで成長したら頂点の葉を収穫してしまいましょう。その両脇から脇芽が出てきて収穫量が増大します。収穫のコツですが香りに気をつけるには葉にはできるだけ触れずに茎の部分だけ手に持ちハサミなどでカットするようにするとよいです。
紫蘇の花穂の摘み方
紫蘇の収穫期間は長いですが収穫を続けていくと花が付く時期となります。前述のとおり花が咲くと葉が硬くなるので種取りの目的でない限り花穂はできるだけ早く小さなうちに摘み取ってしまうのがおすすめです。こうすることで葉の収穫期間が伸びるでしょう。
使い方によって選ぶ!おすすめの紫蘇の種類
青シソ 青香 ポット苗
青シソ 青香 ポット苗
薬味として・てんぷらの材料として大葉という名前で通年流通している青紫蘇です。こちらの商品はチリメンジソと呼ばれる縮みが葉に現れるタイプ。つるりとした葉のものよりも見た目の美しさが特長となっています。
揚げ物や薬味に爽やかな香りの青紫蘇
肉料理に刻んで混ぜたり間に挟んだりするほか、青じそはそうめんの薬味として食欲の出にくい夏にさっぱりと食べられる味変の素材としてもおおいに利用できる使いやすい食材ですので、欲しいときにすぐに新鮮なものが手に入るのは嬉しいですね。
ハーブ 苗 紫紫蘇
ハーブ 苗 シソ
紫色の赤紫蘇は青紫蘇に比べると梅干しの着色には使われることは多くても、あまり出番のない野菜でした。しかしその葉の色に多く含まれるポリフェノールが見直され近年は赤紫蘇を使ったレシピも登場しており出番も増えています。
紫蘇ジュースや漬物に使える赤紫蘇
さわやかな風味ときれいな赤色の紫蘇ジュースは、それだけでなく抗酸化作用のあるポリフェノールを摂取したい人にも人気があるレシピです。赤紫蘇の葉で作ることができます。もちろん昔ながらの梅干しの色付けなどにもご利用していただけるでしょう。
まとめ:紫蘇を家庭菜園で自家栽培する
紫蘇の育て方は初心者でも簡単でおすすめ
初夏から秋まで長い期間収穫でき、料理やジュースにもいろいろと活躍してくれる紫蘇。種まきや苗から簡単に育てることができます。大きくして収穫量を増やすには十分な間隔をキープできる間引きの摘み方や摘心・液体肥料などのお世話をするのがコツです。
花穂を付けるようになったら早めに摘んでしまい収穫時期を伸ばします。紫蘇の実は塩漬けにしても美味なので、葉に食べ飽きた方は紫蘇の実のために花穂を育ててみるのもよいですね。
紫蘇が気になる方はこちらもチェック
紫蘇はとても簡単に作れる初心者向けの家庭菜園に役立つ野菜です。増やし方のコツやもっと初心者向けに解説した記事が読みたいという方はこちらも是非見てみてくださいね。

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出典:https://photo-ac.com/