ゴルフ打法の一つ「ノーコック」とは
「ノーコック」はゴルフにおいて用いられるスイング打法の内の一つで、あのタイガーウッズ選手が好んで使用するほど有効なスイング打法になります。「コック」とは簡単に言うと手首を親指側に折り曲げることです。
すなわちノーコックというのは手首を極力折り曲げずにスイングすることを指します。この打法はショットの正確性が向上するなどのメリットがあり、主に30ヤード以下のアプローチショットなどで重宝されています。
そもそもコッキングとは
コッキングをしない打法と言われても、そもそもコッキングとは具体的にどういった動作になるのでしょうか。コッキングは手首を親指側に折り曲げることと上述しましたがテークバックを行う際に少しずつ親指側に曲げていき、クラブがトップポジションまで来たところでコックを完了させるイメージとなります。
手首のコックによりスナップを利かしたショットが可能となり、飛距離アップが望めゴルフには必要不可欠な技術となりますね。
ノーコックが注目される理由
ノーコックは豪快にボールを飛ばすスイングではないため、比較的地味な印象のスイングとなりますが、近年では多くのプロゴルファーがショットに取り入れていたりとその注目度は向上してきています。
多くのゴルファーがショットの方向性やスイングの安定性を突き詰めていくと、導かれるスイングなのです。初心者は特に豪快なドライバーショットだけでなく、安定したノーコック打法も練習に組み込むことで技術向上・スコアアップが期待できます。
ノーコックのメリットとは
ノーコックの特徴はご理解いただけたでしょうか。続いて練習方法の解説に入る前に、メリットを解説します。メリットをしっかり理解しておくことは、練習のモチベーション・技術習得度の向上に大切ですね。
ノーコックの「メリット」をポイントに分けて解説していきますので、しっかり頭に入れておきましょう。
メリット①
メリット①は「ボールをクラブで正確に捉えやすくなること」です。ゴルフ初心者の方は特にドライバーショットを豪快に決めようとするほど、空振りしたり、綺麗にクラブをボールに合わせることが難しく感じるでしょう。
ノーコックは手首を曲げない分、クラブの軌道がシンプルになり振り上げたのと同じ軌道でショットを決めやすくなるため、ボールを捉える正確性が安定し、ショットの方向性向上につながるのが最大のメリットと言えます。
メリット②
メリット②に挙げられるのは「体の回転で打つ方法が身に着く」こと。一般にゴルフ初心者の方は比較的、腕の力だけでショットを打つ傾向があります。本来、ゴルフのスイングは体全体の回転を使った全身運動によりショットを決めることが理想のため早い段階で体の回転で打つ打ち方を身に着けるのが重要です。
その際、ノーコックを練習に取り入れれば、手首のスナップに頼らない体の回転を使った打ち方が自然に身に付きやすくなります。
メリット③
メリット③には「狭いコース、アプローチのスコア向上が望める」です。ゴルフのスコアが中々上がらないとお悩みの方にもノーコックの習得が推奨されますね。
ゴルフとは、もはや飛距離を競うだけの競技ではなく、ボールキープ率を上げることでも飛躍的にスコアを向上させることが可能です。そのためノーコックなどの正確性重視のスイングを習得し、狭いコース、アプローチでの成績で差を付ければスコアアップが期待できます。
ノーコックのデメリット
ノーコックの「メリット」を解説してきましたね。ただし、どのスイング打法にも一長一短はあり、この打法にも当然デメリットが存在します。どのようなデメリットがあるのでしょうか。
デメリットをしっかり把握しておくこともゴルフのスコアアップには欠かせません。それぞれ解説していきますので、頭に置いておきましょう。
デメリット①
デメリット①に挙げられるのは「飛距離の低下」です。ノーコックは手首のスナップを効かせられず、比較的窮屈な打法となるためドライバーショットに比べ飛距離が70%程に落ちてしまうのが最大のデメリットですね。
ですがこの打法はショットの正確性・方向性に特化したスイング法と捉え、アプローチショットなどでのみ活用するなどドライブショットとの適切な使い分けを行うことによりデメリットの埋め合わせが可能です。
デメリット②
デメリット②は「体力の消耗」です。「ノーコック」において飛距離を出そうとテークバックを大きめに行うと、手首を返せず、窮屈な体制で持ち上げる必要から身体にやや大きな負荷がかかってしまいます。
ある程度筋力に自信のある方ならともかく、そうでないゴルファーの方ですと、筋肉疲労や関節の故障の恐れも考えられますね。そのため、長丁場のプレイでの多用は避けて、コンディション調整にも気を配りましょう。
ノーコックの練習方法とは
ノーコックを使用することによるメリットはご理解いただけたでしょうか。ノーコックはゴルフ競技にて極めて重要な方向性の向上に大事な技術。多くのアマチュアゴルファー・プロゴルファーが習得に力を入れております。
しかしながら、方向性・安定性を向上可能と言えど、適切な練習方法にて習得を目指さないとかえって、悪い癖が付きスコアダウンにつながりかねません。練習方法をここで的確に押さえておきましょう。
ノーコックの練習方法①:ハーフスイング
ノーコックの練習方法として最初に挙げられるものは「ハーフスイング」です。初めからテークバックを大きく取ろうとすると、どうしても手首が曲がってしまいがちになります。
そのため、初めは比較的トップでも手首を固定しやすいハーフスイング(90度まで)にて練習することが推奨されますね。ハーフスイングで手首の使い方の感覚を習得することに集中することが練習方法として最重要となります。
ノーコックの練習方法②:反動を利用する
続いての練習方法として挙げられるのは「反動を利用して振る」というものです。ドライバーショットなど基本的にゴルフのショットは自身の身体から生み出す力でボールを飛ばしますね。
ただしクラブの持つ重力を最大限利用すれば身体の力を使わずに比較的楽にボールを飛ばすことが可能に。クラブを振り子にして反動を利用する手首を極力使わないスイング練習を取り入れることはノーコックの習得方法にとても有効です。
ノーコックの練習方法③:握り方を調整
続いての練習方法は「握り方を調整」すること。ゴルフのショット全般において握り方を確定させておくことは極めて重要ですね。基本的にノーコックでは「スクエアグリップ」を用います。
スクエアグリップは真上から見て左手の親指がグリップの中心からやや右側に来る感じで、そこに右手をかぶせていきますね。ただし、場合によっては左右の手の間隔を広げたり狭めたりしてしっくりくるポイントを探ってみると良いでしょう。
ノーコック上達のポイントとは
ノーコックの練習方法についてご理解いただけたでしょうか。一通りの練習方法を把握できても、いざ実践してみると、上手くいかない点が出てきますよね。ここからは初めてノーコックの練習を取り入れるゴルファーが躓きやすいポイントと原因・改善方法をご紹介していきます。
闇雲に練習するのではなく躓きやすいポイントをしっかりと押さえ、効率的な練習を行うことが重要です。そうすれば最短ルートで上級ゴルファーに至れることでしょう。
上達ポイント①
最初の上達ポイントは「トップにおいてフォームを崩さないこと」。アマチュアゴルファーに限らずプロゴルファーであってもノーコック打法を行う際、テークバック後のトップポジションにて手首への過度の意識によりフォームが崩れるミスが起こりがちです。
ノーコックでのテークバックは窮屈故にストレスがかかりますが、テークバック後に気を抜いてトップ付近でフォームを崩すのはもったいないのでトップ付近の形を意識しましょう。
上達ポイント②
続いての上達ポイントは「上半身の傾斜角度」。初心者の方は特にノーコック打法を行う際、打球への過度の意識から前傾姿勢になりがちです。
前傾姿勢になるとドライバーの地面との接触・腰への負担などの恐れがあります。逆に、背中が沿ったままスイングを行う方も初心者には多く見られ、ボールとの距離感の狂いから方向性のあるノーコックを実現できなくなりますね。調子の悪い際は、上半身の傾斜角度にも気を配ってみましょう。
上達ポイント③
続いて上達ポイントに挙げられるのは「体重バランス」。一般にドライバーショットなどでは左右足に均等に体重をかけておきインパクト時に上手く体重移動を行うことにより力をボールに上手く作用させます。
しかしながら、ノーコックなどの方向性重視のアプローチショットでは体重移動によりポイントがずれてしまう可能性を排除することが重要です。そのため、予め左足の方にウエイトをやや大きくかけることが推奨されています。
上達ポイント④
続いて上達のポイントに挙げられるのは「インパクト時にボールを乗せるイメージを持つこと」です。ドライバーショットなどは特にボールに向かってドライバーを打ち込むイメージがあると思いますが、ノーコックやパターンなど方向性重視のショットではボールをドライバーのインパクト面に乗せるイメージで打つと比較的、打球が安定します。
方向性が安定しない際は、ボールを乗せるイメージを強く持った上で、トライしてみましょう。
ノーコックを用いるプロゴルファーとは
前述した通り、近年ではノーコックを主要な打法として取り入れているプロゴルファーも増えてきております。ノーコックを取り入れることにより、様々なコースに対応することやプレイ戦略の幅が拡がるということがよく理解できますね。
これから紹介するプロゴルファーを参考に、練習・活用方法を明確化した上で、トレーニングに取り組んでみましょう!上手なスイングをイメージしておくと技術の向上は飛躍的に上がります。
ノーコックゴルファー①:宮里藍
ノーコックを使用するプロゴルファーとして、最初に挙げられるのは「宮里藍」選手ですね。沖縄出身を感じさせる色黒な肌とかわいらしいルックスで知名度抜群の宮里藍選手ですが、実はスイングに関してもノーコックを主に高い技術を持っていることでも世界的に注目されている選手なんです。
そのためノーコックをこれから練習に取り入れたいと考えているアマチュアゴルファーの方は、まず彼女の動画を参考にしてトレーニングを始めましょう。
ノーコックゴルファー②:堀琴音
続いてのノーコックゴルファーとして挙げられるのは「堀琴音」選手です。こちらも女性ゴルファーですが、女性ならではの柔軟性とドライバーの重力を上手く活用することにより高い方向性を伴うショットを量産している選手ですね。
堀琴音選手もドライバーショットの飛距離は特別成績が良いわけではありませんが、ノーコック打法を取り入れていることにより高いフェアウェイキープ率を誇り、結果として成績上位に名を挙げております。
ノーコックゴルファー③:笠りつ子
続いて、ノーコックゴルファーとして挙げられるのは「笠りつ子
」選手。笠りつ子選手はドライバーショットでもノーコックを使用するという点が大きな特徴の女性ゴルファーです。
これは笠りつ子選手の強靱な下半身と肩周りの柔軟性を充分に活かせる高い技術を持っているからこそで、ノーコック打法ながらも方向性・飛距離を兼ね備えたショットを実現し多くのアマチュアゴルファが彼女のスイングを参考にしてトレーニングに励んでおります。
ノーコックゴルファ④:井戸木鴻樹
続いてのノーコックゴルファは「井戸木鴻樹」選手です。彼は男性としては小柄な方で飛距離に関しては伸び悩んでましたが、ノーコックによりフェアウエイキープ率は群を抜いており世界で名をはせました。
井戸木選手のスイング動画を見てみるとテークバックの際、左腕とシャフトが綺麗に直線状に揃っているのが確認できると思います。これが井戸木選手の方向性を生み出す要と言っても過言でない為、アマチュアの方は是非参考にしましょう。
初心者はノーコックからがおすすめ
ノーコックについて大体ご理解いただけたでしょうか。初心者やアマチュアの方が最初に練習するスイングとしてはノーコックが推奨されます。クラブのスイートスポットでボールを捉えやすくなり、ボールを飛ばす快感を早くに味わうことができますね。
ストレスを軽減し、練習のモチベーションを保つためにも最初は飛距離を出すことに拘らず、ボールの中心を正確に捉える感覚を身に着けることを優先にトレーニングしてきましょう。
コッキング習得にもチャレンジ
ノーコックによりボールを捉える感覚を掴めて来たら徐々に手首のコックを利用するスイングにもチャレンジしていきましょう。ノーコックは手首のスナップを効かせられないことから、どうしても飛距離の面では限界が来ます。
そのため、次のステップに進むためにもコックを使用したスイング練習に移行する必要性も頭に置いておきましょう。両方使い分けられるようになれば、さまざまなコースに対応できるようになりライバルに差を付けられますね。
ノーコックを過信しないこと
ノーコックはショットの方向性を重視したスイング法。そのため、比較的短いアプローチショットなどで重要になる技術ですね。ただし、ノーコックだからと言って必ずしも打球が曲がらないというわけではありません。
スイングは、身体の全身運動であり不調にはさまざまな要因が考えられます。あくまで方向性を高める技術であるため、不調時には「手打ちになっていないか」「クラブが合ってないか」などにも注意していきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ノーコックは手首を極力使わない打ち方をとることによりショットの方向性・再現性を高めてくれる技術でしたね。ノーコック打法を取り入れることによりスランプを脱出できたり、初心者の成長速度が上がったという声は多数聞かれます。
飛距離を伸ばすためには手首を使ったコッキングによるスイング技術も大事になりますが、まずはノーコック打法をきちんと習得しておくことによりスコアを安定させる効果が期待できるでしょう。
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