はじめに:簡単手軽な球根の水耕栽培
インテリアにもなる球根の水耕栽培
ガーデニングをはじめてみたいけれど庭がない・忙しくてこまめに面倒を見てあげることができないけれど花を自分で育ててみたい。そんな方には冬に成長して春に開花する球根を使った水耕栽培がおすすめです。
春に植える球根もありますが温度管理が難しくはじめての方には秋植え春咲きの球根を選ぶと簡単。育てる楽しみと切り花よりも長持ちする水耕栽培で、はじめてのグリーンインテリアを楽しみましょう。
初心者でも大丈夫!球根の水耕栽培
球根の水耕栽培は容器と水・充実した球根を選ぶことで子供でも手軽に植物栽培が楽しめます。それでもはじめてなので不安が残る。できるだけ失敗しない方法が知りたいという方でも大丈夫です!
必ず花を咲かせられる冬に育てる球根の水耕栽培のやり方と注意点、おすすめの球根植物の種類をご紹介します。
球根の水耕栽培に必要なもの
水耕栽培にも野菜を育てる方法と球根を使って花を栽培するやり方があり、使うものも違ってきます。圧倒的に簡単に手軽にできる初心者向けの水耕栽培は球根植物を使う方法です。
まずはどのようなものが必要なのか・選び方のコツなどを交えて解説していますので要るものチェックリストとしてお使いください。
球根
水耕栽培用の球根はまとめていくらというものではなく、1個でいくらというものから選ぶのをおすすめします。たとえ複数個水耕栽培をしたいという場合でも、1個1個球根の充実具合を確かめ選べた方が咲いたときの見事さに差ができます。
手で持ってみてできるだけ重く大きいものの方が中に養分がたくさんあり水のみで花を咲かせてくれる率がアップするでしょう。見た目が大きくても軽いようなものは皮ばかりで中身がないのでパスします。また同種類で比較してほかよりも球根が小さなものも同様です。
水耕栽培容器
大きな球根小さな球根。球根植物にもそれぞれの種類によって大きさも違ってきます。球根サイズにあった水耕栽培用容器を選びましょう。
球根を乗せて水没しないくびれのあるものが使いやすいですが、ひっかけるフック付きの網を容器の縁にかけたりと、ワイヤーを使って自作・工夫すれば、おしゃれなグラスなどでも水耕栽培が楽しめます。
球根の水溶性肥料
水のみでもヒヤシンスなど大型の球根であれば開花まで栽培することはできます。しかし小さな球根植物であったりすると水だけでは栄養が不足するので、定期的に水耕栽培用の肥料を水に混ぜるという育て方をします。
これは水耕栽培用として実績のある有名メーカー品を使うようにしてください。おすすめはハイポネックスの液体肥料ハイポニカ。A液とB液を混ぜて使うタイプですが少しで十分効果があるので長持ちします。たくさん育てる・毎年育てたいという方はこちらがコスパがよいです。
水
水は水道水でかまいません。お風呂の残り湯などはいろいろなものが入っているため、水だけで育てる水耕栽培には向いていないので使わないでください。余分なものを分解してくれるものがいないので腐る原因となるからです。
前述の水溶性肥料は配合の分量の都合上大きめのペットボトルなどに作り置きしておく場合もあるので、水もできるだけ清潔で新しいものを使うと作りおきの肥料入りの水も保存しやすいです。
そのほか育てる球根によってあるとよいもの
ヒヤシンスやクロッカスなどの球根であれば上記の道具で十分足りますが、チューリップやムスカリなど少し変わった水耕栽培をおこなう方法ではこのほかに水ごけやハイドロボールもあると便利です。
これは球根が水に浸りきりにならないように土台として使うもの。そのほか小型の球根の水栽培をお気に入りのくびれのないおしゃれなグラスなどで育てたいという場合に活躍してくれます。
球根の水耕栽培のメリット・デメリット
球根の水耕栽培はどのようなところがよくてどんな方に向いているのか。メリットとデメリットに分けてお話しましょう。一般的な土耕栽培との違いも見ていただくためにそちらも簡単にご紹介します。
球根の水耕栽培のメリット
室内で管理していても虫がわきにくいのが水耕栽培の一番のメリットと感じます。害虫だけでなく病気も土が保菌していることが多くそちらに関する心配も減るでしょう。
また栽培にあたって処分の仕方が面倒な土を用意しなくてもはじめられるという手軽さも見逃せませんね。またお手入れしていても使用しているのは水だけですので手や服が汚れるというお悩みも不要です。
お手入れ頻度も少ない球根の水耕栽培
肥料を混ぜた水を入れ変えるだけで、夏など毎日水やりが欠かせない土耕栽培と比べるとお手入れ頻度もぐんと少なくて忙しい人でもうっかり枯らすという失敗が減ります。
クリーンな園芸をされたい方のほかにも、部屋にグリーンはほしいけど一人暮らしで平日の昼間は面倒を見られないという方におすすめです。
球根の水耕栽培のデメリット
使用する球根が使い捨てであるというところにコスパの悪さを感じます。自分で球根を分球して株数を増やすことに魅力を感じる方には残念ながらおすすめできません。
球根の土耕栽培のメリット
土耕栽培のメリットは水耕栽培ではできなかった分球で株を増やすということが可能なのが一番でしょう。
野菜栽培などでは味が濃く美味しくなるというメリットがありますが、球根植物の栽培に関してはこちらはほとんど関係ありません。水耕栽培よりも土耕栽培が優れている点というのは、球根植物を育てるということに関してはほとんど見つからないでしょう。
球根の土耕栽培のデメリット
水耕栽培でも最初に触れましたが病気や害虫の原因となることが多いのが土耕栽培の一番気になるところです。またいつも土が湿っている・日光に十分に当たらないという室内管理においては、土にカビやきのこ類が発生することも。
植木鉢のカビは少量ではありますが空気を汚しアレルギーの原因ともなりますので、空気清浄機がない環境ではあまりおすすめできません。
一般的な球根の水耕栽培のやり方
球根の水耕栽培をはじめる時期
球根に書かれている植え付け時期を目安として開始時期を決めます。多くのメジャーな球根植物が秋植え春咲きのものが多いので、有名な花から育て始めることが多い初心者の方はまず秋になったら園芸店を除いてお気に入りの球根を探してみましょう。
自分に水耕栽培が合っている・もっといろいろな球根植物の水耕栽培をしてみたいと思われた方はネットなどで栽培したい球根を見つけ、流通する時期を判断。通販や園芸店でその時期に球根探しをするのがおすすめのやり方です。
球根の水耕栽培の第一歩
球根を冷蔵庫で冷気に当てて発根させるという方法もありますが、初心者の方はそんなことをせずともいきなり容器に入れて栽培をはじめる簡単な方法からはじめてみましょう。
途中にくぼみのある球根が落ちない水栽培用の容器や自作の球根置きを設置したおしゃれなグラスなどに球根を入れぎりぎり水が球根に触れるくらいにセットしたら、玄関の下駄箱の中など暖房器具を使わない部屋でできるだけ暗い状態をキープできる場所に入れておきます。
球根の水耕栽培が発根してきたら
それほど時間を待たずに球根から根が出てくるでしょう。根が出てもまだ発芽していないと思いますのでそのまま冷暗所での栽培を続けます。ただしここで少し育て方を変えるのは水の位置です。
水耕栽培の注意点:水位調整
それまでは球根に触れるか触れないかくらいの水量にしていたものを、根の先端が数ミリから数センチ水に浸かるくらいの水位に調整しなおします。これは球根が水に浸かりっきりになって腐ってしまうのを防ぐためです。
球根の水耕栽培を明るいところに
発根から約1ヶ月くらいすると球根から発芽が見られます。ここまで暗い場所で栽培することで、より光を求めて発芽が促されるというわれです。芽が出てきたらもう暗い場所である必要はありません。明るい場所に出してきて毎日心おきなく球根植物の成長を楽しみましょう。
水耕栽培の注意点:水やり頻度
水は1週間に1度程度を目安に交換しますが、日当たりの良い窓辺などに置くと球根が吸う以上に蒸発により水位も早く減ります。水溶性肥料を加えて混ぜておいた水を用意して減った分は随時継ぎ足して根が水に浸かっているようにしてください。
球根の水耕栽培の開花
同じ種類の花でも遅咲きと早咲きなど性質が違います。その性質にもよりますが発芽から1-2ヶ月もすれば花芽が出てきて開花しはじめてくるでしょう。
ガラス製の重さがある水耕栽培容器を使って水を入れていれば重心は下にあり、上に大きく伸びてきても倒れることはまれですが、カーテンが風で揺れて巻き込み事故になるということも無いわけではありません。
球根の水耕栽培注意点:支え
花芽が出てくるころになると植物自体の重心は下の球根よりも上にあがってきます。水耕栽培で花芽がついた後に失敗しないで咲かせるためには、できるだけ重心が下にくるようにすることです。
茎が長い植物は容器を支柱代わりにして支えてあげるようにして花芽が開花するまで楽しみましょう。
補足:背の高い植物の水耕栽培
チューリップなど草丈が高くなると通常の水栽培用の容器では、球根部分が土と違い固定されていないため花が自重で倒れてしまいます。上記のやり方で水の加減が難しいという方は水ごけというベージュ色をしたこけの仲間が園芸店で売られていますので、それを購入して使用しましょう。
底にクッションとして置いてから水ごけの高さまで水を入れるようにすると球根が腐るのを防いでくれるのでおすすめです。
水耕栽培におすすめの球根の種類
それでは最後にはじめて水耕栽培をする方にもおすすめな、手軽で育てやすく簡単に手に入る水耕栽培向きなおすすめ球根植物の種類をご紹介します。
水耕栽培に向く球根1.ヒヤシンス
球根も大きく養分をたっぷりと蓄えられているので肥料要らずでも水だけで開花まで楽しむことが可能です。とてもよい香りがする春の花ですが、室内で水耕栽培をすることで気温が高いのでお正月くらいでも開花するものも珍しくありません。
ヒヤシンス用の水耕栽培容器はポピュラーでたくさん出回っていますので、どんな容器で育てたらよいのか迷うことも少ないおすすめの球根植物です。
水耕栽培に向く球根2.クロッカス
球根のサイズは小さいので水耕栽培容器に少し工夫が必要となってきますが、こちらも冬に育つ春咲きの球根の花として人気がある種類です。花色は黄色で針のような細い葉がトレードマーク。
よく似た花で紫色で白いラインが入るサフランもありますが、こちらは高額なスパイスとして取引される高級種。少し球根のお値段も張りますが育て方は同様で開花後はしべを収穫してお料理にも使えるので花後の楽しみもあるでしょう。
水耕栽培に向く球根3.ムスカリ
ムスカリはヒヤシンスと似た種類。冬から早春に開花する薄紫色の花は寄せ植えなどにも大人気の定番の球根植物です。
こちらも球根サイズは小さめとなっていますが、1本だけよりも何株かまとめて咲かせた方が美しいので、網などの上に球根をいくつか置き複数本を1つにして水耕栽培するのがおすすめとなっています。
水耕栽培に向く球根4.チューリップ
チューリップは草丈が高くなってしまうので水耕栽培にするのに向かないと言われていますが、容器や品種の選び方によっては水栽培できないわけではありません。
まっすぐに茎を伸ばしてその先にかわいらしい花を咲かせる姿はとてもかわいらしくグリーンインテリアに是非加えてほしい球根です。背の高いグラスなどの容器の底に水苔やハイドロボールなどを入れることで球根が沈まずに水耕栽培できます。
まとめ:初心者にもおすすめの球根の水耕栽培
冬の球根水耕栽培
初心者でも手軽にきれいな球根植物の花々が楽しめるのが水耕栽培のよいところです。あまり難しいことは必要なく野菜栽培ではないので肥料も必至ではありません。注意することといえば球根が水に浸かりすぎないようにすること。
根が出るまでは少し水が触れている程度。発根してからは根の部分のみが水に浸っていて球根には水はまったく触れないようにすることが腐らせてしまわないコツです。球根とおしゃれな容器を用意して手軽に楽しく美しい春咲きの花々栽培を室内で楽しみましょう。
球根の水耕栽培が気になる方はこちらもチェック
おすすめの球根でもご紹介したチューリップの水耕栽培の詳しい解説や、花以外の植物など厳選した水耕栽培向き植物の紹介といった記事をご覧になりたい方はこちらがおすすめです!

チューリップは水栽培できる?自宅でも気軽にできる育て方のコツをご紹介!
水栽培でチューリップを育ててみましょう。球根の中でもチューリップは水栽培難易度が高めですが水栽培のコツで失敗しづらくなります。チューリップの...

虫も湧かずにお部屋がおしゃれに!水栽培におすすめの観葉植物15選!
水栽培できる観葉植物は育てるのが楽で、土を扱わずに済むために部屋が汚れなくて虫も湧かないためおすすめです。水栽培ができる観葉植物はいくつかあ...
出典:https://photo-ac.com/