夏の花は暑さに強くて育てやすい!
原色に近い濃い色のヒマワリやサルビアなどは、真夏の暑い日差しにも負けずに元気に咲いてくれます。ガーデニングにおすすめの多くの夏の花は耐暑性があり、乾燥に強い特徴を持つ種類が多いようです。
なかにはイソトマやラベンダーのように高温が苦手な種類の花もあります。その場合は半日陰や鉢植えにして日光管理をするとよいでしょう。おすすめの人気な夏の花を植えて今年のガーデニングを楽しんでくださいね。(この記事は2021年6月28日時点の情報です)
ガーデニングにおすすめの夏の花15選
1.ジニア
ジニアは別名をヒャクニチソウ(百日草)というだけあり、初夏の5月頃から開花し、剪定切り戻しをすれば真夏を過ぎて秋の11月まで楽しめる一年草です。花色は赤・ピンク・白・オレンジ・黄色・緑があり、元気なガーデニングに必須の魅力的な夏の花となります。
乾燥にも強い花で、丈夫で育てやすいのも魅力です。草丈は15~100メートルほどと短く、庭の前景を彩ってくれます。人気品種はエレガンスやリネアリスなどです。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
育て方は地植えでも鉢植えでもOKですが、日当たりと風通しのよい場所で管理します。ポット苗が5月頃から販売され始める、初心者でも手軽に育てやすい夏の花です。
種を春にまくと、梅雨明け後には定植に程よい大きさに育ちます。夏の暑さには強い花ですが、乾燥しすぎると地植えでもしおれてしまうので、水やりをたっぷりしましょう。
2.アスター
アスターは一年草ではなく毎年楽しめる多年草で、初心者でも育てやすい丈夫なキク科シオン属の山野草です。開花時期は真夏の8月から秋の11月までとなり、耐寒性も耐暑性も強く、乾燥や暑さに強い花となります。
花色の種類は赤・ピンク・白・紫・青があり、草丈が120センチメートルほどになり、無数の小さな花が可愛いくて魅力的な夏の花です。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
年間をとおして日当たりのよい場所で育てられ、真夏も日よけをしなくてもよく、乾燥にも強い夏の花なのです。反対に日陰でのガーデニングは不向きなので、地植えする場合は日光条件を考えて植えてください。
プランターなどの鉢植えのほうが移動しやすいので育てやすいといえます。よく増えて根詰まりを起こすため、鉢植えしたときは毎年植えかけてください。
3.ニチニチソウ
ニチニチソウ(日日草)はマダガスカルなどの熱帯から亜熱帯地域が原産の一年草です。土質の好き嫌いはなく、高温と日当たりを好む乾燥に強い花のため、夏のガーデニングには欠かせません。開花期は初夏の5月~真夏を過ぎて秋の11月までと、長期間美しい花を楽しめます。
花色は赤・ピンク・白・紫・複色とありますが、ニチニチソウには矮性・高性・這い性の3種類があるため、用途別に品種を選んでガーデニングをしてください。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
日当たり風通しのよい場所が好みで、乾燥には強い花となります。しかし鉢植えの場合は表土が乾燥したら水やりを充分にしてください。地植えの場合は、真夏以外はほとんど水やりをしなくても問題ありません。
真夏の乾燥にも強いためガーデニング初心者も育てやすいといえます。肥料も多く与える必要はなく、過密にしたり窒素肥料を多くしなければ病害虫の心配もしなくてよいでしょう。
4.マリーゴールド
夏のガーデニングを活気づけるマリーゴールドは、鮮やかな黄色の花色のため真夏の花というイメージがあります。しかし春の4月頃に開花し、真夏と秋から冬の12月まで咲き続けます。
ボリュームがあるのでガーデニングの縁やプランターなど、あらゆるシーンで活躍する人気の花なのです。フレンチやアフリカンなど品種も多く、ガーデニングを楽しくしてくれる夏の花となります。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
マリーゴールドは日当たりと水はけのよい場所を好み、土質に神経質になる必要はありません。耐寒性は弱いですが、軽い霜ぐらいならばほぼ傷まずに咲き続けます。反面で高温でも咲き続けることから、夏の花というイメージがあるようです。
水やりは、鉢植えの場合は表土が乾燥してからでよく、地植えの場合はよほどの日照不足でなければ与えなくても心配ありません。ガーデニング初心者でも育てやすい夏の花です。
5.イソトマ
イソトマは小さな星のような形の花をたくさん咲かせる、ガーデニングを涼し気に演出してくれる初夏の花です。日本では冬に枯れるため一年草扱いですが、原産地のオーストラリアなどでは多年草となっています。
開花時期は5月から初夏を経て7月頃と、切り戻したときは秋にも開花するのです。耐暑性はやや弱いため真夏の花とはいえませんが、夏の夜空のようにガーデニングを魅力的に演出してくれるので挑戦してみましょう。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
日当たりを好む夏の花ですが、真夏は西日が当たらない風通しのよい場所を選んでください。蒸れにも弱いため、鉢植えの場合は梅雨の時期は軒下で管理しましょう。
水のやり過ぎには注意が必要ですが、鉢の表土が乾燥したらたっぷり与えてください。病害虫の心配は特にないので、比較的ガーデニングで育てやすい夏の花といえます。
6.ペチュニア
ガーデニングに欠かせない夏の花といえるペチュニアは和名のツクバネアサガオ(衝羽根朝顔)の名前どおり、薄くて丸い花が魅力的な一年草です。成長が早く育てやすいため、ガーデニング初心者でも安心して植えられます。
春から開花し、初夏と真夏を超えて晩秋の11月頃までと長く楽しめます。園芸品種はいろいろあり、魅力的な八重咲を始め、枝垂れやこんもり茂るもの、小輪から大輪など毎年のガーデニングが楽しくなる夏の花です。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
ペチュニアは日当たりと風通しのよい場所が好みで、水やりは表土が乾燥してからたっぷり与えるだけで問題ありません。肥料は多肥を好み、鉢植えも地植えも定期的な元肥としての緩効性肥料を必要とします。
液体肥料も2週間に1回必要となります。肥料の育て方は基本的に多くの植物と同じなので、いろいろな品種の栽培に挑戦してみましょう。
7.インパチェンス
にぎやかなガーデニングに必須の夏の花であるインパチェンスの開花時期は、初夏の5月から真夏を通し越して11月頃までです。ガーデニング初心者でも非常に育てやすい一年草となります。
一重咲や半八重・八重咲と多品種で、株がこんもりと盛り上がるなど、いろいろなニュアンスでガーデニングを彩ってくれる魅力的な夏の花です。花色はピンクの他に、赤×白、ピンク×白などのバイカラーも楽しめます。
最近人気の″小さなバラ″
インパチェンスで最近人気なのが、″カリフォルニアローズ・フィエスタ″シリーズです。花色が上品な点とバラのように見える姿は、まるでバラのような魅力的なニュアンスを生み出しています。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
一重咲きの品種は地植えでも丈夫に育てられますが、八重咲の品種は雨に弱いタイプなので、プランターなど鉢植えにしましょう。春と秋は日当たりと風通しのよい場所で管理し、夏は午前中は充分に日が当たる場所で保管して午後からは半日陰に移動します。
秋は徒長を防ぐために日当たりのよい場所で育て、少しずつ日光に慣れさせましょう。草丈は15~40センチメートルほどとコンパクトです。
8.キキョウ
キキョウは夏の花というよりも秋のイメージですが、開花期は初夏の6月頃から真夏を超えて秋までの多年草となります。花色は紫・白・ピンクで、真夏のガーデニングをクールダウンしてくれる、涼し気な花色が人気です。
キキョウはかつて東アジアの日当たりのよい草原で広範囲に分布していましたが、現在は環境変動のせいで絶滅危惧種に指定されています。明治時代に多様だった園芸品種も、現在はごく一部となってしまいました。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
キキョウが好む場所は、日当たり・風通し・水はけのよい場所となり、ガーデニングでもそれほど手間がかからない育てやすい強い花です。耐寒性も耐暑性も強く、植え替えるときや成長期などに適切に肥料を与えることで丈夫に育ってくれます。
9.サルビア
サルビアは昔からガーデニングに欠かせない夏の花として人気がある、真夏の暑い日差しに負けない丈夫な一年草です。開花時期は初夏の6月から真夏を過ぎて晩秋の11月までと長く、数か月間も燃えるように力強い花色を楽しめます。
他の花色はピンク・紫・白・青などがあり、最近はさわやかなブルーサルビアが人気です。独特な形をした小さな花が長い穂につき、下から順番に咲きあがるのも魅力的です。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
サルビアは日当たりと水はけがよく、乾燥しない場所を好みます。土質は腐葉質に富んだ弱酸性土が理想ですが、あまり神経質にならなくても大丈夫です。一年草扱いですが、冬でも5℃以下にならなければ冬越しもできます。
鉢植えの場合の水やりは表土が乾燥してからにしてください。開花期間を長いため、肥料は地植えも鉢植えも定期的にしましょう。ガーデニング初心者でも育てやすいのでぜひ挑戦してください。
10.センニチコウ
センニチコウ(千日紅)は名前どおり、初夏の5月頃から開花し、真夏も通り越して秋の11月頃まで楽しめる一年草です。花色は赤や白、ピンク、黄色、紫などがありますが、これは花弁ではなく葉が変化した苞(ほう)となります。
ガーデニングでは地味な印象ですが、ボンボンのような丸い形が魅力的で、フラワーアレンジメントにすると素敵な夏の花です。真夏の暑さや乾燥には強い花で、育てやすい品種となります。
最近人気の″ファイヤーワークス″
センニチコウにはイチゴのように見える品種や小ぶりな品種などがあります。中でも最近人気な新品種は、夏の花らしく花火のように見える″ファイヤーワークス″です。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
センニチコウが好きな場所は、日当たりと水はけのよい場所となります。植え付けの適期は5月~8月となります。植え付けるときは根鉢を崩す必要はなく、そのまま植え付けられるので簡単です。
センニチコウの主な品種は草丈が15~70センチメートルほどになり、ガーデニングをワイルドなニュアンスに演出してくれます。熱帯の各地域が原産地なため、真夏の暑さには非常に強いので育ててみましょう。
11.ナスタチウム
一年草のナスタチウムには金蓮花(きんれんか)という別名がありますが、ハス葉のような丸い葉と金色の花が由来です。カエルの手のようにも見え、どことなくユーモラスな可愛いらしさが魅力の一年草です。花色は金色を薄くしたような色や赤っぽい色もあり、いろいろな種類をガーデニングで楽しめる夏の花です。
エディブルフラワーとして葉や花などを食べられるので育ててみましょう。開花期は真夏の8月を外して初夏と秋になります。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
春に種をまいて初夏から秋に開花させますが、長く楽しむためには、種まきを少しずらせたほうがよいでしょう。
つる性のため、地植えする場合はある程度のスペースを確保してください。ハンギングバスケットにするとつるが垂れて美しく魅力的に見えます。暑さは苦手なため、半日陰の明るい場所で管理してください。
12.ホリホック
夏の花のイメージが強いホリホックは別名を「タチアオイ」というように、まっすぐに伸びる姿が魅力的な一年草(地域によっては二年草)です。開花時期は他の夏の花に比べると短く、初夏の6月上旬から真夏の8月下旬となります。
一重咲きから八重咲まであり、花色は赤・ピンク・オレンジ・黄色・白・紫・黒などと種類豊富です。色違いで植えるとガーデニングが夏らしいにぎやかな雰囲気になるので栽培してみましょう。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
日当たりと水はけのよい場所を好みます。種まきで簡単に育てられます。ガーデニングで植え付ける場所には、有機物である腐葉土も一緒に混ぜ込んでください。特定の病害虫の心配がありますが、適宜対処することで防げるので毎日チェックしましょう。
13.ラベンダー
北海道のファーム富田で有名な、夏の花であるラベンダーは一年草ではなく、大本性の低木です。早い品種は4月から開花しますが、多くは初夏の6月下旬から7月頃となります。耐寒性はありますが、高温多湿には弱いため、北海道のような寒冷地で丈夫に美しく咲く夏の花なのです。
花色は代表的な紫の他にピンクや白い種類もあります。初夏のガーデニングを美しく演出してくれる魅力的なラベンダーを育ててみましょう。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
初夏の花であるラベンダーは品種タイプによりますが、高温多湿に弱い性質のラベンダーをガーデニングで地植えするときは西日が当たらない場所を選んでください。土壌は酸性土壌は避けて水はけのよい場所に植え付けます。
14.アサガオ
アサガオは、日本を代表する夏の花として古くから親しまれてきた一年草です。開花時期は真夏から秋の10月上旬までとなり、青や紫、白やピンクの魅力的な花色の花を咲かせます。
日当たりと風通しのよい場所で管理すれば初心者でも育てやすいので、ぜひ挑戦してみましょう。つる性なので複数の苗にいくつもの支柱を立てて天高く育てると、夏の花にふさわしい涼し気なアサガオのカーテンの出来上がりです。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
種まきをするかポット苗を地植えにします。20℃~25℃は発芽適温なので、地域によりますが5月中旬から下旬に掛けて種まきをしましょう。一日花のため、開花した翌日は摘み取るようにします。
15.ヒマワリ
ヒマワリは7月~9月に開花し、圧倒的な存在感を誇るため夏のガーデニングに欠かせません。切り花用に小さいサイズの種類もあるので、コンパクトなガーデニングでもおすすめです。
花色と形状は、黄色の舌状花以外に黒や茶色の管状花もあり、ガーデニングをよりにぎやかにしてくれます。初心者でも育てやすいにで、元気よくしてくれる夏の花ひまわりを栽培してみましょう。
ガーデニングにおすすめ夏の花・育て方ポイント
日差しが大好きな夏の花ヒマワリはポット苗もありますが、種が大きいので簡単に育てられます。日当たりと水はけのよい場所で育てましょう。
夏の花のガーデニングはレイアウトが肝
花の高低差でレイアウトを考える
夏の花は草丈のバリエーションが多く、地植えする場合は植える前に草丈によるレイアウトを考えておきましょう。地面を這うように茎を伸ばすニチニチソウやナスタチウムは手前にしたりハンキングバスケットにしたりするとよいでしょう。
株が盛り上がるペチュニアはボリュームが欲しい場所に植えるのもおすすめです。背の高いホリホックやヒマワリなどはガーデニングの置くか脇などに配置するとすっきりと見えます。
日当たりと風通しでレイアウトを考える
夏の花を植えるガーデニングのレイアウトは植物の高低差も大切ですが、夏の花ごとに性質(好みの場所)も考えなくてはいけません。ホリホックやヒマワリなどの日差しが好きな草丈が高い夏の花の背後には、背の低い夏の花は植えないほうがよいでしょう。日陰になると充分な生育が妨げられるからです。
まれにですが、中には半日陰を好む夏の花もあります。一日の日当たりや風通しも考えて、夏の花のガーデニングを計画しましょう。
夏の花を植えて元気なガーデニングに!
夏の花は暑い日差しにも負けない種類が多く、乾燥に強い種類もあります。しかし半日陰を好む夏の花もあるため、性質を考えて地植えする場所を選びましょう。地植えの場合は、花の高低差によってレイアウトを考える必要もあるのです。
鉢植えの場合は天候に合わせて移動すればよいので管理が楽です。ジニアなどは剪定もしっかりして長く楽しんでくださいね。夏のガーデニングを魅力的に彩り、切り花も楽しめる夏の花を植えましょう!
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出典:ライター撮影