はじめに:ボタンの育て方は4月5月が大切
美しいボタンの花の育て方を簡単に
大輪のボタンの花は1輪だけでも存在感がすばらしく艶やかで美しいもの。昔から中国画や日本画のモチーフとしても目にする機会が多いほかに例えようがないまさに花の王様です。
市販の苗木を買ってきて植え付けることで自宅でも鉢植えや地植えでボタンの花を毎年鑑賞できます。毎年の開花時期が楽しみになるボタンを、自分の手で育ててみませんか。
ボタンの育て方を苗木植え付けから剪定方法も解説
好みの花が咲くボタンの苗木を買ってきて植え付ければ、栽培自体はそれほど特別な管理や手入れが必要なものではありません。むしろボタンよりも難しい管理を必要とする花木はたくさんあります。
今回は花の中でも特別感が強いボタンの木の育て方を植え付け時期や剪定のやり方適期・シャクヤクを台木として使う増やし方まで解説していきましょう。
育て方の前に知りたいボタン(牡丹)について
ボタンの育て方の前にまずはこの植物の分類や原産地・見た目の特徴や花についてご紹介しましょう。育て方の前に見ておくとボタンに対する思い入れが強くなるだけでなくお手入れの役にも立つことです。
ボタンの基本情報
科・属 | ボタン科ボタン属 |
原産地 | 中国 |
英語名/学名 | Tree peony/Paeonia suffruticosa |
育て方難易度 | 普通 |
ボタンの別名は百花王など
ボタンは非常に大きくて花びらの枚数も多く艶やかな花が咲きます。そんなほかに見ないような美しい姿を言葉にして、たくさんの花の中の王という意味の百花王という別名で呼ばれることも珍しくありません。また花言葉のひとつである富貴に草を付けて富貴草という別名もあります。
ボタンの見た目の特徴や育て方に役立つ性質
ボタンの木の樹高は1メートルほど。それほど背が高くなる木ではありませんので、花壇に植え付けてもほかの植物の影になってしまうことは少ないです。ただし花の大きさが40cmほどにもなる品種もあり、そんな種類の場合は植え付け場所を考えないとボタンにしか目がいかなくなりほかの花が霞んでしまうことも。
日本への伝来は中国から。その歴史は奈良時代にさかのぼり独自に改良された品種も多く、もう日本を代表する花のひとつと感じている方も少なくないでしょう。
シャクヤクとボタンの育ち方の違い
ボタンの花ととてもよく似ていて引き合いにだされることも多い花にシャクヤクがあります。シャクヤクは多年草で地上部分は枯れて新芽の季節に新しい芽が地下の根から伸びてきます。
それと比べてボタンは木本植物といって、その年伸びた新芽が寒くなると木化する性質を持つものです。翌年そこから古い木の枝から新芽が伸びてくるのが、シャクヤクとボタンのわかりやすい大きな違いとなっています。
ボタンの育て方・開花時期や花言葉
開花時期は4月から6月
育て方で気になる開花時期。ボタンには春咲き・秋咲きがありますが開花時期を調整されて花を付ける冬ボタンという品種も存在します。これは春や秋に咲く種類のボタンの開花時期を調整するという育て方をされたものがほとんど。
花のサイズが小さく冬に開花時期を迎える冬ボタンという品種も存在しますが、よく美しい画像でみるような雪の中の立派なボタンとはまた少し違ったものです。多くの品種が育て方さえ間違えなければ、4月か5月ころに開花時期を迎えます。
ボタンの花言葉は「風格」など
ボタンの中国や日本での花言葉には風格や富貴という、多くの方がボタンの花から受ける印象とほぼマッチしたものが付けられています。
その由来は花の王と呼ばれる別名からインスピレーションを受けてきているものと考えられているのですが、海外ではなぜか恥じらい(bashfulness)やはにかみ(compassion)という内向的な花言葉が付けられているのが変わっていて面白いですね。
わかりやすいボタン(牡丹)の育て方
育て方に役立つボタンの分類や特徴・性質、花言葉などをご覧いただいたところで早速育て方解説をしていきましょう。ボタンは木化してしまえば簡単には枯れることがなく育て方は普通の木と同じです。
花の大きい小さい・数が多い少ないはあるものの育て方はそれほど難しくなく、毎年ほぼ開花が楽しめる落葉低木樹となっています。
ボタン育て方1.日当たり
ボタンは季節によって日当たりを管理するという育て方をしていく植物です。春と秋は日当たりのよい屋外に出して、たくさん日光を浴びさせます。夏には直射日光を避け風通しの良いところへ移動させてください。
冬の寒さはそれほど強い植物ではありませんので、霜よけはしっかりと。特に寒い北風が吹きさらしのような場所に置くことを嫌がります。株の上に屋根があり、風が当たらない平均して暖かな場所に置きましょう。
地植えのボタンにはこもを掛ける育て方で
昔からの地植えボタンの育て方として、冬の雪の中でかさじぞうのように藁のこもを掛けられたボタンの花の画像を、見たことがあるという方も多いでしょう。
耐寒性があまりない植物とはいえ日本の環境でも地植えで育たない植物ではありません。こも(藁で編んだマットのようなもの)を三角に傘のようにしてボタンの株にかけてあげることで、冬咲きのボタンの開花を楽しむことができます。
ボタン育て方2.植え付け
植物も種類によって育て方はいろいろですが、秋にお手入れ適期が集中する植物がボタンです。植え付けや植え替えも秋9-11月が適期となります。
春に植え付けしないのは夏が休眠期に入るため。植え付けてすぐに休眠してしまっては、新しい環境でしっかりと根を張ることができなく育て方が難しいでしょう。
上手な植え付けのやり方・育て方注意点
ボタンの育て方次にご紹介するのは植え付け方法です。木ですので苗木の根鉢よりも大きく植え付け用穴を掘り、掘り起こした土に完熟堆肥をすき込んで植え付け用の土とします。苗木はシャクヤクの台木に接ぎ木して作られますので、その台木部分を地中に埋まるような深さに植え付けてください。
植え付け後の土の高さですがほかの地面よりも少し盛り上がるようにするのが植え付け方のコツ。元肥として緩効性化成肥料を株元に置いて完成です。
ボタン育て方3.日常管理
育て方のコツ・水やり注意点
育て方の中で群を抜いておこなうお世話に水やりがあります。特に鉢植えの場合は水やりを忘れてしまうと枯れてしまうこともあるので要注意です。水やりのコツは地植えならば成長期には土が乾燥しているようであればたっぷりと与えること。
休眠期にはかなり控えめにします(ボタンの休眠期は夏)。冬場は休眠期ではありませんが寒くて成長も緩やかになるため、春と秋に比べるとあげる頻度は少なくするという育て方をしてください。
大切な育て方・肥料時期とあたえ方
ボタンは落葉樹ですので2-3月におこなう寒肥・花が咲いたあとにあげるお礼肥の年に2回の追肥時期とプラスして、ボタンの成長が活発になる秋(9月)に緩効性肥料を株元にばらばらとあげてください。肥料の分量はパッケージに記載されている量を守りましょう。
ボタン育て方4.病気と害虫
気をつける害虫はカイガラムシなど
害虫に気をつけてあげるのも大切な植物の育て方のひとつ。特に温かい時期に虫は多く発生しますので、春から夏は要注意時期。つきやすい虫としてカイガラムシとカミキリムシの幼虫があげれます。
カイガラムシの糞はすす病の原因ともなりますので、見つけ次第対処してあげるのが育て方のコツです。発生してから農薬散布するのではなく、春先に予防薬を株元にあたえてあげましょう。
ボタンはうどんこ病が発生しやすい
うどんこ病は名前のとおり粉のような白っぽいものが葉について光合成を阻害し葉を枯らします。カビの種類の病気ですので健康そうに見える葉にも伝染していくため、病葉は見つけ次第取り除いてしまうのがよいでしょう。
よほど葉の数が少ないという場合はそのまま農薬散布で様子を見ますがほとんどの場合は葉を取り除く・農薬を散布するという流れです。うどんこ病に効果のある農薬はベニカXやモレスタン水和剤などとなっています。
ボタン育て方5.剪定方法
ボタンの剪定方法1.時期
剪定方法という育て方はタイミングが重要。まずひとつめは花後の花がら摘み。これは枯れた花に余分な栄養を使わない・種を付けないようにするというふたつの意味があります。もうひとつの時期は落葉しはじめの頃。これは純粋な樹姿を整えるという意味の剪定方法となります。
株の中に風を通す育て方では大切な剪定です。このほか台木が地上に出ている場合はそこから脇芽が伸びている場合も。これは随時脇芽かきという剪定をおこなってください。
ボタンの剪定方法2.やり方
剪定適期に行うボタンの枝の整理の仕方の注意とコツですが、花がら摘みは花が終わった枝をたどり分岐しているところからカットしてしまいます。10月におこなう剪定は下向きの枝・内側向きの枝などを重点的に風通しを意識した枝の整理となるでしょう。
花芽の数を調整する育て方
このとき注意するのは丸い花芽のついている枝はいくつか残すということ。花がたくさん咲くのはよいのですが数が多いとどうしてもひとつあたりの花の大きさは小さくなります。好みによって花芽の数を調整してください。
ボタン育て方6.増やし方
植物の育て方の中で多くの方が知りたがる情報に増やし方があります。もっと株が欲しいけれどコストをかけたくない・自分で子株を増やして大切な花が寿命を迎えたときに子孫を残したいなど理由はさまざまです。ここではボタンを自分で増やす育て方を2通りご紹介しましょう。
ボタンはシャクヤクの台木に接ぎ木する
ボタンは接ぎ木をして増やすので簡単とはいえませんが、ガーデニングに慣れてきたら一度チャレンジしてみるとよいでしょう。
時期は8-9月ころにおこない、台木として用意したシャクヤクの根元部分にカミソリなど薄い刃で切り込みを入れ、そこに若いボタンの新芽が3本ほどでた枝を切り込みの形に合わせて薄く斜めにカットして差し込みます。
接ぎ木の仕上げ方
シャクヤクの台木にボタンの枝を差し込んだだけでは不十分ですので、その上から麻ひもやビニールテープなどをぐるぐる巻きにして、ずれずにはずれないようしっかり固定してください。
数ヶ月様子を見て新芽が伸びてきたら接ぎ木は成功です。あとは大きくなるまで水やりなどをしっかり管理して育てていきます。
取り木で増やすこともできるが時間がかかる
ほとんどの木は挿し木で増やすことができるのですが、ボタンは例外的に挿し木が成功しません。台木で接ぎ木する方法の成功率が高いため、そちらをおすすめします。
しかしどうしてもシャクヤクの台木が手に入らないなどの理由で別のやり方を探している方は取り木を試してみてください。ただしこれは根が出て1つの株として分けられるまで10年かかるといわれています。
取り木のやり方は簡単
取り木に向く枝さえあれば取り木のやり方はとても簡単です。まずはボタンの木の枝の中から下に垂れてそこから頭を持ち上げるように上に向かって伸びている枝を見つけます。
その一番下のカーブの部分を土に埋めてしまうだけです。このとき元の株から伸びている枝は絶対に切り離さないでください。親株から枝に栄養が届く状態のまま枝の途中から根をださせるのが取り木。しっかりと根が出てはじめて親株と切り離します。
まとめ:ボタン(牡丹)育て方にチャレンジ
ボタン(牡丹)の育て方は意外と簡単
ボタン栽培のコツと注意をお送りしてきましたがいかがでしたでしょうか。鉢植えであると季節に応じた日当たりや風の当たり方調整などができて初心者の方でも失敗を少なくする育て方が可能です。はじめは鉢植えからはじめてみてはいかがでしょうか。
ボタンはとても見事な花が咲く植物で落葉はしますがその年の若い枝も寒くなると木化して翌年また花を花芽が成長して何年も楽しませてくれる低木樹です。それほど栽培方法も難しくないので気になる方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
ボタンの育て方が気になる方はこちらもチェック
今回はボタンの育て方注意点ということでわかりやすく項目に分けてそれぞれ解説してきましたが、暮らしーのではこのほかにもボタンの開花時期とシャクヤクとの見分け方に特化した記事・シャクヤクについて触れているものなど役に立つ読み物をたくさんご用意しています。

牡丹(ボタン)の咲く季節はいつ?開花時期&芍薬との見分け方を解説!
牡丹(ボタン)の咲く季節は品種によって異なるため、開花時期も見頃の時期も違ってきます。また、牡丹(ボタン)によく似た花に芍薬がありますが、両...

贈り物におすすめな「牡丹(ボタン)」の花言葉!由来や花の咲く季節をご紹介!
華やかな花模様が魅力で、古くより人々に愛されてきた「牡丹(ボタン)」。ガーデナーにも大人気、縁起が良く老若男女問わず喜ばれるお花なので、プレ...
出典:https://photo-ac.com/