はじめに:ノコギリクワガタの産卵に挑戦
ノコギリクワガタを産卵させ育てよう
体の半分以上の長さがありそうな頭の上にそびえる長い大あごがかっこいいノコギリクワガタ。昔から個体数が多いためそれほど珍しい甲虫ではなく昆虫採集が好きな人ならば、一度は捕まえたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
捕まえやすいため飼っている人も多いノコギリクワガタ。成虫の間だけ飼育するのではなく自宅で産卵させて卵から幼虫・さなぎへと変体して成虫が出てくるところを見てみたくはないですか?
ノコギリクワガタの産卵セットの組み方をご紹介
ノコギリクワガタの産卵セットは土(マット)でも産卵木でも作ることができるので、お好きな方で試してみることができます。どちらがより産卵して幼虫が多く見つけられるか、両方やってみるのも楽しいでしょう。
今回はノコギリクワガタの生態や特徴と産卵セットの作り方2種類と失敗しない飼育のコツも合わせて解説していきます。
産卵させる前に知りたいノコギリクワガタのこと
飼育セットを作りはじめるまえに、まずはノコギリクワガタのことをもっとよく知ってください。いつ産卵するのかどのような環境が好みなのか知ることで、ノコギリクワガタを産卵させるための飼育方法が見えてきます。
ノコギリクワガタの基本情報
科・属 | クワガタムシ科ノコギリクワガタ属 |
分布 | 日本・韓国 |
学名 | Prosopocoilus inclinatus |
好んでいる木 | クヌギ・コナラ・ミズナラなどの広葉樹 |
ノコギリクワガタの産卵時期
ノコギリクワガタの成虫は6-10月の間が活動期間です。この間にオスと出会いペアリング成功すればメスは産卵をすることとなります。野生で捕獲してきたノコギリクワガタのメスで捕まえる前につがいになっていた経験があれば何もせずとも産卵するものもあるのです。
ノコギリクワガタは産卵木がなくても土の中にたまごも埋める甲虫であるため、気づいたら卵があったという何の苦労もせずに産卵を成功させた人も少なくありません。
ノコギリクワガタが好む産卵環境
前述でも少し触れましたが産卵環境は土と産卵木の2種類どちらも可能です。もちろん適した気温や季節・湿度などはあるもののどちらの産卵セットでもこのあたりの環境は共通となります。
ノコギリクワガタの飼育適温は25-27度。地域によっては少し暖かくする必要もでてくるでしょう。マットの湿り具合は握ってみて軽く形が付く程度。水がしたたるようでは濡れすぎですので水は控えてください。
自然界で産卵する環境を作ってあげる
自然界であればだいたい初夏ころの温度を好んでノコギリクワガタはペアを作り産卵をします。飼育下では1匹ずつ個々に管理していることもあり、そのあたりは虫の自由ではなく飼い主が管理してくべきこと。
自然界でつがいをおこなう環境に近い気温に設定してあげたり、産卵する場所も用意してあげることで産卵を促してください。
マットに産卵!ノコギリクワガタの産卵セット
それではノコギリクワガタの産卵セットの作り方の中で土(マット)の中に産卵させる作り方からご紹介します。
ノコギリクワガタの土産卵1.
まずは用意するものから。メスが潜って産卵したり幼虫が孵化してからエサとして成長するマットは、ノコギリクワガタ飼育に使っているものと同じものでかまいません。くわマットまたは完熟マットと呼ばれるもの。
通常の飼育ケースとは別に産卵用のケースを用意して、メスも産卵が終わったら取り出し移動させてあげた方がメスが潰す事故がおこらなくておすすめです。土で産卵させる場合は使用するものは少なくて比較的簡単といえますね。
ノコギリクワガタの土産卵2.
ケースの大きさは一般の甲虫類飼育ケースの中-大型程度。ノコギリクワガタは1度に10個前後産卵するといわれているので、たくさん生まれてきたときに手狭でない大きさが必要です。用意したマットをケースに敷いていく作業からはじめましょう。
マットは半分くらいはしっかり固める
下と上でマットの種類を変える必要はありませんが、下の方はしっかりとマットを固めてください。目安としては半分より少し上・6-7割くらいまではマットを入れて固めてを繰り返し積んでいきます。
その上3-4割くらいはふんわりとマットがかかる程度。メスは土の中で産卵するのでよりスムーズに潜りやすくするためです。
ノコギリクワガタの土産卵3.
国産ノコギリクワガタ飼いたくなり、購入して早速セット組んでます!
— ねぎまくら (@8uTtTh6U4VAQJOf) June 29, 2021
はじめての国産種で楽しみです😁 pic.twitter.com/EJt3i7xQTM
ケースにマットの準備ができたらそこに昆虫ゼリーを配置。つがいにさせるオスとメスを入れます。野生で捕まえてきたメスだけを入れて万が一を狙ってみてもよいでしょう。産卵すればラッキーですし、しなかったらそのあと手持ちのオスとペアリングすればよいだけです。
つがい期間は1週間でオスは引き上げる
2頭を一緒に生活させるのは1週間を限度とします。つがいになっているのが確認できればその前に分けてしまってかまいませんし、それ以上置いておいても産卵事故が起こる確率があがるだけなので、前兆が見られなくても1週間でオスは引っ越しさせましょう。
ケースに卵や幼虫が確認できたらメスも引っ越し
産卵セットの中でメスが土の中に潜る様子を見せたら産卵の可能性が高いです。透明ケースであると側面に産み付けた卵や卵から孵化した小さな幼虫が見えることもあるでしょう。
そうなったらメスが夜間食事をしに土の上に出てきたところを狙って取り上げ、産卵セットから引っ越しさせてしまってかまいません。
産卵木使用のノコギリクワガタの産卵セットづくり
次にご説明するのは産卵木を使った産卵セットの作り方です。土でも産卵木でもノコギリクワガタは自然界で産卵しますので、どちらも適した産卵を見越した飼育環境であるといえます。それでは繁殖のための産卵木飼育セットの組み方をご紹介しましょう。
ノコギリクワガタの産卵木産卵1.
使用するものは先程と同じノコギリクワガタの飼育に適したマットとケース、それにプラスして今回は産卵木としてクヌギ材も用意してください。材はセットする前に水に漬けるので、材が全体的にしっかり浸かる深さ・大きさの容器も使います。
ノコギリクワガタの産卵木産卵2.
まずは産卵木として用意したクヌギ材を水の中に沈めます。木は軽くて浮いてきてしまうので、上から重しをして全体に水に浸かっているようにしてください。
漬ける時間は10-15分程度。ながければこの後の乾燥を時間をかければよいですが、短くて水が浸透していなうようだと困りますので、持ってみて重たくなった(水が浸透した)というのは必ず確認するようにしましょう。
漬けた時間と同じだけ乾燥させる
水に浸した産卵木は日陰で軽く乾燥させてから使います。それほどからからにする必要はまったくなく表面が少し乾く程度でOK。目安として水に漬けた時間と同じ時間、日陰で空気に触れさせて軽く乾燥するとされています。
ノコギリクワガタの産卵木産卵3.
先日にポン氏が捕まえたノコギリクワガタのオス(命名ノコギリン)。一昨日に庭でメスを捕まえ(命名ノコギリコ)、一緒に飼い始めたところ。ポン氏は増やしたいらしい。 pic.twitter.com/rWOYvj01W0
— オイカワ丸 (@oikawamaru) July 3, 2021
土と比べて工程が多くなりましたが、早速ケースの中でセットを組んでいきましょう。まずはマット。これも最初は固めて基礎をつくります。ここで産卵木を入れて地盤となるマットの高さを見ます。
ちょうどよければそこで産卵木を入れますし、低いようであればマットを足して固め産卵木をセットしましょう。産卵木は最終的に表面に少し見えているくらいが産卵セットとしてちょうどよい深さです。
産卵木の側面もマットで埋める
固めたマットの上に産卵木を並べたら(1本か入れば2本)クヌギ材のサイドもしっかりと埋まるようにマットを追加していきます。産卵木の半分より少し上くらいまでマットで埋めたら固めます。
あとはマットで作る産卵セット同様ふんわりとあまり固めずマットを使いし、クヌギ材が少し見える位置まで埋めたら完成です。
ノコギリクワガタの産卵木産卵4.
つがいのさせ方や産卵ケースからの出し方はマットで組んだものと変わりません。オスメスで1週間ほど飼育してそのあとオスだけ移動。1ヶ月ほど経過するか卵や幼虫が見えたらメスも産卵セットからは引っ越しさせるというのが一連の流れとなっています。
産卵後のノコギリクワガタ飼育を簡単に紹介
ノコギリクワガタ飼育1.
国産ノコギリクワガタが羽化しているようです!!嬉しい😄👍 pic.twitter.com/DQJ6Dh2rkR
— ナムナム (@ugsJXxGpSdDuT9S) July 2, 2021
産卵セットの作り方ができたら、あとは通常通りノコギリクワガタが生活しやすい温度や湿度に環境を合わせてあげてお世話するだけです。前述で申し上げたとおりノコギリクワガタの飼育適温は25-27度。
低いようであれば温めて、暑いようならすずしくて風通しがよい冷暗所にケースを置いてあげてください。
ノコギリクワガタ飼育2.
オオクワガタ、ミヤマクワガタ、ニジイロクワガタ、ノコギリクワガタの幼虫達を再利用の菌糸ビンで1匹ずつ飼育。場所をとるので置き場を手作り。 pic.twitter.com/db7ajfRYZQ
— ちょこもんきー (@Choco_monkey527) July 4, 2021
産卵したらその後割り出しという作業もします。これは産卵から1ヶ月後を目安に幼虫を産卵ケースから出して個々に管理する方法。菌糸ビンやマットを入れた瓶などに幼虫を乗せれば自分で地中に潜って食事をして大きくなります。
このときも気温や湿度には注意をし暑すぎない・寒すぎない・水分をあたえすぎないのが上手に幼虫を飼育するコツです。
まとめ:自宅産卵でノコギリクワガタを増やす
好みの組み方でノコギリクワガタ産卵セット作り
いかがでしたでしょうか。ノコギリクワガタは個体数が多く雑木林ではなく人里でも夜間飛んできて捕まえたというくらい見つけやすい甲虫類です。上手に産卵セットを組んであげば産卵させることも可能。
少し飼って楽しんだら野に戻してあげるのもよし、自分の家で増やして楽しむのも楽しみ方のひとつです。
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出典:https://photo-ac.com/