はじめに:オオクワガタの寿命は何年?
大型の昆虫オオクワガタの気になる寿命
オオクワガタは日本で採集できる甲虫類の中では最大の大きさをもつ大型昆虫です。頼もしさを感じさせるボディの幅や伸びた2本の角のデザインなど他の昆虫類とは違った独特の風格を感じさせる虫。
お好きで林などで捕まえてきたものを自宅で飼育されている方も多い人気の甲虫類です。オオクワガタの活動期間・寿命はいったいどのくらいあるのか、大切に飼っている方なら気になるのではないでしょうか。
オオクワガタの寿命をへらす原因は
少しでも寿命や活動期間を伸ばしたい自宅で飼育しているオオクワガタ。寿命のことを考えると野に離してあげた方が良いのか、このまま飼育していて良いのか迷った方へ。
目安ではありどの個体にも必ずマッチするものとはいい切れませんが、オオクワガタの自然下での寿命と飼育しているものとの差などにも触れつつ、オオクワガタの生態に触れていきましょう。
寿命以外にも知りたいオオクワガタについて
オオクワガタの寿命を知る前にまずはオオクワガタとはどのような昆虫なのか。オスとメスの気になる見分け方や同じ部分についてもご説明します。これから自然のオオクワガタに出会いたいという方にはその生息地も、探すときの参考になるでしょう。
オオクワガタの基本情報
分類 | クワガタムシ科オオクワガタ属オオクワガタ亜属 |
体長 | オス:20-76.6mm/メス:22-48mm程度 |
体の色 | 黒またはそれに近い暗い |
生息地 | クヌギやブナの木など |
オオクワガタの見た目の特徴や性質
オオクワガタはノコギリクワガタと混同されることも多いのですが、体長でいうならノコギリクワガタよりも大きくノコギリ部分はそれほど肥大しないのが特徴です。全体のバランスは体の幅が広くそれは頭部にいくに従って顕著にあらわれます。
ノコギリは頭の両端から2本出ており、先端の方で2つに分かれながら内側にゆるくカーブを作る形状です。
沖縄にはいない?オオクワガタの生息地
オオクワガタはほぼ日本全土に渡って生息していますが、離島については一部生息していない地域もあります。北海道から九州までは確認できますが、特殊な甲虫類(リュウキュウ〇〇の類)がいる沖縄でもリュウキュウ(またはオキナワ)オオクワガタという種類は生息が報告されていませんでした。
離島にはオオクワガタが確認できない地域もあるようですので、沖縄を含む離島を除く日本全国が正確な生息地となるでしょう。
オオクワガタのオスメス見分け方
基本情報でもオスメスの体の大きさについて触れましたが、上の画像を見ていただけるとオスメスの違いは一目瞭然です。目立つところでは体長の差。ノコギリ部分の長さも違います。
しかしオオクワガタのノコギリの特徴ともいえる先端で大きめにふたつに分かれる部分についてはオスメス両方に共通する特徴であるため、他の甲虫類のメス(またはツノが短い種類のオス)との見分け方も簡単にできるでしょう。
オオクワガタの寿命はクワガタ最長?その長さは
それでは早速オオクワガタの寿命について解説していきます。オオクワガタは体が大きいので比較的丈夫なクワガタのなかまです。そのためほかのクワガタムシよりも長生きするといわれていますが、果たしてそれはどのくらい長くなるのでしょうか。
オオクワガタの寿命は何年
オオクワガタをはじめとするクワガタは夏の間に生まれて秋くらいまでに卵から孵化します。そのまま幼虫の姿で冬を越して翌年またはその次の夏にさなぎから脱皮し成虫になるという時間をかけた変体をおこないます。
寿命の長さはその卵から孵化して幼虫になったときから数え始めるので、オオクワガタの場合は3-4年が一般的な寿命といわれています。
成虫になってからのオオクワガタの寿命
幼虫やさなぎではなく、成虫になってからの活動期間・オオクワガタはどのくらいの時間長生きするのか?というと1-3年の間といわれています。これにも生息環境やエサの有無などにもよりますが、だいたい1年以上長くて3年と考えておくとよいでしょう。
オオクワガタ寿命・天然と飼育下の違い
天然のオオクワガタと飼育されているものとの寿命の違いですがこれはあくまでも目安として聞いてください。というのも飼育下の寿命の基準となるのがペットショップなどの限られた範囲での報告例・自己申請となっているためです。
飼育されているすべてのオオクワガタがそうとは限らないのですが、飼育されている方が天然のものよりも長生きするという説が一般的となっています。
上手に飼育すればオオクワガタのストレスも減る
どのくらいクワガタムシが長生きするのか・寿命を伸ばせるのかは体力の消耗の原因となるストレスに大きく影響されてきます。そんな原因を考慮してオオクワガタが暮らしやすい環境を作ってあげれば、ストレスも減らすことができるでしょう。
オオクワガタとほかのクワガタの寿命一覧表
クワガタムシの名前 | 孵化後の寿命目安 |
---|---|
オニクワガタ・ミヤマクワガタ | 1-2年 |
ノコギリクワガタ | 2-3年 |
オオクワガタ | 3-4年 |
短命なのはオニクワガタ次いでミヤマ
上の表では成虫ではなく卵から孵化したときからカウントしたクワガタムシの仲間の寿命が何年かの一覧となっています。一番短命なのはオニクワガタで1-2年とありますが成虫になってからは1ヶ月ほどの寿命となっているため、オニクワガタの成虫は捕まえたとして一緒にいられる期間は短いです。
それではかわいそうなので、もし林などで捕まえたら持ち帰らずできれば自然界で繁殖させて天寿をまっとうさせてあげたいですね。
オオクワガタ成虫は3年以上生きるものも
オニクワガタに次いでミヤマクワガタの成虫になってから3ヶ月。今回のテーマであるオオクワガタはクワガタのなかまの中では最長で成虫になったあとでも平均で2年ほど、ながければ3年も生きる個体も珍しくありません。
寿命を大切にしたい!オオクワガタの生息環境
2007年に絶滅危惧II類に指定される
絶滅危惧の動植物の中ではランクが下のII類ですが、注目したいのはII類という分類は絶滅の危機が増大しているものに指定されるランクというところです。
簡単にいうと昔はたくさんいたのに急に数が減ってきた動植物に付けられるのがこの絶滅危惧II類という分類となります。このままオオクワガタが生息する環境を破壊していくと絶滅してしまう恐れがあるという、非常に恐い状況におかれた昆虫といい替えることができるでしょう。
いくら寿命が長いオオクワガタといっても
オオクワガタは寿命が長いんだからすぐには絶えてしまわないだろうというのは間違いです。家で大切に飼育し寿命をまっとうさせてあげたとしても、子孫を増やさなければその数は減っていきます。
オオクワガタが生息できる自然を大切にしよう
できれば自然環境下で子供を作るメスやオスの相手を見つけ子孫を増やしてもらう、それがオオクワガタにとっては絶滅の危機から回避できる道ではないでしょうか。またオオクワガタが生息できる場所をこれ以上減らさないように自然を大切にするのも必要ですね。
寿命を伸ばすには体力消耗を避ける
野生で子孫繁栄させるのがオオクワガタのためには良いとはわかっていても近くに生息できるような自然がない場合、そのまま寿命をまっとうさせてあげるのがよいでしょう。寿命が減る原因となる体力消耗を極力避けた飼育環境をご紹介します。
少ない数で飼育し虫ずもうは避ける
まず1ケースに入れる頭数ですがオスメスつがい程度が限度と考えてください。また子供がよくやる虫ずもう。これもオオクワガタにとってはストレスの原因にも。体力消耗を抑える目的でこの遊びは子供には我慢してもらいましょう。
寿命を延ばすエサや温度管理
虫のエサは何がよいかというとできるだけ昆虫にとって必要な栄養があるものです。きゅうりやスイカを与える場合も多いですがこれはどちらかというとエサよりも水分補給のために与えるもの。
個体差にもよりますが平均してオオクワガタはあまり食事はがつがつしませんので、できるだけバランスが整っていて栄養のある昆虫ゼリーが寿命のためには適したエサといえます。
エアコンの部屋よりも風通しのよい場所
夏の虫ですが比較的里よりもすずしい林などに生息していますので、暑いところは苦手です。だいたい28度以上になると体力消耗して弱ってくるといわれています。
そのほか気をつけたいのがエアコンの使用で、一定の温度管理をするのはよいのですが乾燥しすぎてオオクワガタの寿命を縮めることにも。できれば自然の風通しがよく気温があがらない場所がオオクワガタの飼育環境としては優秀です。
クワガタに付くダニなどにも気をつける
風通しのよい環境というのにも通じるのですが、湿度が高いと昆虫に付くダニの類も繁殖しやすくなってしまいます。オオクワガタもあまり乾燥しているところは住みにくいのですが、じめじめしすぎるのもよくありません。
まとめ:オオクワガタの寿命は長い
消耗を回避しオオクワガタの寿命を伸ばす
オオクワガタの寿命が減る原因は主に体力消耗です。その理由としては乾燥・ストレス・気温・湿度があげられます。すでに飼育しているオオクワガタの寿命が気になる。
少しでも寿命を延ばしてあげせたいという方は、これら体力消耗の原因となるものをできるだけ排除してあげることで、寿命を伸ばせることもあるでしょう。
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出典:https://photo-ac.com/