はじめに:カブトムシの幼虫用ペットボトル作り
カブトムシの幼虫をペットボトルで飼う
成虫のカブトムシを飼うにはある程度の広いケースが必要ですが、幼虫からさなぎまでは2リットルのペットボトルで作った飼育ケース程度でも十分です。むしろペットボトルの飼育ケースだと中の幼虫や蛹室の様子も観察しやすくて楽しいまであるでしょう。
ペットボトルでカブトムシの幼虫を観察しながら飼ってみましょう。カブトムシの幼虫を飼育をしている人の多くから評価されている方法です。
カブトムシの幼虫用ペットボトルケースの作り方
カブトムシの幼虫用ペットボトールケースの作り方は用意するものもそれほどなく意外と簡単ですが、そこで幼虫飼育をするには少しだけコツや注意が必要となってきます。今回はその作り方とペットボトルの幼虫用飼育ケースでのカブトムシの育て方も解説しましょう。
これからペットボトルでカブトムシの幼虫飼育をしてみようとお考えの方は、作り方ヒントにしてくださいね。
飼育ケースの作り方の前に知っておきたいこと
カブトムシの基本情報
科・属 | コガネムシ科・カブトムシ亜科・真性カブトムシ族 |
学名 | Trypoxylus dichotomus |
分布 | 日本・台湾・中国・インドシナなど |
好む木の種類 | クヌギ・アベマキなど |
カブトムシの寿命と成長サイクル
クワガタムシだと体が大きいものほど寿命が長く、オオクワガタなら通常で3年、長生きするものであれば飼育下で5年前後生きたという報告もあるくらいです。
しかしカブトムシはその体の大きさの割に寿命が短くて、卵から成虫まで約1年から1年半くらいしか寿命がありません。成虫になってからは2-3ヶ月の命であるのが一般的。比較的短命な甲虫類の部類に入ります。
カブトムシの幼虫の変化
カブトムシ飼育をされている方ならご存知の方も多いでしょう。カブトムシの幼虫は脱皮を繰り返して大きくなっていきます。脱皮1回するごとに二齢幼虫三齢幼虫と呼び名が変わり、三齢幼虫となった時点でカブトムシの幼虫としては最大サイズ。この大きさで越冬します。
カブトムシの幼虫は意外と動く
カブトムシの幼虫プクプクしていてかわいいです💓😍💓 pic.twitter.com/3gjrYn2vAe
— 中田まさみOF (@obokata060317) June 28, 2021
カブトムシの成虫のようにあちこちに自分で移動することはありませんが、幼虫やさなぎになってもカブトムシは意外と動くものです。ペットボトルの飼育ケースでも小さなサイズだと少し手狭な思いをさせてしまうでしょう。
脱皮を続けて三齢幼虫まで成長したときには10cmほどのサイズとなっています。さなぎになるときも蛹室という部屋のようなものを作りますので十分なサイズで作れるよう、ペットボトルのサイズはできれば2リットルのものがおすすめです。
幼虫用ペットボトルケース作りで準備するもの
それでは早速カブトムシの幼虫からさなぎまでを飼育するペットボトルのケースづくりをレクチャーしていきましょう。まず最初は用意するものから。身近にある材料のみで作れますが、カッターや熱湯の扱いには注意し事故や怪我がないよう作業してくださいね。
ペットボトルのカブトムシ飼育ケースの材料
カブトムシケース用ペットボトル容器
ペットボトルはカブトムシの幼虫やさなぎになっても入る大きさのものであれば、500mlでもよいですが、おすすめはゆったりとしたサイズが確保できる2リットルペットボトルです。1本で1匹分の飼育ケースが作れます。
硬いペットボトルの場合は細・太2種類で
ペットボトルの硬さも水やお茶と炭酸飲料では違いがあります。炭酸飲料のような硬いペットボトルをふたと容器になるよう工作するのは大変なのでこの場合は太いタイプにすこしスリムなデザインのものを組み合わせ、ふたと容器別々のものを使った方が作業がしやすい場合も。
手持ちのペットボトルで作ってみてうまくふたが閉まらない場合は、このような細い・太いを組み合わせてしっかりとふたができるよう工夫してください。
セロハンテープやビニールテープ
ふたといってもかぶせてあるだけですので何かがぶつかった衝撃で外れてしまうこともあります。外れることを予防するためふたと容器部分をセロハンテープなどで固定してしまいましょう。
固定できればよいのでビニールテープやマスキングテープなど、テープの種類は問いません。
ティッシュペーパーやガーゼ
これはカブトムシの幼虫飼育用ペットボトルの中にコバエが侵入するのを防ぐ役割でふたと容器の間にはさみます。ティッシュペーパーを汚れたら交換して使用してもよいですし、ガーゼや不織布など空気を通してコバエを通さない素材であれば何でもかまいません。
このカバーを取り付けないで作る方法もありますが、できればあったほうが良いのでご用意ください。
カブトムシの幼虫飼育用マット
マットはペットショップでカブトムシ育成用に売られている発酵マットや育成マットと呼ばれるものを使用します。
飼育するカブトムシの数だけペットボトルが必要となりますので、ふたを除く容器7分目くらいまでの分量x個数分マットも準備してください。これは幼虫のエサともなりますので飼育用とされていて評価の高いものを使ってあげましょう。
ペットボトル飼育ケースづくりの道具
カッターやはさみ
カッターやはさみはペットボトルを切断するのに使います。市販のペットボトルカッター(リサイクル用)はらせんにカットするのには向いていますが、きれいに工作するのには使いにくいためカッターとはさみを使った方がやりやすくておすすめです。
千枚通しなど穴あけ
これはカブトムシの幼虫やさなぎのための空気穴をあけるのに使用します。ペットボトルに空気穴が開けばよいので、使いやすく穴をあけやすいものなら何でもかまいません。
小鍋とコンロ
ふたと容器を同じペットボトルから切り出すときにうまくはまるようサイズ調整のために熱湯で加工します。ペットボトルの切り口が入ればよく、鍋のお湯の深さは浅い方が熱さ対策にもなりますので、雪平鍋やラーメン鍋などと呼ばれる比較的小型で高さのない鍋の方が使いやすいでしょう。
コンロはお湯がわけばよいので家庭のガスコンロ・IH・卓上コンロなど種類は問いません。子供さんが工作するときは親御さんが安全のため付き添ってください。
カブトムシの幼虫飼育ペットボトルの作り方
材料や道具が用意できたらペットボトルの幼虫用飼育ケースを作っていきます。作り方はとっても簡単で切る・フタがはまるよう熱で縮める・マットを入れティッシュペーパーなどで容器にカバーをかけて空気穴をあけたふたをセットするという手順になります。それぞれの作業を詳しく解説していきましょう。
カブトムシの幼虫ペットボトルの作り方1
まずは用意したペットボトルを容器部分とふた部分の2つに分けます。カッターなど刃物を使うので注意して作業してくださいね。カットする位置はペットボトルの形状により変わります。
切る場所を決めるポイントはまずマットとカブトムシの幼虫を入れて十分なサイズ(主に高さ)であること、さらに容器の上の方にマットを入れない空気の層ができること。
切ってはいけないラインとおすすめのライン
ペットボトルは上部にいくに従って円周が縮まっていますね。このラインで切ってしまうとふたとしては使いにくいので、円柱部分で切るように調整してください。でこぼこしたデザインならフタが大きめ、容器が小さめになって熱湯作業は不用となるので、その場所を狙って切ってもよいですね。
カブトムシの幼虫ペットボトルの作り方2
切り口は整えておく
ペットボトルの切り口はできるだけでこぼこしたり、尖っていたりしないようハサミなどを使って切りそろえてください。熱で縮めるのである程度の切り口の角はとれますが、きれいに切るに越したことはありません。切り口を整えたら熱湯で容器部分の口を縮めていきましょう。
お湯の量やペットボトルの浸け方
容器部分の口の縮め方ですが、まずは鍋に水を深さ1.5-2.5cm程度になるように入れてお湯を沸かします。沸騰したら火は止めてOKです。やけどをしないようペットボトルは垂直に入れず斜めに浸けて回しながらぐるりと熱していきましょう。
このときそばに冷たい水を入れた容器を用意しておき、1周熱することができたらすぐに冷やします。うまくいくと切り口が縮まっているでしょう。
コツは短時間ずつ様子を見て
この熱する時間もペットボトルの硬さ(厚み)によって変わってきます。一気に熱して縮めようとせず、最初は10-15秒くらい浸けて水で冷やしふたのはまり具合を確認しましょう。うまく縮まなかったらもう一度と繰り返し調整していくやり方がおすすめ。縮め過ぎたら元に戻すのは大変だからです。
カブトムシの幼虫ペットボトルの作り方3
作り方2までできたらあとは簡単です。間にティッシュペーパーなどをはさみふた部分に空気穴をあけたものをかぶせるだけ。中が密閉状態にならないよう必ず空気穴を開けるか、ペットボトルのキャップは外して使用してください。もちろん両方やってもよいです。
ペットボトルでのカブトムシの幼虫の育て方
それでは最後に自作したペットボトル飼育ケースでのカブトムシの幼虫の育て方をご説明します。通常のケースで飼うのと方法は同じですが、特にケースのサイズが小さいのでカブトムシの幼虫が息ができるよう、通気には気をつけてあげてください。
幼虫のペットボトルでの飼い方1.準備
ペットボトルケースでのカブトムシの幼虫の飼い方まずはマットを入れて準備します。先程も申し上げたとおり容器のふちぎりぎりまでマットは入れないでください。
またマットもそれまでカブトムシの幼虫が入っていたケースのマットをすべて交換するのではなく、新しいものを2/3程度入れて混ぜる感じで交換していくとカブトムシの幼虫も早く慣れます。
幼虫のペットボトルでの飼い方2.置き方
自作のペットボトルの幼虫飼育ケースは縦にしか置けません。簡単にふたをしているだけなので横向きにはできないので置く場所は必ずたいらで水平を保てる場所で管理しましょう。
カブトムシの幼虫用ペットボトルの置き場所
カブトムシの幼虫は自然界では時々地上に出てきてしまうこともありますが、基本的に土の中で成長します。カブトムシは明るいところを嫌い暗く静かな場所を好む虫なので、管理場所は室内でも暗いところで気温は30度にならないような場所。
カブトムシ飼育の適正気温は20-28度です。雨があたらないようであれば屋外での管理もできますが、できれば室内が望ましいでしょう。
幼虫のペットボトルでの飼い方3.水分
ペットボトルでのカブトムシの幼虫の育て方で重要なのは水分管理です。底に水がたまる場合もあるので水分のあげすぎには特に注意が必要で、表面だけでなく少しほって中の水分を確認してから水分は与えるようにしてください。
幼虫のペットボトルでの飼い方4.通気性
ペットボトルの飼育容器を作るときもふたに空気穴を開ける・キャップは外したままにするなどご提案しましたが、カブトムシの幼虫の育て方で換気も大切なポイント。換気=気温管理となります。
通常のケースよりもペットボトルは高温になりがちなので、風通しをよくして気温には注意してあげてください。そのためにも冷暗所に置くのは重要になってくるでしょう。
幼虫のペットボトルでの飼い方5.マットの交換
カブトムシの幼虫をペットボトルで飼っていると次第にマットにカブトムシのふんが目立ってきます。そんなときはマットの交換時期。マットはカブトムシの幼虫のごはんでもありますので、ふんだらけでは栄養不足で健康に育つことはできません。しっかり観察してマットを交換しつつカブトムシ飼育をしていきましょう。
まとめ:ペットボトルでカブトムシの幼虫飼育を
カブトムシの幼虫はペットボトル飼育可能
カブトムシの幼虫から蛹室などを観察するには見やすいと評価の高いペットボトルを使用した幼虫用の飼育ケースの作り方とその中で幼虫を育て方・注意点などをご紹介してきました。
幼虫やさなぎを移動する時期は冬眠中を避け真夏を除く春か秋がおすすめ。蛹室までしっかりと見ることができるペットボトルの幼虫飼育ケースでもっとカブトムシ飼育を楽しくしましょう。
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出典:https://photo-ac.com/