はじめに:ロシアンセージを育てよう
とても香りがよく開花期が長いロシアンセージ
ロシアンセージという花の名前を聞いたことはあるでしょうか。ラベンダーと似たような花が咲きとてもよい香りがする植物です。開花期もだいたいラベンダーと同時期となり、どちらがよいか悩む方も多い花となっています。
ラベンダーの方が株が小さめであること、高温多湿により弱い植物で栽培スキルが必要なのに対してロシアンセージは初心者向けの植物です。
地植えや鉢でのロシアンセージの育て方解説
ロシアンセージは草丈が高くなる多年草植物なので地植えにするのが基本的ですが、鉢植えでも楽しむことができるでしょう。
特徴的な肥料のあたえ方や冬越しの仕方・草丈をできるだけおさえてコンパクトな株に仕立てたり二度目の花を咲かせることもできる、開花期と秋冬の切り戻し剪定の仕方なども解説していきます。
育て方の前に知りたいロシアンセージについて
ロシアンセージの育て方の前に、まずはこの植物の基本情報や別名・見た目の特徴や花言葉などをご紹介します。ロシアンセージについてまだ詳しくはないけれど、庭に植える花の選択肢として考えているという方はここから入るとよいでしょう。
ロシアンセージの基本情報
科・属 | シソ科ペロフスキア属 |
原産地 | アフガニスタンやヒマラヤ西部 |
英語名/学名 | Russian sage/Perovskia atriplicifolia |
育て方難易度 | 簡単 |
別名はサマーラベンダー
ラベンダーの花ととてもよく似ている姿をしていることから別名サマーラベンダーといわれています。このサマーはロシアンセージの開花時期から。通常のセージやラベンダーとは違い薬効成分としての用途はありません。
学名はロシアの植物学者の名前から
ロシアンセージの学名のペロフスキアとはロシアの植物学者の名前から来ています。しかし原産地はロシアではなくアフガニスタンなどの地域。ペロフスキア・〇〇とそのあとに品種名が付いたものがいくつかあります。
アトリプシリフォリアが代表的な品種ですが、アブロタノイデスも日本では多く見られるロシアンセージのひとつとなっています。
ロシアンセージの見た目の特徴と性質
ロシアンセージの草丈は60-120cm程度。とても草丈の高い花です。この長さは30cmほどの花穂も含んだ高さ。小さな花ながら30cmも連なっていたら開花時期にはかなり見応えのある植物といえるでしょう。
性質は多年草で苗から花後までは緑のやわらかな茎をしているのですが、寒くなるとだんだんと木質化(茎が木のような褐色の色合いになり固くなること)して、これが枯れると思われる理由のひとつともなっています。
ロシアンセージはセージの仲間ではない
先程セージやラベンダーとは違い薬効成分としての用途はないと申し上げましたが、それはこの植物がセージとはまったく別の植物であるためです。名前で混同しがちですがセージの仲間ではないということ。
芳香はとてもよいのですがラベンダーとも違いますので、香り自体に何か特別な効果や薬としての用途があるわけではありません。
ロシアンセージの開花時期と花言葉
開花時期は7-10月
ロシアンセージの花は非常に開花時期が長く、夏から秋までずっと楽しめる花です。その開花時期は7-10月。真夏の空にも負けないさわやかなブルーの花とよい香りで私たちを楽しませてくれるでしょう。
ロシアンセージの花言葉は「家族の愛」
ロシアンセージには誕生花は決められていませんが花言葉は家族の愛や家族の徳と付けられています。その花言葉の由来ははっきりとしていませんが、1本の株の根元近くからたくさん枝分かれして花穂を出して咲いている姿は、さながら大家族のようにも見えるでしょう。
ロシアンセージの変わった休眠法
冬には葉が枯れる
多年草には温かい春から秋が成長期で冬になると休眠期に入るものはたくさんあります。
冬場でも緑の葉を付けたままのものや、地上部をすべて枯らして根だけで生きているものとその形態はさまざまですが、ロシアンセージはそのどちらとも違い少し変わった形で休眠します。その方法が葉のみをすべて落として茎だけになるという姿です。
枯れるのではなく自ら葉を落としている
これにより冬になったら葉が全部枯れると悩んでしまう方もいますが、これが正しい姿となります。光合成をするのにも意外と植物は力を使うので、できるだけ株のパワーを使わずに冬を越すために、この植物は葉をすべて落として冬越しするのです。
気になる植え方は?ロシアンセージの育て方
ロシアンセージの基本情報やセージやラベンダーとの違い・花言葉などを知ったところで早速育て方を解説していきます。ポイントは肥料の種類とあげ方、切り戻し剪定です。
ロシアンセージの好む日当たり
ロシアンセージは日当たりがよいところで花をたくさん付けます。地植えにするときには庭の日当たりのよいところを選んでください。
肥えた土よりもやや痩せて瓦礫などが多いような過酷な状況の方が、あまり草丈も高くならずしまってしっかりとした株になるので支柱要らずです。庭土がよく肥料分もあるところでは、支柱を立てて茎が倒れてしまわないよう対処しておきます。
地植えの植え付け場所選びのコツ
日本の冬の寒さにも耐える植物ですのでほかの植物が植え付けられないような、天井がなく霜がおりるような場所でも植え付けることができます。
夏場の暑さにラベンダーは蒸れてだめになってしまうこともありますが、ロシアンセージは平気で花を咲かせます。手間がかからず植え付け場所も日当たりさえよければ、夏冬の心配をせずによいので初心者の方でも失敗が少なく育てられる植物です。
ロシアンセージの植え方
植え付け時期は真夏と真冬を除けばいつおこなってもかまいません。これは鉢植えの植え替え時期にもいえることです。よく枝分かれして高さもある植物ですので、まわりの低い花などに影響がないように逆にほかの植物に気をつけた植え方をしてください。
ロシアンセージの用土つくり
土にはこだわらない植物です。鉢植えであれば買ってすぐに使える市販のハーブ用の土が手軽に使えておすすめ。庭土そのままでも問題ありませんが、少し腐葉土を混ぜて耕してから植えることで花付きがよくなるでしょう。
あまり草丈を高くしない植え方
ほかの花用によく耕してある土ではロシアンセージにとってよく育ちすぎて高さがでてしまうことがほとんどです。あまり高くしたくないという場合は鉢植えにしてそれを庭に並べるのがおすすめ。
根の量が制限されるため自然と上への伸びも防げます。この場合土が乾くので水やりも時々すること・2年ごとくらいの周期で鉢を大きくするために植え替えをしてあげてください。
ロシアンセージの日常管理
水やりのコツ
地植えの場合はよほど日照りの日が続くような場合でない限り、水やりの必要はありません。丈夫で育てやすい植物です。鉢植えの場合の水やりは、土が乾燥したら鉢底から水がばしゃばしゃと出てくるくらい十分に与えてまた土が乾くまで放置します。
肥料の時期とあたえ方
ロシアンセージは肥料をほとんど与える必要はありません。逆に肥料をあげすぎてしまうと、株が大きくなりすぎて見た目をそこなうのであげないとよいとする育て方が主流となっています。
痩せた土地で肥料くらいはあげたいという方は花の前、3月くらいに緩効性化成肥料を株元にまいておくとよいでしょう。
ロシアンセージの切り戻し剪定
夏の花がら摘みを兼ねた剪定
前述のとおり30cm程度ととても長い花穂を付ける植物です。花が茶色く枯れると株全体の見栄えがとても悪くなります。また株を余計に疲れさせないためにも、花がら摘みはしっかりとするのがおすすめ。
また夏の早い時期に花がら摘みをしておくと、秋にもう一度開花期がくるのでより長く楽しむことができます。
切り戻し剪定の時期とやり方
花がら摘みのほかにやっておきたいのが冬の切り戻し剪定です。これは葉が落ちた休眠期の株から茎を半分以下の長さにバッサリと揃えて切り戻してしまう方法です。
この切りそろえる長さにより株元に近い位置だと草丈の低いコンパクトな株に、やや上の方枝が分岐しているところであれば、草丈は高くなるがたくさんの花穂をつけてくれやすくなります。
ロシアンセージの増やし方
挿し木で増やす植物
ロシアンセージは苗を買ってきて木が大きくなったら、剪定した枝を挿し木にすることで自分で増やせます。挿し木の時期は5-10月の間で真夏を除く期間。植え方と同様成長期であればいつでも可能なのが初心者向けの植物です。
ロシアンセージの挿し木のやり方
木化した部分ではなく今年新芽で伸びてきた青い枝を使います。切り戻した枝が長い場合は、先端から数節の部分でカットして短くして使ってください。
よく湿らせた鹿沼土などで挿し床を用意してから枝を差し、土が乾燥しないよう日陰で1ヶ月以上管理します。根が伸びてきたらだんだんと明るい方へ出してきて、移植を好まない植物ですので植え付け用にポット植え替えてある程度大きくしてから根鉢を崩さず植え付けていきましょう。
まとめ:ロシアンセージの香りを楽しむ
ロシアンセージ栽培のコツは切り戻し
ロシアンセージは一度植えると何年も楽しませてくれる多年草植物です。涼しい気候になってくるとだんだんと木質化して冬には葉をすべて落としてしまうという特徴がありました。
地植えにしているものでも切り戻し剪定をしてあげると日本の冬にも耐えてまた春になると新しい芽を出してきます。背が高くなる植物ですのできちんと冬には切り戻し剪定をして高さをセーブしてあげてくださいね。
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出典:https://photo-ac.com/