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ロシアンオリーブの育て方講座!暑さにも寒さにも強いので庭木デビューにおすすめ!

ロシアンオリーブは、美味しい実を付けるグミ科グミ属の落葉樹のことをいいますが、小豆島で栽培されているオリーブの同種と勘違いしそうですが全くの別種。病害虫がほぼなく、越冬もさせられて初心者でも育てやすい、銀葉の美しいロシアンオリーブの育て方をご紹介します。
2021年7月3日
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目次

ロシアンオリーブは初心者も育てやすい!

ロシアンオリーブの正式名称は「ヤナギバグミ」または「ホソバグミ」といいます。グミの仲間でアキグミなどもありますが、葉の形などから見分けがつきます。確かにヤナギバグミというよりもロシアンオリーブのほうがおしゃれなイメージがし、興味を惹かれます。

4月頃にクリーム色の花を付け、10月頃に少しえぐみのある小さな実をたくさん付けます。シンボルツリーとしても人気なロシアンオリーブを育てましょう!(この記事は2021年6月30日時点の情報です)

ロシアンオリーブの基本情報

正式名称 ヤナギバグミ(ホソバグミ)
学名 Elaeagnus angustifolia
別名 ロシアンオリーブ(シルバーオリーブ)
科・属 グミ科グミ属
原産地 中央アジア~東アジア
耐寒性 強い
耐暑性 強い
耐湿性 強い
植え付けの時期 2~3月
開花時期 4月頃
剪定時期 4~6月、11~2月
収穫時期 10月~11月

ロシアンオリーブは葉裏が銀色に見えることから「シルバーオリーブ」という別名もあります。やわらかい葉の雰囲気は、シンボルツリーとしてガーデニングでも人気なのです。花もよい香りがし、育てやすい庭木として注目されています。

本物のオリーブは常緑ですが、ロシアンオリーブは半常緑となり、北海道のような寒冷地では落葉率は高いようです。耐寒性も耐暑性も強く、日本では北海道から九州までの幅広い地域で栽培できます。

ロシアンオリーブの実

ロシアンオリーブの実は完熟したものは甘く感じられますが、それでも少しえぐみや苦みも感じられます。生も美味しいですが、たくさん収穫できた場合はジャムや果実酒にするのがおすすめです。

作り方はイチゴなどの多くのフルーツの場合と同じなので、ぜひいろいろな人のレシピを参考にして挑戦してみましょう。自分で育てたロシアンオリーブの実は、最高の味わいがすることでしょう。

ロシアンオリーブの実は栄養豊富

ロシアンオリーブの実の栄養価は高く、ビタミンEやβ―カロテン、リコピンなどの抗酸化作用の成分が多く含まれています。疲れを取り除いてくれる働きが期待できるのです。

ロシアンオリーブの実の細長い表面には細かいぶつぶつがありますが、そのまま食べられます。樹からすぐに採った完熟したものは張りがあってプリッとした食感です。しかし枝から採るとすぐしょぼしょぼに柔らかくなるため販売されていないのかもしれません。

グミの仲間は50~70種類!

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブはグミ科グミ属ですが、グミの仲間は50~70種類ほどあるといわれています。これらのうち日本にあるのは、ロシアンオリーブの背式名称であるヤナギバグミ(ホソバグミ)・アキグミ・ナワシログミなど十数種類です。

アキグミの葉はロシアンオリーブの葉よりも広くて少し丸い倒卵形となっています。ナワシログミの葉は楕円形で厚くて硬いです。このような細かな違いがあるので見かけたらチェックしてみましょう。

ロシアンオリーブの育て方11個のポイント

①ロシアンオリーブの栽培環境

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブは日光が大好きな植物なので、日当たりのよい場所で育ててください。ロシアンオリーブは耐暑性に強い性質で、気温が40℃でも丈夫に成長します。耐寒性にも強い性質で、マイナス20℃ほどの寒冷地でも心配ありません。さすが名前にロシアと付くだけのことはあるようです。

しかし積雪地では雪の重みで枝が折れることもあるため、折れないように雪囲いしたり支柱を立てたりなどの管理をしましょう。

「庭植え」は広めのスペースを確保

ロシアンオリーブは根付くと成長が早く、他の植物も侵食して枯らしてしまいがちです。そのため庭植えするときは、ロシアンオリーブの回りには充分なスペースを確保して植えてください。剪定をしないで放置すると、あっという間に枝が伸びて大変なことになってしまいます。

しかし上手な育て方ができれば、お庭の素敵なシンボルツリーとして人目を引くことでしょう。


「鉢植え」は二回り大きめのサイズ

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブは大きくして実をたくさん収穫したほうがよいため、おすすめの育て方は庭植えです。庭がない人は、細かい注意点はありますが鉢植えでも育てられるので挑戦してみましょう。

鉢植えの注意点として、成長が早いため根詰まりさせないようにします。また小まめな鉢植えは嫌うため、鉢は二回り大きめのサイズに植え付けてください。

②ロシアンオリーブの苗の選び方

ロシアンオリーブの苗を購入するポイントは、丈夫で強い苗を選ぶことです。目安は、成長期である春や夏の季節にしっかり元気な葉を付けていることとなります。落葉期の秋から冬に掛けての季節であれば、落葉していても問題ありません。

また、葉の先が黄や黒に変色しているものは枯れかけているものなので、絶対に選ばないようにご注意してください。ロシアンオリーブの苗選びも育て方の大切なポイントです。

③ロシアンオリーブの用土

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブは強い落葉樹のため、荒れ地でも丈夫に育ちます。注意点は水はけのよい土壌にしてあげることです。また肥沃な環境でも根付きはよくありません。

ロシアンオリーブは酸性土壌は苦手で、アルカリ性の土壌で丈夫に育ちます。庭の土を使う場合は、ロシアンオリーブの植え付けの1~2週間前に、植え付ける場所の土を掘り、苦土石灰を混ぜてアルカリ性になるように調整してください。

「庭植え」の用土

ロシアンオリーブを庭植えするときは、腐葉土または堆肥を2割くらい庭の土に混ぜて植えてください。水はけの悪い庭の土壌はロシアンオリーブが根腐れする心配があるため、川砂などの排水性の高い用土を1割くらい混ぜ込みます。

用土づくりさえしておけば後は育てやすいので頑張りましょう。

「鉢植え」の場合

ロシアンオリーブを鉢植えするときは、市販の培養土でも問題ありません。自分で作る場合は、赤玉土(7割)に腐葉土(3割)を混ぜてください。排水性を高めるため鉢底石を敷いたあとに、準備した用土を入れていきましょう。

④ロシアンオリーブの肥料

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブは荒れ地でも育つ強い落葉樹のため、肥料を与える必要はありません。初心者でもほとんど生育の心配をすることなく丈夫に育てられるはずです。

しかし栄養不足だと花と実の付きが悪くなるので、付きが悪かった場合にだけ与えましょう。肥料を与えるタイミングは、同年の4月~6月か11月~2月頃です。有機肥料や堆肥をロシアンオリーブの根元に混ぜこんでください。

⑤ロシアンオリーブの水やり

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブの水やりは、地植えの場合と鉢植えの場合で異なるため注意してください。地植えしたロシアンオリーブが根付いたあとは、水やりの必要はありません

ロシアンオリーブは荒れ地でも丈夫に育つ強い落葉樹なので、他の多くの樹木も同様ですが自力で土中から水分をぐんぐん吸い上げます。余ほどの日照不足が続いた場合は、一度にまとめてたっぷり与えるようにしてください。

鉢植えの水やり

ロシアンオリーブを鉢植えした場合は、表土が乾燥していたら鉢底から水が出るまでたっぷり与えてください。これも他の鉢植えした植物と同様ですが、土の内部を乾かすために表土が乾燥して2~3日は間を空けます。

鉢皿に溜まった水は放置せずに捨てましょう。放置したままにすると根腐れを起こすので注意が必要です。基本的にロシアンオリーブは小まめな水やりは必要ありませんので、乾燥気味でも丈夫に育ちます。

⑥ロシアンオリーブの剪定


出典:ライター撮影
 

荒れ地でも育てやすいロシアンオリーブは生育が旺盛なため、剪定せずに放置すると枝が方々に伸びてしまいます。庭植えの場合は他の植物の成長の妨げにもなるため、適当なタイミングで剪定をしなければいけません。

成長期の春から夏に掛けては混み入った枝を小まめに剪定しましょう。落葉期の11月以降は、しっかり伸びた枝を刈り込むなどの剪定をします。季節によって剪定の強弱をつけることがポイントです。

⑦ロシアンオリーブの花後の管理

ロシアンオリーブの花が終わった後は、そのままの状態で特別に管理する必要はありません。よい香りがするロシアンオリーブの花を楽しみながら、結実するのを待ちましょう。

ロシアンオリーブの花は香水にも利用されるほどの人気があります。自宅で素敵な香りを楽しめるとはすばらしいことですね。

⑧ロシアンオリーブの植え替え

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブは基本的に荒れ地で丈夫に育つ強い落葉樹たなめ、植え替えをする必要はまったくありません。反対に植え替えると元気がなくなってしまうので、庭植えするときは後悔しないようにしっかり植える場所を考えてください。

鉢植えの場合は、植え付けるときは二回り大きめのサイズの鉢を選びます。植え替える必要がでたときは、根を崩さないように丁寧に扱いましょう。

⑨ロシアンオリーブの病害虫対策

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブは本当に強い落葉樹なため、病気の心配をする必要はありません。害虫の被害も少なく、安心して育てられるのです。

しかし剪定せずに枝が混み合ってくると風通しが悪くなり、アブラムシやカイガラムシなどを発生させてしまいます。剪定は樹形を保つためにも害虫対策にも必要なので、しっかり行ってください。

害虫対策

アブラムシを見つけた場合は早めに駆除をしてください。アブラムシの数が少ないときは、マスキングテープの粘着面を押して剥がし取ります。または歯ブラシでこすり取るのもおすすめです。

大量に発生しているときは殺虫剤の他に、石けん水や賞味期限切れの牛乳をスプレーするのも効果が期待できます。

⑩ロシアンオリーブの夏越し・冬越し

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブは耐暑性が強い半落葉樹のため夏越し対策は必要ありません。耐寒性もあるため越冬も特別な対策をする必要はなく、北海道の積雪地でも丈夫に越冬してくれます。

越冬時の注意点として、雪が非常に多い地域は雪囲いや支柱を立てるなどの防雪対策が必要です。鉢植えは雪が落ちてこない場所に移動させます。落葉樹は秋になると葉を落としますが、耐寒性があるので、しっかり春には新芽を付けてくれるのです。

⑪ロシアンオリーブの増やし方

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブの増やし方は、挿し木が一番おすすめです。剪定する際に、若くて元気そうな枝を選んだものを使ってください。10~15センチメートルほどに切り、根元を斜めにカットして水に挿しこんでから水あげします。

挿し木用の用土で発根を行い、枝に残した葉は上の4枚ほどを残して取り除きましょう。こうすることで蒸散量が減って必要な水分が枝に行き渡り、3か月ほどで発根してきます。

ロシアンオリーブの飾り方

ロシアンオリーブのシンボルツリー①


ロシアンオリーブの枝は剪定しないと四方八方に伸びる特徴がありますが、反対にいえばとてもワイルドな魅力に満ち溢れているといえます。敢えて野生の状態を演出するのもおもしろいですね。

ロシアンオリーブの枝をコンパクトにまとめるのも素敵ですが、写真のお宅のようにある程度の動きを残しておくのも素敵です。外壁の白さとロシアンオリーブの銀葉で、周囲がまぶしく輝いているように見えます。

ロシアンオリーブのシンボルツリー②

鉢植えのロシアンオリーブをシンボルツリーにするのも素敵です。樹形が大きくならないようコンパクトに剪定する必要があります。他の植物はロシアンオリーブより低めにしてまとめると、全体の統一が取れそうです。

本来は庭植えがおすすめですが、鉢植えは管理しやすいので剪定作業も楽ですし、屋内に移動すれば積雪地における雪囲いなどの越冬の手間がかかりません。

ロシアンオリーブの切り花

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブは美しいシルバーリーフなので、写真のようにシンプルなフラワーベースに切り花を入れるだけでも様になります。流れるような枝先がワイルドです。季節の鮮やかなお花を入れると目を引きますし、カラートーンが同じ植物を合わせてシックに仕上げるのも素敵ですね。

写真のように単体はもちろん、他の植物の引き立て役でもロシアンオリーブは独特の存在感があります。

ロシアンオリーブのアレンジメント

ロシアンオリーブは、季節の花や植物と組み合わせてリースにするのも素敵です。ミモザやラベンダーなどの花やヒバなどの樹木とのコンビネーションは、ロシアンオリーブのまた別な魅力を引き出してくれそうです。

主張しすぎないロシアンオリーブに、いろいろな季節の花材を合わせて楽しんでみましょう。

ロシアンオリーブの花も葉も実も楽しもう!

出典:ライター撮影

ロシアンオリーブは耐寒性が強いので寒冷地でも越冬させられます。耐暑性も強いことから本州などでの栽培も可能です。しかし生育力が旺盛なため、枝が伸びて混み合うと樹形が乱れて害虫も心配されます。小まめに剪定することが大切なポイントです。

地域によりますが4月にはクリームイエローの可愛い花を付け、10月頃には赤い実を付けます。銀色の葉も美しいロシアンオリーブは育てやすいので、ぜひ挑戦してみましょう!

シルバーリーフが気になる人はこちらもチェック!

ロシアンオリーブ以外のシルバーリーフの植物が気になる人は、ぜひこちらの記事もチェックしてください。同じシルバーリーフでも植物によって雰囲気がかなり変わります。ロシアンオリーブと併せて、いろいろなシルバーリーフの植物の育て方を勉強しましょう!