はじめに:レウコフィルムの植え付け方は
きれいなシルバーリーフが人気のレウコフィルム
レウコフィルム(レウコフィラム)は美しいシルバーリーフの低木樹です。木といえば庭に地植えにしたいところですが、こちらはどちらかというと鉢植え向きの植物といえます。
また花だけでなく葉も楽しめるため他の植物と一緒に寄せ植えにしたりしても、ほかのグリーンとのコントラストが映える仕上がりが期待できる観賞用の植物です。
レウコフィルムの鉢植えや庭植えの注意点
鉢植えといっても植え替えを定期的におこなうというくらいで基本的に庭植えで気をつけることとほとんど同じです。鉢植えだけでなく庭植えにしたいという方にも今回の解説はお役に立つでしょう。それではレウコフィラムの基本情報から御覧ください。
育て方の前に知りたいレウコフィルムについて
耐寒性があり日本の冬でも枯れることは少なく植えっぱなしであまり手間がかからないレウコフィルム。育て方の前にまずはその植物分類や原産地・見た目の特徴や花についてお話いたします。
レウコフィルムの基本情報
科・属 | ゴマノハグサ科レウコフィルム属 |
原産地 | アメリカ南部・メキシコ |
英語名/学名 | Leucophyllum/Leucophyllum frutescens |
育て方難易度 | 普通 |
メキシコセージという別名もある
メキシコの方の植物でセージと似ているためメキシコセージという名前で流通していることもあります。またニーオンという名前で呼ばれることもあって、こちらはレウコフィルムのタイ語の名前といわれていますがどんな理由か由来は知られていません。英語でNeon表記でも見かける植物です。
レウコフィルムの見た目の特徴や性質
高さは庭植えであっても2-3m止まりでそれほど大きくなる木ではありませんので、日本の一般的な小さめな庭でも邪魔になる木ではないでしょう。コンパクトに育てたいのであれば、もちろん鉢植えにするのがおすすめです。
葉や若い枝などは銀色の毛でおおわれている、いわゆるシルバーリーフと呼ばれる美しい植物。その白っぽい株に、四季咲きであざやかな濃いピンク色の花を付けます。
レウコフィルムの開花時期と花言葉
レウコフィルムの開花時期は初夏と秋の2回
レウコフィルムは四季咲きで環境さえあえば春夏秋冬いつでも花を咲かせます。しかし日本では夏と冬は過酷な環境であることがおおくあまり開花に期待はできず、初夏と秋の2回が開花時期として多くの人に認識される時期です。
レウコフィルムは返し咲きするので何度も咲く
花が咲くのは春と秋の2回ですが、大きな株となると特に春の陽気がよい年であれば何度も返り咲きを繰り返して、多い年には年に6-10回くらい咲く株もあります。
葉も楽しめ花も何度も楽しめるというとてもコスパのよい植物と言えるでしょう。1本小さな植えておくと株を増やしつつあっという間に放射状に枝を伸ばしながらこんもりと見事な株に成長しますが、移植は嫌う植物であるため庭植えにするときは注意が必要です。
レウコフィルムの花言葉は「敬慕」
レウコフィルムに付けられた花言葉は敬慕で、意味は慕い敬うことです。その由来などははっきりとしたものは伝わっていませんが、ポジティブなよい意味が付けられているため、鉢植えや寄せ植えにして贈り物によく使われます。
半日陰がポイント!レウコフィルムの育て方
基本的な情報をご覧いただいたところで、早速育て方のレクチャーに入ります。暑い乾いた地域原産の植物なので夏は得意な方ですが、枝がぐったりするような場合は風通しのよい明るい半日陰に鉢植えを置く・庭植えの場合は軽く遮光をするといった具合で管理するとよいです。
レウコフィルムの好む日当たり
レウコフィルムの銀色の毛は日差しが厳しい原産地のアメリカ南部の地域から身を守ってくれる役割りをはたします。そのため日本の夏の直射日光が当たる場所でも葉焼けの心配はありませんが、管理しやすさという点で半日陰の場所に移動して育てる方が多いです。
耐寒性はややあるものの、霜が降りるところはやはり避けたいもの。庭植えとして使用するのであれば霜の心配のない日当たりのよいところがおすすめ。鉢植えであれば季節によっては移動できるよう工夫してあげてください。
レウコフィルムの植え付けと植え替え
よく寄せ植え用に苗が売られるため、春と秋の2回レウコフィルムの苗が園芸店に並びます。植え付けの時期はこの2回で真夏と真冬を除いた時期ということです。
自分で挿し木で苗を作る時もこの春と秋に植え付けられるくらいの大きさを目指し、逆算して挿し木をはじめることになるでしょう。
鉢植えは植え替えが必要
寄せ植えにして見ごろの時期が終わったら処分してしまうような使い方ならば必要ありませんが、レウコフィルムのみを鉢植えとして鑑賞している場合は鉢に根が回って狭くなってきたら植え替えをしてあげてください。
時期は植え付け時期と同じで真夏と真冬を除いた季節です。鉢から抜いたら土は1/3ほどを目安に崩して、不足分を新しい土に変えてひとまわり大きめの鉢に植え替えます。
レウコフィルム植え付けの用土
鉢植えの場合ならば市販の花木用の培養土が使えます。元肥も入っているものがほとんどなので、そのまま鉢底ネット・鉢底石を軽く敷いてから土を入れて植え付ければ簡単です。
庭植えのときは掘り上げた土に完熟の堆肥などを混ぜたものを植え付け用の土とします。
レウコフィルムの日常管理
水やりは一般的な植物のそれと気をつけるポイントは同じです。庭植えの場合は雨などがよほど降らない時を除き水やりは必要ありません。鉢植えのときは土がしっかりと乾いたのを確認してから、鉢の中の土が十分濡れるまで1度だけでなく何度かに分けて水をあげるようにします。
これは乾いた土は水が浸透しづらいため1度の水やりでは十分に濡れないためです。このとき過湿になりすぎないよう土の水はけが悪い場合は、次回植え替え時にもっと水はけのよい土に取り替えた方がよいでしょう。
レウコフィルムの肥料の時期とやり方
肥料は花の時期に合わせておこないます。春と秋に緩効性肥料を株元に1ヶ月ごとに与える・または水溶性肥料を薄めたものを水やりのときに月2回程度与えてください。
レウコフィルムの刈り込み剪定
剪定のやり方は刈り込みで、花後の花がら摘みと同時におこなうのが一般的な方法です。具体的には真夏は避け初夏か秋が刈り込み剪定の時期といえるでしょう。
非常に丈夫で成長の早い植物ですので、それを抑えて樹姿を整えるという目的をはっきりさせることで切る部分が見えてきます。強剪定にもある程度耐えますが葉は残しておかないと枯れてしまうことがあるため、これだけは注意してください。
レウコフィルムの冬越し
耐寒性はありますので温かい地域であれば庭植えで特に冬越しのために何かするということはありません。霜が降りるような地域では鉢植えで管理して、室内かまたは屋根のあるところへ移動します。
休眠期に入りますので水やりは春から秋までは控えめにするようにしてください。具体的には今まで土が乾いたらすぐあげていたものを、1-2日置いてから水をあげるという加減で十分です。
レウコフィルムの注意する病害虫
夏はレウコフィルムのハダニに注意
ハダニは暖かく乾燥しているときに発生しやすい植物の害虫です。特に室内管理をしておりエアコンなどで乾燥しているような観葉植物に多く付くことで知られています。
見つけたら即座に除去するようにします。取り除く方法は植物にシャワーの水をある程度勢いをつけて洗い流すというのが一般的な方法です。出てくるまえに予防薬を散布するのもよいでしょう。
見た目を悪くするすす病にも注意
レウコフィルムは何といってもシルバーリーフという見た目を楽しむ植物です。すす病は葉に黒ずみがでる(すすが付いたようになる)病気なので、レウコフィルムの価値がなくなってしまいます。
これはアブラムシやカイガラムシの糞から発生する病気ですので害虫対策をすることである程度は防ぐことが可能です。もしかかってしまった場合は、見栄えの悪い葉を丁寧に取り除いてから殺虫剤散布をしてください。
レウコフィルムの増やし方
レウコフィルムは挿し木で増やす
種もできるのでそれを種まきして実生苗を作ることもできますが、すぐに大きくなり寄せ植えにも使いやすい挿し木での増やし方がおすすめ。適期は5-6月くらいです。若い枝を選び先から15cmくらい剪定したあと、下葉は取り除き使用してください。
成功率が上がる挿し木のやり方
その年に伸びてきた若い枝を使うこと・挿し木にする前に1時間程度コップなどでしっかりと水あげをしてから土に挿すことで、根が出てくるまで枝が枯れずに成功率をあげることができます。
使う土は清潔で新しい鹿沼土や赤玉土を。事前によく湿らせておいてか先程の枝を差して、乾燥しないよう注意しながら日陰で根が出るまで管理してください。
まとめ:レウコフィルムを育てよう
レウコフィルム栽培には刈り込み剪定を
レウコフィラムは花もかわいらしいピンク色をしていますが、トピアリーのように刈り込んで樹姿を整えて人工的な美しさ・かわいらしさを表現することも可能です。日本でも-5度以下にならないような温かいところでは庭植えで栽培することも可能。
今回は移動が簡単な鉢植えをおすすめしてきましたが、もちろん庭植えで楽しむこともできますよ。美しいレウコフィラムのシルバーリーフをぜひあなたのガーデニングにも取り入れてみませんか。
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