花嫁が憧れる純白の花・ユーチャリス
ユーチャリスは、南アメリカのアンデス山脈原産の球根植物です。約10種類が分布しています。ユリやスイセンに似た清楚で気品ある純白の花姿が特徴です。日本へは明治時代中期に渡来したといわれています。
ユーチャリスの種類で、特によく栽培されているのが「グランディフロラ」と呼ばれる交雑種で、美しい花姿と甘い香りを兼ね備えています。近年ではウェディングブーケとしても人気です。
ユーチャリスの基本情報
学名 | Eucharis |
科名・属名 | ヒガンバナ科ユーチャリス(エウカリス)属 |
別名 | アマゾンリリー、アマゾンユリ、ユーチャリスリリー ギボウシズイセン、ギボウシユリ |
原産地 | 中央~南アメリカ(アンデス高原) |
開花時期 | 不定期 |
花色 | 白 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
園芸分類 | 球根植物 |
名前の由来
学名でもあるユーチャリスの由来はギリシャ語です。「よい」を意味するギリシャ語「eu」と、「惹きつける」を意味する「charis」を合成させ「Eucharis」としました。意訳すると「とても人目を惹きつける」となります。ユーチャリスの花姿は、誰もが魅了される美しさということです。
別名の由来
中央~南アメリカが原産地であることと、ユリに似た花姿がアマゾンリリーの由来です。もう一つの別名のギボウシズイセンは、ギボウシに似た美しい葉と、スイセンに似た清廉な花から名づけられました。
すらりと伸びた花茎、ややうつむきがちに開く白い花びらと、ユリやスイセンによく似た特徴をそなえるユーチャリスですが、ユリやスイセンとは種類が違います。間違えないように注意が必要です。
ユーチャリスの花を咲かせるポイントは?
じつはユーチャリスの育て方で、開花はかなり重要なポイントです。ユーチャリスは特定の条件がそろうことで開花するため、開花時期は決まっていません。「不定期咲き」と呼ばれています。
ユーチャリスが開花する条件は「25℃前後の気温が二週間以上継続すること」または「葉がしおれてしまうほどの乾燥が数回繰り返されること」の2つです。どちらかが満たされれば花をつけます。
開花の注意点
ユーチャリスの開花条件の1つに「葉がしおれてしまうほどの乾燥が数回繰り返されること」がありますが、ユーチャリスの栽培に慣れていない場合はおすすめできません。ユーチャリスは高温多湿を好む反面、乾燥にやや弱いからです。
園芸初心者またはユーチャリスの栽培に慣れていない方では、球根を衰弱させて枯らしてしまう恐れがあります。実行するなら、高温多湿な環境を長期間維持するほうが無難です。
ユーチャリスの開花ポイント
- 決まった開花時期を持たず、条件がそろうことで咲く不定期咲き
- 条件がそろえば、1年で数回開花する
- 条件1:「25℃前後の気温が二週間以上続くこと」
- 条件2:「葉がしおれるほどの乾燥が何度も繰り返されること」
- 条件1と2のどちらかが達成されれば開花する
- 条件2は枯らしてしまうリスクがあるため、条件1が無難である
ユーチャリスの育て方
①栽培環境
ユーチャリスは耐寒性が低いため、四季がある日本で育てる場合は、鉢植え栽培が基本です。強過ぎる光にも弱いので、生育期は明るめの半日陰で管理します。特に日差しが厳しくなる夏場は要注意です。
ユーチャリスは10℃以下の気温で衰弱して枯れてしまうほど、耐寒性が弱い植物です。冬場は室内でも、日当たりのよい場所で管理します。ただし乾燥も苦手なので、エアコンやストーブの近くは避けましょう。
②水やり・肥料
生育時期は、鉢土の表面が乾いたところで水やりするのが基本です。ユーチャリスにとって冬の時期は休眠期にあたるため、水やりは控えます。気温が低下し始める10月頃から徐々に水やりの頻度を減らし、12月~3月までは水やりを完全に断って、球根を休眠させます。
休眠期の球根は掘り上げず、そのまま日陰で管理させると傷むリスクを減らせます。
球根を休眠させない場合の冬の管理
室内の温度を10℃以上にたもって管理できるなら、ユーチャリスを休眠させずに管理できます。早春の気温が低いと、ユーチャリスの生育が遅れて開花しなくなる恐れがあるため、栽培に慣れていない方は球根を休眠させないほうがよいでしょう。
室内温度をつねに10℃以上にたもち、水やりの頻度は数日に1回に抑えるのが基本です。空気が乾燥していると感じたら、葉裏に霧吹きで水をかけ、乾燥による衰弱を防ぎます。
肥料の与え方
ユーチャリスはあまり肥料を必要としません。芽が出て花が咲き終わるまでの間、薄く希釈した液体肥料を施すだけで十分です。元肥もいりません。液体肥料を施すペースは、20日に1回が目安です。慣れてきたら、花の様子を見ながら液体肥料の量と施すペースを加減しましょう。
③植え付け・植え替え
ユーチャリスは5月~6月頃に植え付けを行います。球根を植え付ける目安は、直径15cmの5号鉢に1球です。球根の肩にあたる部分が、鉢土の表面に出る程度の深さを目安に植え付けていきます。
球根の根がダメージを受けると、生育障害を起こしてしまうので、根が傷まないように丁寧に植え付けましょう。植え替えの適期も5月~6月です。2年~3年に1回のペースで植え替えます。
用土
ユーチャリスの栽培は、水はけがよく有機質をたっぷりと含んだ肥沃な土壌が望ましいです。自分で用土を作る場合は、赤玉土7:腐葉土3の割合で作ります。手軽にすませたいなら、市販の球根植物用の培養土で十分です。
④病気・害虫
警戒すべき病気は特にありません。害虫はカイガラムシに注意が必要です。カイガラムシには成長過程で駆除方法が異なる特徴があります。幼虫は殺虫剤や希釈した木酢液で駆除するのが、おもだった駆除方法です。
一方、カイガラムシの成虫は殺虫剤が効きにくいという厄介な特徴があります。歯ブラシを利用して、自力でこそげ落とすのがおもな駆除方法です。落ちたカイガラムシはティッシュなどでくるんで処分します。
⑤日常・季節ごとの手入れ
耐寒性が低いユーチャリスにとって、天敵は低温です。鉢植えにして、冬は室内で管理するのが基本ですが、夜間など気温が下がる場合があるので、室内温度の管理には細心の注意を払います。
ユーチャリスはすらりと伸びた花茎の先に、5輪ほどの花をつけます。3日~5日ごとに1輪ずつ開くのが開花時の特徴です。花が枯れてきたら花がらだけを摘み取り、すべての花が終わったら花茎を切ります。
ユーチャリスの花言葉
ユーチャリスの花言葉は「気品」「清らかな心」「すがすがしい日々」「純真」「純愛」です。いずれの花言葉も、ユーチャリスの清廉な気品あふれる純白の花姿と、さわやかで甘美な香りに由来しています。
近年はウェディングブーケやヘッドドレス(髪飾り)など、花嫁を飾る花として人気が高まっているユーチャリスですが、花言葉も花嫁にふさわしい意味を持つ言葉が多いです。
ユーチャリスを美しく咲かせてみよう
花嫁が憧れる花として人気が高まっているユーチャリスは、開花時期が不定期なことと、低温と乾燥に気をつければ、ほぼ問題なく育つ花です。花嫁を美しく飾る純白の花を身近で咲かせて、ユーチャリス特有の美と香りを楽しみましょう。
白い花が気になるならこちらもチェック!
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出典:photo-ac.com