モントブレチアの特徴について
育て方をご紹介する前に、モントブレチアの特徴についてご紹介します。上手に花を咲かせるには、特徴を知ることが近道です。普段どのようなところに花を咲かせ、何を苦手としているのかをきちんと知っておきましょう。
この項目では、モントブレチアはどのような花なのか、品種、耐寒性と耐暑性、花が咲く時期、どのような香りなのかについての内容となっているので、是非参考にしてください。
モントブレチアはどんな花?
モントブレチアは、南アフリカを原産地とする球根の多年草です。「姫檜扇水仙(ヒメヒオウギズイセン)」という和名があるほか、「クロコスミア」、「トリトニア」の呼び名で世界に親しまれています。
モントブレチアは、アヤメ科のクロコスミア属です。耐寒性の強さに加え、飛んできた種でも発芽する特徴がある、とても生命力が高い花。植えっぱなしでも成長してくれるため、初心者にもおすすめの花として知られています。
モントブレチアは簡単に増える花
通常の花は増やすために株分けをしますが、モントブレチアは必要ありません。球根の先端に球根の先端に毎年1個ずつ新しい球根ができるので、株分けをしなくても自然と花が増えてくれるのです。
1つ1つの球根の寿命は約3~4年と長いため、レンコンの様に球根が繋がっていく特徴がモントブレチアにはあります。
品種は300種類以上ある
モントブレチアのクロコスミア属は約7種類あるのですが、品種はかなり多く300品種を超えます。一般的に知られているものは、「クロコスミア・オーレア」と「クロコスミア・ポトシー」の交配種である「クロコスミア・クロコスミイフロラ」です。
よく出回っている品種
たくさんある中でも、園芸種としてよく出回っているモントブレチアの品種のご紹介です。今からご紹介する品種は6種類あり、花の色や特徴について触れていきます。自分好みの品種を見つける参考にしてみてください。
ルシファー | 草丈1m超える種類で、朱色の綺麗な花を咲かせる。 |
エミリー・マッケンジー | 草丈は大体40〜50cmで、オレンジ色に赤い輪っかの模様が特徴的な花びらを持つ品種。 |
ゲルベ・ドール | 草丈は大体40〜50cmで、ヒマワリのような黄色の花びらが魅力の品種。 |
コロンブス | 草丈は大体50〜70cmで、レモンの皮のような黄色の花びらで人気。 |
ノーウィッチキナリー | オレンジ寄りの黄色い花びらを咲かせる品種。ハイビスカスの花びらを少し細くしたような形をしている。 |
ジョージ・ダビッドソン | 地理学者と同じ名前が付いた品種。小ぶりの明るい黄色の花を咲かせる。 |
主な原種
モントブレチアの原種としてよく知られている花のご紹介です。ご紹介する原種は2種類あります。それぞれの特徴や交配親で使われいる原種もご紹介しているので、いつか交配をしたいと考えている方は是非参考にしてください。
クロコスミア・クロコスミイフロラ | 明治時代に日本に入ってきた原種。野草状態で咲き誇っていることが多い。 |
クロコスミア・マソノラム | 交配のために使われる花として有名な原種。 |
耐寒性と耐暑性について
耐暑性が強いモントブレチアですが、耐寒性は強くありません。といっても球根は比較的耐寒性があるので、土の中でも冬越しができます。ただし寒さが厳しい場所は、秋の間に掘り上げて暖かい場所に移動するか、藁を分厚く敷いて保温する必要があります。
またモントブレチアを鉢植えしている場合は、霜よけのために場所を移動させなければなりません。軒下や屋内の霜が発生しない場所へ移しましょう。
花が咲く時期
モントブレチアの花が咲く時期は6~8月です。春に植え付けて3月くらいに水やりをし始めます。冬越しをして発芽したら、秋の咲く時期が終わるまでたっぷりと水を与えるようにしましょう。
花を咲かせるコツは日陰の程度です。木漏れ日が射す程度であれば育ちますが、完全に日陰だと時期が来ても花が咲かない可能性があります。日当たりが良い場所に植え付け、地植えにしている場合は完全に土が乾いてから水やりをしましょう。
どんな香り?
モントブレチアは、乾燥した状態のモントブレチアにお湯をかけると、サフランのような香りがします。実は、別名の「クロコスミア」は「サフランの香り」という意味があり、香りの由来から付けられました。因みに「クロコスミア」はギリシャ語です。
モントブレチアが無事に栽培できたときは、本当にサフランの香りがするのか是非試してみてはいかがでしょうか。
モントブレチアの基本の育て方!
モントブレチアの基本的な育て方のご紹介です。モントブレチアは育てにくい種類の花ではないので、初心者でも安心して簡単育てることができます。植え付けと植え替えの時期の方法、肥料の与え方、お手入れについて知りたい方は是非参考にしてください。
地植えの植え付け時期と方法
モントブレチアの球根の植え付けに最適な時期は、3月下旬~5月中旬の春から初夏の季節です。球根毎年増えるため、植え付けるときは最低30㎝程度空けることが推奨されています。土を掘る深さは冬越しのことも考えて、5㎝の深さにしましょう。
鉢植えの植え付け時期と方法
モントブレチアを鉢植えにしようと考えている方は、草丈の長さを考慮して7号鉢で2.5㎝ほど深いところに植え付けるのがおすすめです。植え付ける球根の数については、今後増える球根のためにも、6個ほどにとどめておくのがポイントとなっています。
球根の植え替えの時期と方法
モントブレチアの植え替えの最適な時期は、植え付けの時期と同様3月下旬~5月の中旬の春から初夏の季節です。球根の増えすぎは花数の減りにも直結します。地植えの植え替えは3年に1回、鉢植えは1~2年に1回を目安に行いましょう。
モントブレチアの植え付け方法はとても簡単で、分けたい球根を選んで切り分けて場所を移して植え付けるだけです。球根を選ぶときは、窮屈に詰まっているものを探してみましょう。
肥料の与え方と時期
モントブレチアに肥料を与える時期は、3月下旬~5月中旬あたりです。植え付け時に効果がゆっくりの肥料を混ぜておきましょう。追加の肥料は花の開花時期が終ったあとに、栄養不足の予防で最初と同じものを根元に少しだけ与えます。
肥料の量が少なくて良い理由は、モントブレチアは肥料の栄養をしっかり吸ってくれる花だからです。逆に言えば、肥料の量が多いと悪影響が出るので注意しましょう。
自分で用土を作りたい方へ
モントブレチアは、水はけが良い用土であればどの土でも育てることができます。なので、庭植えをしたい方は、水はけが良いのか確認してから植えなければなりません。鉢植えを考えている方は、自分で用土を作ることも可能です。
自分で用土を作る場合は、小粒タイプの赤玉土と腐葉土を用意してください。材料が揃ったら7:3の割合ででよく混ぜ込むだけで出来上がります。簡単なので是非チェレンジしてみてください。
お手入れはあまりいらない
基本的にモントブレチアは日常的にお手入れをしなくても良い種類になります。お手入れが必要になるタイミングは花の開花時期が終わった後です。花が枯れたら花茎を早めに切って処理しましょう。
強いて言うなら、モントブレチアを鉢植えしている場合乾燥しすぎないよう、気配りをするくらいです。土の表面が乾いていると思ったらたっぷり水を与えてあげましょう。
肥料をあげすぎないのがコツ!
モントブレチアは肥料の栄養を効率よくたくさん取り入れてくれます。なので肥料の量には気をつけなければなりません。肥料をたっぷり上げた方が花がたくさん咲きそうですが、モントブレチアは逆に数が減ってしまうので注意が必要です。
庭植えにした場合は肥料はいりません。花をたくさん咲かせるためにも、肥料を与えすぎないことを覚えておきましょう。
モントブレチアの育て方は簡単だけど注意が必要!
モントブレチアは初心者でも簡単に育てることを紹介してきましたが、注意すべきポイントや、簡単過ぎるが故に注意しないと大変なこともあります。その中でも、増えすぎて困るといった話は、モントブレチアを育て方でとても有名です。
今回増えすぎたときの対処法や冬の水やり、花が咲かないときの対処法についてご紹介しているので是非参考にしてください。
花の増えすぎに注意
植えっぱなしでも花が増えるため、育てやすいと思われるモントブレチア。ですが、簡単に花が増えるがために気づいたら花が増えすぎて大変なことになったという方が沢山います。
対策は、球根分けを定期的にきちんとすること。庭植えであれば3年に1回、鉢植えであれば1~2年に1回必ず行うのがおすすめです。たくさん増えてから球根分けをした方は、揃って「とても大変」だと話しているので、放置はあまりおすすめしません。
枯れた後と冬は水やりをしない
モントブレチアの花が枯れた後から冬の間は、水やりをしてはいけません。枯れた後は徐々に休眠状態に入るので、一気に水やりを絶つのではなく、徐々に減らします。そして冬になったら、土や球根が凍ってしまうので1滴も与えないようにしましょう。
花が咲かない時はどうする?
花が咲かない場合は肥料の与えすぎと、球根が土の中で溢れかえっていることが原因の多くです。肥料の量と時期を守って与えているなら、球根が増えすぎていることが考えられます。一度土を掘って球根の様子を確認してみましょう。
また、日の光が足りないこともあります。一度日が当たりやすい場所に植え替えるか、鉢植えであれば鉢ごと移動させて様子を見てみてください。
条例で禁止されている県がある
モントブレチアを育てることを、条例で禁止されている県があるので注意しなければなりません。実は九州の佐賀県が禁止地域にあたります。繁殖力が高く野草化しやすいことが禁止の理由です。
繁殖力が高いということは、生態系のバランスが崩れる可能性があるということ。佐賀県以外に禁止されている場所が他にもあるかもしれませんが、現在公表されていません。気になる方は育てる前に自治体に相談してみましょう。
モントブレチアの綺麗な花を咲かせよう
今回は、モントブレチアの育て方と花を咲かせるコツを中心にご紹介しました。モンブレチアは肥料を与えすぎないこと、定期的に球根分けをすることで綺麗な花をたくさん咲かせることができます。
品種も300種類以上あるので、自分好みの形と色の花を探してみるのもおすすめです。綺麗な花を咲かせるコツとポイントをおさながら、是非自分好みの品種を育ててみてください。
モントブレチアについて気になる方はこちらもチェック!
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