はじめに:面白い植物メセンの育て方を解説!
サボテンとは違う?メセンという植物と花
メセンというちょっと変わった名前の植物をご存知ですか?このメセンという名前にはサボテンが関係しているといわれていますが、実はこの植物はサボテンではなく多肉植物に分類されているマツバギクの仲間。
そう聞くとマツバギクの花と似ていると感じられた方も多いのではないでしょうか。メセンは株の大きさに比例して大きめなかわいらしい鮮やかな色の花を咲かせてくれるのも魅力です。
多肉植物メセンの上手な植え替えや増やし方も
メセンという多肉植物の育て方を今回は解説していきましょう。多肉植物は育て方が簡単なものが多いですが、このメセンは少しだけコツを覚えておかないと根腐れをおこす人も少なくありません。
はじめてメセンを育てるという方は、今回解説する育て方ポイントをよくチェックして根腐れに注意して、かわいい花を咲かせてくださいね。
育て方の前に知りたいメセンの基本情報
メセンの基本情報
科・属 | ハマミズナ科メセンブリアンテマム属(リトープス属やコノフィツム属) |
原産地 | 南アフリカ |
英語名/学名 | Messembryanthemum/Messembryanthemum |
育て方難易度 | 普通(コツが必要) |
メセンはいろいろな品種の総称と考える
植物分類のところでもたくさん〇〇属があって驚かれたかもしれませんが、メセンという植物はころころと名前や分類が変わっています。一般的には2021年6月現在は総称としてメセンブリアンテマム属に分類されている植物ですが、これも長すぎるとされあまり評判はよくありません。
それよりも人気品種のリトープスやコノフィツムはそれぞれの属性に分けられているので、そちらがよく使われる植物分類です。
メセンの名前の由来
メセンは元々は上記のような英語名の読みから来ていますが、このメセンをより覚えやすく印象的にするために引き合いにだされるのがサボテンです。サボテンは漢字名を仙人掌(モデルはウチワサボテンなど。平たい手のひらのような形のイメージから付けられた名前)と書きます。
これに比例してとげもないメセンはつるりとして女性的であるということから、女の仙人で女仙(メセン)といういわれが後付けで付けられました。
メセンの名前遍歴
先程メセンはころころと名前が変わってきていると解説しましたね。もともとこの植物はMessembrianthemum(昼間に開花するマムの花)という名前で呼ばれていましたが、夜間に開花する種類が発見されたことによりこの名前は使えなくなりました。
日本ではメセンのみで通じる
次に使われた名前がMessembryanthemum(中くらいの果実のようなマムの花)で、これは現在のメセンの英語名や学名にもなっています。しかしあまりにも長いこの名前は日本では受け入れがたいようで、単にメセンのみとして流通しているのが一般的です。
メセンの特徴と性質
何といってもメセンは特徴的な変わった姿をしている植物として見てすぐわかるでしょう。
種類によっても色や形は変わってきますが一貫して大きさは比較的小さめで、育ちすぎると二重脱皮して逆にサイズが小さくなるものもあるので園芸家の方々はこの生育サイズにおいては頭を悩ませています。
人気品種はコノフィツムやリトープス
メセンに興味を持たれて園芸店に買いに出かけたけれど売られていないという声をよく耳にします。その場合はこのふたつの品種名で並んでいることも。メセンという名前ではなく品種名で呼ばれることも多い植物です。
メセンの開花時期
メセンの花が咲くのは秋から冬の気温が下がってきたころ。だいたい10-1月くらいを見ておくとよいでしょう。というのもこのメセンという植物の生育期が秋から冬となっているためです。
植え付けや植え替え・株分けなどの増やし方においてもこの秋から冬の生育期を意識しておくと失敗が減りますよ。
メセンの育て方のコツ
それでは早速メセンの育て方を解説していきましょう。早く大きく育ってほしくて肥料をあたえ過ぎたり水やり過多になってしまうと、このメセンという植物はサイズが小さくなってしまうこともあります。そんなお悩み解決のためには水やりや植え替え時期などには注意してください。
メセンの育て方:日当たり
メセンは日当たりが悪いところでは開花しませんので、明るい場所が好みです。できるだけ日当たりのよいところに鉢を置くのが育て方ポイントではありますが、雨があたるところに置いてはいけません。
日当たりが悪いところに長期間鉢をおきっぱなしにすると、メセンは枯れてしまうこともあります。
ポイント1.植え付け場所の風通しにも注意
かなり水分にデリケートな植物なのでいつまでも水やり後の土がじめじめと湿っているような環境では根腐れの原因となってしまいます。置き場所は日当たりだけでなく風通しのよいところを見つけてあげて、土を乾燥させるとともに植物の成長ホルモンの分泌を促してあげてください。
メセンの育て方:植え付けと植え替え
メセンの植え付け植え替えは土を変えることになりますが、そのときダイアジノンという殺虫剤を1鉢あたりひとつまみぱらぱらと土の上にまくとよいですよ。
この殺虫剤は同じものを続けて使わない方がよくて、去年ダイアジノンだったから今年はオルトランなどといくつかの種類を用意してローテーションしてあげることで、メセンの根をだめにするネジラミを防ぐことが可能となります。
ポイント2.根腐れしづらい用土
メセンは園芸店でプロが育てたかわいらしい鉢が安く売られています。生産者さんは自分のところで育てているたくさんの植物に共通して使える用土を鉢に入れていることが多いのでメセンに適していない場合もあります。
メセンの用土は基本は赤玉土で、微粒や小粒をミックスして使うほか鉢底石代わりとして中粒を下に敷く・表面の飾り土として最後に日向土か硬質赤玉土を使ってください。その理由は水はけをよくし、いつまでも土に水を残さないのが目的です。
メセンの育て方:日常管理
メセンは水やりに少し気を使ったあげることが必要な植物です。ひとつは根腐れ・もうひとつは二重脱皮と呼ばれる株を小さくする原因となるために管理が必要となります。
どちらも水分が多すぎることが原因としておこるため、メセンの水やりはできるだけ控えめに。十分土が乾くまで次をあげない・季節によっては断水もしてあげてください。
ポイント3.水やりにはコツが必要
この植物は何度か水やりをやめる時期というのが存在します。そのひとつが脱皮時期。脱皮というのはこのメセン特有の状態なのですが、肉厚な皮が割れて中かにそれよりもやや小さめな葉がふたつに割れた状態ででてくることです。
もうひとつは休眠期の水やりになりますが、これはこの次に詳しく夏越しとして説明しますのでそちらを御覧ください。
メセンの育て方:夏越し
メセンは夏が休眠期となります。暑いのは苦手とする植物なので日当たりも遮光して直射日光に当てないようにしてください。日当たりの好きな植物とはいえ、休眠期は静かに眠らせてあげるのが涼しくなってからの生育をよくするメセン栽培のコツといえます。
ポイント4.メセンは夏の管理が重要
遮光とならんで夏場のこの植物で気をつけるのが水やりです。だいたい6-9月の4ヶ月くらいが休眠期と考えられていますので、このあいだは水やりを一切しない断水をしてください。
ただし年によってこの期間も涼しい場合がありますね。そんな年は断水する期間も短くなりますので、毎年同じお世話ではなく気温によって時期を判断してあげるとよいです。
メセンの増やし方
脱皮後ふたつに分かれたものがそれぞれ一つずつの株になったら、それを別の鉢に植え替えてふたつに増やすことが可能です。脱皮したからすぐできるものではなく、株元までしっかりと分裂してひとつずつの株になったのが確認できたときに株分けをしてください。
メセンは株分けで増やす
株分けに適した時期は秋10月から12月くらいの、しっかりと気温が下がったころにおこないます。一度鉢から掘り起こし植え替える作業になりますので、あらかじめ水は控えて土をからからにさせておいてください。
土から取り出したもので根が黒くもう寿命になっているようなものは、手で優しく取り除きつつ株を分けます。植え付け時に使ったのと同じ土で別々の鉢で植え付けたら株分け完了です。
まとめ:変わった植物メセンを育てる
メセンの管理は慣れると簡単
メセンという植物は多肉植物の中でも特に変わったお世話を必要とする花です。サイズも小さく管理しやすいだけでなく緑から黄色っぽいもの・オレンジや紫・黒に近いものまで色もさまざま。
一株ずつ小さな鉢植えにされているものもよいですし、いろいろな色や模様のものを寄せ植えにしても素敵なグリーンインテリアとなるでしょう。
育て方の基本は水やりと植え替え
根が弱いといわれるメセンですがしっかりと秋の涼しくなった頃に植え替えをしてあげれば、それほど神経質になることはありません。
扱い方に慣れてくればほかの多肉植物同様手がかからず、あまりお世話のいらないきれいな花の咲く植物ですのでこの機会に是非メセン栽培にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
メセンが気になる方はこちらもチェック
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出典:https://photo-ac.com/