はじめに:ムラサキオモトとは
ムラサキオモト栽培は真夏の管理がコツ
観葉植物の中でも緑だけでなく差し色的なカラーが入ったものは人気があります。斑入りの葉もそうですが赤や銀色・紫色のカラーリーフは、自分で増やせれば寄せ植えにも気軽に使えて初心者にもおすすめです。
今回はそんな紫色が入った観葉植物その名もムラサキオモトの特徴や育て方について解説していきましょう。この植物の育て方ポイントは夏場の管理です。
ムラサキオモトが枯れる原因と対策も解説
まだ栽培に慣れていない植物では時折何らかの原因で枯れることもあるでしょう。ムラサキオモトも枯れる悩みがまったくないとは言えません。植物の育て方の基本でもあり最大の悩みでもある、この枯れる原因や対処法をメインにお話していきます。
はじめてムラサキオモトを育てる方にもわかりやすく詳しく解説していきますので、園芸のヒントとしていただければ幸いです。
育て方解説の前に知りたいムラサキオモトとは
ムラサキオモトの育て方の前に植物分類や名前の由来・別名・花の時期や花言葉をご覧いただきましょう。植物に対する関心を高めたり特徴や性質を知ることによりお世話の指針となってくれます。
ムラサキオモトの基本情報
科・属 | ツユクサ科ムラサキオモト属 |
原産地 | アメリカ熱帯地域 |
英語名/学名 | oyster plant/Rhoeo spathacea |
育て方難易度 | 簡単から普通 |
ムラサキオモトの別名や名前の由来
ムラサキオモトの名前の由来は葉の裏側が紫色をしたオモト(万年青)に似た植物というものです。オモトの色違いのように思われていますが、似ているだけで別の植物に分類されているため育て方ポイントも違うのでご注意ください。
ムラサキオモトの別名はシキンラン(紫金蘭)。学名でもあるロエオ(Rhoeo)と呼ばれたり、葉の形が船のようだという由来からボートリリーと呼ばれたりもします。
ムラサキオモトの特徴
1種1属だが個性的な品種が多い
1種1属だと種類が選べないと思われがちですが、ムラサキオモトにはいくつかのカラーバリエーションがあって実はプレゼントするにも相手のお好みを選びやすい観葉植物です。
ムラサキオモトという名前でも裏面も緑のものや、斑入りのムラサキオモト・オーロラ。さらに斑入りでも草丈が低くてどのような部屋のインテリアにも使いやすいナナなどが人気品種となっています。
ムラサキオモトの開花時期と花言葉
ムラサキオモトの開花時期は夏
この植物は葉に隠れて見えにくい小さなものですが、7-8月に同じ種類であるツユクサの花そっくりな白い花を咲かせます。葉裏の色である紫によく映えるまっしろな花はこのムラサキオモトの大きな特徴のひとつともいえるでしょう。
ムラサキオモトの花言葉は「旅行」
ムラサキオモトの花言葉は旅行と航海です。由来ははっきりとしていませんが、旅に関する花言葉がつけられているため引っ越しや新築のお祝い用の観葉植物としてよく選ばれます。
真夏や冬越し方法は?ムラサキオモトの育て方
ムラサキオモトがどのような植物か大まかにつかめたところで、早速育て方を解説していきましょう。どのような植物でも同じですがその種類の成長期と休眠期をまず知ることが大切です。
成長期にはどんどん大きくなろうとしますので、植え付けや株分けなどのお世話ができる変化のある時期。一方ムラサキオモトなど常緑樹の休眠期は表面こそあまり変化はありませんが休んでいる時なので刺激しないよう最低限の生命維持をするようにします。
ムラサキオモトの日当たり
観葉植物として室内でも管理できるので明るい日陰くらいならば栽培が可能な植物です。ただし花を咲かせたり葉色をきれいに保ちたいのであれば、定期的に屋外に出して日光に当てるようにしてください。
日当たりが悪いと間のびするので注意
葉と葉の間が詰まっていて根元からたくさん葉が出てきた方が美しいとされる植物です。日当たりが悪いとこの葉がすかすかに間が相手しまって見た目が悪くなります。
また下葉が枯れたりするため間延びしたものは、子株が出てきたら切り戻して上部は挿し木として使ったりと特別なお世話が必要になります。なるべく手をかけずにきれいな株を維持したいなら、なおさら日当たりには注意しましょう。
室内管理の場合の置き場所は
温かい地方が原産の植物なので耐寒温度は5度以上となっています。室内でもこれより寒いところであると枯れてくるので注意が必要です。特に冬の窓際は朝方とても寒くなりますので、日当たりがよいからと窓辺に置きっぱなしにしないようにしてください。
ムラサキオモトの植え付けと植え替え
植え付けと植え替えは春から夏までとあまり時期を選びません。ただし夏に植え付けをしたものは、直射日光に当てないよう遮光をして株の健康に気をつけてあげる必要がでてきます。
さきほど申し上げた5度という耐寒温度よりも寒くなる地域では地植えにすることはできません。冬には室内に入れてあげられる鉢植えで植え付けてください。
ムラサキオモトの植え方
購入した株があまり根がないものであった場合、きちんと根付くまでは土は乾燥させないように管理します。ただし基本的にいつまでも湿り気の残るじめじめとした環境の場所はムラサキオモトの好みではないので、土は水はけのよいものを使ってください。
この植物に適した用土は
上記のように水はけのよい土づくりとなるよう土の配合を決めてください。一般的な培養土(赤玉土と腐葉土を6:4程度の割合で混ぜたもの)に川砂を2割弱混ぜたものが適しています。
ムラサキオモトは根が周りやすい植物
植え替えも植え付けと同じような水はけのよい土を使います。またムラサキオモトは成長が早いので根の周りも早く2年もたつと鉢がぱんぱんになっていることも。
水やり後の土の乾き具合を見てあまりにもすぐに乾いてしまうようであれば、土の中はもう根でいっぱいです。ひとまわり大きな鉢に植え替えをしてください。時期は植え付けと同じく春から夏の猛暑日を除く日が適しています。
ムラサキオモの日常管理
水やりのコツは季節で変えること
ほとんどの植物が成長期には水分をたくさんあたえ、休眠期には控えめにするのが上手な育て方です。ムラサキオモトもこの育て方にのっとった水やりの方法をしてください。春から秋が成長期・冬になると休眠期に入る植物です。
肥料の時期とあたえ方
肥料は5・7・9月に感光性肥料を株元に与える方法でおこないます。1ヶ月おきではなく2ヶ月ごとと長い周期になりますのでご注意ください。あまり肥料をあげすぎると間延びして観葉植物としての見た目をそこなうためです。冬の休眠期には絶対に肥料をあげてはいけません。
ムラサキオモトの剪定と増やし方
観葉植物として長い間育てていくと、下の方の葉が寿命で枯れてしまい、だんだんとムラサキオモトらしい姿から離れてきてしまいます。そんなときは切り戻し剪定をおこないつつ、剪定で切り取った上の茎と葉は挿し木として使用するとよいでしょう。
剪定は植え替えと同時におこなうのが一般的なので、5-9月の真夏を除いた時期を選んでください。
株分けと挿し木のやり方
ムラサキオモトは株分けと挿し木のやり方が曖昧です。というのもこの木は1本の親株の茎の途中からも子株が出てくる場合が多いため。中には下葉が枯れた茎部分から子株が出てきて、さらに空中に根を伸ばしていることもあります。
このような横から出てきている子株を切り取り新たに鉢に植え替えるのが株分け。間延びした親株の方を剪定して、横から出ている子株を次のメインとするのが切り戻しからの挿し木となります。
ムラサキオモトの病気と害虫
害虫が多い植物なので注意が必要
ムラサキオモトは害虫を寄せ付けやすい植物といわれています。主なものではハダニ・カイガラムシ・ナメクジ・アブラムシ・ダンゴムシです。飛来するものや鉢底から植木鉢の土中に入ってくるものなどいろいろですが、どれも食害ですのでオルトランなどの浸透性の農薬が効果があります。
特に気をつけるのは真夏のハダニ
観葉植物として室内管理をしていても、どうしても発生しやすのが夏の乾燥からくるハダニ被害。スプレーに水を入れて葉水をおこなったり、定期的にコットンなどやわらかなもので葉を拭き取ってあげることが、予防と駆除ができホコリも除去できるため一石二鳥のお世話となるでしょう。
ムラサキオモトの季節の管理
真夏はムラサキオモトの成長期
真夏のムラサキオモトは成長期でありハダニ対策などお世話に忙しい時期となるでしょう。明るい日なたが好きな植物ですが、真夏だけは遮光をして直射日光を避けないと葉焼けを起こしてしまいます。
冬越し管理のコツは水やり
休眠期に入る冬は肥料を一切やめ、水やりを控えるという緩やかなお世話となります。また室内の置き場所でもご紹介したように昼間は日当たりのよい窓際、夕方になったら窓から離れた場所に移動するなどこまめな場所移動もやってください。
晴れて天気のよい暖かな日中はベランダや庭など屋外に出して外気に触れさせるのもよい管理方法です。夜間は室内に入れるのをお忘れなく。
まとめ:ムラサキオモトはオモトとは別品種
ムラサキオモトに合った育て方を心がけて
ムラサキオモトとは名前こそオモトと付いているものの名前の由来となった万年青とは全く別の植物です。管理方法も変わってきますので、ご注意ください。
害虫が多い観葉植物ですが予防として薬を散布したりハダニには葉水をあげたりすれば、それほど深刻なダメージは避けられるでしょう。いつまでも美しい姿を保つために切り戻しや株分けで見た目を整えます。
ムラサキオモトが気になる方はこちらもチェック
このほか暮らしーのではムラサキオモトの名前の由来となったオモト(万年青)の育て方ガイドや同じように裏側がきれいな紫色になるカラーもあるドラセナの栽培ポイント紹介記事もあります。こちらも是非見てくださいね。

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出典:https://photo-ac.com/