オモトとは?
オモトは常緑の多年草で、原種は日本と中国に生息する植物です。日本では古くから品種の改良が始まり、特に江戸時代末期から新しい品種が一気に増えました。現在では1000種を超えるほど品種があります。
またオモトは日本の気候・風土によくなじみ、初心者でも栽培しやすいことから多くの人に親しまれ、庭の園芸・ガーデニングや室内での観葉植物として愛され続けている植物です。
オモトが「縁起のいい植物」と言われる理由
オモトは漢字(中国名)では「万年青」と書き、字の通り葉は一年中青々とツヤのある緑をしていて、エネルギッシュで長寿をイメージさせることから「縁起のいい植物」と言われています。
日本では卒業や入学、転勤や引越し、開店祝いの贈り物としてよく利用され、手入れや管理方法が簡単なことから、贈られた方にも負担がなく、園芸の植木や観葉植物として楽しめると喜ばれるのがオモトです。
オモトの特性と効果
オモトの葉の緑は、人の心を和ませたりリフレッシュさせる効果があり、さらに葉の緑の光合成で、空気中の二酸化炭素を酸素に変え浄化するので健康にもいいと言われています。
オモトは縁起だけでなく心身の浄化にもよく、剪定などの手入れがほとんど必要ないほど管理方法が簡単です。庭や室内での園芸が好きだけど、時間がなく忙しいという人にもおすすめします。
オモトの育て方
オモトは植木のような剪定や手入れがほとんど必要なく、管理や栽培方法が簡単で、日本で品種改良され世界中で愛されるガーデニング・観葉植物です。
管理や栽培方法が簡単といっても、上手な育て方をするにはオモトの性質をよく知る必要があります。オモトの性質や、植え替え、増やし方、株分け、剪定の仕方など栽培方法を紹介していきましょう。
日当たりと置き場所
オモトは半分日陰のような日当たりを好みます。うす暗い場所でも育ちますがますが、全く日光が当たらない場所では育ちません。また真夏の強い直射日光や、湿気や乾燥も栽培には不向きです。
庭のガーデニングでは通常の草花は植木で育てますが、オモトの場合は植木のように庭の土に植えるより、日照具合に合わせて場所を変えられる鉢植えで日照管理するのが適しています。
観葉植物として室内で栽培する場合
夏場の日中は、室内の直射日光が直接当たらない涼しい場所に置くのが適しています。カーテンを利用するのも良い方法です。また湿度管理も大切なので時々風に当てるようにしましょう。
またオモトは寒さには強いのですが、真冬の冷風で凍ってしまうと葉が黒ずんでしまいます。真冬の窓辺はかなり冷え込むので、窓辺に置きっぱなしにしないで、夜は暖かい場所に移動するようにしましょう。
屋外のガーデニングで栽培する場合
午前中だけ日光が当たり、午後には日陰になる風通しの良い場所で栽培するのがベストです。また梅雨の時期には高温多湿を避け、雨が当たらない方法を工夫しましょう。
外の温度管理は自然任せなので、気温が零下になるような冬は室内に入れてあげたいです。そのため屋外のガーデニングでも、地面に直接植木するのではなく、鉢植えにして気候や日照の変化に臨機応変に対応することをおすすめします。
水やり
植木は毎日の水やりが基本ですが、オモトは乾燥しすぎや高湿気が嫌いなので、水やりのバランスに注意が必要です。夏は2日に1回の頻度で、日中の暑い時間を避けて水やりをします。葉の中が蒸れて高湿になるのを防ぐために早朝にやるようにしましょう。
冬はオモトの成長が鈍るので、植木鉢の土が乾いてから2日ぐらいを目安に4〜5日に1回程度水やりをします。凍結を避けるために日中の暖かいときが最適です。
肥料と用土
オモトは、ほとんど肥料を必要としません。少量を間隔をあけて与えるようにしましょう。また植木鉢の土は水はけの良いものならどんなものでも、砂と石だけでも構いません。
肥料がほとんど必要なく土を選ばないところが、園芸・ガーデニング初心者にも人気が高い理由なのでしょう。観葉植物としてのビジュアルも良く、精神の浄化、肥料や土の管理・育て方が簡単と一石三鳥の園芸植物がオモトです。
植え替え
オモトは剪定などの手入れが簡単ですが、元気に育てるためには1〜2年に1回のペースで植え替えをしましょう。3〜4年以上植え替えしないでおくと根詰まりをおこし、葉が変色したり葉先が巻いたりして見た目が悪くなります。
植え替えの時期は春と秋のお彼岸(ひがん)のころ、できれば秋の彼岸がベストです。ただし真夏と真冬は避けてください。
増やし方
オモトは株分けが増やし方の基本になります。子株が出てくるときが株分けの目安です。時期は植え替えと同じお彼岸のころに行いましょう。
また、オモトを大きく育てたい場合は株分けをしない栽培方法があります。小さめのオモトをたくさん作る増やし方は株分けで、単独で立派なオモトを育てるには株わけをしないのがポイントです。
剪定や病害虫
一般的に植木は剪定をしないと弱ってきますが、オモトは1年に数枚しか葉をつけないので、剪定がほとんど必要ありません。ただ2〜3年経つと下の方の葉が枯れてきます。
そのときは枯れた部分を剪定します。つまりオモトは2〜3年に1度の頻度、剪定が少なくてすむ植木です。
また春と秋に赤星病という病気が発生することがあります。季節により害虫が発生することもあるので注意してください。
オモトの代表的な品種
オモトの魅力は、育て方が簡単というだけでなく、葉の形状や模様の美しさがあります。オモトの原種は日本と中国に生息していますが、品種改良により中国にはない日本独自のオモトが誕生しているのです。
葉が大型のものから小型のもの、鮮やかなグリーンのものや、縞模様や斑点がある品種、スッと伸びる形状からくるくると巻く形状まで1000以上の品種があります。ここでは代表的な品種を紹介しましょう。
大葉系
長く大きな葉をもち、高さ50cmにもなる大型のオモトが大葉系です。代表的品種には大きな縞模様(虎斑)がある「曙(あけぼの)」や、葉のふちに黄白色や乳白色の覆輪(ふくりん)が入る「五大州」、葉の内側に白い模様が入り覆輪もある「大観」などがあります。
大葉系は大きく存在感があり、凛(りん)とした張り詰めた空気を漂わせ、玄関やインテリアの観葉植物として人気の品種です。
羅紗地系
現在最も品種が多いのが羅紗(らしゃ)地系のオモトです。葉が厚手で小さく表面に微細なシワがあるのが特徴で、毛織物の羅紗(らしゃ)に似た地合いがあることから羅紗地系と呼ばれています。
代表的な品種には「富国殿(ふこくでん)」「豊授楽(ほうじゅらく)」「瑞泉(ずいせん)」などがあります。このほかにもたくさんの品種があるので、興味のある方は調べてみてください。
オモトを枯らさないポイント
オモトは丈夫で元気な植物ですが、生き物なので育て方を間違えると枯れることがあります。オモトを枯らさないためには、枯れる原因と理由を知ることが大切です。ここでは枯れる主な原因と対処法を紹介します。
オモトが枯れる原因と理由
枯れる原因の多くは肥料のやりすぎです。園芸やガーデニングで育てる草花は、枝葉を茂らせ花を咲かせるために肥料が必要になります。ところがオモトは毎年数枚の葉しか付けないので肥料を多く必要としません。
肥料の説明書にある適量は、花を多くつける草花を目安にしています。適量通りに肥料を与えると、オモトにとっては桁違いの濃さになり肥料焼けを起こし枯れる原因になります。成育期に少量与えるのがベストです。
育て方をマスターしてオモト園芸を楽しもう
まとめ
オモトは400年かけて品種改良を重ね、日本人の感性で作り上げた、世界に誇れる人気の観葉植物です。庭やベランダでのガーデニング、室内のインテリアにも華を添える植物です。
ここまで紹介してきたオモトの特徴や育て方、枯らさないコツを参考にして、思う存分オモト園芸を楽しんでください。
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出典:https://www.photo-ac.com/