はじめに:自宅でおこなうマンゴー栽培
マンゴー栽培のコツは赤玉土と腐葉土の配合
マンゴーは甘くジューシーでとろけるような食感が人気のフルーツ。原産地は暑い地域ですが日本の気温下でも生育し収穫することが可能です。温度管理のほかに気をつけたいのは園芸用の土壌。
とはいっても特に難しい土の配合ではなく注意するのは赤玉土や腐葉土を必要とするだけで逆に簡単な土の配合といえるでしょう。
マンゴーを自宅で栽培して収穫しよう
観賞用に観葉植物としても鉢植えが売られているマンゴーの木。自宅での育て方を解説していきます。原産地では植物でありながら神の化身とまでいわれるマンゴーは、食用だけでなくとても縁起がよい植物として大切に栽培したい樹です。
マンゴー栽培の前に知りたい基本情報
マンゴーの栽培方法の前にまずは、この植物の原産地や植物分類・花や果実の特徴から、マンゴーにぴったりな花言葉まで基本的な情報からご覧いただきましょう。
マンゴーの基本情報
科・属 | ウルシ科マンゴー属 |
原産地 | インド・マレーシア |
英語名/学名 | Mango/Mangifera indica |
栽培難易度 | 普通 |
マンゴーの園芸分類は果樹高木
マンゴーは観葉植物としても鉢植えで売られていますが、本来の園芸分類は果樹・高木に入る植物。原産地では40メートルにもなる高いマンゴーの木も存在します。
マンゴーの木や実の特徴は
マンゴーの果実は非常に甘いことでも有名ですが、このように甘い果実なる木は花・実それぞれ腐敗したような香りを出して繁殖を助けてもらおうとするものが多く、マンゴーもその例にもれず開花期から強い腐敗臭がします。
マンゴーは世界三大美果のひとつ
マンゴーはチェリモヤ・マンゴスチンとともに世界三大美果と呼ばれる美味しい果物です。種類によって黄色からオレンジ・赤と果実の色も違いがあるだけでなく、その大きさも小さなものなら3-5cmほどから大きくなると25cmとりっぱなサイズの品種もあります。
マンゴーの収穫時期は
マンゴーは春から初夏くらいに開花時期を迎え、少しずつ夏の間成長して秋9-10月くらいには収穫できるくらい熟した状態になります。その目安は皮の表面の色で緑からだんだんと色づいてくるので目視で判断が可能です。
ただし完熟させようとするとその重さで落下してしまうので、傷つけないようネットなどで枝に固定して置くと安心して完熟マンゴーを収穫できます。
マンゴーの実に多い栄養素とその効果
マンゴーにはビタミンが豊富に含まれています。ビタミンCだけでなく緑黄色野菜に多いβカロテンもたっぷりの果物です。
ビタミンA・Cには肌のターンオーバーに必要な栄養素ですので、美肌に役立ってくれるのはもちろんのこと風邪をひいたときに失われやすいビタミン類の補充にもよい果物といえるでしょう。
マンゴーの花言葉は「甘いささやき」
さきほどマンゴーの花は腐敗臭に近いにおいがすると申し上げましたが、これは果実が完熟して腐りかけの一番美味しいときのにおいでもあります。
そんなマンゴーの花言葉は甘いささやき。花の甘いにおいで受粉を手伝ってくれる虫をよせつける、このマンゴーの花にぴったりな花言葉ですね。
自宅でおこなう失敗しづらいマンゴー栽培
それでは早速ご家庭でマンゴーを育て、収穫するための栽培方法をご紹介していきます。観葉植物としてマンゴーの木を育てているという方は多いですが、なかなか収穫できるまで育たないと言われているのは、土壌と開花後結実までの温度管理が大切です。
マンゴー栽培:適した日当たり
マンゴーを収穫しようとするならば、栽培はできるだけ日当たりのよいところで育ててください。日当たりがよくないとせっかく実ったマンゴーの実も思ったよりも甘くないということが起こるからです。
観葉植物としてその樹姿を楽しむだけの栽培であるならば日当たりのよい室内の窓際でも育ちます。
家で栽培するなら鉢植えに
よく植物を栽培するときにネックになるのは日本の厳しい冬の気温です。特に海外原産の植物はこのために多年草でも一年草扱いとして育てなくてはならない気温管理は、マンゴー栽培においても注意しなくてはいけない点となってきます。
栽培温度は20度程度ですので、春から秋までは屋外に置いておくことができますが、冬は室内(または温室)に入れてやる必要が出てくるからです。その移動のために冬も暖かな地域を除き地植えにはせず、鉢植えで栽培管理をするようにしてください。
マンゴー栽培:植え付けと植え替え
マンゴー栽培には重要な土壌づくり。実は配合はそれほど難しくはありません。基本となるのは赤玉土小粒と腐葉土を混ぜる一般的な土の配合です。
植え付け用土の配合
水はけが気になる方はこれにピートモスを配合してやや酸性の土にするとマンゴー好みの土にすることができます。市販の培養土を使うのであれば、やや酸性の土の配合であるブルーベリー栽培用の土がおすすめです。
植え付け時期
マンゴーは植え付け・植え替えともに春3-4月が適期といわれています。しかしこれは暖かな地域での目安であり、この時期にも霜の心配がある方はもう暖かさが安定するまで植え付けは待って5-6月頃までに植え付けや植え替えを完了させれば大丈夫です。
マンゴー鉢の大きさ
マンゴー栽培は葉の数(木の大きさ)によって収穫量が変わってきます。小さな木であるとたとえ複数個結実したとしても、マンゴーの木が自分で育てる数をセーブしてしまうので収穫数が少なくなる植物です。
木が小さすぎると花がたくさん咲き小さな実が付いたとしても、1個も完熟しないということも。確実に収穫したい・数を増やしたいという方はできるだけ大きな鉢で栽培してください。
鉢植えの植え替え周期は
マンゴーの根は直根性であまりひげ根は出ませんので、栽培には十分な深さがある鉢であればそれほども根詰まりの心配はりません。しかし鉢増しは必要で2年を目安に植え替えをしてください。
2年を目安に1号ずつ鉢増しをしていく
特に最近はスーパーマーケットなどで購入して美味しくいただいた種からの実生苗も試す方が多く見られますね。
その場合の栽培方法は特に最初から大きな鉢に植え付けるのではなく、苗の大きさに適した号数の鉢に植え付けて2年を目安に植え替え(鉢増し)を繰り返し、最終的に10号鉢まで大きくするようにしてください。
マンゴー栽培:日常管理
マンゴーの生育期は春から秋で冬場の栽培はその成長もゆるやかになるため、それほど水は必要としません。3-10月くらいで特に開花後から果実が育っているうちはたっぷりとあげてください。
マンゴーの水やり注意点
基本的に水分を必要とする植物なので3-10月くらいまでは、鉢土が乾いたら鉢底から水がばしゃばしゃと出てくるくらい十分な量をあたえる栽培方法となります。冬場は土が乾いてから2日ほどたってから水をあげる程度でよいでしょう。
肥料の時期とあたえ方
収穫するのに大切な花。この花が咲くためには肥料分が必要となります。肥料は長く効果を発揮してくれる緩効性の化成肥料を、春から秋までの間2ヶ月に1回を目安に規定量株元に置き肥するのがおすすめのやり方です。
溶け残っている古い肥料があったら取り除いてから、新しいものと交換するという形でおこないます。
気をつける病害虫
どのような植物の園芸でも病気や害虫によりあっという間に枯れてしまうということもありえます。マンゴー栽培で多く現れやすく気をつけるのは炭そ病です。
葉だけでなく果実にも出ると深刻な問題となります。風通しをよくしマンゼブ・キャプタン・フロアブルなど炭そ病に効果のある農薬で定期的に薬剤防除してください。
マンゴー栽培:剪定
マンゴーの木は1本でも自家結実しますが収穫量を増やす(木を大きくして葉の量を増やす)ためには、家庭で栽培するには芯止めをして人工的に手を加え枝分かれを促してあげます。剪定時期は収穫が終わったらすぐです。
マンゴーの木は自然に枝分かれしない植物
果実がなっていた枝は長く伸びているので半分くらいに軽く切り戻し、上へと伸びている古い枝を払い、できるだけ新しい枝は残すようにしてください。葉全部に日光があたるように形を整えるのが栽培のコツです。
マンゴー栽培:収穫
マンゴーは5月前後に花が咲き結実したら夏の間大きくなって収穫に至ります。前にも申し上げました通り株の大きさ(50葉に1個が適した数)によってマンゴー自身が実らせる実の数をセーブする植物です。
結局最終的には家庭菜園では1本で2-3個程度が一般的ですので、そのくらいに摘果してあげた方がより大きく甘い果実になります。
マンゴーの重みに注意
収穫の目安は皮の色づきですが、その前に実の重さで自然落下することがほとんどです。また実がなっている枝は細くて折れやすいので、枝は天井から紐で吊る・実が落下して傷がつかないよう果実はネットで支えておくというお世話をします。
マンゴー栽培:増やし方
マンゴーの増やし方は食したあとの種まきと挿し木がポピュラーです。種まきからの苗づくりの栽培は慣れた方でも最低6年長くて10年かかります。発芽率はよいので苗作り敵には簡単です。
挿し木は一般的なやり方と同じで枝を15cmほどにカット、清潔な赤玉土か鹿沼土を湿らせたところに差し乾燥しないよう発根まで日陰で管理してください。
まとめ:マンゴー栽培は難しいものではない
マンゴー生育のコツは土壌と育成温度
マンゴーは水はけのよいやや酸性の土でよく育ちます。一般的な赤玉土と腐葉土の配合でも育成することはできますが、育ち方に差がでてきてしまうのでブルーベリー用の培養土を使うのがてっとり早くおすすめの方法です。
1本あたりの果実の数を制限してあげることで、大きくて甘い実を収穫できますので摘果しながら育てます。
マンゴー栽培が気になる方はこちらもチェック
育て方が難しいと思われがちな果樹ですが、生育方法コツを知ることでその難易度は下がります。暮らしーのではこのほかにも珍しい果樹の栽培方法を解説しているので、気になる方はこちらも是非見てくださいね。

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