扇風機の使用にかかる平均電気代は?
暑い夏の必需品、扇風機
夏に欠かせない家庭の電化製品といえば、手軽に使えて涼しさを得られる扇風機です。そんな扇風機の最大の利点は、エアコンと比べて電気代が比較的安いことが挙げられます。ところで、実際のところ一般家庭で扇風機を使用した場合の平均的な電気代はどれくらいなのか、皆さんはご存知でしょうか。
扇風機の電気代の計算方法が知りたい!節約方法は?
この記事では、家庭用扇風機のワット数別・使用時間別の電気代の計算をしていきます。さらに、扇風機とエアコンの二つの家電を併用した、夏の電気料金の節約方法と効率よい冷房機器の使い方も併せてご紹介しますので、要チェックです。
実際の電気代は、地域差や契約する電力会社ごとにばらつきはありますが、目安となる平均の電気単価についてもご紹介しますので、ご家庭にある他の電化製品の電気代についても計算し、比較してみてください。
扇風機の平均電気代を計算する前の予備知識
予備知識①電気代計算に大切な「ワット(W)数」
電気料金がどれくらいかかるのか、そしてその計算方法を理解するうえで重要となってくるのが、「ワット(W)数」です。まず、ワット数というのは、電化製品を使用するときに実際に消費する電気エネルギー(消費電力)を示す単位となります。電化製品を使用した時の電気代、電力料金の計算には、このワット数がひとつの目安です。
ワット数が大きい=消費電力も高い
言い換えると、ワット数を確認すると、その電化製品を動かすのに「どれくらいのパワーを要するのか」が分かります。ワット数の値が大きければ大きいほど消費電力も高く、その電化製品を使用した時の電気料金も当然高くなってくるのです。
予備知識②扇風機に搭載されているACモーター
続いて、扇風機に搭載されているモーターの種類についてご説明します。扇風機の電気代計算は、本体に搭載しているモーターの種類に左右されます。
扇風機に搭載しているモーターには、AC(交流)モーターとDC(直流)モーターの二つの種類があります。ACモーターを搭載した、従来型の扇風機については、DCモーターよりも比較的安価に購入可能です。
しかしマイナス面として、風量の調整が三段階(弱・中・強)のみだったり、運転中の羽音が大きかったりといった点が挙げられます。
予備知識③扇風機に搭載されているDCモーター
一方、DCモーターを搭載した扇風機の特徴には、風量調整が多段階で設定できたり、運転音も比較的静かだったりといったプラス面がありますが、ACモーター搭載の扇風機と比較すると、商品の値段自体は高い傾向です。
扇風機の電気代を計算するには、お使いの扇風機の機種が、ACとDCのどちらのモーターを搭載しているのかを確認する必要があります。また、これから扇風機を購入する予定がある方は、それぞれの良い面と悪い面を理解しながら選択することが必要です。
【ACモーター搭載】扇風機の平均電気代
【ACモーター搭載】扇風機の消費電力とワット数は?
ここでは、AC(交流)モーター搭載扇風機の消費電力と電気代についてお話します。ACモーターを搭載型の扇風機は、この後詳しく説明するDC(直流)モーターと比較すると、消費電力が大きいです。
50ヘルツ地域でのワット数は、最低10~最大35ワット、60ヘルツ地域では最低12~最大37ワットになります。ワット数にかなり幅がありますが、これは扇風機自体の風量の強さ(弱・中・強)の設定次第です。
【ACモーター搭載】扇風機の使用時間別の電気代は?
電気料金の単価について
それではここからは、60ヘルツ地域を例に、ACモーター扇風機の使用時間別の電気料金を見ていきましょう。なお、電気料金については、地域や電力会社により差がありますが、ここでは電気料金の単価について、全国家庭電気製品公正取引協議会が公表する目安単価である27円/kWhを使用して話を進めます。端的にいうと、全国にある各電力会社の平均の単価ということです。
家電公取協では、電気事業連合会のご協力により得られた全国の電力料金を踏まえ、目安単価を決めています。
現在の目安単価は、27円/kWh(税込)です。
【ACモーター】扇風機の使用時間別の電気代計算
さきほどのワット数をもとに、風量調整を「弱」モードで運転し続けた場合は、0.012kW×27円/kWh=0.324円/hとなります。仮に睡眠時8時間回し続けると、0.324円/h×8時間=2.592円の電気代が掛かる計算です。
一方、風量を常時「強」で運転し続けた場合は、0.037W×27円/kWh=0.999円/hとなります。そして、同じ条件で8時間連続使用した場合には、最大で約8円(7.999円)の電気代が掛かる計算です。
【DCモーター搭載】扇風機の平均電気代
【DCモーター搭載】扇風機の消費電力とワット数は?
続いて、DC(直流)モーターを搭載した扇風機の消費電力と電気代について、ご説明していきましょう。DCモーター扇風機は、さきほどご紹介したAC(交流)モーター搭載よりも、消費電力を小さく抑えることが可能となります。
気になるワット数については、50ヘルツ、60ヘルツ地域共通のワット数です。最低1.5~最大20ワットの間に収まります。DCモーター扇風機も風量の設定次第で消費電力は変わっていき、風量調整を弱く設定すれば、運転中の消費電力も同じように低く抑えることが可能です。
【DCモーター搭載】扇風機の使用時間別電気代は?
風量調整「弱」の場合
DCモーター扇風機の電気料金を使用時間別にみていきましょう。風量調整を「弱」で運転し続けた場合は、0.0015kW×27円/kWh=0.0405円/hとなります。仮に睡眠時に8時間回し続けると、0.0405円/h×8時間=0.324円の電気代が掛かる計算です。
風量調整「強」の場合
一方、風量設定を常時「強」で回した場合は、0.02kW×27円/kWh=0.54円/hとなります。8時間連続運転した場合は、最大でおよそ4.32円の電気代が掛かる計算です。いかがでしょうか。扇風機の電気代は思ったよりも安いと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
扇風機とエアコンの併用で電気代節約に
エアコンは扇風機よりも電気代がかかる
冷房機器といえば、エアコンを思い出す方も多いでしょう。エアコンの電気代算出についても扇風機同様に、各機器ごとの消費電力に電気料金の目安単価27円を掛けると理論上は算出できますが、エアコンの電気代計算は少し複雑になります。
というのも、例えば部屋の広さや冷暖房の設定温度、運転モードの設定により、エアコンの場合は消費電力が大きく変動するからです。そのため、エアコン使用時の電気代を計算する場合には、「期間消費電力量」という電力量が使われます。
エアコンの電気代計算に必要な「期間消費電力量」
「期間消費電力量」は各製品モデルごとに異なり、製品カタログやメーカーの公式サイトにて閲覧可能です。いずれにせよ、扇風機とエアコンの電気代を比較すると、扇風機の方が電気代は安く済ませられます。電気代節約の観点でいえば、エアコンだけに頼り過ぎずに、効率よく活用することが大切です。
期間消費電力量とは、家庭用エアコンの規格である、JIS C 9612(ルームエアコンディショナ)に基づき、東京をモデルとした一定の条件のもとにエアコンが1年間に消費する電力の目安量で、単位はkWhで記載されています。この値が少ないほど、年間を通じての運転効率やエネルギーの消費効率がよくなります。
扇風機とエアコンの家庭での併用の仕方
扇風機とエアコンの併用で電気代を抑えられる
夏の電気代をトータルで安く抑えるには、扇風機とエアコンのダブル使いがおすすめといえます。冷たい空気は空間の下部へと溜まるので、扇風機を用いて下から上へと空気の流れを作り、空気を循環させることが大切です。
扇風機の配置場所と向きが重要
具体的な使用方法をみていきましょう。重要となってくるのが、扇風機の配置場所と向きです。密閉したひとつの部屋のみを効率よく冷やしたい場合は、エアコンの正面に扇風機を置き、エアコンの送風口めがけて扇風機を回します。
一方、より広範囲に、隣接した部屋にもエアコンを効かせたい場合には、エアコンが効いている部屋の入口から効かせたい方向へと向かって配置するのが大切です。
電気代節約と省エネのために注意する点①
扇風機とエアコンを併用して冷房効率を最大にするには、他にも気をつける点があります。細かい点ではありますが、電気代の節約と省エネには効果大ですので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
一つ目は、エアコンの電源を入れたり付けたりしないことです。エアコンはつけ始めに部屋を設定温度まで下げる時、最大のエネルギーを消費します。そのため、一度部屋全体を冷やせれば、そのままつけっぱなしにしておくほうが電気代は安く済むのです。
電気代節約と省エネのために注意する点②
二つ目に、エアコン本体の省エネ性能のチェックも大切といえます。家電の省エネ性能は、年々進歩し続けていて、10年以上前の電化製品の場合、最新の省エネモデルに買い換えた方が電気料金を含めたトータル的には節約できるという事例もあるのです。
他にも、部屋のカーテンを締めて外気をシャットアウトしたり、エアコンフィルターの掃除をこまめに行ったりするのも有効となります。
扇風機を賢く使用して節約・省エネに
扇風機は省エネかつお財布にも優しい
今回は、夏の必需品である電化製品、扇風機の家庭使用での電気代について掘り下げてきました。電気代節約効果と省エネ性で比較すると、エアコンよりも扇風機の方が優等生であることは一目瞭然です。扇風機は、地球環境にも家庭の財布にも優しい家電といえます。
扇風機の電気代を正しく理解しよう
しかし、暑さが増してくると扇風機のみでエアコン無しで過ごすと、熱中症になる可能性も否定できません。夏を賢く乗り切るには、扇風機とエアコンの特徴を知り、効率よく利用することが重要です。
なお、繰り返しとなりますが、実際の電気代については地域や電力会社、電化製品の使い方等によってばらつきがあります。あくまでの目安として参考にしていただけると幸いです。
エアコンの補助金もチェック
年々の猛暑のことを考えると扇風機だけで夏を乗り切るのは危険です。住んでいる地域や条件によってはエアコンの購入に補助金が出る場合もあります。もし、見逃している場合はとてももったいないので、気になる方はいますぐチェックしましょう。
個人向けの補助金や助成金、給付金を探す方は年間3万件を超える補助金、助成金、給付金など中小企業への支援情報を掲載している「
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