はじめに:伸びすぎ注意!ヘリクリサム栽培
ヘリクリサムは耐寒性の低い植物
ヘリクリサムという花は夏の暑さも苦手ですが耐寒性もなく冬越しが難しい植物です。そのため園芸店では春ころに苗が出回りそれを植え付けるという育て方が推奨されています。
しかし原産地であるオーストラリアでは低木のような扱いもされるヘリクリサム。日当たりのよい場所で上手に管理してあげることで、地域によっては夏を越して枝が木質化すれば長く楽しむことができるでしょう。
ヘリクリサム管理のコツを解説
ヘリクリサムは多年草化しなくても春に植え付けて花を楽しみ、花後は株を終了させてまた翌年植えればよいという考え方であれば、ヘリクリサムの育て方はとても簡単です。
このように考え方次第で簡単にも、育て甲斐のある植物にもなる面白いヘリクリサムという植物。今回はこの特徴や気をつけたい病害虫・切り戻しや摘心剪定のやり方と詳しく解説していきます。
育て方の前にヘリクリサムについて知ろう
ヘリクリサムの基本情報
科・属 | キク科ヘリクリサム属 |
原産地 | オーストラリア |
英語名/学名 | Straw flower/Helichrysum bracteatum |
育て方難易度 | 簡単から少しむずかしい |
別名 | ムギワラギク |
栽培環境などヘリクリサムの特徴
ヘリクリサムという植物の花はカサカサとしていて光沢があります。植物の花としては少し珍しい感触ですね。この花弁に見える部分は実は総苞と呼ばれる花を支えるうろこのようなもの。
みなさんよくご存知の花で例えるならばタンポポの花びらの下の緑色の部分です。これが発達してカラフルな色が付いたものがヘリクリサムだと考えるとよいでしょう。
低い耐寒性から一年草扱いの植物となる
ヘリクリサムは夏の暑さも冬の寒さも苦手という、温度管理に関しては少し難しい植物。一般的にヘリクリサムを育てる園芸書には1年たったら処分して翌年は新しい株からまた栽培をはじめるという方法が推奨されています。
上手に管理できれば多年草も可能
東京・埼玉・大阪など夏の暑さが厳しく多湿になる地域では難しいですが、もしお住まいの地域が夏も涼しくからりとした空気の場所であるならば、ヘリクリサムの夏越しにとても適した場所といえます。
このようなところでは管理がしやすく慣れてくれば一年草扱いのヘリクリサムもそのまま冬越しをして2年目の花を咲かせてくれるでしょう。しかし初心者の方は無理せず秋から冬になったらまた新しい苗を植え付けるのがおすすめのやり方です。
ヘリクリサムの花は?開花時期など
開花時期が長いのもヘリクリサムの特徴
ヘリクリサムの開花時期は6-10月と5ヶ月間ととても長いのが大きな特徴です。また咲いた花を切り花やドライフラワーに加工した後からも寿命が長いため、お好みの花色や咲き方の品種を揃えておけばこれらに加工して1年中楽しめるといっても過言ではありません。
そのまま部屋の風通しのよい場所に吊るしておいたり、ドライフラワーになったものをリースなどに加工してお部屋を飾ってみてくださいね。
ヘリクリサムの花言葉は「永遠の思い出」
花や木、サボテンなど多肉植物にも付けられている花言葉。ヘリクリサムのような寄せ植えにも人気の花にも当然存在します。その意味は永遠の思い出です。
この花言葉にはヘリクリサムの特徴である色鮮やかさとドライフラワーにしてもその色が褪せにくいことから、美しさがいつまでも続くという理由でつけられています。
芽が出ない場合は?ヘリクリサムの育て方
ヘリクリサムの日当たり
ヘリクリサムの原産地はオーストラリア。砂漠もある非常にからりとした温かい場所です。ヘリクリサムも日光の光が大好きで、じめじめを苦手としますので風通しのよいところを植え付け場所や鉢植えの置き場所としてください。
ヘリクリサム苗の植え付け
ヘリクリサムの苗を購入してきて植え付ける場合のやり方をご紹介しましょう。植え付け時期は苗の場合はその地域での植え付け時期を狙って各園芸店で取り寄せていますので、何も考えず買ったらすぐに植えるというのが一番簡単な考え方でこれでたいていの植物は丈夫に育ってくれます。
ヘリクリサムに関してもそうなのですが、自分で種まきから育てた苗であるならば植え付け適期は4-6月の春から初夏です。
植え付け用土の水はけに注意
この植物を定植するときには用土の水はけに注意してください。何度も申し上げますがオーストラリアという乾いた場所で生まれた花ですので、じめじめは大敵だからです。
初心者の方にも育てやすいのが花用の培養土を使う方法ですが、水はけをよくするために鉢植えの場合は必ず鉢底石を下に敷いてから土を入れます。地植えの場合はほかの地面よりも少しだけ株元の土を盛り上げるようにすると水はけがよくなるのでお試しください。
ヘリクリサムの日常管理
水やりのコツ
ヘリクリサムの水やりは地植えであればほぼ不要ですが、鉢植えならば土をしっかりと乾燥させてからたっぷりというやり方が向いています。またヘリクリサムの病害虫としてハダニの発生も深刻な問題となるでしょう。
主に乾燥した環境で発生しやすい害虫であるためヘリクリサムの好みの環境とマッチしてしまうためです。ハダニが発生しやすい6-8月の間は水やりの時はシャワー状に水がでる装置で葉裏からも水をかけ虫を洗い流すことで対策できます。
肥料の時期と与え方
あまり肥料分を必要としない植物ですので、市販の花用培養土で元肥入りのものを選べはそれ以降は肥料の心配はありません。元肥入りでない土の場合は、植え付け時に緩効性肥料を元肥としてプラスしてください。
伸びすぎたヘリクリサムの切り戻し剪定
切り戻し剪定の意味と時期
ヘリクリサム切り戻し剪定は伸びすぎた草丈を短く整えるという意味がまずあげられます。しかしこの切り戻し剪定はその時の見た目だけでなく、茎の枝分かれを促進して最終的には花数を増やすという目的もあるのです。
この花数を増やすためのヘリクリサムの剪定(摘心)をおこなうのに適している時期は5-6月ころ。発芽してから開花するまでの間におこなうことで枝がよく分岐してその先にたくさんの花を咲かせてくれるでしょう。
夏越しに備えた切り戻し剪定
ヘリクリサムの剪定には伸びすぎた姿を整えたり花数を増やすという目的の他に、高温多湿に弱いこの植物を上手に夏を越してもらうための透かしという意味でおこなう場合があります。
このおすすめ地域は比較的涼しくてじめじめしていない地域。この切り戻し剪定が上手にいくと一年草扱いのヘリクリサムが年を越して翌年も咲くことがあるからです。
夏越し剪定の時期とやり方
夏越しに向けた剪定は花後から夏前までにおこないます。やり方は簡単で花がなくなった枝の半分を目安に清潔な剪定バサミでばちばちと刈っていくだけです。
切った枝は夏前という時期との兼ね合いで挿し木はできません。もし花やつぼみが残っているようであれば、下葉を取り除いて室内でコップに入れた水につけておくと切り花として楽しめます。
株分けはできる?ヘリクリサムの増やし方
ヘリクリサムは種まきで増やす植物
ヘリクリサムは原産地では多年草扱いとなり株分けで増やすことができますが、残念ながら日本の寒い冬の環境では冬越しするのは無理で一年草として扱うのが一般的な育て方となります。
温室などで栽培する場合を除き、ヘリクリサムを自分で増やしたい場合は株分けではなく種まきからおこないましょう。
種まきの時期とおすすめの容器
この植物の発芽温度は20度です。春と秋の2回種まきのチャンスがありますが、この気温を目安にお住まいの場所での種まき時期を探してみてください。
特に秋まきの場合は夜間は室内に引き入れることも必要となってきます。必要とする株の数にもよりますがいくつもポットや鉢を入れたり出したりするのは大変。ひとつのかごですべての苗が管理できるような育苗箱の使用がおすすめです。
苗の育成
発芽するまでは土が湿っているように注意します。発芽してからは明るい日なたで多湿すぎないよう管理してください。成長を促すために週に1回程度液肥をまぜた水で水やりをしてもよいでしょう。
本葉が3-4枚程度伸びてきたら、虫食いや病気などが見られない健康なものを選んで1本ずつポットにあげていき、春の植え付け時期に定植してください。
芽が出ない場合の対処
ヘリクリサムの種まきをして芽が出ないというケースも耳にします。この植物は秋まきと春まきの2回できますので、もし秋にまいて芽が出ない場合はお住まいの地域の種まき時期を確認し春にもう一度種まきをしてください。このやり方で発芽するケースも少なくありません。逆の場合もしかりです。
種は信頼できる種苗メーカーから購入しよう
植物の種はそのものが充実していなければいくら時期や気温をあわせて水やりなどの湿り気・日光などに留意したとしても発芽しません。このやり方でダメだった場合は種の不良も考えられるので、新しい種を信頼できる大手種苗メーカーのものから選んで購入してください。
まとめ:ヘリクリサム栽培をはじめよう
ヘリクリサムは考え方で栽培が簡単になる花
心配される病害虫も少なく丈夫なヘリクリサム。気温管理は少し大変と感じるかも知れませんが、一年草扱いと考えれば初心者にもおすすめの簡単に楽しめる植物としておすすめです。
開花時期が長く開花した後は切り花やドライフラワーなどでも長く楽しめるカラフルな花・ヘリクリサム。ぜひこの機会に栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ヘリクリサムが気になる方はこちらもチェック
今回はヘリクリサムの特徴や育て方について解説してきましたが、暮らしーのではこのほかヘリクリサムの花言葉についてやそのほかの花の育て方も詳しく解説しています。気になる方はぜひこちらの記事も見てくださいね。

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