はじめに:フリチラリアの管理と注意点
フリチラリアは日本にも自生する植物
フリチラリアは草丈が長いものは活け花の素材として切り花でも人気が高い花です。野趣あふれる姿が非常に個性的でお好きな方はたまらないユニークな形をしています。
日本でもこのフリチラリアは自生しており有名なものとしてクロユリがあります。珍しい色も含め知名度が高い花ですので、一度くらいは画像を目にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
フリチラリアが枯れる原因や対処方法も解説
フリチラリアをはじめて育てるという方は枯れてしまったと心配になることも多いと聞きます。実際に球根植物で枯れるというのは非常にまれなことでまず起こりません。
フリチラリアの場合も実際は勘違いでそれほど心配なことではないのですが、はじめて育てる場合は気になってしまいますね。そんな悩みも含めてこの植物の育て方をわかりやすく詳しく解説していきましょう。
育て方の前に知りたいフリチラリアについて
フリチラリアの育て方の前にまずはこの植物についての分類や特徴・開花時期や花言葉などをお話します。フリチラリアの花言葉や誕生花もご紹介しますので、プレゼントなどにお考えの方の役に立つ情報です。
フリチラリアの基本情報
科・属 | ユリ科バイモ属(フリチラリア属) |
原産地 | 西アジア |
英語名/学名 | crown imperial/Fritillaria imperialis |
育て方難易度 | やや難しい |
フリチラリアの見た目の特徴や耐寒性
草丈の幅は広い
フリチラリアはフラワーショップに並んでいるものはアレンジしやすい草丈の高いものがメインとなりますが、自然界に自生しているものは10cmほどの背の低い種類も存在します。
最高では60cmから1mほどにもなるほど大きな草であることも。フリチラリアはとても草丈の振り幅が広い植物といえるでしょう。
花の形はすべて釣り鐘型
これはどのような品種であれフリチラリア属の花全般にいえる特徴なのですが、その花の形が釣り鐘型であるというところです。和名ではラクヨウユリと呼ばれていますが、ユリとはまったく関係ない種類の植物。
品種によってはユリのように花びらの先が反り返るような形で咲くものもありますのでそのためにユリという名前が付いたのではないかと予想できますね。
フリチラリアの耐寒性
フリチラリアの耐寒性は強いといわれますが、実際に何度まで耐えられるのかについて言及しているものはありません。
植えっぱなしで冬越しできるとされていること、日本でも北部など寒い地域原産であることから0度以下で霜の降りる地域であっても耐えられる植物であることはわかっています。
フリチラリアの花期
花期は一般的な球根の花と同様
フリチラリアの開花時期は4-6月ころ。涼しいところに自生する植物ですので、多少のずれはあるもののチューリップやヒヤシンス・クロッカスなどの一般的な春咲きの球根植物と同様と考えてよい花期です。
フリチラリアの花言葉と誕生花
フリチラリアの花言葉で一番最初に上げられるのが「人を喜ばせる」というものです。これはこの言葉のネガティブさをプッシュしているため有名なのでしょうがこの花言葉の由来は伝わっていません。
花言葉としてこのほかに威厳というものもあるのですが、これはこの花の英語名であるCrown imperial(皇帝の冠)からイメージできる言葉で、その形が王冠に似ているところに由来しています。
フリチラリアの誕生花は3月11日
誕生花はその花の時期であることが多いので、由来などは特に言及されていません。日本においてはこの日に咲いているのはかなり早咲きの種類となりますが、フラワーショップなどには開花時期を調整したフリチラリアも並びますので手に入りやすい時期といえますね。
少しエキゾチックで野趣あふれるユニークな花。この日が誕生日の方のラッキーフラワーとしてプレゼントしてみてはいかがでしょう。
枯れる悩みも解決!フリチラリアの育て方
フリチラリアの日当たり
栽培のポイントは日当たりと水はけ
涼しい場所を好む植物なので耐暑性は低いです。暑い日差しを防ぐ意味においても木陰などの涼しくて風通しのよいところに地植えします。
鉢植えの場合は移動できるので、開花時期には日当たりのよいところに置き、花が終わったら日陰の涼しく風通しが十分あるところで管理するのがおすすめです。
フリチラリアの植え付けと植え替え
フリチラリアは春咲く球根植物なので、植え付けや分球後の植え替えは秋におこないます。具体的には9-10月ころ十分に気温が涼しくなった時期を見計らって作業を進めてください。
この植物に適した用土は
この花の植え付け・植え替え用土はまず十分に水はけがよいものが適しています。そのほかにもある程度の保水力も必要となってきますので、土の配合としては鹿沼土を全体の半分に対して腐葉土と軽石そのまた半分くらいずつ入れたものを混ぜて使用してください。
市販の土であれば山野草の土と明記されているものがこのフリチラリアの栽培には向いているでしょう。
植え付ける深さは品種により変える
このフリチラリアという花の球根は品種によって大きさがずいぶん変わってきます。そのため植え付ける深さも変えなければ深すぎて発芽しないというケースも発生してしまうでしょう。
目安は球根の直径の2-3倍。例えばテニスボールほどの大きさの球根であれば20cmほどの穴を、ピンポン玉程度であれば10cm前後の深さで十分です。これは直接ものさしなどで測らなくても実際の球根2個分と考えればよいので、とても楽な方法として初心者の方にもおすすめします。
フリチラリアの日常管理
水やりのコツ
地植えにしているのであれば水やりは必要ありません。鉢植えの場合は土がしっかり乾いてから与えるようにすると、球根を腐らせたなどということもないでしょう。
肥料の時期と与え方
球根植物は葉が生きている時期が短いため緩効性肥料を置いたのでは栄養が間に合いません。肥料を与えるのであれば水溶性肥料を水やりのたびごとに。
時期は開花期から葉が黄色くなって枯れるまで続けてください。そうすることで球根が充実して翌年の株が大きくなり、また美しい花を咲かせてくれるでしょう。フリチラリアを自宅で増やしたいという方は特に、この肥料やりをしっかりすることで増える数も多くなります。
フリチラリアはアブラムシに注意
この植物にはアブラムシが気をつける害虫となります。発生する時期は春から夏にかけて暖かくなってきたころ。見つけ次第捕殺するかオルトランなどの浸透性の薬剤を予防や駆除剤として株元に散布して対処してください。
フリチラリアの増やし方
球根植物の増やし方は分球で
フリチラリアなどの球根植物は分球という形での増やし方が一般的な方法です。これは花期のあと早めに葉を残して花を摘んでしまうことで球根をより大きく育てることができます。切り取った花は切り花などに利用してください。
掘り起こした球根を確認して子珠が付いている場合はそれを分け乾燥に注意しつつ冷暗所に保存。秋の植え付け時期に別々に植え付けると数年すると球根が成長して花を咲かせます。
フリチラリアの管理注意点
この植物の管理には植え付けに注意
フリチラリアに限らないのですが球根植物には適した植え付けの深さや向きが存在します。あまり深いと発芽した芽が地上に出てこられずだめになってしまう・地上に近すぎて球根が土から飛び出してしまうなどという不都合が起こるからです。
前述の植え付けの項目の深さプラス、植え付けの間隔として10-20cm程度を目安として球根の大きさによって調整してください。
フリチラリアが枯れる理由
球根植物ですので十分に充実していないと花が咲かないことはあっても成長時期に枯れることはまずありません。よく見かけるチューリップなどを思い出していただきたいのですが、花後は葉を残して不要な部分は枯れてしまいます。
それと同様にフリチラリアも花が終わったら枯れるのはごくごくあたりまえの現象です。それでも時期が短すぎるという場合は、肥料過多や水の不足などを疑ってみてください。前述の日常管理の項目が役に立つでしょう。
人気のフリチラリアの種類・品種3選
フリチラリア:バイモ
フリチラリアの中でも人気が高く異彩を放つのがバイモという品種です。特徴は薄いグリーンの花色とその内側にある黒っぽい網目模様。この網目模様からフリチラリアバイモは和名をアミガサユリ(編笠百合)とも呼ばれています。
フリチラリア:クロユリ
花の形が似ていると思われていた方も多いのではないでしょうか。クロユリもフリチラリアの中のひとつの品種です。日本でも北の地域やサハリンなど寒い地域で生息するフリチラリアの仲間で温暖な場所での栽培は難しいとされています。
フリチラリア:ヨウラクユリ
ラクヨウユリという名前はフリチラリア種の多くに付けられている和名です。幅広い範囲に使われていますが品種名が付いていない・日本ではポピュラーではないものフリチラリア全般の名前としても使われます。
カラーはオレンジ色や黄色、またそのバイカラーなども揃っていて姿はどれも釣鐘型で下をむいて咲くのが特徴といえるでしょう。
まとめ:フリチラリア栽培を楽しもう
フリチラリアは植え方に注意
今回は少し変わったフリチラリアという花の特徴や開花時期・育て方を解説してきましたがいかがでしたでしょうか。フリチラリアは植え方に栽培のコツがある植物で気をつけないとせっかくの球根が芽を出さないということにもなってしまいます。
珍しい植物ですので決して安い球根ではありません。無駄にしないよう植え付ける深さや間隔には十分気をつけて素敵な花になるよう育てていきたいですね。
フリチラリアが気になる方はこちらもチェック
フリチラリアの仲間であるクロユリやバイモフリチラリアについての記事がこちらになります。暮らしーのではこのようにたくさんの花の花言葉や植物図鑑・育て方の解説などをおこなっています。気になる方はぜひこちらも見てくださいね。

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出典:https://photo-ac.com/