はじめに:新芽が美しいベニカナメモチ
ベニカナメモチは日本原産で育てやすい
常緑植物で日本も原産地のひとつに入っている美しい樹木にベニカナメモチがあります。赤い生垣にあこがれて多くのお宅に採用されている人気の庭木ですが、花期も楽しめる植物。
とにかく手間がかからず日本の気候でもお世話が楽なベニカナメモチを植えてみませんか。
庭木としてのベニカナメモチの育て方
剪定が得意であったり好きだという方は、もちろん常緑樹の特性を活かした生垣が美しくておすすめです。しかし剪定は少し苦手だという方は赤い木ということで、普通にグリーンの庭木にプラス1本として加えても素敵な庭づくりができます。
ベニカナメモチの自宅栽培で失敗を減らすためのコツやポイントを解説していきましょう。
育て方の前に知りたいベニカナメモチについて
ベニカナメモチの基本情報
科・属 | バラ科カナメモチ属 |
原産地 | 日本の本州以南・東南アジア各国 |
英語名/学名 | Japanese photinia/Photinia glabra |
育て方難易度 | 簡単から普通 |
ベニカナメモチの見た目の特徴や性質
似たような庭木としてカナメモチがあります。こちらも新芽は赤いのですがその後緑の常緑樹になるのがカナメモチ。ベニカナメモチは新芽も赤いのは当然ながら常にこの赤い葉が残りずっと赤い葉の庭木として楽しめるのが特徴です。
葉には少し鋸歯状のギザギザがあるのがベニカナメモチでつるんとしたカナメモチの葉との違い。夏の暑さに強く、日本の冬の寒さにも普通に耐えられます。
ベニカナメモチの花期は5月
日当たりのよい場所に植え付けて剪定をせずに自然な形で栽培していると、5-6月ころに開花期を迎えます。生垣にする場合は刈り込んでしまうためなかなか花期を楽しめない場合も多いです。しかし、1本だけ庭木として使えば開花時期も楽しめます。
ベニカナメモチの花言葉は「賑やか」
あまり見かける機会は少ないものの、画像のようにベニカナメモチの花は白い小花がたくさんかたまって咲くため見栄えもよいものです。花言葉は賑やか。小さな花がたくさん集まっていることを表している花言葉となっています。
枯れる原因は?ベニカナメモチの育て方
ベニカナメモチの基本的な情報や特徴を見ていただいたところで、次は早速育て方の解説に入ります。昔はベニカナメモチは根付きが悪くてプロの植え付けで、しっかりと庭師を入れないと手入れが大変といわれていました。
しかし近年育てやすいように品種改良された種類が、園芸店や花木センターに並んでいますので初心者の方でも育てやすい木です。
ベニカナメモチの日当たり
できるだけ日当たりがよく風通しのよいところに植え付けてください。じめじめとした環境が苦手ですので、特に土質と風通しは栽培においては重要なポイントです。
ベニカナメモチの植え付けや植え替え
植え付けや植え替えは春と秋の年に2回。3-4月と9-10月ころが適期となります。移植はできるだけ避けたい植物なので、植え付ける位置は事前に十分に考えてできるだけ植え替えせずに済むようにしてください。
生垣として何本か並べて植え付ける場合は株間は30cmほど開けるのが適した間隔です。
この植物の用土の配合は
先程も申し上げたとおり土質に少しこだわります。庭の土がねっとりとした粘土質の土である場合は、植え付け時に根鉢の3倍程度の大きな穴を掘り、赤玉土と腐葉土を6:4の割合いで混ぜた土を入れたものを植え付け用土として用いてください。
掘った土を用いたいという場合は、鹿沼土やバーク堆肥などを粘土質の土と混ぜて使うのもひとつの方法となりますが、できるだけ粘土質の土は避けた方がおすすめです。
ベニカナメモチの日常管理
日常管理には水やりと肥料・病害虫の対策などが含まれます。一般的に地植えにすることが多いベニカナメモチは多湿を嫌う性質もあいまって、水やりについては特に気をつけることはありません。
ベニカナメモチの水やりと肥料
じめじめとした土を嫌いますので植え付けて根付きが確認できたら基本的に水やりはせず、自然の降雨だけで栽培可能です。
肥料は有機性肥料を好み、植え付け時に完熟堆肥を混ぜる・寒肥として2月に株の根元近くの土に有機肥料を埋めておくなどしておこないます。
気になる病害虫の季節と対策
気温が高くなってくる4-6月ころに病気・害虫ともに増える傾向があります。ベニカナメモチの病気として気にしておきたいのが、褐斑病とゴマ色斑点病です。
害虫はカミキリムシが発生して幹に穴を開け中に卵を産み付けひどくなると木を枯らしてしまいます。どちらも専用の薬剤をホームセンターや園芸店で購入して散布してください。
ベニカナメモチの剪定
ベニカナメモチは生垣にする場合は常に樹姿を整えておく必要がでてくるでしょう。時期は通年、いつでもおこなうことができます。
ただし庭木として花や実を楽しむ場合はこの限りではなく、開花時期である5月以前の剪定は避け7・9月の年2回程度おこなうのがよいです。生垣として整える場合はこれに3月の剪定をもう一度おこない年3回程度にするとよいでしょう。
ベニカナメモチの挿し木での増やし方
ベニカナメモチを生垣などにする場合はたくさんの本数が必要となるでしょう。30cm間隔で生垣を作りたいところ分の株を買っても少し足りなかったというときに時間はかかりますが新たに買い足さなくても済む挿し木での増やし方を紹介します。
挿し木の時期とやり方
挿し木に適した時期は6-7月の温かく湿度が高めな時期です。通常のベニカナメモチ栽培には湿度はあまりよくありませんが、挿し木という根のない枝に根を出すためには湿度がないと水が吸う量が少なくて根が出る前に枯れてしまうため湿度も必要となります。
剪定で切った中からできるだけ新鮮でみずみずしい枝を選んで、しめらせた鹿沼土に差し明るい日陰で土を乾かさないよう、根付きまで管理してください。
ベニカナメモチの枯れる原因と対策
枯れる原因は病気がトップ
ベニカナメモチでしょうか#D40 #ふぉと pic.twitter.com/uzW1pvKFMo
— sakiko* (@xxxsakiko) May 7, 2017
枯れる・葉の見た目が悪くなったと多くの報告があるのが褐斑病とゴマ色斑点病のふたつの病気です。木そのものが枯れるのはまれですが、症状が進行すると葉がひどく落葉して光合成がままならない状態になることもあります。
トップジンM水和剤・ベンレート水和剤は広く樹木用としてベニカナメモチのこれらの病気の拡大防止・予防対策に使用可能です。
うまく育てても寿命で枯れる
日当たり良好な場所で大切に、病気に気をつけ栽培したとしても寿命で枯れる株も当然でてきてしまいます。こればかりは対策のしようがありませんので、伐採する・新しいものと植え替えるなどして対処してください。
まとめ:鮮やかな葉色のベニカナメモチ
人気の庭木ベニカナメモチを栽培しよう
赤い新芽が美しいベニカナメモチの特徴や育て方を解説してきました。レッドロビンなど育てやすいベニカナメモチの品種を選び、垣根や美しい庭木として活用していきましょう。
育て方で気をつけるのは土質と病気の予防対策です。粘土質の土を避け病気には農薬の予防からの散布が効果的ですが、株自体の剪定をしっかりとおこない風通しをよくするのも役に立ちます。
ベニカナメモチが気になる方はこちらもチェック
暮らしーのではこのほかにも庭木の栽培方法を解説しています。庭木の育て方について気になるという方はこちらも是非見てくださいね。

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