はじめに:庭植えOK!フウロソウの育て方
色あざやかな山野草フウロソウ
フウロソウという花の名前は知らなくてもゲラニウムであれば聞いたことがある方も多くなるのではないでしょうか。フウロソウはゲラニウムの品種のひとつで、ゲラニウムプラテンセは日本名はノハラフロウとも呼ばれている種類です。
主に涼しい高地の山野に咲く花ですが植える場所を選ぶことで、自宅の庭でも赤や紫色の鮮やかなフロウソウの花を咲かせることもできるでしょう。
鉢植えや地植えでフウロソウを育てよう
フロウソウの豊富な品種の中から今回は特に園芸品種がそろっており、里でも育てやすいといわれている高性種類(矮性の逆で背の高い品種のこと)の育て方について解説していきます。
こちらは手がかからず冬の寒さにもつよい宿根性の植物となっていますので、鉢植えはもちろん庭に地植えしても楽しむことができるでしょう。
フウロソウについて開花時期や種類も紹介
フウロソウの育て方を解説するまえに、もっとこの植物を身近に感じられるよう基本情報や開花時期をご覧いただきます。
またフウロソウとひとくちにいっても園芸種だけでもいろいろな種類があるので、おすすめの育てやすい品種とその特徴についても軽くご紹介しましょう。フロウソウ選びにお役立てください。
フウロソウの基本情報
科・属 | フウロソウ科フウロソウ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
英語名/学名 | Cranesbill/Geranium |
栽培難易度 | 簡単 |
フウロソウという変わった名前の由来
フウロソウは漢字で書くと風露草という文字があてられ、これは木で囲まれた野原のことを風露野(ふうろ野)と呼びそこに生える植物であることからこのフウロソウ(風露草)という呼ばれ方となりました。
このほかにこの花が風にたなびいている姿に夏の朝露がついていてきれいだったからという説もあります。前者の由来の方が一般的です。
フウロソウの特徴と性質
フウロソウにも矮性種もありますが、園芸品種には里でも育てやすい高性種を品種改良したものが多く出回っています。そのため草丈は50cmほどともなることもあります。
耐寒性の高い宿根植物で冬でも地植えで放置のままでもしっかり枯れずに残ってくれるので初心者の方にも扱いやすい山野草として人気があります。
フウロソウの花の見ごろの季節・開花時期
夏の朝露という由来のくだりから夏に咲く植物であることがわかりますが、実はもう少し早くて4月ころから開花時期に入る植物で、本格的な見ごろは初夏に入ってからです。
栽培におすすめなフウロソウの種類
種類が豊富なフウロソウの園芸品種の中でも特にポピュラーで手に入りやすいおすすめの種類がゲラニウム・プラテンセでノハラフウロと呼ばれるもの。
中でもジョンソンズ・ブルーはやや小さめな草丈のヒマライエンセとのかけあわせたものとして園芸品種では有名で人気種となっています。プラテンセとの見た目の違いはやや草丈が低いというくらいで、幼い株のうちには見分けるのは名前のみとなるでしょう。
花色は基本青から紫地域によって赤みがかかる
フウロソウのおもしろいところは花色の変化にあります。基本的に白や青・青紫色なものが多いのですが白に紫色が混じったりもします。
また気温差によっても花色が変化するのも興味深いところ。普段は青紫色の花を咲かせる株であっても赤みがかかった紫色に変色することもあります。先程おすすめしたジョンソンズ・ブルーはその傾向が高い種類です。
フウロソウ
フウロソウの好む日当たり
フウロソウは冬の寒さには強いですが自生しているところを見てもわかるとおり、里の遮蔽物のない夏の季節の直射日光は苦手としています。日当たりはやや日陰で。
自生地に準じて木の根元などに植え付けてあげると、手もかからずフウロソウの好きな日陰環境であることも多いためおすすめです。
フウロソウの植え付けと植え替え
フウロソウの苗を手に入れ植え付けるのであれば季節は春4-5月が適しています。この時期に植え付けできなかった場合は夏はそのままポットで育成し秋10月ころの適した温度になってからにしましょう。また鉢植えのフウロソウを植え替える場合も適した時期は植え付けと同じです。
植え付けや植え替え用の土
涼しい場所をこのむため温暖地と寒冷地では地植えの場合は土質を変えてあげるとよく成長するでしょう。温暖地では赤玉土・鹿沼土・軽石を4:4:2くらいの割合で、よく混ぜ合わせたものを地植え用の穴土として植え付けます。
寒冷地であれば赤玉土と腐葉土の7:3割合の一般植物用の配合でかまいませんし、鉢植え用には山野草用にミックスされた山野草の土などと書かれている培養土を使えば、何も考えず植え付けられるので簡単ですよ。
植え替えの周期
鉢植えの場合は植え替え作業を毎年おこなってください。地植えにしたものも3-5年周期をもって一度掘り上げ株分け・大きくなりすぎた株や花つきが悪くなった古い株の整理をおこなうとよいでしょう。
フウロソウの日常管理
フウロソウはやや湿っていて栄養分の多いひんやりとした土を好みます。水やりは乾いたらたっぷりと与えるだけでなく、鉢植えの場合は土の温度が上がらないように二重鉢構造にすること。
これでより保水性と土の温度を一定に保ちやすくなるため、フウロソウ栽培を上手におこなうポイントとして覚えて置いてください。
フウロソウの夏越し
フウロソウは冬の心配はありませんが、夏場の高温で株が弱ってしまいます。具体的には高温障害や葉焼けで葉の色が変色したり縮れが見られたりします。6-9月くらいまでは必ず半日陰の状態に置くようにしてください。
木の根元などで自然な明るい日かげと風通しがよいところが理想的ですが、そんな場所がないという時は寒冷紗やすのこなどで50%ほど遮光してあげるとよいでしょう。
フウロソウの株分けや種まきでの増やし方
フウロソウは種まきと挿し木で増やすことができます。よく種が付く植物ですので種まきも楽しめるでしょう。フウロソウの実が茶色くなったらはじける前に袋をかけておくと簡単に種が取れます。翌年春に硬い殻をコンクリートなどでこすって中の白い核が露出させてから種まきしてください。
フウロソウは挿し木より株分けが一般的
フウロソウは挿し木で増やすことは一般的ではありません。株分けの方が楽でまた地植えであっても株分けをして古い株を整理する手間が必要ですから、そのときに行えるという利点があるからです。
やり方は植え替え時期に鉢や地面から掘り起こしたものを自然に分かれているところで切り離し、古いものは処分するかまだ花が咲くならば別々に植え付けてあげるという方法を取ります。
まとめ:フウロソウを育てよう
フウロソウは管理が簡単で可憐な花が咲く
いかがでしたでしょうか。フウロソウという植物は山野草でありながら涼しい地域であれば土もそれほど気にすることはなく、夏場を乗り越えれば高い耐寒性を持っているので植えっぱなしで肥料も特に必要なくきれいな花を見せてくれる宿根草です。
本州でも関東以南の温暖地域であれば土や鉢に一工夫してできるだけ夏場の季節を涼しく過ごさせてあげることに気をつければフウロソウを自宅で簡単に楽しむことができるでしょう。
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出典:https://photo-ac.com/