はじめに:ゲラニウムの種類と育て方
ゲラニウム(フウロソウ)栽培は少しコツが必要です
ゲラニウムとは和名ではフウロソウとも呼ばれる種まきから育てられる宿根草のひとつですが、イングリッシュガーデンづくりで広葉樹の根元に植え付けられたりする日陰の植物という方がわかる方も多いでしょう。
耐寒性は高いので冬越しは簡単。剪定した枝を挿し木にしたり株分けで増やすことができます。
たくさんあるゲラニウムから人気種も紹介
このゲラニウムの特徴として原産地によって性質の傾向が違う品種がたくさんあること。草丈40cm前後のものが温暖地でも栽培が容易なことから人気もあり多く出回っていますので、こちらの育て方をメインにご紹介していきましょう。
ゲラニウムとは?その特徴や基本情報
宿根ゲラニウム(フロウソウ)の育て方を見ていくまえに、まずはこの植物の基本情報と特徴・開花時期と見ごろの季節などゲラニウム栽培の前に知っていると栽培のスケジュールや枯れる対策役立ちそうなことから解説しましょう。
ゲラニウムの基本情報
科・属 | フウロソウ科フウロソウ属 |
原産地 | ヨーロッパ・中国・ヒマラヤなど |
英語名/学名 | Geranium/Geranium |
育て方難易度 | 中級者程度 |
ゲラニウムの特徴と性質
ゲラニウムは多くの品種で共通して耐寒性は高めな傾向にあり冬越しは簡単なところが特徴です。逆に暑さが苦手で夏越しには少し工夫が必要となるだけでなく鉢植えの場合は土の使い方によっては枯れてしまうこともあるため難易度は少々高めな植物となっています。
しめった土が好きですが土の温度が高くなるとどうしても高温多湿で根が腐りやすいという特徴もあります。
地域によって難易度は変わります
夏越しさえクリアできれば枯れることなくゲラニウムの根は太く成長は早くどんどん株が増えていくので逆に育て方が簡単な植物と感じる方もいるという人や栽培地域の向き不向きで難易度の感じ方が違う植物です。耐寒性が高く冬越しが簡単なためおすすめな栽培地域は寒冷地ですが、種類を選ぶことにより温暖地くらいまでゲラニウムを育てることが可能でしょう。
ゲラニウムの見ごろ・開花時期は
ゲラニウムが好まれる理由のひとつに開花時期が長めであることもあげられます。これも品種によって開花に多少のばらつきがあるものの、初夏から数ヶ月ほど長期にわたり見ごろとなるでしょう。
ゲラニウムの人気品種とその特徴
ゲラニウムはたくさんの種類があり中でも草丈は大きく変わってきますので鉢植え用に1m近くなる品種を選んだりしないように、事前に確認しておく必要が出てくるでしょう。
ここでは花姿が美しかったり種や苗が手に入りやすい比較的ポピュラーなおすすめの種類をご紹介していきます。
ゲラニウムロザンネ
ゲラニウムロザンネやロザンネイ・ロザンヌなど人やお店によって微妙に呼ばれ方は違いますがどれもこの種類を差す名前です。草丈約40cmほどでこんもりと手を入れなくても形よく株がまとまるイングリッシュガーデンではポピュラーで評判の高いもの。
そのため流通量も多く手に入りやすいという利点もあります。半日陰くらいの日当たりを好む種類で一般的な育て方でぴったりとはまるでしょう。
ゲラニウムウォルターズギフト
草丈は50cm前後くらいのゲラニウムの種類のひとつ。白っぽい地色の花びらに濃い目のピンクのレース模様が非常に美しくなかなか手に入りにくい人気種となっています。環境があえば1年の半分くらいは花を見せてくれるという非常にコスパの良いゲラニウムです。
ゲラニウムファエウム (黒花フウロ)
草丈が約90cmほどになる花がたくさん付く品種。ゲラニウムの中では特に色の濃い種類となっています。成長は旺盛でぐんぐん増えていくでしょう。
ゲラニウムジョンソンズブルー
草丈が20-40cmくらいとそれほど大きくないこと、花付きがよいのと清々しい淡めのブルーで庭植え用として人気が高いゲラニウムの品種がこちらです。日当たりはほかの種類よりもやや日なた好きな傾向があります。
ゲラニウムの育て方6ステップ
お好みのゲラニウムは見つかったでしょうか。早速その育て方を6ステップに分けて解説していきます。この花を夏越しを成功させて長く育てる(とくに庭への地植え)場合は土・日当たりあたりの要素がゲラニウム育成のポイントとなってくるでしょう。
1.ゲラニウムの日当たり
ゲラニウムの耐寒性は高く冬越しにはそれほど気を使わないため日当たりで気をつけるのは主に夏越しのやり方を念頭に置き場所決めしましょう。品種によっても日なたが良かったり半日陰が向いていたりするので、さきほどの品種のところもご参照ください。
グランドカバーに用いる場合は落葉樹の下、半日陰になるようなところだと土の温度も上昇しづらいため夏越しもしやすく初心者の方にもおすすめの植え付け(植え替え)場所となります。
2.ゲラニウムの土
土は市販の高山植物用の培養土を使うのが簡単でおすすめです。庭土の場合には赤玉土は使わず鹿沼土(または日向土)と桐生砂を半々くらいに混ぜたものを植え付け前にしっかりと混ぜて通気性をあげてあげることで病気を防ぐことにも役立ちます。
この植物用の土は湿り気が多いこと。日陰に植え付けるため排水が悪いとすぐに根が腐ってしまいます。他よりも10cmくらい土を盛り上げてから植え付けるのも良いですね。
3.ゲラニウムの種まき
種まき時期は2-3月が適期となっています。まく時にやすりやコンクリートなどにこすりつけてタネの殻を削ると発芽率があがります。これさえやっておけば種の発芽率は高い方の植物です。
ただし種まきから育てた苗はその年には開花することはなくて翌年になってしまうので、早く花がみたい方は苗を買ってきて植え付ける・鉢植えから植え替えることをおすすめします。
4.ゲラニウムの日常管理
ゲラニウムの日常管理(水やりや剪定・肥料追肥等)はガーデニング初心者の方の方がむしろすんなりと成功したりします。一般的な水やりの仕方は土が乾いたのを確認してからおこないますが、この花の場合は土が乾く前に与える水を切らさないものだからです。
それは庭植えにもいえることで、ポピュラーな管理では地植えは地面の湿気だけで十分ですがゲラニウムは地植えでも水やりをしてください。
追肥は液体肥料が簡単!
肥料は元肥としてリン酸とカリウムがやや高めな化成肥料を混ぜておき、そのあとは月に1度を目安に一般的な水溶性肥料を水やりのときにあげましょう。
ただし夏場は株がどうしても弱ってしまっているので肥料に負けてしまう恐れがあるのでなれている方は倍くらいに薄めたごくごく薄いものを与えても良いですが、初心者の方は無理に真夏に肥料をあげるのは避けた方が無難です。
5.ゲラニウムの病気と害虫
発生しやすい病気は軟腐病とうどんこ病ですが、このどちらもたいした重症にならず少し高めに盛り土をして植え付けて予防。感染した葉を取り除くことで対策できます。問題なのはヨトウムシやアブラムシ・ハダニの害虫で、特に夏になるとハダニ被害が甚大になる場合も少なくありません。
ハダニは水で洗い流すという方法が簡単にできますが、葉の下の方に隠れられたら防ぎきれないことも。スプレーなどを使って葉の下側からもシャワーを当ててあげると良いでしょう。とにかく早めの対処が重症化を防ぐコツです。
6.ゲラニウムの挿し木・株分け
最後にゲラニウムの増やし方ですが簡単なのは種まきです。株分けははじめての方には少し怖く感じるかも知れませんが分けた株それぞれに根が十分な量あれば根からカットしても。
根の分量が不十分な場合は根はそのまま切り離さず株部分だけ離して植え付けあとで根が増えたあとで切り離すようにすると良いでしょう。
鉢植えの植え替え
鉢植えの場合植え替えが増やし方の時期になることも少なくありません。やり方は先程の地植えと同じく株分けが主なおすすめ方法。植え替えは時期を選びませんので水切れが早い、鉢底から根が出てきたなどのいっぱいになった合図を見つけたら一回り大きな鉢に植え替えると良いでしょう。
地植えの場合にも植え替えた方がよくて、だいたい3-5年に1度程度を植え替え(おこなう方は株分け)のローテーションと思っておいてください。
まとめ:ゲラニウムを家で育てるには
花壇や鉢植えでゲラニウムを育てよう
宿根ゲラニウムとは耐寒性が高いので冬越しの心配はほとんどありません。むしろ日本の冬の方が好きなくらいですので、問題は夏越しと考えていくて良いですね。
そのほかに注意したいのは肥料(追肥)のあげかたで、花の期間が長いため定期的にあげるのですが、こちらも真夏の夏越し管理にかかってきますのでゲラニウムに関してはあげすぎ、濃度の濃すぎは要注意ポイントです。
大きな種類は支柱も立てて管理しよう
人気のゲラニウムの多くは40cm程度の草丈なので良いのですが、もし1m近くまで成長するものを植えた場合は支柱を立てたり紐・縄類で株を囲んで倒れるのを防いでください。
日本では日陰での生育に適しているためイングリッシュガーデンつくりにはとても役立つゲラニウム。冬越しは比較的容易なので難しそうと尻込みせずにきちんと夏越しすることを意識して育てていきましょう。
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今回はゲラニウムの栽培方法について解説してきましたが、この他にもイングリッシュガーデンにおすすめの植物やその作り方・デザインに関するこちらの記事もおすすめ!ゲラニウムだけでなくたくさんの花で庭をきれいに飾っていきましょう。
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