はじめに:ヒメウツギとは?育て方を解説
ヒメウツギの育て方!剪定や越冬も解説
ヒメウツギという花木が気になりますか?庭のあるお宅だけでなく鉢植えとしても人気が高い落葉低木樹です。その人気の理由のひとつに剪定のしやすさがあります。
これは特に剪定へのハードルが高いと感じている方にとっては興味を持つ庭木といえるのではないでしょうか。今回はこのヒメウツギの育て方について解説していきます。
ヒメウツギは育てやすい初心者向け植物
剪定のしやすさも含めてヒメウツギは初心者でも育てやすい木と評価されています。これは種を収穫して種まきから実生苗を作りやすいという点にもあらわれています。
開花時期などを含むヒメウツギの基本情報から詳しい育て方解説まで、はじめて花木を育てるという方も気軽に調べたり見ていってくださいね。
育て方の前に知りたい基本情報!ヒメウツギとは
それではまずはヒメウツギとはどのような植物なのかの紹介からご覧いただきましょう。ヒメウツギは花が咲く樹木なので開花時期や花言葉も要チェックです。
ヒメウツギの基本情報
科・属 | ユキノシタ科ウツギ属 |
原産地 | 日本 |
英語名/学名 | Japanese Snowflower/Deutzia gracilis |
育て方難易度 | 育てやすい低木樹 |
ヒメウツギはあじさいの仲間
植物の分類はそこを見ることで同じ仲間の樹木がわかりやすく、育て方のヒントとなることが多いのですがヒメウツギに関してはユキノシタやウツギと言われてもあまりぴんとこない方も多いかも知れませんね。
もっとポピュラーで誰でも見たことがある花木でいうとあじさいの仲間といわれれば初心者の方にもきっとイメージしやすいでしょう。
ヒメウツギの特徴や性質
白い小さな花を咲かせる低木樹であるヒメウツギ。少しうつむきがちに咲く花姿が日本人の心に響くといわれている植物です。また葉には毛などはなくつるつるとしているのも特徴。
樹高は低木樹の中でも特に低い1メートルになるかならないかくらいなので、お隣近所の日当たりを考えて遠慮したり高所作業となる剪定の手間もかからない、管理のしやすさもポイントが高いでしょう。
ヒメウツギの開花時期・見ごろの季節
ヒメウツギは先程も申し上げたようにあじさいの仲間で開花時期もだいたい同じくらいです。地域によってはそれよりも少し早めに見ごろとなる場合もあるでしょう。
花が終わってもヒメウツギは葉のグリーンも美しい植物ですので、夏をすぎ落葉する秋くらいまでは長く楽しめます。
ヒメウツギの花言葉は「秘密」
秘密という花言葉のほかにも古風や謙虚という意味があるヒメウツギの花言葉。その由来は白く清楚な花姿と山野に咲くという自生地にあるといわれます。
派手な色合いではないものの気品があって落ち着いた花で、多くの方から鉢植えや庭木として支持されるヒメウツギにぴったりな花言葉です。
ヒメウツギの育て方や越冬管理
日本原産で育てやすいヒメウツギ。これから栽培をはじめようとされている方や、すでに植え付けているけれど栽培がうまくいかないのか花が咲かない・枯れるなど問題を抱えている方の確認用としてヒメウツギの育て方を解説していきましょう。
ヒメウツギの日当たり
ヒメウツギは日光が好きな植物です。樹高も低いため周りに遮蔽物があるとあまりきれいに育ちません。庭に地植えする場合はひだまりなど1年を通して長く日光が差すような場所にヒメウツギを植え付けましょう。
鉢植えとして管理する場合も落葉するまでは玄関先や門のそばなど日当たりのよいところに鉢を置いてあげましょう。冬になったら見栄えも悪くなりますので、移動させてしまってかまいません。
ヒメウツギの植え付けと植え替え
ヒメウツギの植え付け時期は晩秋から春先3月くらいまで。12月と1月にはあまり作業はしませんので、11-12月と2-3月がヒメウツギの植え付け植え替え時期と考えておくとよいでしょう。
鉢植えの場合は毎年植え替えする必要はありませんが3年以上ひとつの鉢で育てるのはあまりおすすめできません。上記の植え付け時期に大きな鉢に移植してあげてください。
植え付け用の土
この植物は日本のあちらこちらに自生しており、痩せた土地や海岸付近のような砂場と混じった土・火山灰が降るような地域でも見ることができるためあまり土質は選ばないと考えられています。
地植えにする場合は庭土に堆肥や有機肥料を軽く混ぜた土を使うか、鉢植えならば市販の培養土なら何でも使えるので簡単です。土よりも日当たりを重視した方が、花つきもよくなり徒長せずきれいな庭木に成長しやすいといわれます。
ヒメウツギの日常管理
水やりの方法
ヒメウツギの水やりは鉢植えならば土がかわいたら十分な量をあたえるていどです。地植えにしている庭のヒメウツギの木に関しては、根が付いてしまえば水やりの必要はありません。
植え付けてしばらく雨が振らないようであれば地植えでも時々土の様子を見て水やりをしてあげると根付きがよくなるでしょう。
肥料の時期ややり方
肥料をあげなくても開花しますが、よりりっぱな花を確実に咲かせたいという場合は有機肥料を株元の土に混ぜてあげるとよいでしょう。鉢植えの場合は緩効性化成肥料を春3-4月と秋10-11月の年2回与えてください。
ヒメウツギの切り戻し剪定
ヒメウツギは剪定の方法もあじさいと似ています。基本的には放置でも大きくなりすぎず丸くこんもりと形が整いますので、枯れて葉がない枝を取り除いたり飛び出ている不要な枝を剪定するようなやり方となるでしょう。
切り戻し剪定をする場合はヒメウツギの開花時期が終わってすぐがよいタイミング。夏から秋にかけて花芽が枝の中にできてきますので、そのあと切り戻ししてしまうと翌年の花の数が急激に減ってしまうので注意してください。
ヒメウツギの越冬方法は
日本原産のヒメウツギは寒い時期にも心配はありません。地植えにしたものも基本的に放置でOK。特別冬越しの手間はかからないので初心者の方でも安心して植え付けられるでしょう。
ヒメウツギの増やし方
株分けでの増やし方が一般的
株分けというと根ごと掘り起こして2-3つの株に分ける作業をいうのが一般的ですが、ヒメウツギの場合は少し特殊で長く伸びた枝が地面に接することでそこから発根して新しい株を作ります。
そのままですと親株からつながったままで2つめの株となるためつながっている部分を切り離して別の鉢などに植え付けてあげるのが株分け作業です。おこなう時期は落葉後の冬が好ましいです。
種の収穫時期ややり方と乾燥保存方法
ヒメウツギは種まきから実生苗を作ることもできます。種の収穫は花後そのままにして観察していくと熟して落ちそうになったものを採ります。そのまま植え付けることもできますが、涼しくて乾燥している場所に置くことで3年ほどは何の遜色もなく保存が可能。
そのまま種まきをして新しいヒメウツギの苗をつくりましょう。こぼれ種からでも発芽して増える植物ですので、あまり深植えにしない・発芽するまでは土を乾燥させないなど気をつけるだけで十分です。
ヒメウツギのお悩み対策法
花が咲かない
花が咲かない大きな理由は剪定時期が遅かった場合が考えられます。花が終わったら夏前には剪定してしまうと花つきがよくなることも。またヒメウツギは放置すると枝がとても伸びる植物。
秋になって落葉したら冬場に一度整枝をしてみるのも株全体に花を増やす方法としておすすめです。やり方は長く伸びた枝を他の枝と同じくらいの長さに整えます。こうすることで成長の早い枝のみに花が付くのを防ぎ株全体に花が咲くでしょう。
枯れる
ヒメウツギは丈夫な花木で病気や害虫にもつよいため枯れるということはほとんどありません。それでも枯れる場合は植え替えのときに大きく根を傷つけてしまったときや株の寿命も考えられます。
株全体が大きく枯れているのであれば前者を。枯れる前から花付きが悪くなってきたなどの別の問題も発生していたのであれば寿命を疑いましょう。その場合は株分けや実生苗を作って株の更新という作業をするのが一般的な対策方法となります。
まとめ:人気のヒメウツギを鉢植えでも育てよう
ヒメウツギは栽培も簡単な植物
いかがでしたでしょうか。ヒメウツギは白い花が枝にたくさん付くので初夏に雪がふったようだと表現する方もいるほど美しい風情のある日本の花木です。
育て方や増やし方も簡単ですのではじめて育てる鉢花や庭木としてもおすすめできる植物です。
ヒメウツギが気になる方はこちらもチェック
ヒメウツギの育て方が気になる方はこちらの記事もおすすめです。ヒメウツギ以外の花木栽培についても暮らしーのではたくさん解説していますので、ほかの庭木の栽培方法も知りたい方は検索窓に植物名を入れて探してみてくださいね。

ヒメウツギの育て方!植え方から増やし方まで栽培のポイントを徹底解説!
丈夫で扱いやすく、初夏の季節にはとてもきれいな花を咲かせるヒメウツギは、新しくガーデニングの仲間に加えるのにぴったりの植物です。今回は、そん...

春の花木といえば?日本で咲く代表的な季節の花木の開花時期や花言葉などをご紹介!
春の花木の開花は、それまでの寒い冬が終わることを知らせてくれるので待ちわびている人も多いでしょう。梅やサクラなど有名な名所もたくさんあります...
出典:https://photo-ac.com/