ヒナソウの開花時期と特徴をご紹介
ヒナソウの基本情報
ヒナソウは草丈が10cmほどの低い位置でこんもりとした葉を茂らせて、伸ばした茎の先にシンメトリーなかたちの花を咲かせる多年草です。耐寒性も耐暑性も強く、可憐な見た目に反してとても強いヒナソウ。ガーデニング初心者でも取り入れやすいおすすめの植物です。
また、ヒナソウは多年草なので毎年花を見ることができて、冬場も青々とした葉をつけたままなのも魅力として愛されています。
ヒナソウの花の色は?
ヒナソウの花の色は、水色や白、紫が一般的です。いずれの花色も、中心に丸く黄色の模様が入っているのが特徴で、主張しすぎない花は寄せ植えにも適しています。春の花が咲く時期には、数えきれないほどの花をつけ、じゅうたんのように広がるのが最大の魅力です。
同じ紫色でも濃淡の違いがあるので、いくつかのヒナソウの苗をまとめて植えるのもおもしろいですよ。
ヒナソウの花が咲く時期は春
ヒナソウの開花時期は、3月の初春から5月にかけての長い期間です。花よりもさらに小さく細かい葉っぱから、茎をそっと伸ばしひとつずつ花をつけます。こんもりとした苗からいくつもの茎が出て、次々と花を咲かせるので花を長く楽しむことができるのです。
ヒナソウの名前の由来
ヒナソウは雛草という漢字が当てられています。花があまりにも小さく可愛らしかったことから、小さいものを象徴する言葉である雛が選ばれました。また、トキワナズナという別名もあります。冬場も常緑である特徴と、ナズナに似た花の様子から当てられた名前です。
ヒナソウの育て方
ヒナソウの基本情報を見ていただいたところで、早速ガーデニング初心者でもわかりやすいヒナソウの育て方について解説いたします。ヒナソウを上手に栽培するコツは、過湿を防ぐために風通しと日当たりの良い場所を選ぶことです。特に梅雨から夏にかけては鉢植えでも、過湿になりやすいので注意しましょう。
ヒナソウの育て方①土作り
保水性と水はけの両方がよい用土を好みます。植木鉢で育てるときは、市販の草花培養土や山野草の土を用いましょう。庭植えにするときは、植え付ける前に腐葉土などを混ぜ込んで土を肥やして、水はけを良くしてから植え付けます。
植え付ける場所は、風通しと日当たりのよい場所を選びましょう。日陰でも生育することはできますが、花数が少なくなってしまうので注意が必要です。
ヒナソウの育て方②水やり
ヒナソウは過湿状態が続くと、葉が傷んでしまうので水やりも表面の用土がしっかり乾いてから与えるように心がけましょう。鉢植えは乾きやすいので、毎日チェックしてあげます。庭植えは、夏場に乾燥が続くときのみ朝や夕方など蒸れにくい気温のときに水やりをしましょう。
水をあげすぎると根腐れ病にかかってしまうので、ヒナソウの水やりはなるべく控えめを心がけます。
ヒナソウの育て方③肥料
ヒナソウはたくさんの肥料を必要としない、手のかからない植物です。植え付け時に、元肥として緩効性の化成肥料や有機肥料を与えるだけで追肥の必要はありません。植木鉢で育てているときは、年に一度の植え替えのたびに元肥を与えると生育がよくなります。
ヒナソウの育て方④植え付け時期と植え替え頻度
ヒナソウは、山野草特有の浅鉢でも育てることができる植物です。植え付け時期は春か秋を選びましょう。寒冷地に庭植えするときは、植え付け時期は春にします。ヒナソウは根が深く伸びないので、ぐらぐらしないようにしっかりと押さえて蒸れを防ぐために間隔を開けて植え付けをしましょう。
鉢植えの植え替えは、1年か2年おきに植え付け時期と同じ春か秋に行います。植え替えのときには、新しく元肥を与えてあげましょう。
植え付けた苗がぐらぐらする場合は
ヒナソウは根が深くまで張らないタイプなので、植え付けるとぐらぐらと不安定になってしまうことがあります。植え付けてからしばらくは、細い杭や竹串などを刺して固定しましょう。10日前後で、根が回り切ったら引き抜いて大丈夫です。
根腐れ対策に植え替えは必須
過湿に弱いヒナソウは、根腐れを起こしてしまうことがあります。鉢植えで育てている場合は、毎年植え替えをするなど工夫することで根腐れ対策になるので株が弱ってきたと感じたら植え替えを行いましょう。
ヒナソウの増やし方は?
ヒナソウは、種まき、株分け、挿し芽などの方法で増やすことができます。こぼれ種でも増えやすいので、ほったらかしでも増えていくのも特徴です。初心者におすすめの順番で、増やし方を詳しく解説します。
ヒナソウの増やし方①種まき
ヒナソウはこぼれ種でも増えていくので、あえて違う場所に新しく苗を作りたいときや、間隔を開けたいときだけ種を収穫して種まきで増やしましょう。花後の初夏に収穫した種は、保存せずにすぐにまくことが必要です。
庭植えにしたヒナソウが群生し始めたら、一部を鉢植えに株上げすることで、密集を防ぎ風通しをよくすることができます。
ヒナソウの増やし方②株分け
ヒナソウの苗が大きくなったら、株分けで増やすこともできます。花の終わった6月か秋の時期に行いましょう。寒冷地では、春に株分けすることをおすすめします。苗をスコップやハサミなどで、2つか3つにカットして株分けを行いましょう。
しっかり根付くまでの10日ほどは、風通しのよい半日陰の場所で水を切らさないように管理します。
ヒナソウの増やし方③挿し芽
夏を迎える前に、切り戻し剪定した芽を使って挿し芽を行うこともできます。小さく弱そうに見えるヒナソウですが、なよなよとした芽を挿し木用土にピンセットでそっと植え付けると発根することがあるのです。余裕があれば、切り戻しした芽を使ってチャレンジしてみてください。
水を与えるときは、倒れないように霧吹きでそっと水やりをしましょう。
ヒナソウの魅力を生かした植え方
ヒナソウはこんもりと葉を茂らせて花を咲かせるので、グランドカバーに適した植物です。ガーデニングでは、通路のわきを縁取るように植えたり、落葉樹などの樹木の下に植えることで魅力を生かすことができます。過湿予防に、なるべく間隔を開けて植え付けをしましょう。
また、鉢植えに他の花と寄せ植えをする場合は背の高い植物や花径が大きい植物と一緒に植えることで、添え花としてのヒナソウのよさを生かすことができます。
ヒナソウの栽培の注意点
ヒナソウは病害虫にも強く、初心者でもとても育てやすい植物です。その中でも、特に注意したいポイントについていくつかご紹介します。
ヒナソウ栽培の大敵は過湿
ヒナソウは密集して葉をつけるので、過湿状態になりやすい植物です。苗をいくつか植えるときは、間隔を開けるなど工夫しましょう。気温が高いときの水やりを避けたり、風通しをよくしたりして対処します。
適度な切り戻し剪定で過湿対策
花が終わったあとの、5月から6月にヒナソウの茎を根元からばっさり切って風通しをよくすることも重要です。葉も半分くらいの高さでカットしましょう。梅雨に入るまでに、切り戻し剪定を終わらせることが大切です。切った茎は、挿し芽に利用することもできます。
ヒナソウが枯れる原因は?
ヒナソウが夏に枯れてしまう原因は、過湿により根腐れを起こしていることが考えられます。通気性のよい土に植えなおすと、根腐れから回復することもありますので試してみましょう。
また、ヒナソウは冬場も常緑の葉を茂らせたまま生育しているので冬の水やりを忘れてしまうと枯れる可能性があるので注意します。
可憐なヒナソウを育ててみませんか?
ヒナソウは、害虫がつくことも少なく耐寒性もあるので初心者でも栽培しやすい植物です。山野草特有の浅い鉢に植えたり、他の植物と寄せ植えしたりと様々のアレンジ方法を楽しむことができるヒナソウ。多年草なので、毎年花を咲かせるのも魅力的ですね。
夏の過湿に気を付ければ、植えっぱなしでも平気なのでぜひお庭に取り入れてみてください。
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