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H2noって何?パタゴニア独自の防水素材を解説!気になるゴアテックスとの比較も!

h2noは何かの化学記号?と思われる方も多いのではないでしょうか。h2noはパタゴニアが独自基準で開発した登山などで雨天に強い防水透湿素材の総称です。ここではh2noの特徴や開発の歴史、ゴアテックスとの違い、おすすめのレインウェアなどを紹介します。
2021年5月27日
eiji0601
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目次

h2noとは?

h2noはパタゴニアの独自防水素材

出典:rukuten.co.jp

h2noとは化学記号のようですが、アウトドアブランドのパタゴニアが、防水性と透湿性に独自で設けた基準をクリアした素材につけた総称です。

透湿性とは湿気や蒸れを逃す性能のことで、登山では非常に汗をかくので大変助かります。また雨天時に着衣や靴が濡れてしまい体温が低下してしまう命の危険を防止するのが防水性です。

つまり、h2noが持つ防水透湿性は登山者には、遭難や体力消耗を防ぐ必須のレインウェアアイテムになります。

h2noはゴアテックスとは違うの?

h2noもゴアテックスも、どちらも防水透湿性に優れた素材の総称ですが、h2noはパタゴニア社がゴアテックスはゴア社が開発した素材です。

h2noとゴアテックスの性能や耐久性などの違いや比較は、後ほど詳しく解説しますのでここでは省略しますが、どちらも登山をする人にとっては雨や水を防ぐ素材として重要なアイテムと認識しておいてください。

h2noパタゴニアブランドとは?

出典:pixabay.com

h2noを開発したパタゴニアは、アルピニズム(登山愛好)を企業の中心理念にしてレインウェアや登山クライミング用品、スキーや防寒で活躍するダウンジャケット、セーターや帽子、Tシャツまで展開する米国のアウトドアブランドです。

またh2noパタゴニアは「故郷である地球を救うためにビジネスを営む」を企業理念にかかげ、環境に配慮するためコットン素材はすべてオーガニックにしたり、リサイクル素材の開発にも積極的に取り組んでいます。

パタゴニアは南米の地方名

出典:pixabay.com

h2noパタゴニアは、トレントシェルなどの人気商品を販売する米国のファッションブランドと思っている方も多いのですが、パタゴニアは南米大陸の最南端、チリとアルゼンチンにまたがる地方名なのです。米国の企業が地の果てとも言われるパタゴニアをブランド名にしたのは何故でしょう。

創業者は南米のパタゴニア地方の山々を登ったことがある登山家で、パタゴニア地方の大自然の魅力を存分に知っているからこそブランド名を「パタゴニア」にしたと言われています。

h2no名称の意味

素材名の「h2no」が化学記号のようなのには理由があります。h2noは防水性と透湿性に優れた素材です。水の化学記号は「H2O」で、水を防ぐ・水を拒否するという意味は「H2O・NO」になります。

「H2O・NO」の真ん中の「O」を省き合成して小文字にするとなんと「h2no」になるではないですか。つまりh2noは、防水透湿性を象徴するため化学記号をもじった名称なのです。米国らしいウイットを感じます。

h2noパタゴニアの歴史

出典:pixabay.com

パタゴニアは1957年にイヴォン・シュイナードが、ロッククライミング用具の製造と販売を行うために米国カリフォルニア州ベンチュラで創業しました。

初めは自宅の裏庭を作業場にし、そこで作った用具を車で売りさばく毎日でしたが、少しずつ需要が増えてきたころに航空技師のトム・フロストと出合い一緒に仕事をするようになり成長と進化の歴史が始まったのです。

h2noパタゴニアの誕生

イヴォンとトムは、自分たちが作り販売しているロッククライミングの道具が岩を破壊していることに気づき、それ以来環境保護について考えるようになったのです。

その結果1972年にハンマーを使わずに手で使うチョックを開発、これが大ヒットとなり一躍脚光をあびるようになりました。翌年1973年にはアウトドア衣料品部門「パタゴニア」ブランドを立ち上げました。こうしてh2noパタゴニアが誕生したのです。

h2noパタゴニアの成長と進化

出典:unsplash.com

1985年に、毛玉にならない両面起毛のシンチラ素材を開発しました。これが軽量で耐久性・防湿性・防寒性・速乾性に優れたフリースでh2noの原点となっています。

また従来のアウトドアウェアは、ダークトーンのメンズが主流だったのに対しパタゴニアはコバルトやフレンチレッドなどの鮮やかなカラーを取り入れ、ファッション性を備えることでメンズだけでなくレディースも人気のアウトドアウェア・ブランドに成長したのです。

h2noパタゴニアの環境保護


h2noパタゴニアの企業理念「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」にあるように、1996年以降のコットン素材はすべてオーガニック・コットンを使用し、2005年以降には、自社製の下着類を回収してリサイクル素材とし開発、新品に活用するシステムを構築しました。

h2noパタゴニアの環境保護への取り組みは、南米最南端で大自然がそのまま残るパタゴニア地方の環境を保護する思いに相通じるものがあるのではないでしょうか。

h2noパタゴニアブランドの製品

レインウェアのトップブランドであるh2noパタゴニアの製品は、現在でも進化し続けています。それはパタゴニアの製品は独自基準のh2noパフォーマンス・スタンダードという製品保証で高レベルのパフォーマンスの持続性が守られているからです。

h2noパフォーマンス・スタンダードとは

出典:unsplash.com

h2noパフォーマンス・スタンダードとは、防水性・透湿性・耐久性の最高レベルの厳しいテストに合格した素材であることを証明する規格のことです。

「素材ラボ」では、防水性は小雨と豪雨の連続シミュレーション、高圧水を素材表面に当てるテスト、透湿性は水蒸気透過率(MVTR)を計測確認し、耐久性は「キラーウォッシュ」で長期使用や酷使に耐えられるかを厳しくテストします。合格した素材のみがh2noパフォーマンス・スタンダードと認定されるのです。

h2no耐久性向上への新たな取り組み

長年ウェア業界では、長期の使用で素材が劣化し寿命がダウンすることが課題でした。この課題にh2noパタゴニアが取り組む中で、ポリウレタン素材の一部が加水分解(蒸し暑い環境下で起きる分解反応)を起こし耐久性を劣化させ寿命を低下させることを発見したのです。

パタゴニアは、この反応に確実に抵抗できる測定基準をh2noに新たに取り入れ、最新のh2no製品の寿命をのばすことに成功しました。

自然環境保護・回復への取り組み

出典:pixabay.com

1985年以来パタゴニアは、売り上げの1%を自然環境保護のために利用することを誓約しています。これまでに米国内外の草の根環境保護団体に総額約8900万ドルの寄付を行ってきました。

また2002年に創設者のイヴォン氏とブルー・リボン・フライズ社のオーナーのクレイグ氏は、共同で自然環境保護を目的とする非営利団体「1% for the Planet」を設立し、世界中から賛同する企業の参加を募っています。

パタゴニアのおすすめレインウェア3選

パタゴニアの人気商品といえば何と言ってもレインウェアで、どれも防水透湿性に信頼の高いh2no適合商品です。h2noには主に2層、2.5層、3層構造の3タイプがあります。

2層のh2noは、撥水性のあるシェル素材に防水・統一性のあるメンブレン(膜)を張り合わせた構造で、2.5層は2層構造に加え外側の保護バリヤーにより磨耗を防ぐ構造です。3層構造のh2noは超軽量のニットを裏地に貼り極限の悪天候にも耐えられる快適さを実現しています。

①h2noトレントシェル・ジャケット

出典:amazon.com

パタゴニアの代表的なレインウェアがトレントシェル・ジャケットです。素材は2.5層構造のh2noパフォーマンス・スタンダードシェル、袖口には調節可能なドローコードが付いているので雨の侵入をしっかり防ぐことができます。

フードにはラミネートされたツバが付いているのが嬉しい気遣いです。また使用後はフックをコードでコンパクトに巻いて収納できるので持ち運びも便利で、登山やキャンプ、ハイキングや雨天の町歩きにも使用できるジャケットです。

デザインと機能

デザインはすっきりとシンプルなシルエットで、ファッション性もあるのでメンズだけでなくレディースも街着として人気があります。2.9オンス(340g)と非常に軽くポケットにもしまえるので急な雨にもサッと出して着れる手軽さがあります。ただ極寒の冬山には向かないので注意しましょう。

カラーも鮮やかで豊富でファッション性も高いので、メンズ・レディース共に幅広い人気があるおすすめの商品です。

②h2noストレッチ・レインシャドー・ジャケット

出典:pixabay.com

この商品は前述のトレントシェルと同じ2.5層構造のh2noパフォーマンス・スタンダードシェルを採用しているジャケットで、さらにあらゆる動きに対応できるストレッチ性を持っているのが特徴です。

生地の柔らかな柔軟性が着心地の良さを演出し、ゴワゴワとした音がしないのも人気の要因です。もちろん性能面では折り紙付きのh2noなので豪雨や高山の吹雪などあらゆる事態に備えて携帯したい商品です。ファッション性も高くカラーも豊富なのでおすすめです。

③h2noクラウド・リッジ・ジャケット

出典:pixabay.com


この商品は最強のレインウェアと言っても過言ではありません。裏地に超軽量ニットを施した3層構造のh2noを採用し、さらに環境に配慮したリサイクル・ポリエステルを使用しているのが特徴です。

首回りやチンガードにはソフトなマイクロフリースを使用しているので肌触りが快適で、しかもどんな悪天候でも防水・透湿・防寒・防風性は最高のパフォーマンスを発揮します。またヘルメットを被っていてもフードが使用できるので雨天のバイクでも活躍します。

デザインとファッション性

最強の性能というイメージから、分厚い堅固なウェアを想像しがちですが、クラウド・リッジ・ジャケットは他のh2no製品同様デザインは意外にすっきりと軽量でシンプル、ファッション性も高くカラーも鮮やかで豊富です。

それだけにメンズだけでなくレディースも人気があります。またこの商品は、日本の湿気が多い風土を考慮に入れて開発された商品で、フィット性も優れているおすすめのh2noジャケットです。

メンズ以外のレディースやキッズが気になる方はこちらもチェック!

当サイトではh2noパタゴニアブランドの商品に関する記事をたくさん掲載しております。レディースやキッズ商品に興味がある方は参考にしてみてください。

h2noとゴアテックスとの違い

h2noと素材の性能面でよく比較されるのがゴアテックスです。どちらも防水透湿性に優れている素材として有名ですが、どのような違いがあるのでしょうか。

防水透湿性、耐久・耐傷性、防寒・防風性、材質、テスト基準などあらゆる面から検証してみましょう。

性能・素材の比較

出典:pixabay.com

防水透湿性などの性能では、ほとんど差がないというのが正直なところです。しかし耐久・耐傷性では素材による違いが多少あります。

ゴアテックスはメンブレンという薄い膜の生地が主成分です。メンブレンは水を通さない生地なので防水透湿性の役割を果たしますが、生地そのものが弱いためラミネートすることで耐傷性を強くしています。

一方h2noは生地にポリウレタンコーディングすることで防水透湿性を向上させ同時に耐傷性も強くしているのです。

使用アイテムと知名度

h2noもゴアテックスもレインウェアだけでなくさまざまなアイテムに優れた防水透湿素材としても使用されていますが、h2noよりゴアテックスの方が若干知名度があります。

それはh2noの性能が劣っているのではなく、単にh2noは後発の素材であり、歴史の長さが知名度に影響しているのではないでしょうか。

今後h2noの優れた性能が広く認知されるようになれば、性能に差はほとんどないのですから使用されるアイテムや世界シュアも変わってくるはずです。

テスト基準の比較

出典:unsplash.com

h2noもゴアテックスも製品テストにおいては、甲乙つけがたいくらいに厳格に厳しく行っています。だからこそ両者ともに品質面で差がないほどの高性能を保っているのです。

結論から言えば、h2noもゴアテックスもほとんど性能に差がないということです。知名度の点で現時点ではh2noがゴアテックスに多少劣っていますが、今後必ず追いついていくのではないでしょうか。

南米パタゴニア地方の魅力

h2noの創業者がブランド名にした「パタゴニア」とはどんな地方なのでしょう?。h2noの創業者の心を動かした大自然の魅力、地球環境が温暖化などで失われていく現実をなんとか保護・回復しようという企業理念の原点になっているパタゴニア地方を知ることにより、h2no創業者の思いをひもといてみましょう。

パタゴニア地方ってどこ?

出典:pixabay.com

パタゴニアとは、南米大陸の南緯40度付近を流れるコロラド川(米国コロラド州にも同名の川があるので注意)以南の地域の総称でアルゼンチンとチリにまたがるエリアです。

南米大陸には、北緯10度〜南緯50度まで南北7500kmにもおよぶ世界最長のアンデス山脈があり、その南端にあたるのがパタゴニア地方でアンデスの最高峰6960mのアコンカグア山もこのエリアの北側にあります。

アルゼンチンとチリの国境はアンデス山脈

出典:pixabay.com

南アンデスの主脈の稜線がアルゼンチンとチリの国境になっています。しかし国境の西側のチリと東側のアルゼンチンではアンデスの状況は全く違います。

チリ側はアンデス山脈が太平洋に迫っているため、国土は狭く細長くなりアンデスも険しく氷河が多いのもこの地域です。逆にアルゼンチン側は牧歌的な高原が広がり穏やかで美しい地域が多くなります。

どちらかといえば、チリ側のパタゴニア地方に「地の果て」とも言われる大自然の脅威が残っているのです。


パタゴニア地方の魅力

パタゴニア地方には、アンデス山脈の南パタゴニア平原から連なる氷河が大小50以上あり、その規模は南極やグリーンランドに次ぐ量と言われています。またこの地域には約30の国立公園と世界遺産が3ヶ所もあるのです。

何十万年にもおよぶ地球の歴史、人類の手が及ばない壮大な大自然が眼前に広がっているのがパタゴニア地方で、雄大な氷河とエメラルドグリーンの氷河湖が青空に生える美しさに誰もが圧倒されます。

世界遺産ペリトモレノ氷河

出典:pixabay.com

世界遺産に登録されているペリトモレノ氷河は、パタゴニア地方の北にある「ロス・グラシアレス国立公園」内にあります。この氷河は1日に約2mも移動し「生きている氷河」と称され非常に珍しい活発な氷河です。

夏のシーズンには、氷河の先端部が広大なアルヘンティーノ湖に轟音とともに豪快になだれ込むシーンは、まさに大自然の脅威を感じさせ人の心を震わせます。奥の山岳地帯では雪が降り積もり、再び氷河を形成するのです。

パタゴニアは手つかずの大自然の宝庫

出典:pixabay.com

パタゴニア地方には他にも、三本の尖塔が特徴的なトーレス・デル・パイネ山や美しい氷河湖で有名な「トーレス・デル・パイネ国立公園」があり、ハイキングの聖地とも呼ばれ世界中のハイカーから愛されています。

またパタゴニアブランドのロゴは、別名「煙を吐く山」と呼ばれる名峰フィッツ・ロイのイラストです。このように絶景が広がるパタゴニア地方は、名峰や氷河だけでなく野生動物や植物が手つかずで残る大自然の宝庫と言えます。

地球温暖化の影響

出典:unsplash.com

地球温暖化の影響で、アンデス山脈に降る雪が年々減り氷河の形成が困難になってきています。このまま温暖化が続くと大自然の宝庫である美しいパタゴニアが消滅する危機になるかも知れません。

それを危惧したh2noパタゴニアの創業者が環境保護を企業理念に掲げ、その理念をもとにh2noブランドの製品作りをしています。創業者が訪れたパタゴニア地方の大自然を守ろうという気持ちが、ブランド名にも製品作りにも込められているのです。

雨にも強いh2noでアウトドアライフを楽しもう!

まとめ

出典:unsplash.com

h2noはパタゴニアの独自基準で防水透湿性、耐久性に最強の性能を持っていることや、パタゴニアの企業理念やその歴史、おすすめのレインウェア、企業名にもなっている南米パタゴニア地方の魅力などを紹介してきました。

これらを参考にして、雨や吹雪にも強いh2noで登山やキャンプなどアウトドアライフを思いっきり楽しんでください。

レインウェア以外の製品が気になる方はこちらもチェック!

当サイトではパタゴニアのレインウェア以外にもパタゴニア製品に関する記事をたくさん掲載しています。興味がある方はぜひ参考にしてみてください。