バーベナの基本情報とは
バーベナの特徴
初夏から秋頃まで咲き続けるバーベナは、開花期間が長いことでも有名です。夏の炎天下でも咲き続け、赤や白、青、オレンジなど多彩な色の品種があります。小さな花が円を描くように咲くのが特徴です。
原産地は南北アメリカ大陸の熱帯~亜熱帯で、クマツヅラ科クマツヅラ属(別名バーベナ属)の草花。立ちタイプや匍匐タイプ、一年草や多年草など約250種類が存在し、エディブルフラワー(食用花ケーキ)としても知られています。
バーベナの別名「美女桜(ビジョザクラ)」
日本では「美女桜」とも呼ばれているバーベナ。「桜」のように5枚の花びらで構成されている花の形に加えて、その時代の人々が花の美しさを「美女」に例えたため、バーベナは「美女桜」という和名(別名)で呼ばれるようになったのです。
バーベナの誕生花
6月24日と7月18日が有力な説です。開花期間が長いことから、4月7日や5月24日、9月10日など4月から11月までの間に15日間前後の日数を誕生花として定めている説や、バーベナの色ごとに誕生花の日を定めている説もあります。
花の名前の由来と逸話
バーベナは魔法(魔術)や医術、そして宗教でも用いられてきた花です。そのため世界各地に残されているバーベナの数多くの逸話は、花の名前の由来や花言葉に大きな影響を与えています。
特に「キリストが十字架に架けられたゴルゴダの丘の伝説」と「ケルト人の『魔女の薬草』」の2つは、バーベナの花言葉に影響を与えた逸話としても有名です。
バーベナの花の名前の由来
バーベナという名前のベースは、ヘブライ語で「良い植物」という意味を持つ「herbabona」です。これは各地に残された逸話に登場するバーベナが持つ神聖なイメージや、薬草としての効能が大きく影響しています。
バーベナが持つ花言葉とは
「魔力・魅力・忍耐・勤勉」
「魔力・魅力・忍耐・勤勉」の4つが、バーベナ全体の花言葉。「魔力・魅力」にはバーベナの不可思議な力を思わせる逸話、「忍耐・勤勉」には強い日差しの下でも咲き続けるバーベナの特性が大きく関係しています。
花として持つ4つの花言葉以外に、各色ごとにも花言葉を持っているバーベナ。各色ごとに付けられた花言葉にも、逸話や植物としての特性など様々な背景があります。
「魔力・魅力」の花言葉が付いた背景とは
「魔力」の花言葉が付けられたのは、バーベナが持つハーブとしての効能が「神秘の力を宿している」と考えられていたためです。特にケルトの世界ではバーベナを「魔女の薬草」と称して呪術や魔術、そして医療に使用していました。
様々な力を高める薬草と共に、主な用途とされていたのが媚薬。「魅力」の意味が付けられたのは、異性の気を惹く媚薬としてもバーベナが使われていたためです。
「忍耐・勤勉」の花言葉が付いた背景とは
「忍耐・勤勉」の花言葉が付けられたのは、真夏の炎天下でも負けずに頑張って咲き続けるバーベナの様子からです。また、小さな花が輪を作りながら並んでいるバーベナの様子から、「力を合わせるためには1人1人の忍耐や勤勉さが必要な要素」という説もあります。
「一致団結」:赤色
「一致団結」の花言葉が赤に付いた背景にあるのは、咲いているバーベナの姿。5枚の花びらで構成されている小さな花が集まって咲くバーベナの姿に、集団としての結びつきの強さが感じられるという発想から付けられた花言葉です。
「私のために祈ってください」:白色
「私のために祈ってください」が白に付いた背景にあるのは、キリスト教に伝わる逸話。ゴルゴダの丘に咲き、イエスの出血を止めた薬草がバーベナだとキリスト教では伝えられています。
中世の教会で聖水をかける時にバーベナを一緒に使用するようになり、ラテン語の「祭壇を飾る草」という意味を持ち合わせることにもなった逸話。
バーベナが『神の花』と思われていたことや、キリスト教との深い関係により付けられた花言葉です。
「家族愛」「家族の和合」:ピンク色
「家族愛・家族の和合」がピンクに付いた背景にあるのは、バーベナが咲いていく様子。たくさんの小さな花が円を作りながら1つづつ順番に咲いていくバーベナの姿が、身近な集団である家族や人間同士の繋がりを思い起こさせることから付けられました。
「私はあなたに同情します」「後悔」:紫色
「私はあなたに同情します・後悔」が紫に付いた背景にあるのは、英語の花言葉。紫色の花言葉は、西洋の紫色に対するイメージが関係しています。日本では古来から高貴な色と考えられている紫ですが、西洋では「悲しみ」や「落胆」などを意味する色と考えられています。そのため、紫にはネガティブな意味を持つ花言葉が付けられたのです。
海外の花言葉
バーベナは、色だけでなく国によっても異なる花言葉を持っています。イギリスでは「感性・家族連合・魔力・魅力」、フランスでは「私を疑ってはいけない」、イタリアでは「呪文」、ドイツでは「あなたの魔法にかけられた」。各国の花言葉に共通しているのは、バーベナの神秘性(不思議な力)や外観(結びつき)ですね。
バーベナの人気の種類とは
250種類が確認されており、様々な品種改良が現在も行われているバーベナ。「三尺バーベナ」の異名を持つバーベナ・ボナリエンシスやバーベナ・ピンクパフェなどが有名ですが、その中でも人気の種類をご紹介します。
バーベナ花手毬
サントリーが開発した、日本国内で最も流通量が多いバーベナです。丸みを帯びた花が、手毬をイメージさせるような姿をしているので「花手毬」と名付けられました。非常に丈夫で色鮮やかな花が咲くため、ガーデニング初心者向けです。
バーベナタピアン
サントリーが開発した、雑草の繁殖を防ぐほどの成長力を持つ力強いバーベナです。上品で繊細な花が庭一面に広がる様子から、フランス語で「じゅうたん」を意味する「タピ」を活用して「タピアン」と名付けられました。鉢植えだけでなく、ハンギングやグランドカバーなど様々に楽しめるのが特徴です。
バーベナティアラ
夏の暑い日差しの中でも負けずに元気いっぱい咲くバーベナで、栄養系に属しています。可愛らしい色がポイントで、非常に良い花付きと強い生命力が特徴です。グランドカバーや寄せ植えとして人気があり、庭のワンポイントとしても楽しめます。
バーベナテネラ
「姫美女桜(ヒメビジョザクラ)」の別名を持ち、地面を這うように匍匐性の茎が伸びるバーベナです。宿根草であるバーベナテネラの根は続々と茎の節から出てくるので、あっという間に成長して土の上に敷かれた絨毯を思わせる美しい姿を見せてくれます。
まとめ
自分も人も楽しませてくれるバーベナ
花言葉を中心に、背景にあるバーベナの逸話や人気の種類などをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?可愛らしい小さな花をどんどん咲かせるバーベナは、自宅で眺めていても楽しい花です。
各色ごとに花言葉が変わるバーベナは、贈り物としても好まれます。花言葉が名付けられた背景を思い描きながら、花言葉を添えて大切な人にプレゼントするのも素敵ですね。
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出典:ライター撮影(バーベナ・ミータン)