はじめに:ニホンタンポポの特徴と種類を紹介
セイヨウタンポポとニホンタンポポ
ふだん道端などで見かけるタンポポの花。黄色い花も印象深いですが種が実り綿毛になったあと飛ばした遊んだという子供時代の記憶を持っている方も多いのではないでしょうか。
このタンポポの花は実は生息地ごとに複数の種類があるだけでなく、日本にもともとあるニホンタンポポの品種と海外から入ってきた外来種であるセイヨウタンポポも存在するということをご存知でしたか?
ニホンタンポポを見分ける方法も
実は思っているよりたくさんあるタンポポの種類。似ていても見分け方を知っていれば簡単に在来種か外来種かの区別をつけることができます。今回はタンポポの種類の見分け方や違いについてニホンタンポポの生息地ごとの一覧表も交えて解説・紹介していきましょう。
タンポポの違いの前に知りたい基礎情報
ニホンタンポポの種類の紹介と一覧・見分け方の前にまずはどのタンポポにも共通する基礎情報からご覧ください。タンポポの花言葉は英語の意味と日本語の意味で大きく雰囲気が変わる場合もあるので要チェックです。
タンポポの基本情報
科・属 | キク科タンポポ属 |
原産地 | ヨーロッパ・日本 |
英語名/学名 | Dandelion/Taraxacum |
育て方難易度 | 簡単 |
Dandelionという英語名の意味
タンポポの花の英語名はDandelionと書いてダンデライオンと読みます。英語ですがもともとはフランス語のdent de lionからきていて、意味はライオンの牙(のような花の形)です。
よくライオンのたてがみのような形をしているからという俗説を聞きますが、実はたてがみではなくライオンのぎざぎざした歯が並んでいる様子だったというのは、驚かれた人も多かったのではないでしょうか。
タンポポの特徴
タンポポの花は舌状花といって花びらのようなひとつひとつが小さな花でそれが集まって丸い形をつくっています。葉は重ならないように地面と平行に近いかたちで広がることでより日光の光にあたりやすくなっています。
まっすぐに伸びている茎の中は空洞で切ると白い液体が出るため属名として乳草と呼ばれたり、茎をカットして水に付けるとくるりと丸まる姿がつづみに似ていることから鼓草(つづみぐさ)と呼ばれることもあります。
蒲公英という漢字名は漢方薬の名前から
蒲公英という漢字名は中国語のほこうえいという漢方の生薬名で、タンポポの根を煎じたところから日本に伝わりそのままタンポポの漢字名として広く使われるようになりました。
またタンポポの根はノンカフェインコーヒーの代用品としても煎じて飲まれることがあったりと、ただのかわいらしい野の草花と思われがちですが昔から利用価値のある植物とされています。
タンポポはすべて食用可能
根のコーヒーの代用が出てきましたが、たんぽぽは葉や花も食用にされています。少し苦味がありますがすべての部分を天ぷらにしたり、葉はおひたしで。花はエディブルフラワーとしてサラダの彩りとしてよく使われているでしょう。
ただし野に生えているものは不衛生であったり農薬がかかっていると危険な場合もありますので、むやみに取ってそのままよく洗わずに食べないようにしてください。
タンポポの花言葉は「真心の愛」
現在日本でも使われているタンポポの花言葉の多くは海外で付けられた英語の花言葉由来のものがおおいです。愛の信託:love's oracle(信託だけの場合もあり)や真心の愛:faithfulnessがその最たるものですが、日本では誠実と言い換えられている場合もあります。
日本にはネガティブな意味の花言葉もある
また海外では幸運という花言葉の意味もありますが、日本独自の花言葉では別れというネガティブなものが付け加えられていたりするので、花を贈る場合は誤解されないようメッセージを添えるとよいでしょう。
ニホンタンポポとセイヨウタンポポの違い
タンポポについてご覧いただいたところで、ニホンタンポポとセイヨウタンポポの違いと生息地別に種類分けしたものを一覧表にしたものを紹介します。一見同じように見える在来種と外来種のタンポポでも、その特徴を意識して見ることによって簡単にその違いを見分けるられるようになるでしょう。
ニホンタンポポとセイヨウタンポポの見た目
花が咲いている時期にわかる見た目の違いは花びらが付いている根元の部分の形です。タンポポの花の付け根の部分は総苞片(総苞鱗片)と呼ばれる葉が集まったもの。
セイヨウタンポポはこの葉の先が開いて外側にカールしていますが、ニホンタンポポは開かずきゅっと丸い玉のような形で付いているためここを見ると違いが簡単に判断できるでしょう。また茎の長さもニホンタンポポは短いのが特徴です。
ニホンタンポポとセイヨウタンポポの開花時期
タンポポというと春の花というイメージがある方も多いでしょうが、セイヨウタンポポにおいては春だけでなく四季咲き種で春夏秋冬いつでも咲く開花時期があってないような植物です。
春にだけ咲くのはニホンタンポポだけ。このことから春ではないのに咲いているタンポポを見かけたらそれはニホンタンポポではないとすぐにわかりますね。
ニホンタンポポとセイヨウタンポポの受粉
花が咲くとおしべの花粉がめしべに受粉して種ができるというのは小学校の頃理科の授業でもならう植物の繁殖の仕組みです。この受粉の仕方もニホンタンポポは他の花の花粉が必要。それと比べてセイヨウタンポポは自分1本だけでも受粉して種を作れます。
ニホンタンポポとセイヨウタンポポの種
タンポポは黄色い花から綿毛になりそこに種が付き風などによって運ばれて生息範囲を広げていきます。ニホンタンポポはこの種が大きめでかつ量が少ないです。このため風で運ばれる場合もあまり遠くまで行かずに落ちてしまうため、自生する地域があまり広がることはありません。
しかしセイヨウタンポポの種は小さくて軽くかつ量も多いため広範囲に種を飛ばすことができます。このことからニホンタンポポの生息地を脅かす存在となってしまう存在です。
簡単早わかりニホンタンポポ自生地域一覧
エゾタンポポ | 北海道から東北地方 |
トウカイタンポポ | 千葉から和歌山の太平洋側 |
カントウタンポポ | 関東から中部地方 |
シナノタンポポ | 関東から中部地方 |
カンサイタンポポ | 中部以西 |
シロバナタンポポ | 関東以西 |
まとめ:珍しいニホンタンポポを大切にしよう
ニホンタンポポは見つけにくい花になりつつある
セイヨウタンポポと比べてニホンタンポポは遠くで種を飛ばせないため、生えている地域が限られていてどこでも見られるというものではありません。普段目にする多くのタンポポはセイヨウタンポポであることが多いといわれています。
お住まいの地域にニホンタンポポを見つけたらそれはほかの地域では見られない珍しいものです。基本的にタンポポはとても丈夫で少し踏まれたり切られたりしてもまた新しく芽吹いてくるので土地さえあれば絶えるものではありません。
ニホンタンポポの命も大切に
ただし土がアスファルトで覆われたり除草剤を散布して草が生えなくなってしまった土地ではいかにタンポポであろうと生きにくい環境であることには違いありません。
保護するまではいかなくても庭にタンポポの花を見つけたらすぐに雑草だと駆除せずに、せめて寿命を全うするまではそのまま咲かせてあげてはいかがでしょうか。
ニホンタンポポが気になる方はこちらもチェック
今回はニホンタンポポの種類の見分け方や地域ごとに自生する種類を一覧にしてわかりやすくご説明してきました。暮らしーのではこのほかにもタンポポの綿毛の不思議や詳しいタンポポ雑学の記事もご用意していますので、こちらも是非見てくださいね。
たんぽぽの綿毛の不思議について!正式名称は?どうやって作られるの?
道端や土手など、身近な場所で花を咲かせるたんぽぽ。花が終わるとふわふわの綿毛に変わるので、子供の頃にその綿毛を吹き飛ばして遊んだ方も多いと思...
太陽のような明るい黄色の花!【たんぽぽ特集】その特徴から花言葉まで徹底解説!
タンポポ(dandelion)の種類や部位の特徴、花言葉や由来、薬草としての一面や食し方など、土手・野原や街中でも見るタンポポの基本と雑学の...
出典:https://photo-ac.com/