はじめに:ナツズイセン栽培をはじめよう
ナツズイセンの植え付けから増やし方も解説
ナツズイセンはユリと似た花びらとヒガンバナのようなおしべが特徴的なピンク色の花で田畑のあぜなどに見られる日本でも自生している植物。
咲き方や花色が美しいナツズイセンは自宅の庭に植え付けて楽しまれる方もいますが鉢植えでも栽培可能です。市販の球根や鉢植え株を購入して自宅でも育ててみませんか。その育て方を解説します。
初心者にも簡単なナツズイセンの育て方
野生でも自生している花ですので育て方はとても簡単です。肥料の与え方や水やり管理をしてあげるだけであまり手もかからない植物。初心者の方でも植え付けてナツズイセンを楽しまれる方が増えています。
ガーデニングがまったくはじめてという方はこれから解説する植え付け方や日常管理法を参考にしてみてください。もっとたくさんナツズイセンの花を見たいという方は増やし方も役に立つでしょう。
栽培前に知りたいナツズイセンについて
ナツズイセンの育て方の前にまずはこの植物の分類や性質・開花時期や花言葉といった基本的な知識を知っておくことをおすすめします。
ナツズイセン栽培のポイントが理解しやすくなるだけでなく、魅力に触れることでお世話のやりがいも出てきますし、何よりも庭の花々を絶やすことない開花時期スケジュールの調整ができ花の絶えない庭づくりができるでしょう。
ナツズイセンの基本情報
科・属 | ヒガンバナ科ヒガンバナ属 |
原産地 | 中国・日本 |
英語名/学名 | pink ladies・resurrection lily/Lycoris squamigera |
育て方難易度 | 簡単 |
ナツズイセンの別名裸百合(ハダカユリ)の由来
ナツズイセンの葉は春に芽吹き花茎を伸ばし開花時期を迎えるころには枯れてしまってひとつも残りません。花が咲いている時期には葉がまったくないので、この様子から裸(葉がない)で咲くユリに似た植物ということがこの別名の由来となったといわれています。
ナツズイセンの特徴や性質
ナツズイセンの特徴といえば長く伸びた花茎とその先に咲くピンクの花色です。その姿はヒガンバナとナツズイセンの中間のような姿をしています。全体的な草丈は花部を含めると50-90cm程度。茎のみの長さならそこから20cm引いた程度となるでしょう。
主に観賞用に育てられる植物ですが、球根(鱗茎)部には有毒成分であるリコリンを含みます。
鱗茎に毒がある植物
ナツズイセンをはじめとするヒガンバナ科の植物にはすべて毒があります。主に毒性をいわれるのは鱗茎(地下茎)の部分。食用である百合根と似ているため、食べられるかと思って口にすると嘔吐やめまいを発症します。
多く摂取しすぎると死に至ることもありますので、分球のために掘り起こしておいた球根を子どもなどが誤って口にしないように、手が届かない場所に置くなど十分な注意をしてください。
ナツズイセンの開花時期
ナツズイセンの開花時期といえば名前からもわかるように夏の花。目安としてお盆(お彼岸)のころに開花時期を迎える植物です。ナツズイセンが咲くとそろそろ秋だと感じることができる、季節の変わり目を知らせてくれる花でもあります。
ナツズイセンの花言葉は「深い思いやり」
ナツズイセンには深い思いやりというポジティブな花言葉が付けられています。その意味や由来は開花時期と深い関係にあり、ご先祖様に対する言葉の意味となっています。
このほかに快楽や悲しい思い出・再会という花言葉も、この花がヒガンバナ科の植物でお盆ころの代表的な花であることに由来します。
ナツズイセンの育て方
ナツズイセンについてご紹介してきましたがいかがでしたか。ここからはナツズイセンの育て方解説となります。準備したい用土や鉢植えの置き場所(日当たり)や水やり・肥料など毎日のお手入れを詳しく見ていきましょう。
ナツズイセンの好む日当たり
ナツズイセンは田畑のあぜ道など日当たりのよいところに咲いているのを見かけるでしょう。日当たりがよければきれいに咲きますがナツズイセンは半日陰程度でも十分成長してくれますので、多少日当たりの悪い庭でも問題ありません。
耐暑性耐寒性ともに高い植物
鉢植えでなく地植えにした場合に気になるのが冬の霜で枯れてしまわないか、真夏の暑さでしおれてしまうのではないかという心配でしょう。ナツズイセンは耐暑性も耐寒性も高いのでどちらも心配ありません。
半日陰もOKで暑さ寒さどちらも平気なので、庭の空きスペースを埋めてくれる花としてもおすすめです。
ナツズイセンの植え付けと植え替え
購入した苗や鉢植えを庭に植え付ける場合はその時期に注意しましょう。基本的にナツズイセンに限らず植物の成長期前に植え付けるのがコツです。大きくなろうという植物自体のやる気がある時期ですので根の張りもよく失敗が少ないためです。ナツズイセンの場合6-7月がこの時期にあたります。
何年かして花が減ったら植え替え時期
庭植え鉢植えどちらも何年かたつうちに次第に花が減ってきます。そんなときは植え替えをしてあげることでまた花が増えていくでしょう。時期は植え付け時期と同じ6-7月。
後述の球根での増やし方にも関係しますのでそちらも合わせてご確認ください。もちろんそのまま植え替えるだけでなく株を増やしたいという方も時期は同じです。
植え付け植え替え用土
手間もかからずお世話がとても簡単なナツズイセンですが、より簡単にきれいに咲かせるためには用土選びが大切です。この植物に向いている用土はできるだけ水はけのよいもの。
具体的には赤玉土7に腐葉土3と赤玉土の割合いが高めの土が合っています。市販の花用の培養土も使うことができます。このとき元肥入りのものだと簡単。元肥が入っていない場合はその時に緩効性の化成肥料を株元にばらまいておくとよいでしょう。
ナツズイセンの日常管理
この植物の水やりのコツ
ナツズイセンは庭に地植えにした場合には水やりの必要はありません。鉢植えのナツズイセンならば土が乾燥したらたっぷりと。花後も10月くらいまでは水やりをします。
肥料のあげ方と時期
肥料は元肥が入った土であればその後は与える必要はありません。元肥のない土であれば、最初だけ緩効性肥料を株元に与えて根の張りを促してあげるだけであとは肥料は不要です。
ナツズイセンの花後のお手入れ
ナツズイセンの花が咲き終わったら花茎は不要となりますので、剪定バサミなどでカットしてしまいましょう。
葉はそれよりも前に枯れてしまっていますので、花壇に地植えした場合植え付けた場所を忘れがちです。ナツズイセンの植えてある場所とわかるような目印をしておくことをおすすめします。
ナツズイセンの増やし方
ナツズイセンは球根で増やす
ナツズイセンは何年か育てていくうちに球根が大きくなって増えていきます。株の数をより効率的に人工的な手を加えて増やしたいという方はこの球根を分球するという形で増やしていきます。
やり方は簡単で何年かごとの植え替え時期に合わせて掘り起こしたナツズイセンの球根を切り分けて植え付けるだけ。深さ30cm株間10cmほどを目安としてください。
まとめ:ナツズイセン栽培は用土選びが重要
きれいなナツズイセンを庭や鉢植えで開花させよう
ナツズイセンは水はけのよい用土で元肥という肥料が含まれている土を選んで植え付けてあげることで、初心者の方でもその後のお手入れが驚くほど簡単で開花まで失敗しづらい手間のかからない植物です。
花をいつまでもたくさん咲かせるためには定期的(数年ごと)の植え替えが必要ですが、植え替えは難しい作業ではないため初心者の方でも安心してください。球根を分けてナツズイセンを増やす場合有毒成分を含む球根の取り扱いにはご注意ください。
ナツズイセンが気になる方はこちらもチェック
今回のナツズイセンはリコリスなどヒガンバナの仲間。暮らしーのではこのリコリスの特徴やヒガンバナとの違いや花言葉をピックアップした記事もご用意しています。ナツズイセンとは開花時期や分類もまったく別の種類ですが、名前が似ている水仙の花についても是非ごらんくださいね。

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