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水仙(スイセン)の毒に注意!症状や見分け方などの注意点まとめ

凛としたその姿が美しく良い香りを漂わせる水仙は、生け花などにも良く用いられる花の1つです。お庭のアクセントとしても魅力があります。。ただし、その美しさの裏には、恐ろしい毒が隠されていることをご存知ですか?そんな水仙の持つ毒について詳しく紹介しています。
更新: 2021年1月26日
kaorin007
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水仙(スイセン)とは

基本情報

◆科名:ヒガンバナ科 ◆学名:Narcissus ◆原産地:スペイン・ポルトガル・北アフリカなど地中海沿岸東部

特徴

水仙の花は、11月~4月まで楽しむことができます。そのため、お正月などの切り花にも良く使われる素材です。水仙は、品種改良がおこなわれ種類も豊富にそろっています。

よく見かけるラッパズイセンや大振りの花を咲かせるもの、小ぶりの花や八重咲きなど好みに合わせて選ぶことができます。 また、心地よい香りを放つのも水仙の花の魅力です。

花の色は、白を基本に黄色やオレンジなどの種類があります。

水仙の毒はとても危険

水仙の毒の成分

水仙に含まれる主の有害成分は、次の通りです。 ◆リコリン (lycorine ) ◆ガランタミン( galanthamin ) ◆タゼチン( tazettine ) ◆シュウ酸カルシウム ( calcium oxalate )

水仙の毒が及ぼす症状

おう吐や下痢といった食中毒症状や頭痛、発汗などを起こします。酷い場合には、こん睡状態に陥ることもあるので注意が必要です。毒性の潜伏期間は短く、食べてから30分以内に症状があらわれます。

また、不溶性のシュウ酸カルシウムの影響で接触性皮膚炎を起こすことがあるので、水仙を触る際には気をつけておきましょう。

毒を含む部位

水仙は、すべての部位に毒性を含んでいます。特に鱗茎と言われる球根部分に毒性が多く含まれているのが特徴です。水仙の中毒では、初期の段階でおう吐により有毒物のほとんどを体外へ出してしまうため症状が重くなることは稀です。

ただし、鱗茎部を食べた後に死亡した例もあるため水仙を栽培する時は充分に気をつけておきましょう。

水仙と似ている葉


ニラに似ているので注意

水仙の葉は、一見するとニラのように見えます。そのため、畑などで混在してしまうと花が咲く時期でなければ間違う可能性があります。植える際には、ニラなどに紛れないようしっかりと区別して植えておきましょう。

ニラとの見分け方

ニラと水仙の見分け方には、葉と根元を比べることです。水仙の葉は、太くて臭いがありません。それに比べ、ニラは臭いが強いのですぐわかるでしょう。葉を切った際の切り口による見分け方もあります。

ニラは、切り口がV字型になるのが特徴です。 また、ニラと水仙では根の部分にも違いがあります。見分け方のポイントは球根があるかないかです。水仙には球根があり、ニラにはひげ根だけしかありません。

水仙の球根は猛毒

玉ねぎと間違えやすい危険な水仙の球根

水仙の球根の形は、少し玉ねぎに似ているのが特徴です。2008年の食中毒事件では、小学校の調理実習の際に校庭で栽培していた水仙の球根を玉ねぎと間違えみそ汁に入れてしまったために起こりました。児童がおう吐を起こしたという報告がされています。

致死量はどれくらい?

水仙の球根に含まれる毒の致死量は、10g程度だとされています。危険性の高い水仙の毒は、加熱調理しても変化しないので調理する前にしっかりと確認することが必要です。

水仙の毒はペットにも危険

水仙は、人間だけでなく猫や犬などのペットにも危険な植物です。そのため、お庭などでペットが間違って水仙の球根などを口にすると中毒症状を起こしてしまいます。

猫の場合、心不全を起こした例もあるようなので気をつけておきましょう。 おう吐でほとんど吐き出してしまうため、その後に水が飲めて元気にしているようなら大丈夫だといえます。心配な場合は、動物病院などで処置してもらうことをおすすめします。

水仙を育てる時の注意点


育てるのは簡単?

水仙は、日本でも自生している種類があるほどなので育てるのはさほど難しくありません。鉢植え、地植えともおこなうことが可能です。どちらかというと暑さに弱いタイプなので、風通しの良い涼しい場所で育てることがポイントです。

植え付け場所のポイント

植え付けは、10月~11月が適しています。あまり遅く植え付けると地面の温度が下がることで根の発育が悪くなってしまいます。また、水はけの悪いところに植えると軟腐病という病気にかかりやすくなります。

出来るだけ日当たりが良く水はけのよい場所に植えるようにしましょう。 ただし、開花後はあまり日が当たり過ぎて地面の温度が上昇すると球根が成長しないので植える場所には枝の粗い木の下で木漏れ日がさす場所がおすすめです。

球根の選び方

水仙の場合、球根によって花が咲く咲かないが決まります。電球のようにふっくらと育った球根ならほぼ100%花を咲かしてくれるでしょう。逆にほっそりとした球根は、花芽がない場合が多く花がつかないこともあります。

葉は必ず残すこと

水仙の花の時期が終わると、枯れた葉は取り除きましょう。ただし、すべての葉を刈らないようにしてください。元気のいい葉は、そのまま光合成をおこない球根に栄養を与えてくれます。

そうすることで、翌年また美しい花を咲かせてくれます。 夏場になると暑さのため葉が枯れてしまいます。一般的には、そのまま放置しておいても大丈夫なので掘り返す必要はありません。株分けしたい場合は、この時期に掘り出して分球してもよいでしょう。

肥料のポイント

水仙の場合、特に肥料を与える必要はありません。花付を良くしたいのであれば、花芽が出た11月頃にリン酸分の多い肥料を与えるとよいでしょう。花が咲いた後にカリウム分の多い肥料を与えてやると球根の成長に効果的です。

ウイルス病に注意

水仙は、ウイルスによる病気「モザイク病」にかかりやすい植物です。「モザイク病」は、初期段階で新しい葉に薄い緑の斑点が出ます。その後モザイクのように濃淡のある模様があらわれるのが特徴です。

この症状が全体に広がり、葉の縮れや黒い斑点などの症状を引き起こします。

ウイルス病にかかってしまうと治療することができません。ウイルス病を予防するためには、病原を媒介するアブラムシの駆除をしっかりとおこないましょう。

水仙にまつわる神話

水仙にまつわる神話には、ナルキッソスのギリシャ神話があります。 ナルキッソスに恋をした妖精のエーコーは、ナルキッソスと過ごす時間を楽しんでいました。

しかし、神の罰を受け相手の言葉を繰り替えることしかできないエーコーに飽きたナルキッソスは、あっさりとエーコーを捨ててしまいます。絶望したエーコーは、姿を消しその声だけが木霊として残ったのです。


そのことに怒った神ネメシスは、ナルキッソスに自分だけを愛することしかできないよう罰を与えます。その罰により、山の湖で水面に映る自分の姿を見たナルキッソスは自分に恋してしまうのです。

そして、水面に映る自分の姿に恋い焦がれることでやせ細りその場で息絶えます。その後に水面を見下ろすように咲いた花が、水仙だといわれています。

水仙のおすすめスポット

東京都心で見られる絶景スポット

東京都江戸川区にある葛西臨海公園では、毎年「水仙まつり」がおこなわれています。その数なんと20万本。東京23区で最大規模のそのスケールは、なかなかの迫力があります。葛西臨海公園へのアクセスは、JR京葉線「葛西臨海公園」下車徒歩1分です。

さくらと水仙が楽しめる絶景スポット

長野県上田市にある信州国際音楽村公園も水仙の名所です。こちらでも毎年「すいせん祭り」がおこなわれています。市内には、さくらの名所として知られる上田城址公園もあり時期を合わせていけばダブルで楽しむことができます。

まとめ

香しき香りと美しい姿を楽しませてくれる水仙は、お庭に咲いているだけで心が和みます。大振りの花から小振りの花まで種類が豊富だから、自分の好みや場所にあったものを選ぶことができ便利です。

ただし、毒性が強いのでお肌の弱い方は植え付けの際に気をつけておきましょう。

ガーデニングなどでニラを植えている場合は、間違わないよう出来るだけ離しすことが必要です。特に水仙の球根は、毒性が強いので玉ねぎなどと間違わないよう保管する場合は充分気をつけてください。