なすはどんな野菜?
なすは夏野菜の代表
なすは、トマトやキュウリと並ぶ夏野菜(夏から秋に収穫)の代表で、夏の暑さによく耐え、雨にも比較的強いので育てやすい野菜です。日当たりの良い場所を好み、日照時間や日照量が多いほど収穫が多くなります。
また畑の土壌は「なすは水で育つ」と言われるように、水やりを怠ると生育が悪くなり、収穫量が減るだけでなく果実のツヤがなくなるので注意が必要です。肥よくな土壌が栽培に適しているので連作は避けましょう。
なすの種類とサイズ
なすは、非常に種類が多く「長なす」「小なす」「丸なす」「米なす」「加茂なす」「水なす」など数え上げたらきりがないほどで、形やサイズも大丸、小丸、卵形、長形など大長なすでは40〜50cmのものまであり多彩です。
果皮の色は紫色が定番ですが、うす緑の「青なす」や「青長なす」、白っぽい「白長なす」のような変わりダネの種類まであります。また「秋なすは嫁に食わすな」と言われるくらい美味で、漬物・煮物・焼き物・炒め物・天ぷらなど料理方法も多彩です。
栽培適期の地域差
なすの栽培方法には、タネまきや定植(苗床から畑に植え替える)の適期があり、実を収穫する時期(期間)も、その地方の気候(気温)により違ってきます。
なすは霜に弱いのが特徴で、タネまきの適期は東北・北海道や山間部など寒い地域【寒冷地】では霜が降りなくなるのを待ち、温暖な地域では寒冷地より早くなります。なすは暑さを好む夏野菜なので、収穫量や収穫期間は温暖な地域ほど量が多く、収穫できる期間が長くなるのもなす栽培の特徴です。
地域ごとの栽培時期の目安
【寒冷地】のタネまきは、霜が降りなくなる3月に、定植は5月下旬〜6月初旬、収穫は6月下旬〜9月下旬が目安です。気候が中間の【一般地】でのタネまきは2月〜3月初旬、定植は4月下旬〜5月中旬、収穫は6月中旬〜10月中旬になります。
九州や四国などの暖かい【温暖地】のタネまきは2月中、定植は4月初旬〜5月初旬、収穫は6月中旬〜11月初旬が目安となり、寒冷地より期間が長く約4か月以上も収穫できるのがなす栽培の特徴です。
なすの栽培手順・育て方の5つのコツ
なすは意外に丈夫で、育てやすい野菜です。野菜の旨味を引き出すのは何と言っても鮮度が一番、家庭菜園で栽培・朝採りしたなすを料理すれば市販のなすとは比べ物になりません。
なすは種類によって多少違いますが、タネまきから収穫までの日数は約120日で、苗づくりは暖かい環境で定植後は肥料を欠かさないのがポイントです。家庭菜園でなすを栽培する育て方のコツを、手順を追って初心者でもわかりやすいように詳しく解説します。
①タネまきと育苗
タネまきは、なすに限らずほとんどの野菜を栽培する最初の基本作業です。特になすは霜に弱いので、タネまきをする時期(季節)もタネまき後も霜に当たらないように温度管理をするのがポイントになります。
またタネは畑に直接まくのではなく、育苗土を入れた箱やプランター(いわゆる苗床)に深さ1cmの溝を8cm間隔に作り、その溝にタネを5mm間隔でまき5mmほど覆土し水やり後、発芽するまで栽培管理します。
育苗の栽培(温度)管理
タネまき後の箱(苗床)の栽培温度は夜25℃〜昼30℃で保温します。気温が低いときにはハウスのようにビニールカバーをかけるとよいでしょう。保温が困難な場合は接ぎ木苗から栽培する方法もあります。
約5〜7日で発芽し発芽したら夜の温度は20℃くらいで栽培管理しましょう。芽が混み合ってきたら1〜2cm間隔に間引いてください。本葉が2枚になったら12cm〜15cmのポットに移植して夜温約15℃で管理して本葉が7〜8枚になるまで栽培します。
②定植の準備(土作り)
定植(ていしょく)とは、箱やポットではなく実際に畑に植えることで、定植をして初めて本格的な栽培が始まるのです。なすの苗はタネまきから60日から80日で定植できる大きさに育ちます。
定植の準備は、畑の土作りと畝(うね)立てです。土作りは定植の2週間以上前に苦土石灰を散布し耕し、1週間前に肥料を施して再度耕します。2〜3日前に栽培管理しやすいように土を台形に盛り上げて畝立てをし、マルチをして地温を温めておくのがなすを栽培する畑の準備です。
苦土石灰の効果と肥料(堆肥・元肥)の目安
多くの植物は中性からアルカリ性の土を好みます。苦土石灰(くどせっかい)は雨などで酸性になっている土を、アルカリ性に傾ける効果があり、散布の目安は1㎡あたり約150g(3握り)です。
1㎡あたりに施す肥料は、堆肥3〜4kg、元肥(化学肥料N:P:K=8:8:8)約150g(3握り)、過リン酸石灰を軽く1握り(約30g)が目安になります。
③定植
畑の準備ができたなら、さあ〜いよいよ定植です。これからなす栽培の収穫に向かう本番が始まります。定植とは今まで苗床やポットなど優しい環境で育てられたなすが、自然環境の中で実を結ぶまで生育と戦う出発点なのです。
新造船が外洋の荒波に臨む処女航海のイメージ、学生が初めて親元を離れ社会にもまれながら一人前に育っていくのと似ています。それだけに栽培期間の中で最も注意が必要な時期とも言えます。
定植苗の植え方と注意ポイント
定植する苗は一番花(一番先になすが実る花)の蕾(つぼみ)が膨らみ始めるまで待ちましょう。蕾ができていない苗を定植すると、根の活着が悪くなり生育が遅れ果実ができなくなるので注意が必要です。
植え方は、畝に被せたマルチの上からカッターなどで苗ポットのサイズに合わせて50cm間隔で穴を開け、細心の注意でポットから外し畝面より1〜2cm高く浅植えし、たっぷりと水やりをします。ポットから外したとき根が白いのが正常なので必ず確認してください。
④定植後の栽培管理
定植後では肥料を欠かさないのが栽培のポイントになります。約3週間後に最初の追肥を施し、さらに3週間おきに追肥をし水やりも切らさないようにしましょう。
追肥の方法は、片側のマルチをめくり畝の肩部に化学肥料を4株分(畝2m)に対して約50g(1握り)をばらまき、反対側も同様に施し軽く耕します。追肥を怠ると収穫量が減ったり生育が悪くなり栽培がうまくいかなくなるので注意しましょう。
整枝
定植後の栽培で大切なのは整枝です。一番花の下から勢いよく出た側枝を2本残し、株元近くから出た枝やわき芽は整枝をして落とし、主枝と側枝2本の3本仕立てにします。
また実の重さで倒れるのを防ぐために、必ず支柱をそれぞれの枝に対し斜めに3本立て紐で八の字に結んでおきましょう。成長に合わせて結ぶ箇所を変えることも忘れないように。
病害虫
もう一つ定植後の栽培で注意が必要なのは病害虫です。なすによくつく害虫にはアブラムシ、ダニ類、ミナミキイロアザミウマなどがいます。害虫は早期発見が大事で、発見したら薬剤を散布してください。
ダニ類は乾燥していると被害が大きくなるので水やりも防除になります。また青枯病や半身萎凋病などの土壌病害は治せません。発生したら抜き取って廃棄する以外にありません。また土壌病害が出た畑で再度なすを栽培する場合は、接木苗からの栽培をおすすめします。
液体肥料もおすすめ
野菜栽培で欠かせない肥料とは、栽培生育させるのに必要な栄養分を土に与えるのが主目的で、固形肥料が一般的ですが液体肥料もあります。
固形肥料は扱いが楽で、散布の目安も簡単なのがメリットですが、土と混ぜ合わせるために耕す手間が必要というデメリットがあります。
一方液体肥料は普段の水やりの水に混ぜて与えることができるので便利です。また根から栄養吸収が困難なときに葉面散布ができるというメリットがあります。ただし希釈濃度には注意しましょう。
⑤収穫
なす栽培手順の最後(ゴール)が収穫です。手塩にかけて育て、たわわに実ったなすの収穫は、最高の喜びと達成感に浸れる瞬間です。開花後約15日〜20日くらいで収穫できます。着果が多すぎる場合は若どりをして調整すると、株の負担が減り生育が良くなり立派ななすが実ります。
また朝涼しいうちに収穫するのが鮮度を保つコツです。収穫後は水分の発散を防ぐため新聞紙やラップで包み日陰で保存してください。冷蔵庫に入れると皮の色が変色するので避けましょう。
簡単で美味しいなす料理
なすは和食・中華・洋食何にでも使える万能野菜
家庭菜園で栽培して収穫したなすを料理に使うメリットは、何と言っても鮮度抜群で味もびっくりするほど美味しく、自分で栽培した「なす」という愛着がさらに味を引き上げます。
なすは、生のままの漬物でも焼いても炒めても、さまざまな料理に利用できるのが特徴です。
調理方法は意外に簡単
なすの漬物が食べたいけどヌカ床がないというときは、キュウリなどと一緒に小口切りにし塩もみするだけで簡単漬けがほんの10分で完成します。お酒のつまみにもご飯のお供にも最高です。
またなすは油によく合うので、他の野菜や肉とサッと炒めるだけでメイン料理になります。マーボなすやカレーに入れても美味しいのでお子様にも喜ばれる万能野菜です。ぜひトライしてみてください。
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なすはトマトやキュウリと並ぶ夏野菜の代表格で、さまざまな料理に使われる重宝な野菜です。家庭菜園で栽培したなすを、朝採りで収穫して家庭の食卓にのせれば鮮度抜群で美味しさも楽しさも格別なのではないでしょうか。
なすの栽培の適期や気候と温度管理、栽培のポイントや注意点、美味しいなす料理などを紹介してきました。これらを参考にして家庭菜園でなす栽培を大いに楽しんでください。
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