ドルフィンネックレスは最近注目の多肉植物
ドルフィンネックレスは、南アフリカ原産のキク科セネシオ属の七宝樹とグリーンネックレスを交配させた蔓性の多肉植物です。他の多肉植物よりも少し繊細といわれており、「日当たり」「温度・湿度」「水分補給」「肥料」の4つの育て方のポイントがあります。
これら以外の育て方に関してはそれほど神経質になる必要はありません。丈夫に育てて可愛い葉っぱのドルフィンネックレスを楽しみましょう。剪定や増やし方についてもまとめたのでぜひご参考にしてくださいね。(この記事は2021年5月24日時点の情報です)
ドルフィンネックレスの基本情報
原産地 | 南西アフリカ |
正式名称 | ペレグリヌス |
科・属 | キク科セネシオ属 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | やや強い |
耐湿性 | 弱い |
ドルフィンネックレスの最大の特徴はイルカのように見える「葉」ですが、ときには丸まっていた葉が先祖返りして七宝樹のように開いてしまうこともあります。原因はまだよくわかっていないようですが、イルカ形の葉を保てるように、育て方のコツをしっかり押さえておきましょう。
ドルフィンネックレスの入手方法は、ネット通販やホームセンターなどがあります。しかし希少な種類のため、店頭で見つけた場合は即買いがおすすめです。
花と紅葉は?
ドルフィンネックレスは、残念ながら花は咲かず、紅葉もしません。ドルフィンネックレスと同属のセネシオの仲間では、「グリーンネックレス」が白いポンポンのような小花を咲かせることで知られています。
紅葉するセネシオの仲間は「ルビーネックレス」が挙げられます。紫色に紅葉することから"紫月"とも呼ばれているように、グリーンとパープルの美しい色合いです。花も咲かず紅葉もしないドルフィンネックレスは、さわやかなグリーンを一途に楽しみましょう。
ドルフィンネックレスの素敵な植え方
ドルフィンネックレスは単体でも素敵ですが、他の多肉植物と寄せ植えすることで、グンと魅力が引き立ちます。鉢から流れるように垂れ下がるドルフィンネックレスは寄せ植えに動きを付けてくれるので、観ていても飽きません。
セダムやカランコエなどと組み合わせて、自分だけの寄せ植えを楽しみましょう。
花言葉は健康に関したこと
ドルフィンネックレスの花言葉は、同属のグリーンネックレスと同じで「健やかな成長」「青春の思い出」「豊富」などです。いずれも太陽の光をたくさん浴びて元気に育つ様子が由来とされています。大切な人に花言葉を添えてプレゼントしてみてはいかがでしょうか!
ドルフィンネックレスの育て方
①日当たりのよい場所に置く!
ドルフィンネックレスの置き場所は、一般的な多肉植物と同じように「日当たりと風通しのよい場所」とされています。急激な温度変化には弱いので、真夏時期の高温や真冬時期の寒風には気を付けてください。
ドルフィンネックレスを栽培するのに理想的な場所は、適度な日当たりのあるベランダや室内の窓辺です。ドルフィンネックレスの休眠温度は10℃以下となり、3℃以下になると枯れてしまうので冬の時期でも10℃以上の環境で育てましょう。
②用土は「多肉植物専用土」でOK!
ドルフィンネックレスの土は多肉植物の専用土がおすすめです。販売されている状態のままで観賞するのもOKですが、ひと回り大きめの鉢などに植え付ける場合の用土として使いましょう。
ドルフィンネックレスの土作りにこだわりたい人は、一般的な園芸用土の他に、保水性と排水性のある赤玉土をブレンドして使います。または赤玉土・腐葉土・川砂を6:2:2で配合した土もよいとされています。吊り鉢の場合は、川砂の代わりにパーライトにすると軽くなりますよ。
③水やりは春と秋に表土が乾いてから!
ドルフィンネックレスの水やりは、他の多肉植物と同じように季節によって方法を変えます。成長時期の春と秋は、ドルフィンネックレスの表土が乾いていたら、鉢底から溢れるくらいに水やりをしてください。
夏の水やりは基本的にしなくても問題ありませんが、葉がしおれて元気ない場合は、表土を湿らせるくらいの水やりでOKです。冬は一ヶ月に一度の目安で、表土を湿らせる程度にします。ドルフィンネックレスは湿気を嫌うので、根腐れを起こさないように気を付けてください。
④肥料は春と秋に緩効性肥料を!
ドルフィンネックレスの肥料は、成長時期の春と秋に緩効性肥料を与えます。緩効性肥料の他に液体肥料でもよく、目安は一ヶ月に一回程度となります。多肉植物は肥料を必要としない種類が多いのですが、ドルフィンネックレスは適切な肥料が必要となり、この点がデリケートといわれる理由です。
肥料を与えないと元気ない状態になってしまいます。うっかり忘れてしまわないように、カレンダーなどに肥料を与えるマークをつけておくとよいでしょう。
⑤夏越しは直射日光を避けて!
ドルフィンネックレスは他の多肉植物と同じように湿気には強くありません。耐暑性はありますが、夏の直射日光は避けてください。半日陰かレースカーテン越しに日が当たる場所で管理します。
ただし、日当たりのよい場所に置き続けると葉焼けすることもあるので注意してください。夏場の水やりはしないようにします。元気ないときは表土が湿る程度の水やりで充分です。
⑥冬越しは日当たりのよい場所で!
ドルフィンネックレスの冬越しのコツは、他の多肉植物と同じように日当たりのよい場所で管理することです。寒さには比較的強いとされているため、霜の心配がない地域は屋外でも栽培できます。
ドルフィンネックレスは、季節が変わってから春の日差しに急に当てると葉焼けを起こすこともあるので、冬も充分に日光浴をさせてあげてください。寒冷地では、リビングの日当たりのよい場所の他に、日差しがある気温10℃以上の玄関でもよいでしょう。
⑦剪定(切り戻し)は小まめに!
ドルフィンネックレスの成長期は春と秋のため、茎がぐんと伸びます。伸びすぎて徒長したときや葉が混んでいるときは小まめに剪定してください。切り戻しをせずにそのままにしておくと、株の内側まで光が届かないため弱ってしまうのです。葉や茎が多いと蒸れてしまうこともあります。
剪定した茎を使ってドルフィンネックレスを増やしましょう。病気や害虫が付いたドルフィンネックレスの葉はもちろん、焼けた葉も風通しをよくするために切り戻しをして取り除きます。
剪定バサミは清潔で切れのよいものを!
ドルフィンネックレスに限りませんが、植物の剪定に使うハサミは必ず清潔で切れのよいものを使ってください。他の植物を剪定した後に使う場合は、必ず消毒をしておいたほうが安心です。
消毒方法は、薬局で販売している70パーセント以上のアルコールでスプレーするとよいでしょう。熱湯消毒や刃先をバーナーなどで焼くことでも消毒できます。
⑧増やし方は「茎挿し」と「水挿し」
ドルフィンネックレスの増やし方で一番簡単なのは、鉢の土にそのまま挿す方法「茎挿し」です。茎の下に生えている葉を取り除いて土に挿し、軽く土を茎にかぶせるだけです。コツは、自然に活着させるために水をたっぷり与えて、風通しと日当たりのよい場所に置くだけ。
ドルフィンネックレスの茎挿しは非常に簡単なので、葉が混み合ったり徒長する前にドルフィンネックレスの茎を切り戻して使いましょう。
「水挿し」による増やし方も!
活着が心配なときは、確実なドルフィンネックレスの増やし方「水挿し」を試しましょう。徒長した茎や混んでいる茎を剪定したあとは、水を入れたガラス容器などに挿しておくだけの方法となります。
植え方も簡単で、根がしっかり伸びてきたら鉢の土に植え替えてください。植え替えたあとはすぐに水やりをたっぷりしましょう。いくつも切り戻しをした茎があれば、水挿しでたくさん増やしてプレゼントするのもおすすめです。
⑨株が大きくなったら株分けする!
大きく育った株は、株をリフレッシュさせるために元の株から株分けして子株を作り、それぞれを別々の鉢に植え替えます。株を大きいままにしておくと栄養分が全体に行かなくなって弱るため、株分けが必要になるのです。
茂り過ぎても光合成が充分にできなくなるため、いずれは生育力が落ちてしまいます。株分けをすることでドルフィンネックレスの生命力を復活させてください。
植え方の手順
新しい鉢を用意し、鉢穴に鉢底ネットと鉢底石を敷きます。多肉植物用土を1/3ほど入れておいてください。ドルフィンネックレスの根元から5センチメートルほどを残して全体をカットし、鉢から抜いて古い土を手で取り除きます。
元気な白い根は切らず、黒くなった古い根や傷んでいる根をハサミでカットしてください。新しい鉢にドルフィンネックレスを置き、土を鉢の上部の約2センチメートルまで軽く押さえながら入れます。半日陰に置いて5日ほどしたら水やりをしまよう。
植え替えのタイミングは春から夏にかけて!
湿気が苦手なドルフィンネックレスは、根元の葉がポロポロと取れてしまうこともあります。原因は根詰まりか、土の多湿傾向が考えられるので、植え替えをしてください。根が鉢底から見えるときも植え替えのタイミングです。
表土下の土が乾かないときは、土の水はけが悪い可能性があります。このようなときも植え替えのタイミングとなります。植え替えの時期は、成長時期の春から夏にかけてなので、小まめに観察して植え替えのタイミングを見逃さないようにしてください。
⑩病気&害虫対策は小まめな観察から!
ドルフィンネックレスの病気はあまり心配ありませんが、害虫はアブラムシに注意してください。屋外でドルフィンネックレスを栽培しているときは害虫がつきやすいのです。よく観察してアブラムシなどが付いていないかチェックしなければいけません。
アブラムシが付いていた場合は、アブラムシが発生しているドルフィンネックレスの茎をよく洗ってアブラムシを流します。またはアブラムシ用の除虫剤を散布しましょう。
ドルフィンネックレスのコツは肥料を与えること!
ドルフィンネックレスは多くの多肉植物と同じように、乾燥に強くて湿気に弱いという性質があります。そのため水やりのし過ぎには注意しましょう。夏の直射日光以外は日当たりと風通しのよい場所で管理します。寒さには比較的強く、3℃までなら栽培できるようです。
他の多肉植物と異なる点が、肥料を適切に与えること。春と秋に肥料を与えることで元気に育ち、美しい色合いを保てることでしょう。増やし方は、水挿し以外に茎挿しも簡単なのでたくさん育ててくださいね。
ネックレス系の観葉植物が気になる人はチェック!
ドルフィンネックレス以外で人気がある蔓性の植物は、ドルフィンネックレスと同属のグリーンネックレス、ガガイモ科のハートカズラなどがあります。どちらもドルフィンネックレスと同じように室内で簡単に栽培できるのでぜひ挑戦してみましょう!

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出典:photo-ac.com