インパクトドライバーとドリルドライバーの違い
インパクトドライバーとドリルドライバーは違う
忙しい現代人のDIYの主流は電動工具を使って簡単で手早く仕上げる方向へと流れています。ホームセンターなどでもプロ用とはまた違った家庭用の比較的低価格で変えるメーカーの商品が増えてきたというのもその理由のひとつです。
その中でも頻繁に使うインパクトドライバーとドリルドライバー。どちらもネジ止めに使う電動工具ですが、インパクトドライバーとドリルドライバーの違いは?と聞かれるとうまく答えられないという方も少なくありません。
インパクトドライバーとドリルドライバー解説
インパクトドライバーとドリルドライバーはその違いを理解して用途に合わせてうまく使い分けすると、作業効率もアップしてDIY速度も格段にあがります。
今回はインパクトドライバーとドリルドライバーについて詳しく解説し違いを理解してもらうとともに、その用途に合わせた使い方についてもご紹介していきましょう。
インパクトドライバーの動きと振動など
まずはインパクトドライバーの特徴を簡単に3つご紹介します。メーカーにより機能の差はあるものの、インパクトドライバーであればできる基本的な機能とその特徴ばかりです。
インパクトドライバーは回転だけではない
ネジ留めが素早く簡単にできる電動組み立て工具が、インパクトドライバーやドリルドライバーに代表される〇〇ドライバーという道具です。ネジといえば回転させて木材や金属を留め付けるDIY材料。
しかしインパクトドライバーとは名前からも分かる通り回転だけでなくハンマーとして衝撃を与えるという工具でもあるので、はじめて使う方は使い方には注意が必要です。
打ち込み力でインパクトドライバーは振動する
実際に使ってみるとインパクトドライバーは特に使い始めにぐぐんと押し込むようなパワーを発揮します。そのためネジや木材だけでなく使っている人の腕の方にも振動が伝わってくるのが特徴です。
ネジ打ちが早くてよいという意見もあればそのパワーに恐いと感じる方もいて、速さだけが重要とは言いにくいDIYにおいて意見はさまざまとなっています。
インパクトドライバーはビット付け替えが簡単
インパクトドライバーはどちらかというと忙しい人向けの工具ということができます。それというのも先端工具の交換が取り付けスピード重視にできていること。
取り付け部の根元にロックパーツが付いており引き出すことで締め付ける力が緩みます。ロックするにはそのパーツを押し込むだけ。引き出す・ビット装着・押し戻すの3ステップで先端工具取り付け完了です。
ドリルドライバーは静かでモードが多種あり
それでは次はドリルドライバーの基本的な機能についてご紹介します。ドリルドライバーはドリルというだけあって穴あけに向いているほか、パワーは不足するものいろいろなモードが付いていて使う人による差が少ない電動工具といえるでしょう。
ドリルドライバーの低速回転は音が静か
インパクトドライバーと違いドリルドライバーは、その構造によって静かに使うことができます。特に低速で回していれば壁のあまり厚くない集合住宅の室内での組み立て作業においても、気にせず使うことができるでしょう。
ただし高速スピードで回すようにしたりすればそれなりにモーター音は大きくなる傾向にありますので、どのようなモードでもドリルドライバーはまったく音がしないというわけではありませんのでご注意ください。
ドリルドライバーにはいろいろなモードがある
先程も低速・高速と言いましたが、ドリルドライバーの大きな特徴はいろいろなモードを使う人の手元の加減だけでなく、マシンの方で調整するスイッチが付いているというのが大きな特徴となっています。
これにより電動工具をはじめて使うという方でも、慣れている人と同じような見た目に仕上げることが可能となってくるでしょう。
ネジ締めモード
ネジ締めモードも多くのメーカーの商品に搭載されている、インパクトドライバーにはないドリルドライバー特有の機能です。
必要以上にネジを回し過ぎてしまって木材の中に頭が埋まる・抵抗を超えて回そうとしたためネジ山がねじ切れるなども防いでくれる、必要以上に回転させない回転防止モードとなっています。
低速や高速モード
低速や高速の切り替えはインパクトドライバーでも可能ですが、それがモードとしてスイッチ切り替えで誤動作なしで使えるのがドリルドライバーの大きな魅力でありほとんどのメーカーで採用している機能です。
あまり電動工具に使い慣れていない方でも、つい力が入ってしまっていきなり高速で驚いてしまったため起こる事故から怪我などを防いでくれるでしょう。また穴あけにおいては金属には高速と使い分けることもできます。
トルク変更モード
これは特にモードとはされてはいませんが、ドリルドライバーの特徴としてインパクトドライバーにはないトルク(回転数)の変更が可能です。これにより低速スピードや高速スピードだけでは加減できない細かなネジ締め具合が必要な作業が簡単にできるようになっています。
締め付けるネジと材料に合わせたトルク設定を一度してしまえば、打ち込みすぎや締付けが甘いなどの心配をせずに、素早くネジ締めモードを使い続けることができるのがドリルドライバーのトルク変更の魅力です。
インパクトドライバーとドリルドライバーの比較
音が大きいインパクトドライバー
ドリルドライバーと比較して音に注意する
ドリルドライバーの説明で音が静かであると言いましたが、それと比較してインパクトドライバーはどのような場合でもモーター音と衝撃音がします。
庭が広く隣家ともある程度距離がある、または平日の昼間などあまり音を気にしなくてよいという場合には使いやすいですが、長時間集合住宅の室内の特に壁などの取り付け作業で使用するという場合は、お隣の方にお声がけしておく必要が出てくる場合も。
パワーがあるインパクトドライバー
パワーがあると早くネジが打てる
インパクトドライバーの説明で先端に取り付けるパーツの取り付けの速さについても触れましたが、ネジ締めに関してもドリルドライバーよりもインパクトドライバーの方がずっと早く1本あたりのネジ締めができます。
これに関係しているのがインパクトドライバーのトルク(回転)数とハンマー効果。ドリルドライバーでも高速モードでネジ締めすればある程度の速さは出ますが、打ち込む力が不足するためインパクトドライバーにはかないません。
ハンマー効果のせいで素材によっては使えない
音に注意さえすればインパクトドライバーの方が優秀では?と思われるでしょうがインパクトドライバーは万能というわけではありません。それというのもそのパワーの元ともいえるハンマー効果。
力で叩き込むために割れやすい素材に対して使うことには不向きです。たとえばタイルなどの陶器やコンクリートへの穴あけやネジの打ち込みがあげられます。これらの素材にはドリルドライバーの方が有利といえるでしょう。
トルク調整できるドリルドライバー
木製の棚や家具などの組み立て作業で心配なのが、ネジの締め付けすぎで木材が割れてしまうことです。
特に電動工具を新調したばかりでまだ慣れていないという場合や、電動ドライバー自体が初めてという方にはインパクトドライバーのスピードについていけず、つい打ち込みすぎるということも。そんなときにドリルドライバーのトルク調整機能があると便利です。
機種によっては自動で回転を止めるので安心
ネジの締め付けすぎによる割れを予防したいならドリルドライバーです。ネジ締めモードに設定しあとはトルク調整をして板の表面とぴったり合うものに一度設定したら、同じものにいくつネジを打つ場合でも強すぎず弱すぎず適度なところでドリルドライバーの回転が止まります。
初心者に使いやすいドリルドライバー
市販の組み立て棚で小さな木ネジやビス程度であればパワーは不用なので、音も静かなドリルドライバーで室内で楽に組み立て作業が進められます。100均で売られているような薄い板に細く短い木ネジ程度もドリルドライバーで十分です。
よくDIYで100均材料を使ったものを作るという木工初心者の方であれば、静かで締めすぎの心配もないものを選びましょう。
それぞれのドライバーに合う使い方は
インパクトドライバーは薄い金属なら穴あけも
木材や金属板に穴を開けるのもドリル機能にすぐれたドリルドライバーが得意とするところ。穴あけを必要とする木工をしたいという方はドリルドライバーをおすすめします。しかし薄い金属板であればインパクトドライバーでも穴あけをすることが可能です。
パワーが必要なDIYにはインパクトドライバーを
基本的に簡単なDIYであればどちらのドライバーでも、慣れてくればそれなりに仕上げることが可能です。
ゆっくりでもよいので丁寧に失敗せずに仕上げたい場合はドリルドライバー・2x4材など厚みのある板に長いコースレッドを打ち込むのはインパクトドライバーではパワー不足なので1台だけしか買えないという場合はドリルドライバーよりもインパクトドライバーを選んでください。
先端パーツの取り付け方の比較
インパクトドライバーやドリルドライバーは持っていてもそれだけでは能力を発揮できず、ビットやボルト取り付け用の六角レンチなど先端工具があってこその道具です。そこで大切になってくるのが先端パーツの取り付け方法。
簡単に説明すると素早く簡単に交換できるが種類が少ないのがインパクトドライバーで、ネジ式で時間と手間はかかるものの多くの差込口形状・サイズに対応できるのがドリルドライバーとなっています。
インパクトドライバードリルドライバー共通の用途
違いを比較して用途に合わせて使い分ける必要もありますが、中にはどちらも先端パーツが用意されているため好みで選べばよい場合もあり注意が必要です。
ボルトの締め付け用レンチや研磨など使用頻度の多い工作に関しては、多くのメーカーでビットやパーツが揃っておりほとんどできます。穴あけはドリルドライバーと考えられがちですがインパクトドライバーでもビットを付け替えれば簡単な穴あけ程度は可能です。
回転やすりや研磨ビットなどという名前である
この研磨に関しての種類は本当に多種多様で、削る物によっても金属用木材に向くものといろいろです。研磨というとポリッシャーが有名ですが、研ぎ磨くという2つ目的がある作業ですので、削るだけ・磨くだけと分けるとさらに幅広い種類の中からパーツの選択が可能となります。
インパクトドライバーやドリルドライバー用として使われるものの代表的なパーツとして回転やすりや研磨ビットで探すとお手持ちの電動工具にあったものが選びやすいでしょう。
電動ドラバー2種類は用途に合わせて使い分ける
インパクトドライバーやドリルドライバーを便利に
インパクトドライバーやドリルドライバーはネジ止めできるという点では同じような電動工具ですが、そのパワーや細かなモード設定機能に大きな差があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
インパクトドライバーとドリルドライバーは種類も豊富でどれにしようか迷うことも多いでしょう。明らかに違うことはインパクトドライバーはパワーに特化したドライバーで、ドリルドライバーは穴あけやネジ回しに向いている工具だという得意な作業の差です。
目的に合わせて電動ドライバーを選ぼう
簡単な組み立て式の棚などのビス打ちにはドリルドライバー1本あれば十分で、音が小さいのでインパクトドライバーよりも室内で使いやすいでしょう。しかし大きな棚を作るにはドリルドライバーではビスが入っていかないことも。
2x4材などの木材を使って大きな木工DIYを目的とする方であれば最初からインパクトドライバーを買って慣れていき、細かなネジ締めなどもできるよう練習すれば1本だけしか買う予定がないという人にはおすすめできます。
ドリルドライバーが気になる方はこちらもチェック
今回はインパクトドライバーとドリルドライバーの違いにスポットをあててその2つの構造の違いやパワー・合った使いみちなどご紹介してきましたが、暮らしーのではこのほかおすすめの人気メーカーの商品紹介やインパクトドライバーのモードの説明記事もあります。こちらも是非お役立てくださいね。
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