ヤエン釣り実釣レポート!
プチ遠征の後編は夜釣り!
先週に引き続き、今週もプチ遠征の釣行レポートをお届けします。
前回は日中のフカセ、強風で釣りが難しい状況でしたが、夜になると風は少しおさまり、ポイントを選べばヤエンは十分遊べそうな天候に変化しました。ヤエンはアオリイカ釣りと言えばの王道な釣りで、人気のエギングよりも大物に強く、アタリも多いイカ釣り最強の釣法です。
他の釣りで使わない道具が出てくるのでハードルが高そう、と感じる方が多い釣りですが、実はそんなに難しくないのもこの釣りのいいところ!気になっていた方はぜひチェックしてみてください。よく釣れる釣りです!
ヤエンはこんな釣り!
九州から全国へ広がった釣り!
まずはヤエンがどんな釣り方なのか、簡単にご紹介しておきます。
この釣りは九州、もしくは和歌山から広まった釣りと言われていて、現在も西部地方を中心に発展中。自分の住んでいる中部地域でいうと、地元でヤエンをやっている人はほとんど見たことが無く、伊豆に行くとエギングよりヤエンの方が多いというような広がり方をしています。
生きアジを使うので、アオリイカがよく釣れて、なおかつ生きアジが簡単に手に入るところでないと、気軽には遊べない釣りですが、エギングで釣れないイカも釣れる爆発力抜群の釣法です。道具の準備やエサ代を考えても試す価値アリ!掛けるまでにはいくつかのプロセスがありゲーム性も十分で、ルアー派の方にもおすすめできます。
生きアジを泳がせて後から掛け針を投入
この釣りで最も個性的な部分は、生きアジ投入時に掛け針がついていないということ。アジは道糸に繋いで泳がせますが、このアジがアオリイカに捕まって食べられても、イカは針に掛かっていません。放っておくとアジだけ食べられます。
アオリイカへのフッキングを担当するのが、釣法の名前にもなっている「ヤエン」で、輪を道糸に引っ掛けて滑り込ませ、イカに届いてから合わせを入れると、先端についたカンナが掛かる仕組みになっています。
アジを抱いたアオリイカはそのまま引っ張ったり、ヤエンを入れたり、プレッシャーを掛けると嫌がって沖へ出ようとしますが、ここでかじっているアジをなかなか離さないというのがアオリイカの面白いところ。離すイカもいますが、足元までかじりながら寄ってくるイカもいます。この一度かじったエサに強く執着するアオリイカの習性を上手く利用しているのが、ヤエン釣りの優れた部分です!
ヤエンは仕掛けが超シンプル!
耳付き針が結べなくてもOK!
今回使用した仕掛けは、道糸の先端に直結でスナップスイベル、スナップ部分にカン付き針という超シンプルな仕掛け。この針は生きアジの固定に使います。
直接針を結んだり、アジのしっぽに道糸を結んだりとさらにシンプルな仕掛けでも遊べますが、この構成は糸ヨレなどトラブルが起きにくく使いやすいのがポイントです。初心者の方にもこのセッティングがおすすめ。ユニノットだけ知っていれば、仕掛けはすぐに準備できます。ハリはガン玉を噛ませれば、アジを潜らせるためのオモリに使えて便利です!
ヤエンのエサは生きアジ!
元気なアジが釣果のポイント
エサは生きたアジを使います。海水を入れる活かしバケツ、運搬用のエアーポンプは最低限必要で、現地で水を入れ替えるための水くみバケツや、アジを海中に入れておくスカリも必要になります。
この日は行きがけにエサ屋さんに寄って生きアジを10匹購入しました。ちょっと大きめのサイズで一匹200円。全国的なアベレージが150円前後なので、自分の地域はちょっと高いです。死にアジでも食うには食うんですが、執着させるまで、つまり食欲が警戒心を越えて、イカがアジをかじるまでのハードルが非常に高くなります。効率重視ならやっぱり生きアジです。
エサ屋さんで海水を入れてもらって、車で釣り場まで運搬。この時エアーのチューブが折れていないかときどき確認するのと、中にケミホタルを入れて真っ暗にしないのがアジの元気をキープするコツです!
アジはゼンゴを使って掛けよう!
アジの付け方にもいくつか種類がありますが、今回自分が友人におすすめされた付け方は尾掛け。ゼンゴを使ってハリが固定出来て、アジを多少コントロールできる付け方です。アジの泳ぎを感じやすい付け方でもあるので、まずはこの付け方から試してみるのがおすすめ。体力の消耗は速くなるようですが、キャスト時にサミングを掛けると頭からアジを落とせます。
アジは釣りエサとして使われている魚の中では体力があり、ある程度ひとところに落ち着こうとするタイプの魚。初心者の方でも使いやすいです。しっかり網を使って、ギュッと握らなければ大丈夫!アジのサイズは特別小さい必要はなく、コッパグレやサバを使っても食ってきます!
ヤエンでアオリイカをゲット!
釣行スタート直後からアタリ連発!
同行した友人から暗くなってからがいい、という情報を得たので、当日は22時頃から釣行スタート。ゆっくり準備をして、一発目のアジを投入します。磯竿+空気抵抗の大きいアジということで飛距離は20m程度、流れはそれほど速くなく、アジは着水点から潜って落ち着きました。
ヤエンと言えばリアドラグリールがジー、ジーと引き出されるアタリですが、一回目のアタリはアジの動きが竿にも糸にも出ない、という居食い的なヒット。アジが泳ぐと竿が揺れたりジっとドラグがでます。
アタったらサイズを確認
アタリがあったら、イカがアジに執着するまで30秒ほど食い込ませます。ある程度食わせたら、一度竿で軽くきいてサイズを確認するのがポイント!グーっと引っ張るのではなく、竿の曲がりから重みを感じてサイズを想像します。
2キロを超えるようなサイズは一口が大きく待ちすぎ厳禁、走られると寄せるのにかなり時間がかかってアジが食べきられてしまうので、ヤエンは早い段階で投入するのがセオリーです。今回はちょっと動いたのでまぁまぁサイズ?と予想し、少し間を開けてから寄せてヤエンを投入しました。
イカが嫌がったらヤエン到着!
ラインの角度で距離を想像して、十分に寄ったと感じたらヤエンを投入します。ヤエンをセットしたらまずは竿を上げてラインを整え、竿先を倒して角度を調整。急角度でヤエンを入れると、イカにドスンとコンタクトしてしまいます。
ヤエンを入れてからはラインを張る、緩めるを繰り返して送り、ヤエンの到着を待ちます。ヤエンがイカに近づくと嫌がって一度グーンと抵抗するので、ここから何度か余裕を持つための送り3回ほど行ってアワセ!
ズシンとイカが乗って、1.5キロをキャッチです!
直後からアタリが連発!
一匹目のキャッチからアタリが連発!何度かアジを投入し直し、アオリイカの通るコースなのか溜まる場所なのか、ホットな投入地点を発見できてからは、アジが沈めばアタリが出るというゴールデンタイムに突入しました。
途中かなりの大物と思われるアタリがあり、ヒット直後の走りを止められずラインが無くなったり、ウツボや魚が食ったりというトラブルもありましたが、アオリイカ狙い最強の名にふさわしい爆発力を堪能できました。アジ10匹は2時間ほどで終了!6月後半まではハイシーズンな釣りなので、できる限り遊ぼうと思います!
すぐに使えるヤエンのコツ!
入れっぱなしにしないのがコツ!
ここからはちょっとヤエンを遊んでみようかなという方向けに、すぐに実践できるコツをご紹介。1つ目は仕掛けを入れっぱなしにしないということです。
泳がせなのでドラグの音が聞こえるまで放置したくなりますが、アジが手前に泳いでラインが緩んだり、イカやウツボが居食い的な食い方をしてアジがダメになったり、マメに竿できいてチェックを入れることで、効率が大幅に向上します。
竿を軽く引いてアジの泳ぎ、生命感を感じなければ何かが起きているので、こまめにチェックを入れましょう!
潜らないアジは効率大幅ダウン
何度か再投入したり、もともと弱っているアジは、潜らず水面でバチャバチャします。高活性時はトップでも出る、らしいですが、基本のレンジはやっぱりボトム。潜らない状態で放置するとかなり時間を無駄にすることになるので、引いた時に水を叩く音がしたら、お腹にオモリをうって沈めるか、アジを交換するか、どちらかで対応しましょう。
アジを離したら死にアジで即再投入
どこかのステップでアオリイカがアジを離しても、イカの捕食スイッチは入ったままということが多いです。
寄せの過程でイカがアジを離してしまったら、離したであろう地点に死にアジを即再投入!イカが移動する前に素早く投入すれば、もう一度食い直すチャンスがあります。実釣時は友人がこのテクニックで一匹ゲット、首に噛み傷があるアジを即キャストして、じっくり待って食わせていました。
ヤエンに挑戦してみよう!
エサ釣り初心者でも簡単に遊べる!
アジの入手、そしてアジを活かすための道具の準備がネックなヤエンですが、仕掛けはシンプルで、決して難しい釣りではありません。もともとヤエンを掛けるところで失敗しやすい釣りなので、掛かるヤツだけ掛かれば十分と考えて、大胆に攻めるのがおすすめです。
アオリイカがよく釣れる方法をお探しの方は、ぜひチャレンジしてみてください!
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出典先:ライター撮影