現状のキッチンレイアウトに満足ですか?
キッチンレイアウトとは台所の間取りのことで、システムキッチン(作業台、シンク、コンロ、収納など)と、冷蔵庫やパントリー、キッチン家具との位置関係のことです。
新築やリフォームの際に、理想のキッチンを追求したい方はもちろん、現状のシステムキッチンの作業効率に不満がある方は、ぜひご一読ください。実例をまじえながら、便利なキッチンレイアウトの種類と作業効率の良いキッチンスペースの使い方をご紹介しています。
キッチンレイアウトを見直しましょう
新築やリフォームを控えている方は、キッチンレイアウトを見直すチャンスです。これからご紹介する6種類のレイアウトの中から、現状のキッチンの不満を解決する理想の配置を探してみてください。理想のキッチンとは普遍的なものではなく、家族構成や料理の種類などにより人それぞれ理想の形があります。
実例を参考に、家事動線は便利で使いやすいか、冷蔵庫と作業台・コンロの位置関係はどうか、一つ一つチェックしてみましょう。
配置を変えるだけでも作業効率UP
便利で使いやすいキッチンに変えることは、新築やリフォームの予定がなくても可能です。現在のキッチン家電や家具の配置を「作業効率の良いキッチンスペースの使い方」を念頭において、一度見直してみましょう。
システムキッチンでは、キッチンに付属する収納や位置が定まっている冷蔵庫は別として、他の収納家具は移動できますね。快適なキッチンづくりのコツは、人の動きをイメージしながら、ものの配置を変えてみることです。
作業効率の良いキッチンスペースの使い方
作業効率の良いキッチンスペースを実現するための、2つのキーワードは、「家事動線」と「使いやすい収納」です。キッチンでの家事動線を具体的にイメージするために、普段のキッチンでの作業を思い起こしてみましょう。
あくまで一例ですが、冷蔵庫から出した食材をまず作業台に置き、野菜などはシンクで洗い、作業台で切り、コンロで加熱調理します。次にするのは、収納から食器を取り出し、調理したものをお皿に並べる作業です。
ワーク・トライアングル
冷蔵庫・シンク・コンロの三か所を結ぶ家事動線を「ワーク・トライアングル」といいます。この三か所を2、3歩で移動できる距離に置くのが理想とする考え方です。効率のよい家事動線を実現する一つの指標ととらえ、キッチンレイアウトを検討する際のご参考にしてください。
使いやすい収納のコツは、家事動線を考慮して収納場所を決めることです。鍋やフライパンはコンロ近くに、お皿やコップはシンク近くに収納しましょう。
キッチンに求めるものを明確に
冷蔵庫から出したものを置いたり調理する場所は、キッチンの作業台ではなくダイニングテーブルで、という人もいるかもしれません。その場合は、必ずしもワーク・トライアングルの法則に従う必要はないわけです。
まず、自分たちがキッチンに求めるものを明確にすることから始めましょう。子供にお手伝いさせるかどうか、収納を見せるか見せないか、キッチンにリビングダイニングとのつながりを持たせるかなど、具体的に考えます。
効率的で使いやすいキッチンレイアウト6選
キッチンレイアウトとは、システムキッチンにある作業台、シンク、コンロと、キッチン家具の配置のことです。間取りによってスペースが決まっているキッチンを、効率的で使いやすい空間に変えるには、ある程度基礎知識が必要です。
この章では、6種類の主要なキッチンレイアウトと、理想の配置を叶えたそれぞれのレイアウト実例をご紹介いたします。家事動線をイメージしながら、理想の台所づくりの知識を深めるのにお役立てください。
①I型キッチンレイアウト
I型キッチンとは、シンク・作業台・コンロが横一列に並んだキッチンレイアウトのことです。上から見たときにアルファベットのIの字に見える細長いレイアウトで、壁付けレイアウトのほか、対面式や独立型レイアウトがあります。
壁付けのほか対面式、ペニンシュラ、独立型など、I型キッチンはバリエーションが豊富です。家の間取りや家族構成、料理シーンなどをイメージしながら、暮らしに合ったレイアウトを検討しましょう。
おすすめの実例
こちらのI型キッチンレイアウトは、一見Ⅱ型キッチンのように見えます。そのように思わせるコツは、ダイニングテーブルをキッチンカウンターの高さに合わせることです。このダイニングテーブルは調理の作業スペースとしても使えるため、子供たちが料理を手伝ったり、趣味でお菓子を作ったりする方にとって使いやすいレイアウトです。
シンク、コンロ、冷蔵庫が理想的なワーク・トライアングルを形成していることにもご注目ください。
②Ⅱ型キッチンレイアウト
Ⅱ型キッチンとは、シンクとコンロを分けて2列にレイアウトしたキッチンのことです。「セパレートキッチン」とも呼ばれます。
一般に、壁側にコンロのあるカウンターを、リビング・ダイニング側にシンクのあるカウンターを配置します。独立したシンクカウンターはアイランドキッチンのようにおしゃれな雰囲気です。コンロと分離されているため、シンク周りが油で汚れることがありません。調理スペースと収納が多いのも特徴です。
おすすめの実例
こちらのⅡ型キッチンは、シンク・コンロ・冷蔵庫が理想的なワーク・トライアングルを形成しているおすすめのレイアウトです。冷蔵庫、シンク、コンロが、それぞれ2、3歩で移動できる距離に位置していることに着目してください。
使いやすいキッチンにするコツは、コンロとシンクの位置を90cm以内に近づけることです。また、シンク・コンロ間の食材移動で床が汚れやすいので、マットを敷くか掃除のしやすい床材を選びましょう。
③L型キッチンレイアウト
L型キッチンは、作業スペースと収納が充実しており、冷蔵庫とのワーク・トライアングルも作りやすいため人気の高いレイアウトです。コーナー部分がデッドスペースになりがちなので、家電を置くなどうまく活用しましょう。
L字が2面とも壁付けになるレイアウトと、一面だけを壁付けにしてもう一面を対面式カウンターにするレイアウトがあります。シンクとコンロを離れた位置におけるため、家事分担の際も便利です。
おすすめの実例
L型キッチンの一面を、対面式カウンターにしたレイアウトです。こちらの事例ではコンパクトサイズのL型キッチンを採用しているため、冷蔵庫・コンロ・シンクの位置が近く、作業効率のよいレイアウトとなっています。
コーナーにはあえて何も置かないのがすっきりと見せるコツで、ワークトップの作業スペースも広くなります。ダイニングテーブルをカウンターと平行に配置してしているため、食卓への料理の移動に時間がかかりません。
④U型キッチンレイアウト
U型キッチンレイアウトでは、コンロ・シンク・作業台がアルファベットのUの字に配置されます。このレイアウトは理想的なワーク・トライアングルを作りやすく、効率的な家事動線が実現できるのが魅力です。間取りや好みに合わせて、数種類の配置パターンがあります。
全面を壁付けにするより、U字の一部を対面カウンターにするレイアウトが人気です。カウンターサイズを大きくすれば、ダイニングテーブルとしても使えます。
おすすめの実例
U型キッチンの一面を、対面式カウンターテーブルにした事例です。ワークトップが広いため下には食器や調理器具を、上には家電を置くことができ、収納に困りません。冷蔵庫・シンク・コンロが適切な位置関係にあるため、空間が広いわりに無駄な動きがなく、キッチンでの作業効率がアップします。
食事を摂る家族とのコミュニケーションもとりやすく、会話がはずむことでしょう。料理に携わる人が孤独にならないレイアウトです。
⑤アイランド型キッチンレイアウト
アイランド型キッチンのアイランドとは「島」という意味で、離れ小島のように四方がオープンになっている独立型キッチンのことです。四方に通路スペースを設けるため、広いスペースが必要になります。そのため、多人数での利用が想定される料理教室を主催する方などに人気のあるキッチンレイアウトです。
生活感のない「見せるキッチン」としてのおしゃれな外観や、ダイニング空間とコミュニケーションがとりやすいのも魅力ですね。
おすすめの実例
アイランドの良さを生かし、シンク・作業台の周りに広い空間を確保したレイアウト実例です。開放感があり、リビングやダイニングの様子も一望できるため、家族とコミュニケーションをとりながら楽しく料理する姿が想像できます。
親子で調理したり、カウンターテーブルに出来上がった料理を並べたりと、家族間のコミュニケーションが増えそうですね。シンク・コンロ・冷蔵庫の位置が、理想的なワーク・トライアングルになっています。
⑥ペニンシュラ型キッチンレイアウト
ペニンシュラ型キッチンのペニンシュラとは「半島」という意味です。アイランドキッチンは四方がオープンになっているのに対し、ペニンシュラのキッチンレイアウトは一方を壁につけた形になります。対面式であることが特徴で、コミュニケーションをとりやすいおすすめのキッチンレイアウトです。
間取りの都合上、四方にスペースをとるアイランドキッチンをあきらめることになった方は、一度ペニンシュラを検討してみてください。
おすすめの実例
美しいペニンシュラ型キッチンレイアウトのおすすめ事例をご紹介しましょう。このレイアウトのおすすめポイントは、生活感の出る冷蔵庫が見えない場所に隠されている点です。一見、どこか分かりませんが、実はコンロの左隣り、壁の向こう側に設置されています。
使いやすい家事動線は確保しつつ、リビング・ダイニング側からはおしゃれに見せる、こだわりのキッチンレイアウトです。
まとめ
効率的で使いやすいキッチンレイアウトを実現するには、自分たちの暮らしをよく見つめ直すことが大切です。この記事でご紹介している6種類のキッチンレイアウトと実例には、それぞれの魅力とメリットがあります。
ダイニングとのつながりが欲しい、子供と一緒に料理したい、など、叶えたい願いを明確にするのが成功のコツです。6種類のレイアウト事例をご参考に、あなたの理想を叶えるキッチンをぜひ見つけてください。
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出典:https://unsplash.com