優雅な花を咲かせる「シコンノボタン」
シコンノボタンの育て方は?
「シコンノボタン(紫紺野牡丹)」は、可愛らしく、優雅な花を咲かせる草花です。開花期には1日で枯れてしまいますが、上手に生育すると次々と新しい花を咲かせてくれます。
当記事では「シコンノボタン」の育て方を鉢植え・地植えに分けて紹介し、初心者にわかりずらい栽培のポイントを4つに分けて解説します!上手な育て方を覚えて、鉢植えやガーデニングで「シコンノボタン」を育ててみましょう!
「シコンノボタン」育て方の4つのポイント!
シコンノボタンとは?
シコンノボタンとは、ノボタン科シコンノボタン属に分類される、常緑低木および熱帯草花です。和名を、「紫紺野牡丹」といいます。5枚の花びらの中心には、たくさんのおしべが突いており、花期には上品で鮮やかな紫色の花を咲かせます。
1つの花が1日で散ってしまう「一日草」ですが、続々と咲く華やかな姿を楽しめます。病気や害虫にも強く、初心者にも育てやすい草花です。育て方のポイントや注意点を解説しますので、栽培前に覚えておきましょう!
原産地や花言葉
シコンノボタンの原産国は、ブラジルです。そもそもノボタン科は、中南米の熱帯地域を原産としており、日当たりの良い場所を好みます。熱帯原産ですが、日本でも霜が降りない地域では、通年戸外で栽培可能な草花です。
また、シコンノボタンにはいくつかの花言葉が存在します。花びらが、リラックスできる紫色という点から、「平静」の花言葉が。他にも「謙虚な輝き」や「ひたむきな愛情」などがあります。大切な人への贈り物にもピッタリの草花です。
シコンノボタンの品種
シコンノボタンの一般的な品種は、「コート・ダジュール」です。夏〜秋にかけて花期を迎え、花や草が比較的コンパクトという特徴があります。
また、「グランディフォリア」は、シコンノボタンの中では大きな花を咲かせ、先端に花をつける「穂咲き」となるので、見た目にもインパクトがあります。さらに、「リトルエンジェル」は開花期に花やおしべの色が変わることで、変化に富んだ姿を楽しませてくれます。
シコンノボタン:鉢植えでの育て方は?
シコンノボタンは、基本的に日当たりのよい場所と、たっぷりの水を好みます。耐暑・耐寒性にはやや弱く、厳しい暑さや霜を嫌うので、鉢植えで育てる場合には、各季節ごとに置き場所を移動させながら育てましょう。
植え付け時期は開花期前にあたる4月〜6月頃が好ましく、水や肥料をしっかり与えることが大切です。鉢植えにする場合は、苗よりも大きめのサイズの鉢を準備しましょう。
シコンノボタンの栽培環境
シコンノボタンを鉢植えで育てる場合には、まず苗よりも1回り程大きな鉢を選びましょう。育苗ポットから植え替える際には、苗を崩さないように根だけを軽くほぐし、土の中に埋めてください。
栽培環境は、日当たりのよい場所を選びます。耐暑性があまり強くなく、真夏の直射日光を嫌うので、西日が当たらないところが最適です。冬には霜がつかないように注意し、見つけたら拭き取っておきましょう。病気やカビを事前に予防できます。
シコンノボタンの用土
シコンノボタンが好む用土は、水はけのよい弱酸性です。「赤玉土(小粒):鹿沼土:腐葉土=4:3:4」の配合土がおすすめ。鹿沼土の代わりに、ピートモスを2割程度混ぜてもよいでしょう。
いずれも用土の水はけをよくする働きがあります。鉢底には軽石を敷き、土は3分の1程度を入れれば十分です。植え付け後水はけが悪そうな場合には、さらにピートモスや腐葉土を加えて調整すれば問題ありません。また、腐葉土は鶏糞でも代用できます。
シコンノボタンの肥料
シコンノボタンは、肥料が切れると、生長や花つきが悪くなるので注意が必要です。特に、春〜秋にかけての生育期には、肥料を多めに与えましょう。置き肥は月に1回程度、液体肥料は10日前後に1回施します。
置き肥は、錠剤や粒状タイプのものが売られていますので、自分自身が使いやすいものを選ぶとよいでしょう。ネットショップや生花店・ホームセンターでも簡単に購入できますよ。
シコンノボタンの水やり
シコンノボタンは、水を好む草花ですので、乾燥に注意が必要です。夏場は、土の表面が乾き切る前には水やりをしましょう。水やりの際は、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えてください。
冬場は、鉢の土が乾かないよう、日頃から観察を欠かさないようにしましょう。霜がつくようであれば、こまめに拭き取ってあげることも元気に育てるポイントです。
シコンノボタン:地植えでの育て方は?
シコンノボタンは、関東以南の地域であれば、戸外でも冬越しが可能です。しかし、霜が降りる地域の場合は、掘り上げ、栽培場所を移す必要があります。「掘り上げ」とは、花が咲き終わったあとに、根から草花を土から掘り上げることを指します。
土や根を取り払い、日陰で乾かしておきましょう。シコンノボタンを地植えで栽培する際のポイントは、「季節ごとの対処」です。ここでは地植えにする際の手順や注意点を解説します。
シコンノボタンの栽培環境
シコンノボタンは、前述したとおり日当たりを好みます。夏の直射日光を避けながら日当たりを取れる場所へ植え付けましょう。半日は日当たりの取れる「半日陰」で育てられる場所を確保できれば最適です。
植え付けの時期は、4月〜6月が適しています。株が大きくなるまでは、支柱と麻ひもで支え、風が吹いても耐えられるように工夫しましょう。また、冬場に葉が落ちるようであれば、ビニールなどで防寒対策しておくことも重要です。
シコンノボタンの用土
シコンノボタンを地植えで育てるには、用土が重要です。水はけがよいだけでなく、有機物が豊富な土を準備して苗を植え付けてあげましょう。
何もしていない花壇の用土よりも、赤玉土を主として、腐葉土やピートモスを混ぜ込み、水捌けが良い用土作りを心がけると最適です。植え付け場所の水はけが悪いようであれば、さらに、腐葉土を追加して混ぜ込んでおくようにしてください。
シコンノボタンの肥料
地植えの場合でも、シコンノボタンには定期的に肥料を与えましょう。春には置き肥を1回、夏には液体肥料が適しています。置き肥をする際には、根に直接当たらないよう注意し、周りに円を描くように施します。肥料を直接、根に当ててしまうと生育不良の原因に。また、夏の暑い時期には、1週間に1回程度、水やり代わりに薄めた液体肥料を与えるとよいでしょう。
シコンノボタンの水やり
シコンノボタンは、地植えであれば、日常的な水やりは不要です。しかし、水切れには注意が必要となるため、シコンノボタンや用土の乾き具合などの様子を見ながら、土が乾燥しきらないようにこまめに世話をしましょう。
『水やりは間違っていないはずなのに、花つきが悪い』または、『茎が伸びすぎている』という場合には、「切り戻し」をします。茎の3分の1を残して切り取りますが、切り戻し過ぎると生育を阻害してしまいますので、注意しましょう。
シコンノボタンを上手に育てる4ポイント
シコンノボタンをせっかく栽培するなら、元気に育てたいですよね。そのためには、水やりや環境改善に加えて、剪定時期や植え替え頻度、害虫対策などポイントを押さえておく必要があります。
毎日の栽培管理を怠ると、『花が咲かない』『育たない』などのトラブルにも繋がる可能性も。日頃の管理をこまめにポイントを押さえて行えば、難しいことではありません。上手に育てるポイントを4つご紹介しますので、参考にしながらシコンノボタンを育ててみてください!
シコンノボタンを上手に育てるポイント1:剪定の時期
シコンノボタンを上手に育てるためには、まず、剪定の時期が重要になります。適切な時期は、花芽がつく前の4月中です。それ以降に剪定すると花芽が元気に育たなくなりますので、時期を守って行いましょう。
さらに、花が一通り咲き終わった後にも、剪定をしてみてください。その際には、2節ほど残しておきます。新しい脇芽から二番花を咲かせられるかもしれません。
シコンノボタンを上手に育てるポイント2:植え替えの頻度
シコンノボタンには、「生育が早い」という特徴があります。そのため、ずっと同じ鉢植えで育てていると、根が伸びて窮屈になってしまう「根詰まり」を起こします。元気に育つよう、定期的な植え替えを行いましょう。
植え替えに最適なタイミングは1年に1度、開花期前の4月〜6月に行うようにしてください。植え替えの際には、大きめの鉢に変えるだけでなく、弱い根や変色している部分も切り取っておくと安心です。
シコンノボタンを上手に育てるポイント3:増やし方
シコンノボタンは、挿し木で増やすことが可能です。増やし方は簡単で、元気な勢いのある枝を先端10cmほどでカットし、日陰で乾かします。その後、新しい鹿沼土など水はけのよい用土を満たした鉢に植え付ければ、挿し木の手順は完了です。
水を切らさないように管理すれば約1ヶ月で根が生えてきます。発根すればここまで解説してきた育て方と同じように管理しましょう。植え付け後は肥料、用土を調整して元気な苗をたくさん育ててみてください。
シコンノボタンを上手に育てるポイント4:アブラムシ
シコンノボタンは、基本的に病気や害虫に強い草花です。しかし、枝先へアブラムシがつくことがあるので、注意しましょう。アブラムシを発見したら、放置せず、すぐに薬剤で駆除してください。
アブラムシは葉の裏に潜んでいることが多いので、水やりの際に葉の裏も観察しておきましょう。害虫は病気をもたらしたり、食害を引き起こしたりと草花の天敵。害虫予防も、シコンノボタンを元気に育てる重要なポイントです。
シコンノボタンをたくさん咲かせよう!
シコンノボタンは、上手に育てると開花期の夏から秋の間、鮮やかな紫色の花を次々と咲かせてくれます。鉢植えにする際はコンパクトに育てるように上手な剪定や切り戻しを心がけてください。
地植えにする場合も、樹形が乱れないように定期的な剪定をしてあげると、害虫や加湿状態を予防できますよ。また、挿し木で栽培数を増やせるので、株の育ち具合を観察しながら挑戦してみてください。上手な育て方を覚えて、庭やテラスでシコンノボタンを栽培してみましょう!
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