サルココッカは強健で初心者向きな植物
サルココッカは、日本ではあまり馴染みのない植物ではないでしょうか。ガーデニングを初めて日が浅い人には耳慣れないかもしれません。観葉植物と勘違いされやすいツゲ科の植物です。
サルココッカは寒さや日陰に対する強さに優れており成長も遅いため、日本の住宅事情とも相性がとてもよいのです。芳香植物としての用途が多く、はちみつに似た香りが特徴で、花よりも先にその心地よい香りに魅了される人も少なくありません。
サルココッカの育て方は難しくない
育成難易度はそれほど高くない花ですが、上手に育てるためのポイントを理解するのが大切です。この記事ではサルココッカの基礎知識や、具体的な育て方、害虫対策まで分かりやすく紹介していきます。ぜひサルココッカの特徴や育て方を学び、心地よい香りを楽しんでください。
サルココッカの種類や特徴について
サルココッカは南米中部やヒマラヤ、東南アジアを主な原産地としたツゲ科の常緑植物です。ギリシャ語で「肉質の液果」という意味を持ち、手間いらずで強健な性質をもっています。庭木のほか、道路脇や公園の街路樹としても採用されている植物です。
サルココッカは「コンフサ」と「フミリス」が主な品種
日本国内での一般流通は不定期で、流通量もさほど多くはありません。購入を検討している人は、お店に一度問い合わせてみた方が無難です。国内で流通している種類は「コンフサ」と「フミリス」が一般的で、実や葉の形が若干異なるのみで性質は似ています。
サルココッカは病害虫による被害も少ない
「コンフサ」と「フミリス」は両方とも樹高0.3〜2mほどまで成長します。葉は最大4cmほどの楕円形で光沢のある凛々しい見た目です。花期は冬で秋に結実しますので、その間は観葉植物として楽しめます。害虫や病気も少なく日陰から半日陰でも育てやすい植物がサルココッカです。
サルココッカの育て方5つのポイント
サルココッカの種類や特徴を理解していただいたところで、次は具体的な育て方のポイントをみてみましょう。これまで述べてきた通り、サルココッカは日本の気候や住宅条件でもとても育てやすい植物です。以下に5つのポイントをまとめましたので順に解説します。
サルココッカの育て方5つのポイント
- 耐陰性と耐寒性
- 水やりや肥料
- 花期とお手入れ
- 増やし方
- 注意すべき害虫
サルココッカの耐陰性と耐寒性
サルココッカは耐陰性が強い植物です。樹高のある木や建物の陰になってしまっても問題ありません。むしろ少し暗い場所が適しています。したがって日陰や半日陰の場所を選んで栽培するのがポイント。直射日光に注意すれば時期による移動の手間が省けるため、鉢植え地植え両方可能です。
耐寒性も非常に強く-3℃まで耐えられます。東北や北海道など寒い地域でも栽培可能な点も優れており、向き不向きが少ない植物といえるでしょう。
サルココッカの肥料や水やり方法
苗木から植え付ける場合
種は一般的にはまだ流通していません。苗木や(初根させた)挿し木を購入し、鉢植えや地植えで栽培します。苗木から栽培する場合は水はけのよい状態を保つため、腐葉土と堆肥を混ぜ込んだ土を使用しましょう。痩せた土地に地植えする場合は周囲を覆ってくれる植物(グランドカバー)を植え、乾燥し過ぎないよう注意が必要です。
挿し木から植え付ける場合
挿し木で植え付ける場合は、しっかり根が張るまで支柱を立てて固定しましょう。サルココッカの成長は一般的な植物と比べると遅いので、苗木から育てる場合も支柱で固定することをおすすめします。根がしっかりと張るまでは強風や雨に十分注意してください。
水やりの頻度は?
痩せた土地にも強い性質があるため、少ない水やりでも成長します。鉢植えの場合、土の表面が乾いたらたっぷり水やりしましょう。表面が常に少し湿っている状態を保ってください。
地植え(庭植え)の場合は、自然降雨のみで水やりの心配はほとんどありません。晴れ続きで地面の乾燥が気になったときは水やりを行ってください。雨の少ない地域や頻繁に地面が干上がっているような場所ならグランドカバーなどの対策も検討しましょう。
肥料を与える頻度は?
サルココッカは、植え付け時に肥料を与えれば十分です。地植えの場合は暖効性の置き肥を使用してください。鉢植えの場合は前述した通り、植え付けのときに肥料を土に混ぜ込みましょう。
また植え付け以外の肥料は、サルココッカの株を大きく育てたいときのみ検討しましょう。サルココッカは樹高の低い植物で扱いやすさが魅力ですが、株をより大きく育てたい場合は、花期前の2月と結実前の9月を狙って肥料を与えるのが最適です。
サルココッカの花期とお手入れ
サルココッカの花期は2月で、白い小さな花を付けそのあと9月ごろに赤い小さな実を付けます。雌雄異株ですので実を付けるのは雌株のみですが、苗木の時点で雌雄の判断をつけるのは難しいでしょう。通常は雌株のみ流通しており、雌株だけで栽培しても実はなります。
お手入れの頻度は?
お手入れとしての剪定はあまり頻繁に行う必要はありません。樹形の乱れを整えたいときや、害虫対策として時どき込み入った枝や葉を刈り込みすれば問題ないでしょう。ただし育成途中で樹高が低い場合は株が弱ってしまう原因にもなりますので、刈り込みは控えてください。
サルココッカの増やし方
サルココッカを増やしたい場合は、挿し木か株分けで行います。挿し木に使う枝の剪定は4月〜9月が適切です。剪定する場合はその年に生えた枝を選びますが新芽は残しておきましょう。枝の水分が蒸発しないよう、葉は数枚残して刈り込みしっかり行ってください。
剪定した枝を挿し木用の土に植え付けます。肥料は初根を遅らせる原因になりますので避けたほうが賢明です。水はけがよく細菌や病原菌のいない新しい土を使いましょう。
株分けの場合
株分けから増やす場合は根を傷めないように慎重に掘り起こし、親株から離します。十分にスペースを確保し、元の土を使って植え付けましょう。子株は細かく分け過ぎてしまうと弱って成長しない可能性があるので注意が必要です。
サルココッカの注意すべき害虫について
サルココッカの栽培で注意したいのは「ハマキムシ」という病害虫です。ハマキムシは葉っぱを巻いて住処を作り内側から葉を食べてしまいます。サルココッカの場合、肉厚な葉を数枚重ねで使い、隠れているときもあるのです。
ハマキムシはたくさんの種類が存在しますが、多くの場合、年4、5回程度発生します。巻いた葉の中で生息する害虫で薬剤も効きにくいですので、違和感のある葉を見つけたら刈り込みなどで直接駆除しましょう。
サルココッカの心地よい香りを楽しもう
サルココッカは光沢のある綺麗な葉と心地よい香りを楽しめる植物です。日陰や半日陰でも栽培しやすく手入れも簡単なため、ガーデニング初心者にもおすすめでしょう。強健な植物ですので挿し木や株分けにチャレンジしてみるのもおすすめではないでしょうか。上手く栽培できたら、切り花にして観賞用やプレゼントにしても最適な植物です。
サルココッカが気になる方はこちらをチェック!
日陰や半日陰でも育てやすい植物はサルココッカ以外にもたくさん種類があります。「ポトス」や「テーブルやし」「モンステラ」などが、屋内の観葉植物として有名です。耐陰性の高い植物のランキングも行っていますのでぜひ御覧ください。
また、寒い地方に住んでいる人は耐寒性も気になるでしょう。耐寒性の高い植物でおすすめはシンフォリカルポスです。開花から結実まで長期間楽しめる初心者でも育てやすい植物になります。

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出典元:unsplash.com