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黄金色の葉が美しいゴールドクレストの育て方講座!元気に保つコツは土作りと温度!

黄金色の葉とスラッとした円錐形の樹形が美しいゴールドクレストは、日本で一番人気があるコニファーといえます。しかし高温多湿地と寒冷地がある日本での地植え栽培は難しく、鉢植がおすすめされているのです。寄せ植えにもよいゴールドクレストの育て方についてご紹介します。
2021年5月14日
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目次

ゴールドクレストは鉢植えがおすすめ

出典:photo-ac.com

ゴールドクレストは、北アメリカ西海岸カリフォルニアのモントレー地方で自生する「モントレーイトスギ」を、園芸用に品種化したコニファー(常緑針葉樹)です。

まとまりのよい美しいシルエット、針葉樹にしては輝くような明るさ、山椒の実のような香りが特長です。反面、日本で地植えすると枯れてしまいやすいなど、栽培しにくい点も指摘されています。鉢植えで楽しむのがおすすめな理由、鉢植えでの育て方についてまとめましたのでご参考になってください。(この記事は2021年5月10日時点の情報です)

花を咲かせることもある!

出典:photo-ac.com

ゴールドクレストを上手に育てられると花を咲かせることがあります。緑がかった白で、金平糖のような可愛い形をした肉厚の小さな花です。

ゴールドクレストを丈夫に育てられ、花にも出合えたら幸せですよね。ゴールドクレストを寄せ植えにするのも素敵です。ぜひ頑張って栽培してみましょう。

ゴールドクレストの基本情報と特徴

ゴールドクレストの基本情報

原産地 北米カルフォルニア・メキシコ
葉の観賞適期 四季を通して
生育適温 15~25℃
耐寒温度 0℃
学名 Cupressus macrocarpa‘Goldcrest’
科名 ヒノキ科
属名 イトスギ科
英名 Monterey cypress
和名 モントレーイトスギ、モントレーサイプレス

ゴールドクレストの原種であるヒノキ科イトスギ属イトスギは、英名はサイプレス、または西洋檜(セイヨウヒノキ)ともいい、日本には自生していない樹種です。

イトスギの原産地であるカルフォルニアの気候は、夏場は霧の発生が多いことから湿潤で、冬は温暖という特徴があります。南北に長い日本の気候は、高温多湿な本州と寒冷地の北海道などとさまざま。湿気嫌いで耐寒温度もそれほど低くないゴールドクレストは、地植えがおすすめされていない理由がわかります。

イトスギの園芸品種は他にもある!

イトスギの園芸品種であるコニファーはゴールドクレスト以外にもあります。代表的な品種は、黄緑色の淡い斑が入る「ゴールドクレスト・ハッピー」、黄白色をした葉の全体に斑が入る「ゴールドクレスト・クイーン」など。

樹形が細身で冬にだいだい色になる「スリムゴールド」、生育は遅めで冬に黄白色になる「オーレア」などがあります。耐寒温度はそれほど低くないなど、基本的にゴールドクレストと同じです。

ゴールドクレストの長所と短所

出典:photo-ac.com

ゴールドクレストの特徴は、「成長が早くて最大の高さが20メートルになるので、剪定の必要がある」「耐暑性は強いが蒸れには弱いので、病害虫が発生しやすい」「細くて密な枝は美しいが、積雪で折れやすく耐寒温度も低くない」「根が浅いので地植えすると強風で倒れやすい」などが挙げられます。

ゴールドクレストは、長所と短所が背中合わせの特徴が多くあるといえそうですね。以上の点を念頭にして、ゴールドクレストの育て方について細かくチェックしていきましょう。

「夏越し」と「冬越し」の温度管理が肝心!


ゴールドクレストの育て方で一番大切なポイントが夏越しと冬越しの「温度管理」です。ゴールドクレストは蒸れに弱い性質となります。梅雨時期の蒸れ防止のために、風通しを良くする剪定が必要です。寒さに関しては比較的強く、霜や雪から受ける影響は多くないですが、それでも耐寒温度0℃が限界です。

黄金色を維持するためには、湿気を避けて夏も冬も日当たりのよい場所に置き、たっぷり日光浴をさせてください。耐暑性はあるので、直射日光や西日も大丈夫とされています。

ゴールドクレストの育て方

①苗木の選び方

ゴールドクレストの苗木は、ホームセンターや園芸店などで簡単に入手できますが、苗には良し悪しがあるので吟味して購入しましょう。おすすめの状態は、「株元の根がしっかり張っている」「葉の黄緑色が濃い」「葉が密に茂っている」などです。

周りにある苗木と見比べて健康で元気そうな、より良い状態のゴールドクレストの苗木を選んでください。よい苗を選ぶ自信がなければ、お店のスタッフさんに元気な苗を選んでもらうのもおすすめです。

ゴールドクレストの悪い苗木の例

買わないほうがよい苗木は、「株元の下葉が茶色く変色している」「葉が白く乾き気味で、触ると落ちる」などで、これらのゴールドクレストは元気が失われています。

また「葉と他の葉の間が間延びしている」「丈がひょろひょろと伸びて弱々しい」ゴールドクレストは、"徒長"をしており、日当たりや栄養の不足が原因です。成長しない可能性が高いので購入は控えましょう。

②土作り

Photo byFree-Photos

コニファーを丈夫に育てるためには土作りが大切です。ゴールドクレストが好む土質は「水はけ」と「水持ち」のよいものです。市販品の新しい観葉植物用の培養土の他に、コニファー用や庭木用などもよいでしょう。

市販品の水はけが悪いときは、砂とパーライトを加えることで解消されるはずです。自分で土作りをするときは、赤玉土・腐葉土・パーライトを6:3:1の割合でブレンドして使ってください。

土作りの注意点

「水はけ」と「水持ち」は土質だけではなく、温度や風通しなどゴールドクレストが置かれている環境にも影響されます。「乾きにくい場所では水はけが悪い」ことがあります。反対に、「乾きやすい場所では水持ちが悪い」のです。

土質だけに頼るのではなく、地植えも鉢植えも、常にゴールドクレストの温度や風通しなどの環境に注意してください。

庭植えする場合の土作りと方法

一般的にゴールドクレストは鉢植えがおすすめされていますが、地植えする方法もご紹介します。

苗木の1~2倍ほどの穴をスコップで堀り、腐葉土とたい肥を掘り出した土に混ぜてからゴールドクレストの苗を入れて埋め戻します。元々水はけの悪い土質の場合は、腐葉土を多めに入れておくことで改善されます。

植え替えするときの土作り

植え替えするときの土作りの注意点は、必ず新しい培養土を使うことです。違う植物を育てていた古い土は、植物の生育を助ける"団地構造"(大小の粒が混ざり合った適度な隙間があること)がないため、水はけが悪くなります。

古い土は病害虫が発生するリスクも高いのです。ゴールドクレストの土作りのポイントは「水はけ」「水持ち」の他に、「新しい土」となります。

③水やり


Photo byMonikas_Wunderwelt

鉢植えしたゴールドクレストの水やりは、土の表面が乾燥したらたっぷり与えてください。水やりの時間帯は朝、遅くても気温が高くなるお昼までには済ませておきましょう。浅根性で乾燥に弱いため、適切に水やりをする必要があります。

休眠期の冬の表土は乾燥気味にし、根腐れしないようにします。暖房などで室内が乾燥しすぎると、葉が茶色く変わったり白くなって落ちたりすることも。予防のために霧吹きを使う葉水で瑞々しい状態を保ちましょう。

④肥料の与え方

Photo by つくる暮らし

ゴールドクレストは肥料が多すぎると肥料焼けを起こしてしまうため、肥料の量や回数を過剰にしないことがポイントです。与える時期は生育期の3月と6月頃で、緩効性肥料を1回ずつ株元に与えるだけで問題ありません。

庭植えの場合も、生育期の3月と6月に緩効性肥料を施すだけで大丈夫です。肥料の種類によって使用方法が異なるため、説明書を読んでから肥料を与えるようにします。

⑤植え替えの時期・方法

Photo bywalkersalmanac

ゴールドクレストは植え替えには弱い植物となります。粗い根で張りも浅いため、植え替えはほとんど上手にできません。庭植えの場合は、事前に植える場所を吟味してからにしましょう。

鉢植えの場合は、鉢から根がはみ出ている場合は根詰まりを起こすため、植え替えをしなくてはいけません。ゴールドクレストを植え替えするのによい時期は、春の3~4月か、秋の9~10月ころになります。

植え替えの方法

ゴールドクレストの鉢はひと回り大きめのものにします。大切なポイントは、必要以上に根に触らないようにすることです。古い株を鉢から抜き、根鉢からこぼれる古い土は落とします。枯れた根を取り除く以外は触らないでおきましょう。

鉢に、鉢底ネットと鉢底石を敷いてから培養土を入れ、鉢の中央部分に株を置きます。鉢の縁から1センチメートルほど下まで土を入れて株を安定させてください。仕上げに水やりを鉢底から流れ出るくらいに与えて完了です。

⑥剪定の時期・方法

Photo byartursfoto

ゴールドクレストの枝は、放置したままでも円錐形の樹形が自然に整う性質を持っています。しかしあまり大きくしたくない場合や日照条件で形がアンバランスになるなど、剪定が必要なことも出てくるものです。

ゴールドクレストの剪定は、「芯止め(摘心)」、伸び過ぎた枝を整える「切り戻し」、全体的に摘んだり刈り込んだりする作業があります。剪定時期のおすすめは3~6月で、乾燥した日を選んでください。9~10月も樹形を整えるのにおすすめです。

⑦増やし方

ゴールドクレストを増やすときは、剪定で整理した枝を使いましょう。増やし方はいくつかの手順がありますが、難しくないのでぜひ挑戦してみてください。増やすのにおすすめの時期は暖かい4~6月です。

10センチメートルほどの元気な枝を挿し穂に使いますが、下半分の葉は取り除いてください。容器に水と挿し穂を入れて1~2時間ほど水揚げし、挿し木の用土は事前に湿らせておきましょう。用土には、挿し穂を挿すための穴を細い棒で開けて置きます。

挿し穂の挿し方


挿し穂が傷つかないように、丁寧に用土に挿してから用土を静かに寄せてください。発根するまで1ヶ月ほどかかりますが、乾燥させないように直射日光を当てず半日陰に置きます。

ポイントは、活着がよくないので多めの挿し穂を準備することです。発根促進剤を利用してもよいでしょう。薬剤を挿し穂の切り口に付けてから用土に挿します。この方法の他に、切り口に水苔をまいて発根させる"水耕栽培"を行う人もいます。

ゴールドクレストの病気・害虫対策

ゴールドクレストの病気

ゴールドクレストで一番気になる病気は、葉が混み合うことで風通しが悪くなると発生する「樹脂銅枯れ病」です。他のゴールドクレストに伝染させてしまうため、見つけたらすぐに株を処分しなければいけません。

菌による「赤さび病」も要注意で、症状が出た部分を切り取って殺虫剤で処理しましょう。いずれの場合も風通しの悪さが原因と考えられるので蒸れない場所に鉢を移動し、剪定も適切にしてください。

ゴールドクレストの害虫

ゴールドクレストの害虫は、カイガラムシやアブラムシ、コガネムシにハダニ、シャクトリムシがあげられます。これら害虫の発生原因は空気の乾燥にあるため、霧吹きで葉水を施してください。

注意点は、葉に水やりをし過ぎないようにすることです。害虫が発生したら捕まえて処分するか、殺虫剤を使用します。病気と害虫の発生を抑えるために、毎日ゴールドクレストを観察してあげましょう。

ゴールドクレストは寄せ植えにしても楽しい!

出典:photo-ac.com

光の加減では黄金色にも見えるゴールドクレストはガーデニングでは欠かせませんが、湿気嫌いで耐寒温度があまり低くないという点があげられます。高温多湿で寒冷地もある日本での栽培は、地植えに関しては難しいといわれているのです。浅根性のため、台風などの強風で倒れやすいという点もあります。

おすすめの育て方は、寄せ植えにして季節の花々と共に楽しむ鉢植えです。いろいろ挑戦して美しいゴールドクレストの葉色と樹形を楽しみましょう。

他のコニファーが気になる人はこちらをチェック!

黄金色に輝くゴールドクレストもよいですが、他にも庭植えに適した数多くのコニファーがあります。いろいろチェックして自分好みのコニファーを見つけましょう!